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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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正しい夫婦の姿…? 5

皆様再び今日は!

前回は夕鈴がわーーーなところで終わりましたが、今回は…ほほほ♪

寝台で”普通の夫婦がすること”を教えてもらおうとする夕鈴は―――?

―――――――――――――――――――――――――

「き、気持ち悪いですっ!!」
「きも…――」

黎翔は思考が停止した。
待ったがかけられる事は想像していたが、まさか『気持ち悪い』とまで言われるとは思わなかった。
ガーン…とショックを受けた黎翔は、起き上がる夕鈴の手に抗えず押され、夕鈴と向かい合う事になる。
夕鈴は両手で舐められた耳を覆い、真っ赤な顔で黎翔に向かう。

「み、みみ、耳を…っ?!な、舐めて…!」
「あ、あの、夕鈴…」

黎翔は直前までの狼をどこかに吹き飛ばし、小犬になって夕鈴を宥めようとする。
が、夕鈴にキッと睨みつけられる。
夕鈴は舐められた方の耳を押さえ、顔を真っ赤にしながら反対の手で黎翔を指差す。

「陛下っ!み、耳は、舐めちゃいけません!」

ビシーッと、まさに音が聞こえそうな程力強く、夕鈴は黎翔に指を差した。
しかし黎翔にも主張があるので、呟くように言おうとする。

「いや、でも…夕鈴が知りたいって…」
「こ、こ、こんなの、夫婦のする事じゃありませんっ!」

何も知らない夕鈴は、黎翔の呟くような主張をすぐさま却下する。

「み、み、耳、耳はそもそも音を聞く場所であって、舐めたり齧ったりする場所じゃありませんっ!き、汚いじゃないですかっ!」
「いや、でも夫婦は…」
「陛下っ!!聞いてますかっ!!!?」
「はい」

夕鈴のあまりの剣幕に、黎翔は黙らざるを得ない。
「ちょっと座ってください」と言われ、思わず正座をする。
夕鈴も背筋を伸ばして正座する。
そして、ぷるぷると顔を真っ赤にしながら、涙目で言い始める。

「そ、そもそもですねっ、何で陛下はそんなに私を噛むんですかっ?痛くは無いとはいえ、噛むって事は…そんなに私の事が気に入らないんですか!?」
「いやあの…」
「前にも!は、鼻を噛みましたよねっ!あの時はもうちょっと痛かったですけど…、でも、やっぱり私が気に食わないんですかっ?」
「ちょ、ちょっと待って…」
「いーえ!待ちません!!今日という今日は言わせて頂きます!!!」
「―――はい…」

口を挟む隙が無い。
どうやら夕鈴は、以前酔って鼻を噛んだ時に『気に入らなかったから、噛んだ』という図式が出来ているらしく、今回はその逆で『噛んだ=気に入らなかった』と思ったらしい。
以前とは状況が違うし、今回は決してそのような流れでは無かったし、甘噛みだったにも関わらず、そのように夕鈴が思うという事は…

――――――先は長いな。

黎翔は真っ先にそう思った。
その間も、夕鈴の『お説教』は続く。

「それに!あの後、ひ、人の事を『おまんじゅうに似てる』とか言いましたよね!?」
「あ、それは…」
「人の事を食べ物に喩えるなんて!それは女の子に対する侮辱です!いくら陛下でも、それはいけませんっ!!!」

あれはただ『おまんじゅうに似てる』という意味では無くて『だから美味しそう』という点も含まれていたのだが…それを言ったら、尚更怒られそうで言えない。

「それとも、食べ物に似ているから噛んだり舐めたりしたんですかっ!?ど、どっちにしろ、それは夫婦が行う様な事では無いはずです!」
「…えっと…」

どうやら、夕鈴は「夫婦のなんとやら」を詳しくは知らない、というのは分かる。
勿論、夕鈴は知らないだろうという事は元々分かっていたが、『知りたい』と言っていた割には、反発が強い。
―――やっぱり、噛むのはまずかったかな…
あと、耳はハードルが高すぎたかな…?
鼻でもあんなに過剰反応していた夕鈴だし…
視線を横に逸らして考え事をしていると、すっ…と夕鈴は部屋の入口を指差した。

