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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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心の距離

皆様お早うございますm(__)m

こちらはパラレルの「再臨時花嫁編」…あ、ネーミングセンスが無いとか笑わないでくださいませ(・・;)
の、続きでございます♪
一応こちらも、以前の「臨時花嫁編」と同じく、一話完結話となっております。
ある程度時系列的にはなっておりますが。

ではどうぞ~。

李順によって再開されたお妃教育。
夕鈴は、黎翔との距離に―――?

―――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】




「いいですか、夕鈴殿。妃というものは―――」
「―――はい。」

再び始まった李順さんによるお妃教育。
李順さんは容赦がない。
いや、別に私だけじゃないけれど。陛下にも厳しいし。
でも、気品とは無縁の生活を送っていた現代の私には、李順さんの言う「お妃」像には、まだまだ果てしなく遠い。

「―――聞いておられますか?」
「はいっ!」
「はぁ…―――こちらとしては、別に夕鈴殿が臨時花嫁でなくとも良いのですが…。」
「―――」
「陛下があなたを気に入っておられるので。ですから、「お妃様」としてもう少し頑張って貰えませんかねぇ…。」

李順さんは鼻でフンと少し馬鹿にしたように言う。
「仕方ないから、お前で我慢してやるよ」とでも言うように…。
くっ…!これでも少しは慣れてきた方なのに…!
自分でも感じた事だが、李順さんにとっても私はまだまだらしい。


*****************

「夕鈴…やっぱり今日も疲れてるね…。」
「いいえ…何のこれしき…」

そう言いながらも、私はへとへとである。
今日の講義では、妃としての歩き方、座り方の復習であったり、…可憐なくしゃみの仕方だったり。
だから何で花が飛ぶんですか李順さん。あなた本当に男性ですか。
―――と思ったのは内緒である。

それに以前と違って、「未来に帰れないかも」という不安がない分、やっぱり気持ちが軽い。
不安があんなにも体調を崩していたのか、と改めてしみじみ思う。
―――となると、お妃教育の為に今必要なのは、根性である!
夕鈴は燃えていた―――心だけ。
体は正直である。
よろめきながらお茶を何とか淹れて、陛下の元へ差し出し、自分も長椅子に座った。

「黎翔様、お茶をどうぞ。」
「ありがとう。」
「すっかり暖かくなって…というより、一気に暑くなっていません?」
「ああ…夕鈴がいなかった二ヶ月で、季節も移ったからね。」

そう。
私が白陽国に来た時は、まだこちらは少し肌寒さを感じる春先。
そして晩春辺りまで居て、現代に戻り、その後また来た時には、二ヶ月も経っていた。
…ということは、既に季節は夏になっていた、ということである。
なので、立ち入り禁止区域で密かに行っている稽古も、結構汗をかくものとなっていた。
そろそろ薄手の稽古着について、李順さんと相談してみようかしら。
そう考えていると、陛下が徐に私の髪を持ち上げた。

「―――君がいない二ヶ月間は、私の季節は逆回りをして、冬に戻ったように殺風景であった。」
「―――なっ、何ですか突然!?」
「もういきなり消えないでくれ。」

そう言いながら、陛下は私の髪に口付けしてきた。
その動きが何だか…、…変な気分になる。
直視できない。
お茶のお椀を持ちながら私は長椅子の上で後ずさりした。
そしたら髪に口付けてる陛下の顔まで付いて来た。何でだ。
そこは離すところだろう。
少し睨んだら、陛下は少し苦笑した。
でも離さないつもりらしい。

「―――夕鈴、返事は?」
「―――へ?」
「もう勝手に居なくなったりしないって。」
「…この間だって、私の意思で消えたわけじゃありません。何故かいつの間にか現代に居て、そしてまた戻ってきただけです。」

その時に何だか陛下似の男の子に会ったが、まあ、他人の空似だろう。

「―――じゃあ、夕鈴の意思で未来に帰ったわけじゃないってこと?」
「…何言ってるんですか。帰りたかったに決まってます。あちらが本来の私の生きる時代ですよ?」

帰りたかった。私の生きる時代。
自分の家族がいて、友人がいて、自分の常識が通じる。
ここは、それらが全くない。
ここは、私の本来の居場所ではない。
そう、強く感じるのだ。
今は、あちらに帰れることが分かったから、少し余裕が出来ただけで、あちらに帰りたいと言う気持ちに変わりはなかった。
―――でも、なんかもやもやするのよね…
―――とかなんとか考えに耽っていたら、髪を掴んでいただけだった陛下が、今度は体まで近付いてきた。

