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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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黒夢 4

続き&一旦終わりです♪

夕鈴と几鍔の結婚話に、黎翔が下町へやってきた!
そして黎翔の剣先は、几鍔へと向かい――――?!

――――――――――――――――――――――――


「――――いやっっ!!」

夕鈴は飛び上がった。

「はぁ…はぁ…―――え?ここは…」

夕鈴は辺りを見渡す。
そこはまだ夜の明けきらない、後宮の自分の部屋であった。

「―――夢…だったの…?」

動悸が収まらない。
息もまだ乱れてる。
震えも収まらない。
冷や汗が流れてる。
―――こんなにも恐怖を感じたのは、久しぶりだった。

「――――はぁ~……。なんつー夢を見るのよ…」

自分が几鍔と結婚なんて、死んでも御免だ。
冗談じゃない。
それに…―――もし本当にそうなったとしても、陛下が来る訳が無い。
あれは、夢だ。
笑えそうなくらい有り得ない、ただの夢。

「…それにしては、笑えない内容だったけどね…」

恐怖は本物だった…本当に怖かった。
今でも夢の時のように、心臓がバクバクしている。

借金が終わってバイトも終了して、下町に帰って来てみたら几鍔との結婚話がいつの間にか進んでいて、それを知った陛下が私を連れ戻しに来て…几鍔と浩大と対峙。
―――…うん。言葉にしてみて分かるけど、益々有り得ない。
それに、陛下が几鍔を殺そうとするなんて…そんなのないない。
陛下はそんなことしないわ。
優しい人だもの。
そっちは有り得ないけど…借金終了はいつか本当に来る未来。
借金が終われば、私は下町に帰る。

―――それは、いつか必ず来る正夢


**************

同時刻―――


「―――――ふぅ……」

嫌な夢を見た。
夕鈴が下町に帰ってしまう夢。
それだけならまだしも、幼馴染の金貸し君と結婚だなんて…

「―――これが正夢なら…私は…」

どうするのだろうか…
実際、夢の様な行動を取りかねない自分が居る事も、自覚している。
夕鈴を、自分の傍から手放すことは許さないだろう。
むしろ、夢の中の自分はよく下町に帰る事を了承した、と思ったくらいだ。
夕鈴が自分の元から居なくなるなんて、考えられない。
金貸し君を殺そうとした事は…さすがにやり過ぎだとは思うが。

「―――でも…本当にそうなった時…」

自分を止められるだろうか?
金貸し君が、夕鈴の隣に並ぶ。
金貸し君が、夕鈴の笑顔を独占する。
金貸し君が―――夕鈴を幸せにする…?

「―――無理だな」

そうなったら、確実に夢と同じ行動を取る自信がある。
夕鈴には悪いが…もう君を逃がすつもりは毛頭ない。
例え借金が終わっても、下町には帰さないだろう。
ましてや――他の誰かと結婚などとは。

――この夢を正夢にしないためにも、覚悟を決めないとな…


************

「――夕鈴」
「―――っ?!陛下っ?!」

朝。
黎翔はあの後眠ることなど出来なかったので、結局起きていた。
そして朝餉の時間に、夕鈴の部屋へと赴いたのだった。

「―――下がれ。朝餉は妃と摂る」
「畏まりました」

黎翔は侍女を下がらせる。
夕鈴と二人きりになった。

「――陛下?」
「――――偶にはゆっくりと、君と朝を摂ろうと思ってね」

仕事がある日の朝は、夕鈴と一緒に朝餉を摂る事は少ない。
だから予定になく突然一緒に朝餉を摂る事になって、侍女は慌てたことだろう。
だが黎翔としてはあのような夢を見たので、夕鈴の顔を見なくては仕事になりそうになかったのだ。

朝餉を食べるという時に黎翔が訪れて、夕鈴は慌てた。
―――何で陛下がっ!?
今日は一緒に朝餉を摂る予定では無かったはず。
…あんな夢を見てしまったから、陛下に会うのは…ちょっと気まずい。
つい、俯き気味になってしまう。

あんな夢を見た黎翔は夕鈴の顔を見たかったが、食事の最中、夕鈴はずっと俯いていた。
それに不満を募らせる黎翔だったが、俯いていた夕鈴はそれに気が付かない。



朝餉を食べ終え、侍女たちに片付けを指示する。

「あ…では、私はこれから老師の元へ行く準備を…」
「夕鈴」

侍女たちが片付けをしている中、寝室の方へ退こうとした夕鈴を黎翔が止める。
夕鈴は、未だ昨夜の夢の余韻が抜けておらず、黎翔の眼を見る事が出来ない。
つい、俯き加減になってしまう。

