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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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花の誘惑 2

皆様今日は(^_^;)
昨日は緊急の呼び出しを食らって更新できなかった私でありますm(__)m
申し訳ないです(・・;)

続きです!

紅珠と対面して、仲良くなった夕鈴。
そこに刺客が現れて―――?

―――――――――――――――――――――


その雰囲気に、その場にいるもの全てが圧倒されていた。
黎翔の攻撃を受けていない、紅珠の方へ向かっていた刺客も固まっている。
私に刃を向けていた刺客は、陛下の攻撃を受けて呻いている。
その刺客に、黎翔は剣を近づけた。
首元にぴたりと剣をつけた。

「―――我が妃を狙うとは…よほど命が惜しくないようだな…。」
「――ヒッ!」
「―――黒幕を吐かせるまでもない。私の手で直々に葬り去ってやろう。」
「…あっ、ひっ…」

狼の剣幕に、刺客は一言も話せないでいた。
その身に纏う、冷たい空気が、刺客の喉を凍らせていた。
そこに、凛とした一声が上がった。

「―――陛下!お待ちを!」

夕鈴の声だった―――――



「―――何故だ?こいつは、君を殺そうとした。氾 紅珠も狙っていたな。君がかばう理由は全くないと思うが。」
「それでも!黒幕は吐かせなければなりません!殺さずに、捕縛してください陛下!」
「―――」
「陛下!黒幕を捕えなければ…陛下の敵が減りませんでしょう!?」
「―――全く…ここまで私思いの妃もいないな。」

そう言って、陛下は剣を引いた。
すっかり戦意の失せた刺客たちは、後からやってきた警備兵に捕縛され、連れていかれた。
これで一安心―――したかに見えた。
それは刺客が警備兵に連れられ、黎翔、夕鈴、紅珠のみとなった時に起こった。

「―――さて。これはどういうことだ?氾 紅珠。」
「―――!!!」
「陛下っ!?」

陛下が低い声で詰問する。
紅珠がびくりと肩を揺らす。
私はそんな紅珠の肩を支えながら、陛下を見る。

「陛下!狙われたのは紅珠なんですよ?!何でそんなこと…」
「氾家に不穏な噂があったことは私の耳にも入っている。」
「―――?」

私は頭の中が?マークだらけになった。
どういうこと?
不穏な噂?
それのせいで、紅珠が狙われたって事?

「―――は、い。私が狙われていたことは事実です。ここ最近、氾家の周りで怪しい動きがありました。…でも、まさか、後宮にまで…」
「そのような状況で後宮に訪れ、我が妃を巻き込むとはどういうことだ?氾 紅珠。」

再び紅珠の肩が揺れる。
狼陛下の剣幕に、体ががたがた震えている。
私は居ても立っても居られなくて、陛下に反論した。

「お待ちください!陛下!私は無事でした!それに、狙われたのは、紅珠なんですよ!?噂の内容は存じませんが、紅珠に悪気はなかったのでしょう?そんな言い方ってないと思います!」
「―――夕鈴。」
「お妃様…。」

二人が夕鈴を見る。
陛下は不満そうに、紅珠は少し…顔が赤い?
そんなことを確認していると、突然陛下の腕が私に伸びてきた。

「―――っきゃ!」
「―――氾 紅珠。此度のことは妃に免じて不問に付す。今日はもう帰るといい。」

そう言って私を抱き上げた陛下は、紅珠に背を向け、後宮に向かって歩き出した。
私は「あ、歩けます!歩けますから、降ろして下さい、陛下!」と言ったが、陛下はちらりと私を見たきり、無言のまま足を進めた。


***************************

私が降ろされたのは後宮の私の部屋。
心配した侍女が駆け寄ってきたが、陛下が「妃と二人に」と言ったので、すぐに部屋から退いてしまった。
心配をかけてしまったから、無事だと言う事を伝えて安心して貰いたかったのに。
私のそんな不満は陛下に伝わらなかったようで、私に長椅子に座るよう指示する。

「陛下。」
「夕鈴。」

二人は同時に口を開いた。
陛下が「夕鈴から先に」と言えば、私が「陛下からお先にどうぞ」と言う。
暫くこのやり取りが続いたが、陛下が先に折れた。

「―――夕鈴。聞きたいことがあるんだけど。」
「…何ですか?」
「もしかして…刺客相手に一戦交えた?」
「―――」

何故それを。
いや別に隠す必要はないのだが、「妃」をやっている以上、それはどうなんだと思わなくもなくもない。(どっちだ)
いやでも、命を守るためにしたことだ。正当防衛だ。
なら別にいいだろう。
そう思った私は、陛下の質問に肯定の意を示した。

「―――はい。四阿で、突然紅珠に刃物を向けてきたものですから…。四阿は狭いので、まず逃げなければと思い、隠していた棒を拾って刺客を2人倒して、紅珠の手をとって逃げ出しました。」
「―――」

今度は陛下が黙る番だった。
何…この沈黙。お、重いっ!
この沈黙に耐えられなくて、私は話し続けた。

「いや、でも、陛下と棍の練習をしてて良かったです!じゃないと、あんな人数相手では逃げることも叶いませんでしたよ!いやー、本当に」
「―――夕鈴。」

日々の鍛錬は必要ですね、と続けようとした私の言葉は、陛下によって遮られた。
温度が下がった。
私は長椅子に座っていたのだが、陛下は立っていた。
その陛下が隣に腰かけ、私の隣に来た。
陛下が私の手を取って話す。

「―――夕鈴。確かに危険を回避するためには必要な措置だったと思う。けど、君がそこまでする必要はあるのかな?特に、最後に氾 紅珠が転んでしまった時、君だけでも逃げ出せなかったの?」
「な、何言ってるんですか、陛下!それじゃ紅珠が危ないでしょう!?放っておけませんよ!」
「氾 紅珠などどうでも良い。」
「―――なっ」
「君が無事でいてくれるなら―――」
「―――何を言ってるんですかっ!!!」

私は怒髪天を衝く、という表現が正しく具現化された。
つまり、髪が逆立つほどの怒りを感じた。
―――紅珠がどうでもいい?私が無事なら?
―――そんな勝手があっていいものか!

