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2013.12/20 [Fri]
遺されたもの
見落としは無いと思いながらも見落としがあったーーーー!
はい!
ちょっと遅れましたが、こちらも「帰還編」のお話でございます!
先に「再臨時花嫁編」をあげちゃったよおい!
というわけで。←落ち着いた
こちらは帰還編で夕鈴が居なかった時、黎翔は夕鈴が最初に着ていた服を見て何を思っていたのか…というものであります。
同じく、夕鈴も着てきた妃衣裳(”き”が多い…)を見てどう思ったか。
それをSNSにて8888歩目…のニアピン、8889歩目を踏まれたB様にリクエストされて書いたお話であります。
あ、ここでオリキャラさんが登場いたしますが、この人が某国で最初に登場したのがもうちょっと後なので、ここでは詳しく説明致しませんので、悪しからず(・・;)
ではどうぞ。
夕鈴が居なくなった後宮の部屋。
夕鈴がこの国に来た時着ていた服を見て、黎翔が思った事は―――?
――――――――――――――――――――――――
【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】
【オリキャラ出演中】
夕鈴が居なくなった。
私の目の前から。
夜。
黎翔は後宮の回廊を歩いていた。
周りの煩い連中には「病気療養で実家に戻った」と言ってあるが、実際は夕鈴は未来に戻った…という。
という、とは、未だ到底信じられない事だからだ。
人が一人消えた。
この後宮から。
警備の厳しい中、どうやって。
それが説明つかないため「きっと未来に帰ったのだろう」というのが李順の見解だ。
黎翔は立ち止まる。
頭では理解している。
だが、気持ちが追い着かない。
こんな気持ちは初めてだ。
――――――――物足りない。
――――――――何かが足りない。
私は夕鈴付きの侍女に、彼女の部屋をそのままにしておくようにと命じた。
いつでも彼女が帰ってこれるように。
「…帰って来れるように、か…」
そんなことを考えるようになるとは。
狼陛下も随分感傷的に…いや、弱くなったようだ。
これまで来る者を選び、去る者を追わない生活をしていた私が「得体の知れない人間」である夕鈴に、ここまで心を動かされるとは。
再び歩き出す。
目的地に向かうために。
夕鈴の部屋に入る。
しん…と静まり返った部屋。
ついこの間まで、主が居た部屋。
『お帰りなさいませ、陛下。』
『お待ち申しあげておりましたわ、陛下。』
『ご政務お疲れ様でした、陛下。すぐにお茶をお出ししますね。』
そう言っては、私をすぐに迎えてくれた。
それは演技とは言え、労りの気持ちは伝わって来た。
何せ、夕鈴は顔や態度に正直に出る。
恥ずかしげに私を迎える顔。
疲れた私を気遣う声音。
癒しを与えてくれる、とびきりの笑顔。
その全てに私は喜びを感じていた。
しかし、今ここには一抹の寂寥感を感じさせる。
暗く静まった部屋。
侍女の手入れは行き届いているが、生活感が感じられない。
黎翔が立ちつくしていると、何者かの気配を感じた。
そちらを振り返る。
「―――っ、申し訳ありません。お越しとは気付かずに…」
夕鈴付きの侍女だった。
盆に花瓶を載せている。
卓の上の花を取り替えるところであったのだろう。
盆を床に置き、侍女は拱手する。
「―――いや、今来たところだ。―――…お前は、もしや夕鈴が消えた時部屋に居た…」
「―――はい、瑤花と申します。」
拱手しながら侍女の瑤花はそう言う。
考えてみれば、氾 紅珠の刺客事件の時も、この侍女が知らせに来たのだな。
この侍女もまた、夕鈴と縁が深いのだろうな。
その目は赤い。
泣き腫らしたような顔色だった。
彼女もまた、夕鈴が居なくなって寂しさを募らせているのか。
夕鈴は、そんなにも侍女に慕われていたのだろうか。
…
「―――少し一人にしてくれ。」
「畏まりました。」
瑤花が去る。
妃部屋は再びしん…と静まり返る。
黎翔は、寝室へと足を運んだ。
夕鈴が居なくなって一月。
ここは、未だに彼女の香りを残している。