「―――なぁっ!?陛下!近いですって!」
「夕鈴。やっぱり帰りたいの?」
「はあ?!だからさっきからそう言って…」
「―――帰したくない、と言ったら?」
「―――はぁ…?」

何を言ってるんだか、さっぱりだわ。
だって、帰りたくともすぱっと帰れるわけでもないし。
陛下が帰したくなくともすぱっと勝手に消えるかも知れないのに…
…意味が分からない。
それより心臓に悪いから、少し離れて欲しい。
少し顔を赤らめながらも「???」という顔で陛下を見上げていたら、陛下は何かを考えていたようだったが、再び苦笑して体は離れていった。


********************

「今日は、王宮行事についてです。王宮には季節ごとに様々な行事や儀式があり―――」

白陽国の子供でも知っているような一般常識は粗方教わり、今度は王宮での内容へと入る。
今までも少しずつ習ってきたが、それは貴族女性が教わるレベルで、妃となるとまた更に王宮について学ばなければならない。
覚えることは山積み。努力あるのみ。

講義が一通り終わり、少し休憩を取っていると李順さんが話し掛けてきた。

「夕鈴殿が妃としてここに居てくれるお陰で、陛下への煩わしい縁談がお断り出来ています。―――いずれ陛下のご治世が盤石なものとなり、内政が安定いたしましたら、然るべき家柄の女性がこの後宮に召されることでしょう。それまで臨時花嫁は必要ですので、夕鈴殿も頑張ってください。」
「はぁ…。」

然るべき、家柄の女性ねぇ…
お姫様ってことかしら。
やっぱりこの時代には本物のお姫様がいるのね。
―――きっと陛下の隣に立つのに、相応しい人だわ。
未来から来た庶民で平凡な私ではなく。
そう考えると、胸かチクンと痛んだ気がした。
夕鈴はその感覚が良く分からず、首を傾げた。


************************

「夕鈴、今帰った。」
「ご政務お疲れ様です、陛下。」

夜の妃の部屋。
国王夫妻(仮)いつものように仲良し夫婦演技をしていた。
侍女たちや後宮の女官たちの前で仲睦まじい夫婦を演じることで、この後宮中には「国王夫妻は夫婦円満。他の人が入る余地もない」という認識があった。
昼に王宮に近い四阿で昼食を取ることで、王宮の官吏にも、仲の良さは伝わっていることだろう。
ただし、全て狼陛下のままで。
小犬のようなもう一つの顔は、限られた人の前でしか表わさない。
それでは寛げないから、陛下が部屋に来たら、いつもならすぐに侍女を下げて二人きりになるところなのだが、今日は違った。
いつまでも、陛下は侍女を下げようとしない。
よって私も妃演技を続けるしかない。

「―――我が妃は今日は何をしていたのだ?」
「――きょ、今日はいつものように妃として必要な事を老師に教わっていましたわ。」
「そうか。…君に会えない時間は私にとって苦痛でしかないな。これは何かの試練なのだろうか…。」

今は間違いなく私が試練を受けている模様です!
むしろこれは一体何の拷問ですか!?
何で来た途端に抱き上げて長椅子まで拉致られた挙句、膝抱っこされて髪を弄ばれているのでしょうか!?
何でいつものように侍女を下げないで夫婦演技続行なのでしょうかーー?!
甘い演技にいつまでも慣れない夕鈴は混乱の極みに達していた。
侍女に見られない角度でジロリと陛下を見るも、爽やかにしか見えない笑顔で流された。

「我が妃の顔はいつにも増して険しいな。何かあったのか?」

今っ!今目の前にいる人物が原因で顔が険しくなってるんです!
でもそんなことおくびにも出さない(つもり)で、そして「険しい」と言われたため、「そんな事実はどこにもない」風を装って笑顔で夕鈴は話す。
―――密着した体を、少しでも離そうとしながら。

「まあ陛下…陛下と一緒にいるのに険しい顔など…お気のせいではございませんこと?」
「そうか?先ほど目にしたと思ったのは妃が見せた甘い幻想だったのだとのだろうか…。」

…何を言っているのだろう、この人は。
険しい顔、と言いながら、甘い幻想…?
よくわからない発想だ。
話が通じている気がしなくて、しかも密着した状態で、夕鈴はそろそろ限界を感じ、涙目になってきた。


夕鈴のその状態を確認した黎翔は、そろそろ限界かな、と思い、侍女を下がらせた。
途端に夕鈴が膝から降りようとする。
でも離さない。
髪から手を離して両手で夕鈴の腰に腕を回す。