「――はい?」

しかしその夕鈴の様子に、黎翔は不満を感じる。

「…ちょっと良いか?老師の所に行く前に、話したい事がある」
「…―――何でしょうか…」

侍女たちがまだ部屋の中に居るので『む、無理ですっ!』と逃げる事も出来ない。
夕鈴は、半ば諦めたように黎翔を仰ぎ見る。

「――場所を変えよう」

黎翔は少し強引に夕鈴の手を取って歩き出す。
その様子に、昨夜の夢を彷彿させられた夕鈴は少し蒼褪めるものの、場所を思い出して妃の表情を心がけた。


**********

四阿に着く。
まだ朝方なので、この季節としては少し寒い。
ぶるっ…と肩を震わせて腕を摩っていると、ふわり…と後ろから抱き締められる。

「へ、陛下…!」
「こうすれば寒くないだろう?―――これなら、僕も気まずくないし」
「――え…?」

後半の言葉に、夕鈴は後ろを向こうとしたが、黎翔が顎を頭に乗せてきたのでそれも叶わない。

「――どうして陛下が気まずいんですか?」
「…」

仕方ないからこのままで聞こうとした夕鈴だが、黎翔からは何も返って来ない。

「―――陛下?」
「…」
「あの…」
「―――」
「…」

無言のままの黎翔に、ついに夕鈴もかける言葉が無くなるが、そうなってからやっと黎翔が口を開く。

「―――だって…夕鈴ずっと顔俯けたままだったし…」
「―――ッ!!そ、それは…」
「…僕、何かした?」

言えるわけがない。
とんでもない夢を見たこと…ましてやそれに、陛下が出てきた事などとは。
内容が内容なだけに、夕鈴は口にするのを躊躇う。
しかし、黎翔は夕鈴の答えを待たずに、話し続ける。

「―――嫌な夢を見たんだ」
「っ!?」

夕鈴が肩を揺らす。
その振動が伝わったのか、黎翔が夕鈴の頭から顎を退けた。

「――もしかして、夕鈴も?」
「―――…はい…」
「そうか…―――どんな夢を?」
「それは…」

顎が退かれた事で、夕鈴は頭を動かせるようになったので少し俯ける。
――言いたくないな…
言葉にすると、有り得ない事でも本当の事になりそうで…

「―――いや。言いたくなかったら言わなくて良いよ。…僕も言いたくないし」
「陛下…」

黎翔の言葉を聞いて、夕鈴は腕の中で体を反転させた。
黎翔と向き直る。

「―――陛下も、嫌な夢を見たんですね…」
「うん」
「…言いたくないほど、嫌な夢、だったんですね…?」
「…うん…」
「じゃあ、お互い、言わない事にしましょう」
「―――…うん」

黎翔は夕鈴をぎゅっ…と抱き締める。
夕鈴はそれに赤くなるも、いつもとは違う抱擁の感じがしたので、抵抗はしなかった。
…これは、不安な時に縋るようなもの。
嫌な夢を見た時、人の温もりを感じたくなる。
それと同じこと。
夕鈴自身も夢で精神的に不安定な気がしていたが、黎翔に包まれた事で一気に安心感が持てる。
目を瞑って、黎翔の体温を感じていた。

「―――…」

この時の夕鈴は、何を思ったか、黎翔の頭に手を持っていこうとした…――しかし。

「…っ、きゃっ?」
「―――こうした方が、なお温かい」

浮遊感の後、夕鈴は黎翔に抱き上げられた事を知る。
そのまま黎翔は、四阿の椅子へと足を進めた。
腰を降ろして、夕鈴を膝の上に乗せる。

「え…あのっ…」
「―――嫌な夢を見た時って、人の肌が恋しくなるよねぇ…」

私を膝の上に乗せたまま、再びぎゅーっと抱き締めてくる陛下。
その様子が、何だか子供みたいで…目まぐるしく変わる状況に少し焦っていた私は苦笑した。

「そうですね…」



夢は夢。
そうは思っていても、余りにも現実感があって、怖かった。
起きてからの現実でも、中々その怖さは消えてくれなくて。
陛下の顔を見るのが…少し怖かった。
でも実際に陛下を感じたことで、その不安も消えた。
陛下も嫌な夢を見た、と言っていたから『もしかして…同じ夢を?』と思わなくもないが、深くは聞かない事にした。
もしそうだったとしても、互いの心境の為には、聞かない方が良い。

――今は何より、この温かさを感じられれば…



―――夕鈴と黎翔の夢の内容が同じだった事は………誰も知る術は無い


――――――――――――――――――――――――

リク内容は

『夕鈴の借金が無事終わり、下町に帰って几鍔と結婚する話を聞いた陛下が、ブラックで物騒な事をしてでも止めるお話。最終的には夢おちだと平和でいいですね』

です♪
最初から夢オチということが分かっているので、思う存分、陛下には暴れてもらいました(当社比で)←(笑)

一応夢オチで平和なはずなんですが…あれ、何だか穏やかな雰囲気とは言い難い…(-_-;)
何でこうなったんでしょうね?←おい

見た夢が一緒とか…仲良しだな~(そんな問題か?)
同じ夢を見るなんて事、有り得ないですよねぇ(しみじみ

『黒夢』でした!
陛下が『黒』い『夢』ということで!


→黒夢おまけ「それぞれの黒夢」へ

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*Comment

NoTitle 

黒陛下ゴチ、でした^^

夢オチが平和的解決でいいですね~(*´∀`*)
これ実際してたら・・・陛下が一番悪者・・・・・(/ω\*)いや!
夕鈴も陛下も大好きだもの~~(T ^ T)

陛下・・・さっさと求婚しちゃいな←こればっか
  • posted by ママ 
  • URL 
  • 2013.12/19 21:38分 
  • [Edit]

ママ様へ 

お粗末様でしたm(__)m

いや~…夢オチなら、何をしても許されるかな、と(笑)
悪者?
何を当たり前のことを←おい

求婚…いつになるんでしょうねぇ…(笑)
  • posted by さき 
  • URL 
  • 2013.12/20 10:14分 
  • [Edit]

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