寝台が目に入る。
そちらへと行く。
寝台へと腰を掛け、横になる。
強く、夕鈴の香りがした。
―――この香りが消える頃には、私のこの気持ちも消え失せるのだろうか…
そう思いながら、暫し黎翔は目を閉ざした。
ふと目を開けた黎翔は、寝台脇にある行李に目が入った。
あそこは、いつも夕鈴が稽古に使う道具や稽古着を入れていたものであったな…
黎翔は起き上がり、何とはなしにその行李に近づく。
行李を開く。
そこからは、とても懐かしい香りが立ち上って来た。
「―――」
黎翔は黙々とその中身を探る。
稽古着、稽古に使う棍、汗を拭く布と思われる物、そして…
「――――…これは…」
それは、夕鈴がこちらに初めて来た時に着ていた衣装であった。
桃色で、首の後ろに何か被るものが付いている上衣。
藍色で、体の線がはっきりとわかる下衣。
どちらも見たこともない生地で、これが夕鈴の得体の知れなさを助長したものだ。
今となっては懐かしい出来事であった。
「―――」
徐に、それを広げて見る。
片方の手で桃色の上衣の頭巾の様な所を持ち、もう片方の手で腕の袖の部分を持ち上げ、しげしげと眺める。
「―――やはり、見たことのない形の衣服だな。生地も…良く分からない。」
下衣の方も同じで、少しざらついた感触が余り触り心地が良くない。
しかし。
「―――これを、夕鈴が着ていたのか…」
上衣、下衣共に腕に持つ。
それを一度ぎゅっ…と抱き締めると、黎翔は他の物を行李に仕舞い、取り出した現代の衣装だけは手に持ったまま、妃の部屋を後にした。
******************
後宮の国王私室。
黎翔は、自分の寝台に先ほど持って来た夕鈴の衣服を広げていた。
何となく持って来てしまったが、これをどうするか…
そこまでは考えていなかった黎翔であった。
考えもなく行動している時点で、普段の黎翔では有り得ない事態なのだが、当人はそれに気づいていない。
暫く眺め回した後、行李に入っていた時のように畳み直し、それを持ちながら寝台に入りこむ。
―――夕鈴の香りだ…
それは夕鈴を抱きしめて寝ているようで。
実際には、そのような事は無かったのだが、そんな気分で黎翔は眠りに就いた。
―――その眠りは、夕鈴が消えてから一月余りの中で、一番心地良いものとなった
*******************
「白陽国」から戻ってきた翌日。
今日は土曜日。
夕鈴は自分の勉強椅子に後ろ向きに跨り、ベッドの上に載せた「モノ」を眺めながらう~ん…と頭を悩ませる。
その視線の先には…煌びやかな衣装と髪飾り。
昨日はとりあえずクローゼットに仕舞い込んだが、一晩経って落ち着いてからこうしてまた出してみた。
椅子から立ち上がり、ベッドに近づく。
触っても消えない。
試しに透かして見たが、幻影でもない。
「あの事」は夢ではないと、改めて感じさせられていた。
もう一度衣装を持ち上げて見る。
「―――やっぱり上物よね…。多分、シルク…よね。」
本来ならこんな高価そうな衣装、持つことのない家庭に育った自分。
なのに、非現実的な現実は、今目の前に存在する。
そして傍らの髪飾りに目を移す。
ピンク色の宝石(恐らく瑪瑙)で桜の花を象った白い簪。
揺れ動く飾りは真珠…だと思う。
その簪を持ち上げる。
「―――やっぱり…高そう。…何で陛下、こんなものくれたのかしら…?」
夕鈴は首を傾げる。
臨時の…いわばバイトの様な花嫁役に、こんな高価そうなものを与えてどうするのだろうか。
でも…これ位なら。
夕鈴は簪を自分の頭のお団子に挿す。
しゃら…と、真珠の飾りが揺れる音がする。
夕鈴は後ろに振り返り、そこにある鏡台を眺める。
―――うん。これ位なら、着けていてもおかしくはないだろう。
「――――…問題は。」
夕鈴は再びベッドを振り返る。
そこにあるのは、到底現代社会では身に着けるものではないとはっきり分かる、妃衣装があった。
こんなものを着て外に出た日には、周囲から奇異な目で見られる事は火を見るより明らか。
部屋の中とはいえ、弟が部屋に入ってきたら「姉さん?その服は?」と聞かれる事間違いなし。
そうしたら、嘘偽りなく弟に話せるだろうか?
