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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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花の誘惑 1

皆様今日は。
今日は忙しいので、これ一つで勘弁を(^_^;)

パラレル「再臨時花嫁編」の第3弾です♪

黎翔に縁談が来た!
その時、夕鈴は――-?

――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】



ある日、陛下と共に李順さんから呼ばれた。
何の話だろう…と戦々恐々としていたのだが、内容は意外なものだった。

「氾家との縁談が来ております。」
「断れ。」

そう間髪いれずに答えたのは陛下。
氾家と聞いた時から物凄い狼オーラを出していたけど…
そもそも氾家って?

「陛下の答えは想定済みでしたので、『陛下は断られると思います。』とは先方に伝えておりました。ですが、そちらよりも重要なことがあります。」
「何だ。」
「その縁談相手の氾家息女より、お妃様にお会いしたいとの話が出ております。」
「断れ。」
「え!?何でですか!?」

陛下と私の言葉が被った。
それに少しおずおずとなったものの、再び小さい声で「何でですか」と聞いてみる。
陛下は不満そうだったけれど、李順さんは続けてこう言った。

「どうも、女官から女官へと「お妃様」の話が伝わったようで、是非ともお会いしたい、と仰っているようです。」
「会う必要はない。」

陛下はまたもや間髪を入れずに断ろうとする。
それに待ったをかけたのは、夕鈴だ。

「―――待って下さい。せっかく是非に、と言われているのですから、お会いしてみたいです。」
「でも」
「そうですね。何と言っても氾家は有力貴族です。縁談もお断り、お妃様と会うのもお断り、では角が立ちます。」
「―――だけど」
「いいですか、夕鈴殿。」
「はいっ!」
「あなたは氾家との関係悪化を防ぐための仲立ちをして貰います。」
「―――はい?!」
「陛下唯一の妃として、ボロを出さず、つけこまれる隙を見せず、けれど突き放さず!良好な交友関係をお築き下さい!」
「え…えええええええええっ!!?」

なんか難しい要求が来たーーーっ!!!
仲立ち?ボロを出さず…ってそれも結構難しいのに…
隙を与えない?でも突き放さない?!それでいて良好に?!
それって結構矛盾してないっ!?
ありなの!?
私にそんなの出来るのっ!!?
―――と、夕鈴が一人混乱の淵に立たされている頃、陛下と李順は

「そんなの必要な…」
「陛下はお黙り下さい!」

というやり取りをしていたとか。


********************

「氾 紅珠でございます。お妃様とお近づきになれて嬉しく思います。どうぞ紅珠、とお呼び下さいませ。」

目の前に現れたのか可憐な美少女。
女の私が見てもとても可愛い、ふわふわした女の子。
体は服に覆われていても、細いことが分かる。
ちょっと押したら折れそうなくらい。
同じ人類とは思えない。

「お妃様とお話しする機会を得ることが出来て、光栄に思います。どうぞ仲良くしてくださいませ。」
「―――は、はい…。」

花がほころぶような笑顔を見せられて、私の顔は赤くなってしまった。
この時は李順さんに言われた『ボロを出さず、つけこまれる隙を見せず、けれど突き放さず!良好な交友関係をお築き下さい!』とかいう言葉をすっかり忘れ『なんだこの小動物――っっ!』と心の中で踊っていた。


**********************

夜の後宮。
黎翔はいつものように夕鈴の部屋に来ていた。
しかし、その肝心の夕鈴の様子がちょっとおかしい。

「夕鈴?どうかしたの?」
「―――え?あ、陛下。いらしてたんですか。」
「うん…。」

…どうやら僕が来たことに気づいていなかったようだ。
ちょっとむぅっときた。
そんなに気を取られることがあったのだろうか。
―――そういえば

「今日、氾 紅珠に会ったんだよね。どうだった?」
「―――っ!それがですねっ!聞いてください陛下!物凄く可愛かったんですよ!お話もとても面白かったし…。あ、また今度会う約束しました…そうだ!陛下も今度紅珠に会ってみませんか?きっとデレっとしちゃうに決まって―――っっ!?」

そこで夕鈴の台詞は途絶えた。
何故なら長椅子に座っていた陛下が夕鈴の手を引き寄せ、そのまま体を膝の上に乗せたからだ。
しかも逃げ出せないように両手を腰に回して。
私は背後の陛下が私の耳元に囁く声で我に返った。