「いいですか、陛下!交友関係は大事です!友達が困っている時に手を貸さないなんて、人として最低です!」
「…でも」
「それに、李順さんからも『ボロを出さず、つけこまれる隙を見せず、けれど突き放さず!良好な交友関係をお築き下さい!』と聞いています。紅珠と関係が悪くなることは、陛下にとっても良くないんじゃないんですか?」
「それは…そうだけど…でも」
「まだ何かありますか?!」
「―――イエ」

こうなった夕鈴には、何を言っても聞きやしないだろう。
でも僕にだって譲れないものはある。
黎翔は握った手に力を入れて夕鈴に話しかける。

「―――氾 紅珠の件は、分かったよ。夕鈴の言う通りだ。でも、これだけは言わせてもらう。」
「―――何ですか?」
「君は私の妃なんだ。君が無事でいられなかった時、心配する者がいるということを忘れないでほしい。」
「…。」
「―――分かったか?夕鈴。」

そう言って私は夕鈴に顔を近付ける。
すると突然、夕鈴が顔を上げた。
僕は驚いて近付けた顔を少し退ける。

「―――分かりました!では、私は今までよりももっと稽古をして、もっと強くなります!今回くらいの人数なら、簡単に蹴散らせるように!」
「…え」
「そういうわけで、陛下!私夜の稽古の時間を増やしてもいいですかっ?掃除の時間を増やすわけにもいきませんし…増やすならそこだと思うんです!」
「いや、あの…どうかな…」
「陛下にご迷惑はおかけしませんから!」

う~ん…心配掛けないように危ない真似はしないでね、という意味で言ったんだけど、どうやら別のところに火を点けてしまったようだ。
夕鈴との稽古の時間が増えるのは構わないんだけど…これ以上強くなられても、男の甲斐性とか出番とか誇りとか…

「―――うん。夕鈴はそのまんまでいいよ。」
「―――えっ!?どういうことですかっ!陛下!?」

そうして、この後どうやって夕鈴を説得しようか、僕は頭を悩ませることになる。


********************

数日後。
氾家から正式な謝罪が妃宛てに届き、それと一緒に紅珠も後宮に訪れた。

「お妃様…。この間は私の事情に巻き込んでしまい、本当に申し訳なく…どうお詫びをすればいいのか…。」
「気にしないで紅珠。あなたのせいではないのだから。それよりせっかく来たのだもの。お茶でも楽しみましょう。この間異国から献上された物で、とても良い香りがするんですうよ」
「お妃様…。」

潤んだ瞳で紅珠が見上げてくる。
…こんな顔見せられたら、なんでも許しそうになるわ…
そんなことを思いながら、夕鈴は紅珠を四阿に誘う。
この間とは別の四阿である。
あんなことがあったから、同じ場所は嫌だろうなと思って。
侍女にお茶を出してもらい、少し離れたところに待機して貰った。
すると紅珠がふと思い出したように言った内容に、お茶を噴き出さなかった私を、誰か褒めて欲しい。

「―――そういえば、お妃様ってお強いんですね。」
「―――っ!…え?」
「暗殺者が襲ってきた時も、冷静でいらっしゃいましたし、棒で二人ほど倒してしまうんですもの。私、とても驚きましたわ。」
「―――」
「陛下もとても恐く思いましたのに…はっきりとご意見を仰ってましたし…」

まずい。
お妃としてもう突っ込みどころ満載の紅珠からの指摘に、私の頭の中はどうやって言い訳しようかぐるぐる回っていた。
視線も泳いでいたに違いない。
しかし四阿の周りを泳いでいた私の意識は、次の紅珠の言葉で私の中に戻ってきた。

「私…とても尊敬致しますわ…。」
「―――え…、…え?」

視線を上げて見た。
顔の赤い紅珠が目に入る。
…この顔は前にも見た。一体なんだろうと思う前に陛下に連れられてしまったので、考える時間がなかったが、もしかして―――

「暗殺者にも陛下にも毅然としたお姿―――かっこいいですわ…。」

ぽーっとまるで夢見心地の紅珠は、どうやら本当に夢の世界へ飛び立ったのではないかという雰囲気だ。

「…あのー、…紅珠?もしもし?」

目の前で手を振ってみるも、気付かない。
どこか別の世界へ行ってしまったようだ。

―――どうやら懐かれた、らしい。

私は「まあいいか」と思いながら、目の前のお茶を楽しむことにした。


―――――――――――――――――――――――――――

紅珠編でした。
紅珠が狙われて夕鈴が立ちまわるという…
その展開が最初に頭に浮かんだ展開です。

紅珠は可愛いですよね♪
本誌でも夕鈴に懐いていますし…きっと夕鈴の一生の友達になるのではと予感しております♪


次回予告↓

陛下に政務室に来るように言われた夕鈴。
そこの様子に夕鈴が感じたのは…

次回「政務室デビュー
お楽しみに!

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