それとも、決して上手くはない自分の作り話で事なきを得るのか?
「―――…うん、よし。」
夕鈴は決心した。
ベッドの妃衣装に近づく。
そして、それを綺麗に畳み始めた。
折り目が不自然に付かないように、縫い目に合わせて畳む。
そしてハンガーに掛けると、クローゼットの奥深くに、まるで隠すように再び仕舞い込む。
ぱたん、とクローゼットの扉を閉める。
そして一仕事終えたというように
「―――これで良し!さぁ~て、そろそろバイトに行く準備をしますか!」
殊更元気よく、夕鈴は声を張り上げる。
姉の部屋から聞こえた大きい声に、弟の青慎は少し驚いたものの、いつもの事と特に気にせずに再び机に向かい、勉強の続きをし始めた。
―――その後、妃衣装はクローゼットから取り出されることはなかった
――――――――――――――――――――――――
陛下と夕鈴の落差(笑)
陛下がピンクのパーカーを見て何を思ったのか…というより、何をしていたのかになっちゃいました(笑)
まだこの頃は陛下と夕鈴の気持ちには大きな差があります。
陛下自身も、まだ夕鈴に対しては執着とまではいってないです。
夕鈴はとにかく現代に帰りたかった頃なので、帰れて一安心。
そして夕鈴はどちらかというと、髪飾りの方を意識しています。
現代では、妃衣装は日の目を浴びる事は、まずないです。←多分
今後の話の展開では、まあもしかしたらあるかもしれませんが。←多分だヨ
…え(・・?
この後陛下は夕鈴の服をどうしたかって(・・?
きっと誰にも気づかれないように、誰も居ないと気を見計らって、再び行李に入れたんですよ、きっと(笑)
はい!
ちょっと遅れましたが、こちらも「帰還編」のお話でございます!
先に「再臨時花嫁編」をあげちゃったよおい!
というわけで。←落ち着いた
こちらは帰還編で夕鈴が居なかった時、黎翔は夕鈴が最初に着ていた服を見て何を思っていたのか…というものであります。
同じく、夕鈴も着てきた妃衣裳(”き”が多い…)を見てどう思ったか。
それをSNSにて8888歩目…のニアピン、8889歩目を踏まれたB様にリクエストされて書いたお話であります。
あ、ここでオリキャラさんが登場いたしますが、この人が某国で最初に登場したのがもうちょっと後なので、ここでは詳しく説明致しませんので、悪しからず(・・;)
ではどうぞ。
夕鈴が居なくなった後宮の部屋。
夕鈴がこの国に来た時着ていた服を見て、黎翔が思った事は―――?