「―――他の女の話などするな。私は君といる方が、ずっと楽しい。」
「―――っちょ、陛下、何するんですか、何ですかこの体勢、ちょ、離して下さいよ。」
「―――わかったか?」
「っ!わ、分かりました!分かりましたから、耳元で喋らないで下さい!そして離してっ!」

腰をがっちり掴まれているので、膝の上から降りれない。
かと言って、上半身を使って暴れ出すと、陛下を頭突きしそう。
政務でお疲れの陛下にそんなこと…
夕鈴はドキドキしながら考えたが、ハタと気付く。
―――いや、そもそもこの体勢を私が許したわけじゃないんだから、そうしてもいいのかしら?
―――むしろするべきかしら?
夕鈴が物騒な事を考え出したお蔭なのか、それとも言ったことが伝わったのか、陛下は割とすぐに夕鈴を解放した。
すぐに膝の上から降りて、黎翔と距離を取った夕鈴。
きっ!っと向き合ったところで黎翔が口を開く。

「―――『狼陛下は今の妃に夢中』。だから、他の人には興味ないよ。」
「わ、分かりました!そういう『設定』なんですね!それならそうと、普通に言って下さいよ!」
「あはは。ごめんごめん。」
「―――っもう!もう夜も遅くなりましたし、このまま陛下は自室でお休みくださいませ!私も下がらせて頂きます!」

そう言って、夕鈴は肩を怒らせて寝室の方に去って行った。
僕もやれやれ、と溜息をつきながら立ち上がり、自分の自室へと足を運んだ。



―――やれやれ、まだ夕鈴は慣れないか。
黎翔は自室に戻りながら考えていた。
夕鈴が戻ってきてから幾日か経った。
今のところ、夕鈴の体調も前ほど悪くはない。
自分の故郷へ帰ることが出来ることが分かったのは、意外に良い結果をもたらした。
その間の私の心境は別として。
それからというもの、私は夕鈴と今まで以上に近づいてみた。
抱き締めたり、膝抱っこしたり、押し倒してみたり…
でも、夕鈴には伝わっていないように感じる。
それに、いつも逃げ出そうとする。
そうならないようになるには、もっと時間が必要か…
思った以上に根気がいりそうだ。
黎翔は再び溜息をついて自室へと戻って行った。


*********************

それから数日後。
執務室で山積みの書簡を嫌々崩していた黎翔に、李順が渋い顔で報告に来る。

「―――陛下。お耳に入れたいことが…。」
「どうした。」
「少し…氾家に不穏な動きがあるようなのです。」
「―――どういうことだ。それは、氾家がこちらに何らかの干渉をしようと?」
「いえ、そちらではなく―――どうやら氾家をやっかんだ者が、今回の事を聞きつけたようで…。」
「―――それはどういうことだ?」
「つまり…。今回、お妃様とお話をさせてもらっていることで、氾 紅珠の後宮入りも近いのでは、との噂が立ちまして…。そうなると氾家の血筋からして正妃となるのでは、これ以上氾家の権力を大きくしてなるものか、と考える輩が、どうも氾 紅珠を狙っているようでして…。」
「…。」

黎翔は無言になった。
氾家へのやっかみ…。娘を狙っている…
嫌な予感がした。
何故なら最近、夕鈴と会っている娘が「その娘」だからだ。

「ここは後宮で、警備もしっかりしていますが、万が一という事もあります。夕鈴殿とのお茶会は、一旦中止になさいますか?」
「ああ。そうする。―――今日の夕鈴の予定は?」
「―――氾 紅珠とのお茶会です。四阿で。」
「―――っ」

黎翔は立ち上がり、すぐに四阿へと急いだ。
―――嫌な予感を振り払いながら。


*********************

時は少し遡り、後宮四阿。

「紅珠。足元に気をつけて下さいね。」
「はい。お妃様。」

後宮から庭へと下り、その先にある四阿を目指していた夕鈴と紅珠。
その通る道に咲き誇る、様々な花を楽しみながら四阿へとたどり着く。

「この花は今が見頃ですわね。この香りがなんとも芳しくて…」
「そうですね…。」

ははっ。私はこの国に来るまで、花とは無縁の生活をしていたから、見頃がいつか、なんていうのは、李順さんから付け焼刃で教わった知識しかないのだけれども。
そんな風にお妃が考えていることを知らない紅珠は、目の前の花に負けないくらいの可憐な笑顔を夕鈴に見せる。
そして二人は四阿でお茶を飲む。

