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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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それぞれの黒夢

こちらは『黒夢』の、ある種続きでございます♪

黒夢を見ていない方は、先にそちらを見ることをお勧めします♪

――――――――――――――――――――――――

【原作設定】
【捏造】


「―――…ちっ…――夢か」

几鍔は起き上がるとすぐに舌打ちをする。
やけにリアルな夢を見た。
生々しくて…実際に、思い出すと少し震える。
情けねぇ。
こんな程度で震えるとはな。

「…って、ただの夢だろうが」

几鍔は頭をガシガシと掻く。
今は夜明け前で、まだ誰も起きていない。
しかし、このまま二度寝をする気にもなれなかった。

「…ああっ……くそっ」

寝台から出て、欠伸をする。
裏の井戸でちゃっちゃと顔を洗うと、家を出る。
まだ、誰も歩いていない。
少し歩くと、丘の上に大きな樹が見える。
そこに腰かける。

「まさか…あの胡散臭い野郎が、よりによって『狼陛下』とか…笑えねぇ」

勿論、ただの夢である。
夢は夢だ、真実ではない。
実際はどっかのお役人なんだろうが、どうにもあの男から感じる胡散臭さが見せた夢なのかもしれない。
あんなにほわほわした奴が『狼陛下』なんて、天地が引っくり返っても有り得ねぇ。

「それに……あんなもてねー奴と俺が、結婚するわけねーだろーがよ」

夢と現実の齟齬を探して指摘する几鍔は、その顔が微妙にしんみりしていることに気が付かない。

「―――――いや、待て」

几鍔は“その”考えに及ぶ。

「―――あのばーさんなら、やりかねねぇ…」

一度、あいつとの結婚話が出た。
あの時、もっとも乗り気だったのは何を隠そうあのばーさんだ。
実際に夕鈴が仕事を終えて下町に戻ってきた時には、夢と同じ対応をしないと断言できない。

「………」

―――今のうちに釘を刺しておくか。

あいつとは結婚しない。
少なくとも、俺からは何も言わない。
周りがお膳立てしようが、囃し立てられようが、本人の気持ちを無視したような結婚には、断固反対だ。
あいつの為にもならねぇ。

几鍔はようやく重い腰を上げ、町へと戻る。
――自分の祖母に釘を刺すために…


**************

「――っ」

はっ…と、目を開ける。
声は立てない。
それは仕事で身に着いた癖みたいなものだ。

それにしても、夢とは珍しい。
いつもなら、夢も見ないですっきりと目を覚ますのに、今日は何故か夢を見た。
しかも、陛下に歯向かうとか…有り得ない。

「――というか、うたた寝してたのか…」

辺りは暗く、いつもは警護に集中している時刻。
どうやら、そんな中眠ってしまったらしい。
隠密失格だナ。
まあ、何も無かったみたいだし、結果オーライか。
次はこんな失敗はしない。
浩大は心に固く誓う。

「―――それにしても、変な夢だったナ~」

陛下がお妃ちゃんを手放すとか、下町の眼帯の幼馴染とお妃ちゃんが結婚するという話が出るとか、それに陛下が怒って幼馴染クンを殺そうとするとか、それを庇って俺が陛下に武器を向けるとか…

「…有り得ねぇ…」

特に、最後は有り得ない。
俺が……―――陛下の道具の俺が、陛下に武器を向ける事は、絶対に有り得ない。
例え陛下が幼馴染クンを殺そうとしても、それを黙って見ているか、俺が先に殺す。
それか、お妃ちゃんが泣き喚いても、陛下の元に帰す。

「―――俺は、陛下の道具だかんナ…」

浩大の呟きは、誰にも聞かれる事はなかった。


******************

「―――ふぅ……」

起き上がると同時に、頭を押さえる。
妙な夢を見た。
バイト娘が借金を終え、一旦返すもそれを陛下が追いかけるという夢だ。
自分が出てきたのは最初だけなのに、何故かその後も上から見ているように感じた。
自分の居ない所で勝手に話が進んでいて、見ていてイライラしたものだ。

「……ま、所詮夢ですが」

李順は右手を顔に持って来る…が、そこにいつもあるものがない。
それは、いつも寝る時には外しているので、無くて当然なのだが。
寝台から降りて、寝台脇の卓から眼鏡を取り、身に着ける。
顔を洗い、髪の毛を縛る。
これで、すっきりしない気持ちも幾分和らいだ。

自室の仕事机の上にある、書類を手に取る。
夢は夢だと分かっていても、内容が内容なだけに、やはり落ち着かないものだ。
それに実際、陛下の最近の様子を見ていると、有り得ない事だとも言えなくなってきた。
さすがに刃傷沙汰にはならないだろうが。
浩大のあの動きも、現実的には有り得ない。
あの隠密は、陛下の為なら人殺しも厭わない。
例え、戦う術を持たない庶民相手だろうと。
これまで仲良くしてきた、お気に入りの庶民娘だろうと。
陛下のご命令とあらば、顔を変えずに殺すだろう。
――勿論、陛下のお気に沿わなければ、国王の側近だろうとも。

ふぅ…とメガネを掛け直し、李順は窓辺に寄る。
まだ日は昇っておらず、外は暗い。
窓の近くの灯りを灯し、近くの椅子に座る。

―――李順には気に掛かっている事が、一つある。
小さく呟く。

「―――あの夢に、一つだけ真実があるのは……偶然でしょうか」

李順は手に取った書類を見る。
そこには、夕鈴の借金の明細が書かれていた。
その金額は、もうそんなに多くはない。
いずれ先ほどの夢のように、彼女がここを去る日が来るだろう。
―――しかし、あの陛下がすんなり帰すのだろうか?

「―――はぁ…」

李順は溜息を吐く。
というより、溜息を吐くしかない。

「最終的には…―――なるようにしかなりませんね…」


暫く考え込んでいた国王の優秀な側近は、珍しく思考を放棄したのであった。

―――夢の様な展開だけは、ならない事を祈って

――――――――――――――――――――――――

やっぱり兄貴は男前!
アニキの方が動く時は、よほどの事が無い限り有り得ないと私は思っています(^_^)
大体、周りが先に動いてその収集に当たりそうwww

浩大は、絶対夢のようには動かないですねぇ。
だって、陛下の『道具』だし。
本人もそう言っているし。

李順さん…お疲れ様です⁽⁽∪\( ̄| ̄)チーン←それしか言う事無いんかいっ!!


てなわけで。
黒夢はこれで一応…終わりです♪


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