――――――――――――――――――――――――
【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】
【オリキャラ出演中】
夕鈴が居なくなった。
私の目の前から。
夜。
黎翔は後宮の回廊を歩いていた。
周りの煩い連中には「病気療養で実家に戻った」と言ってあるが、実際は夕鈴は未来に戻った…という。
という、とは、未だ到底信じられない事だからだ。
人が一人消えた。
この後宮から。
警備の厳しい中、どうやって。
それが説明つかないため「きっと未来に帰ったのだろう」というのが李順の見解だ。
黎翔は立ち止まる。
頭では理解している。
だが、気持ちが追い着かない。
こんな気持ちは初めてだ。
――――――――物足りない。
――――――――何かが足りない。
私は夕鈴付きの侍女に、彼女の部屋をそのままにしておくようにと命じた。
いつでも彼女が帰ってこれるように。
「…帰って来れるように、か…」
そんなことを考えるようになるとは。
狼陛下も随分感傷的に…いや、弱くなったようだ。
これまで来る者を選び、去る者を追わない生活をしていた私が「得体の知れない人間」である夕鈴に、ここまで心を動かされるとは。
再び歩き出す。
目的地に向かうために。
夕鈴の部屋に入る。
しん…と静まり返った部屋。
ついこの間まで、主が居た部屋。
『お帰りなさいませ、陛下。』
『お待ち申しあげておりましたわ、陛下。』
『ご政務お疲れ様でした、陛下。すぐにお茶をお出ししますね。』
そう言っては、私をすぐに迎えてくれた。
それは演技とは言え、労りの気持ちは伝わって来た。
何せ、夕鈴は顔や態度に正直に出る。
恥ずかしげに私を迎える顔。
疲れた私を気遣う声音。
癒しを与えてくれる、とびきりの笑顔。
その全てに私は喜びを感じていた。
しかし、今ここには一抹の寂寥感を感じさせる。
暗く静まった部屋。
侍女の手入れは行き届いているが、生活感が感じられない。
黎翔が立ちつくしていると、何者かの気配を感じた。
そちらを振り返る。
「―――っ、申し訳ありません。お越しとは気付かずに…」
夕鈴付きの侍女だった。
盆に花瓶を載せている。
卓の上の花を取り替えるところであったのだろう。
盆を床に置き、侍女は拱手する。
「―――いや、今来たところだ。―――…お前は、もしや夕鈴が消えた時部屋に居た…」
「―――はい、瑤花と申します。」
拱手しながら侍女の瑤花はそう言う。
考えてみれば、氾 紅珠の刺客事件の時も、この侍女が知らせに来たのだな。
この侍女もまた、夕鈴と縁が深いのだろうな。
その目は赤い。
泣き腫らしたような顔色だった。
彼女もまた、夕鈴が居なくなって寂しさを募らせているのか。
夕鈴は、そんなにも侍女に慕われていたのだろうか。
…
「―――少し一人にしてくれ。」
「畏まりました。」
瑤花が去る。
妃部屋は再びしん…と静まり返る。
黎翔は、寝室へと足を運んだ。
夕鈴が居なくなって一月。
ここは、未だに彼女の香りを残している。
寝台が目に入る。
そちらへと行く。
寝台へと腰を掛け、横になる。
強く、夕鈴の香りがした。
―――この香りが消える頃には、私のこの気持ちも消え失せるのだろうか…
そう思いながら、暫し黎翔は目を閉ざした。
ふと目を開けた黎翔は、寝台脇にある行李に目が入った。
あそこは、いつも夕鈴が稽古に使う道具や稽古着を入れていたものであったな…
黎翔は起き上がり、何とはなしにその行李に近づく。
行李を開く。
そこからは、とても懐かしい香りが立ち上って来た。
「―――」
黎翔は黙々とその中身を探る。
稽古着、稽古に使う棍、汗を拭く布と思われる物、そして…
「――――…これは…」
それは、夕鈴がこちらに初めて来た時に着ていた衣装であった。
桃色で、首の後ろに何か被るものが付いている上衣。
藍色で、体の線がはっきりとわかる下衣。
どちらも見たこともない生地で、これが夕鈴の得体の知れなさを助長したものだ。
今となっては懐かしい出来事であった。
「―――」
徐に、それを広げて見る。
片方の手で桃色の上衣の頭巾の様な所を持ち、もう片方の手で腕の袖の部分を持ち上げ、しげしげと眺める。
「―――やはり、見たことのない形の衣服だな。生地も…良く分からない。」
下衣の方も同じで、少しざらついた感触が余り触り心地が良くない。
しかし。
「―――これを、夕鈴が着ていたのか…」
上衣、下衣共に腕に持つ。