「―――お妃様。陛下とはどのような生活をされているのですか?」
「ええっと…。具体的に何を話せば良いのかしら…。」
「そうですね…。あ、では、普段陛下とどのような話をなさっておいでですか?」
「陛下とは、…。」
「…?どうかなさいました?お妃様。」
「…いえ…。」

まさか「未来の話」とは言えない。
突拍子もない上、それは駄目だろう。
いくらなんでも。
なので、少し話を逸らすことにした。

「―――ええと、陛下とは夜にお渡りになる時に、碁をするのですが…その時に世間話をする程度ですわ。」
「まあ、お妃様は碁を嗜むのですね。今度私と相手をして頂けませんか?」
「ええ、いいですよ。」

よし、成功。
何とか話は逸れた。
安心した夕鈴が、次に見たものとは―――目の端に映る、銀の光。



「―――紅珠っ!!!」
「―――っ!!」

紅珠をぐいっと引っ張って胸元に引き寄せる。

ガキンッ

直後に聞こえた、四阿の壁に当たる刃物の音。
2~3人の黒服たちが一斉に現れた。

「っな!」
「―――氾 紅珠だな?」
「―――っ!」
「命令により、その命、頂戴する。」

そう言うが早いか、私は四阿の床に転がっていた棒を拾い、目の前の刺客を突いた。
直後に後ろから迫っていたもう一人の刺客を、下から顎に向かって棒を振り上げ、昏倒させた。
紅珠の手を取り、刺客のいない方へと走り出した。
侍女は近くに居ない。それだけが不幸中の幸いだった。



刺客が背後から追ってくる。
私は棒を持ったまま、紅珠の手を取り後宮の庭を駆ける。
紅珠は息が上がっていた。

「はぁ、はぁっ!っお、お妃様!」
「大丈夫!紅珠、走って!」

くっ、走りづらい!この格好!
でも足を止めることは出来ない。
刺客はすぐ後ろまで迫っているのだから。
―――それにしても、陛下から棍を習ってて良かった!
こんなところで役に立つとは。
そう思っていると、がくんっと衝撃が走った。

「―――紅珠!」
「も、申し訳ありません…。」

紅珠が転んだのだ。
すぐに立ち上がろうとするが、紅珠の足はもう限界のようだ。
それはそうだ。
普段はきっと、走ることなどないお嬢様だろうから。
私は意を決して、紅珠の後ろに立った。
唯一の武器である、棒を構えて。

「お妃様っ!?」
「―――心配しないで、紅珠。」

黒服の刺客が追い付いて来た。
2人。どうやら倒した一人はまだ眠っているようだ。

「―――まさか妃がこのような人物とは。」
「ついでに殺せるなら妃も、と言われている。」

棒を持つ手にぐっと力が入る。
紅珠狙いでもあるが、あわよくば私も、という事らしい。
あちらは2人。こちらは1人。しかも、紅珠は動けそうもない。
守りながらの防御戦。
―――圧倒的に不利だわ。
そもそも刺客に対する実戦経験がないのだ。
どこまで切り抜けられるか。

「―――覚悟!」
「―――っ!!!」

刺客が剣を振り上げる。
私は棒でそれを受けとめようとするものの、力の差が大きすぎる。
棒が宙を舞った。
もう一人の刺客が紅珠へと剣を向ける。

「――っきゃあっ!!」
「紅珠っ!!」

私は目の前の刺客に背を向け、紅珠の元へと駆け出した。
紅珠と刺客との距離はまだある。
間に合うか―――

「――――もらったっ!」
「―――っ!?」

しまった。
背後に刺客がいたのだ。
振り向きざま、銀の光が見えた―――

―――その時

ガッッ  カランッ

鈍い音がした後、金属音が地に落ちる音がした。

「―――我が妃に何をしている。」

そこに居たのは、静かに怒気を纏ったこの国の頂点に立つ人物―――

―――狼陛下であった。


――――――――――――――――――――――――

書いてて楽しかった刺客との戦闘シーン。
夕鈴、男前。守る対象がいると意外と冷静な子かも。

自分で書いておいてあれですが「もらったっ」が刺客っぽくない。
でも、これ以外に台詞の思いつかなかった素人の私です…

妃衣裳って動きづらそう。
私の衣服選択には、蹴上げが出来るか、も重要なので、妃衣裳はアウトですね←


2へ続く


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Author:さき
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「狼陛下の花嫁」の二次小説を書いています。
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