「のわっ!?陛下!離して下さいよっ!もう演技の必要はないじゃないですか!」
「えー、もうちょっとこのままでいようよ。夕鈴柔らかいし、抱き心地が良いんだもん。」
「私は暑いです、だから嫌です!降ろして下さい!」
「―――夕鈴はさ、やっぱり帰りたいの?」
「はぁ?だからこの前もそう言って」
「―――僕もこの前帰したくない、って言ったよね?その意味は分かってる?」
「…この前も言ってましたけど、私の意思でこちらとあちらを行き来してるんじゃないんですよ。陛下が帰したくないと思っていても、この間みたいに突然帰ることになるかもしれないんです。」
「…。」
「それに、私は未来の人間です。こちらの人間じゃないんです。―――陛下はいつか然るべき家柄の女性を娶るとお聞きしました。私はそれまでの臨時花嫁です。もし、私が未来に帰れない間にご結婚されるようなら、後宮の隅にでも置いてくれれば、掃除でも何でもしてますので。」

そうだ。考えておかないと。
いつか陛下は奥さんを迎えるのだし、その時に臨時の私がいたらダメよね。
…今から李順さんに交渉しとこうかしら。
とりあえず後宮に置いてもらわないと、帰れなくなるかも。



夕鈴を見つめながら黎翔は考える。
―――やっぱり夕鈴には伝わらないか。
「帰したくない」と言っても、夕鈴にはその意味までは伝わらない。
しかも、もし結婚したら掃除でもいいから後宮の隅に置いてくれとまで言われた。
…今の君に何を言っても伝わらないのだろうな。
黎翔は半ば諦めたように考えた。
…それに君から未来の事を奪ってしまったら、君の笑顔も見られなくなるのだろうか。
それは…少し嫌だな。
やっぱり僕の帰したくない、という思いは叶わないのだろうか。

――――――――――――――――――――――――

ここまでです。
二人にはまだまだ距離感があります。
陛下も図りかねてる、心の距離。
これからどうなることやら…。

まあ、そう簡単にはくっつけてやるわけないですけどね(コラ

あ、おまけで↓

―――――――――――――――――――――

「李順さん、お話が…。」
「何ですか?」
「あの…この間、陛下の治世が安定したら、然るべき女性を迎える、という事でしたよね?」
「ああ、その話でしたら、そうですよ。」
「あ、あの、その時に、臨時が居てはいけませんよね?」
「―――そうですね。」
「もし私が未来に戻っていない時に、そうなったのなら、掃除でも雑用でも何でも良いので、後宮の隅っこに置いてもらえませんか?今のところ、未来へ帰れる可能性があるのはこの後宮なんです!」
「…ああ、なるほど。そう言う事ですか。」
「…ダメですか?」
「いえ。それで良いですよ。」
「…良かったぁ…。」
「―――ですが夕鈴殿。」
「はい?」
「―――そのようなことを考えてるということは…あなた、暇なんですね?」
「――え?」
「そんなにお暇なら、こちらと…ああ、これもですね。この本を読んで下さい。明日…ここについて確認します。」
「―――え、えええっ?!」
「宜しいですね?」

そう言う李順さんのメガネがキラリと光る。
それに逆らう事が出来なくて、私はつい「はい…」と答えてしまった。
はい、じゃないでしょ?!この量を一日で!?無理!!
でもそんなこと言ったら、目の前のメガネからどんな厭味が来ることか…!
私は泣きそうになりながら部屋で勉強することにした。
―――部屋にやってきた陛下をそっちのけにして。

その晩、除け者にされた黎翔は、本に夢中の夕鈴を膝に置き、いつも以上に甘い言葉を囁き続け、妃の集中力を欠かせた。

―――その翌日の妃は、側近にダメだしと厭味の嵐を撒き散らされ、課題をこれまでの倍にされて、後宮の隅だの、雑用だのと考える暇を与えられなかったとか。

――――――――――――――――――――――――

あはは(^◇^)
ある種の、王と側近の最強コラボ(笑)

…え?
陛下は夕鈴の事をどう思っているかって(・・?
そんなの、私ごときに分かるわけないじゃないですか←おい
きっと夕鈴の事、かわいらしいと思っているんじゃないですか?←投げ槍



次回予告↓

陛下に縁談が!?
その相手とは――――

次回「花の誘惑
お楽しみに!

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Author:さき
さきと申します。
「狼陛下の花嫁」の二次小説を書いています。
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