それを一度ぎゅっ…と抱き締めると、黎翔は他の物を行李に仕舞い、取り出した現代の衣装だけは手に持ったまま、妃の部屋を後にした。
******************
後宮の国王私室。
黎翔は、自分の寝台に先ほど持って来た夕鈴の衣服を広げていた。
何となく持って来てしまったが、これをどうするか…
そこまでは考えていなかった黎翔であった。
考えもなく行動している時点で、普段の黎翔では有り得ない事態なのだが、当人はそれに気づいていない。
暫く眺め回した後、行李に入っていた時のように畳み直し、それを持ちながら寝台に入りこむ。
―――夕鈴の香りだ…
それは夕鈴を抱きしめて寝ているようで。
実際には、そのような事は無かったのだが、そんな気分で黎翔は眠りに就いた。
―――その眠りは、夕鈴が消えてから一月余りの中で、一番心地良いものとなった
*******************
「白陽国」から戻ってきた翌日。
今日は土曜日。
夕鈴は自分の勉強椅子に後ろ向きに跨り、ベッドの上に載せた「モノ」を眺めながらう~ん…と頭を悩ませる。
その視線の先には…煌びやかな衣装と髪飾り。
昨日はとりあえずクローゼットに仕舞い込んだが、一晩経って落ち着いてからこうしてまた出してみた。
椅子から立ち上がり、ベッドに近づく。
触っても消えない。
試しに透かして見たが、幻影でもない。
「あの事」は夢ではないと、改めて感じさせられていた。
もう一度衣装を持ち上げて見る。
「―――やっぱり上物よね…。多分、シルク…よね。」
本来ならこんな高価そうな衣装、持つことのない家庭に育った自分。
なのに、非現実的な現実は、今目の前に存在する。
そして傍らの髪飾りに目を移す。
ピンク色の宝石(恐らく瑪瑙)で桜の花を象った白い簪。
揺れ動く飾りは真珠…だと思う。
その簪を持ち上げる。
「―――やっぱり…高そう。…何で陛下、こんなものくれたのかしら…?」
夕鈴は首を傾げる。
臨時の…いわばバイトの様な花嫁役に、こんな高価そうなものを与えてどうするのだろうか。
でも…これ位なら。
夕鈴は簪を自分の頭のお団子に挿す。
しゃら…と、真珠の飾りが揺れる音がする。
夕鈴は後ろに振り返り、そこにある鏡台を眺める。
―――うん。これ位なら、着けていてもおかしくはないだろう。
「――――…問題は。」
夕鈴は再びベッドを振り返る。
そこにあるのは、到底現代社会では身に着けるものではないとはっきり分かる、妃衣装があった。
こんなものを着て外に出た日には、周囲から奇異な目で見られる事は火を見るより明らか。
部屋の中とはいえ、弟が部屋に入ってきたら「姉さん?その服は?」と聞かれる事間違いなし。
そうしたら、嘘偽りなく弟に話せるだろうか?
それとも、決して上手くはない自分の作り話で事なきを得るのか?
「―――…うん、よし。」
夕鈴は決心した。
ベッドの妃衣装に近づく。
そして、それを綺麗に畳み始めた。
折り目が不自然に付かないように、縫い目に合わせて畳む。
そしてハンガーに掛けると、クローゼットの奥深くに、まるで隠すように再び仕舞い込む。
ぱたん、とクローゼットの扉を閉める。
そして一仕事終えたというように
「―――これで良し!さぁ~て、そろそろバイトに行く準備をしますか!」
殊更元気よく、夕鈴は声を張り上げる。
姉の部屋から聞こえた大きい声に、弟の青慎は少し驚いたものの、いつもの事と特に気にせずに再び机に向かい、勉強の続きをし始めた。
―――その後、妃衣装はクローゼットから取り出されることはなかった
――――――――――――――――――――――――
陛下と夕鈴の落差(笑)
陛下がピンクのパーカーを見て何を思ったのか…というより、何をしていたのかになっちゃいました(笑)
まだこの頃は陛下と夕鈴の気持ちには大きな差があります。
陛下自身も、まだ夕鈴に対しては執着とまではいってないです。
夕鈴はとにかく現代に帰りたかった頃なので、帰れて一安心。
そして夕鈴はどちらかというと、髪飾りの方を意識しています。
現代では、妃衣装は日の目を浴びる事は、まずないです。←多分
今後の話の展開では、まあもしかしたらあるかもしれませんが。←多分だヨ
…え(・・?
この後陛下は夕鈴の服をどうしたかって(・・?
きっと誰にも気づかれないように、誰も居ないと気を見計らって、再び行李に入れたんですよ、きっと(笑)
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