「と、とにかく、今日はもうお帰り下さいっ!」
「えーーっ!!?」
「えーーーっ、じゃないですっ!お・か・え・り・く・だ・さ・い!!!」
「…―――はい…」

お嫁さんの剣幕に、僕(夫)は成す術もない。
とぼとぼと夕鈴の部屋の入口に歩いて行く。
ちらりと小犬で夕鈴に振り返るも、夕鈴は寝台の前で仁王立ちをして、鼻息荒く腕組みをしていた。
その様子を見て、今夜は本当に無理そうだと判断した黎翔は、部屋を後にする。
夕鈴の顔は、まだ赤いままである。


********************


「とうとう兎を齧っちゃったの?」

ぶらーんと回廊の屋根からぶら下がって来たのは、幼い顔立ちの隠密である。
その顔は「ぷくく…っ」と笑いを堪え切れておらず、黎翔はそれを見て唯でさえ荒みそうな機嫌が更に降下した。

「…別に」
「でも齧ったんだろ?」
「…」

別に浩大の言う意味での『齧った』では無いとは思う…が。
実際には本当に齧ったのだから、反論の余地は無い。
こういう時、飄々とした部下が憎らしい。

「まあまあ、へーかっ。お妃ちゃんに嫌われた訳じゃないなら、別にいーんじゃネ?」
「―――」

本当に大丈夫なのだろうか。
以前鼻を噛んだ時のように『大っキライ!』とは言われなかったものの、物凄い怒られた。
まさに『大噴火』という言葉が当てはまるくらいに。

「―――…はぁ…」

浩大の言葉も全く慰めにならないほど、黎翔は落ち込んでいた。
その背は丸く、哀愁が漂っている。

ありゃりゃ…こりゃ重傷だナ…
頭の上で腕組みをしながら浩大はそう思い、主の背を見守った。



「―――陛下。丁度良いところに。この書簡ですが…」
「―――」

自室に入ると、李順が書簡を持って話しかけてくる。
それをスルーし、はぁ…と溜息を吐いて黎翔は椅子に座る。

「どうかされたのですか?」
「――――――夕鈴は難しい…」
「は?」

黎翔は少し蒼褪めながら難しい顔で机に片肘付いた。
その様子と言葉に、また妃との間に何かあったのだと李順は勘付く。

「―――また夕鈴殿と何かあったので?」
「―――」

李順がもはや恒例のように聞こうとするも、黎翔も毎度の如く話そうとしない。
ただ深い溜息を吐くばかりである。
国王の自室だから良いものの、もし『冷酷非情の狼陛下』が『これ』だと聞いたら、誰も信じられないだろう。
“妃”に関してのみ見せる黎翔の落ち込んだ顔。
李順はそろそろ自分の胃が限界を訴えるのではないかと思いながら、ある事を思う。

――――あの小娘っ!!!今度は何をやったっ!!!?

歯をギリギリと音を立てながら、王の現状の原因となった(であろう)バイト妃に、呪いにも近い念波を送った。


その頃、妃の部屋に居る夕鈴が人知れず寒気を覚えていた。

*******************

―――――――――――――――――――――――――――――

ぶちちっ!

6へ続く

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*Comment

NoTitle 

ギャハ~(笑)
また ぶちちっ!

急いで6へ!行くもんね~

というか陛下不憫。

これぞ元祖不憫陛下!(笑)(。-∀-)
  • posted by ママ 
  • URL 
  • 2014.01/07 21:44分 
  • [Edit]

ママ様へ 

さり気無くぶち切り音にバリエーションをつけてみました(笑)

不憫陛下を書くのは楽しいです(^u^)←あ

行ってらっしゃいませ~(@^^)/~~~
  • posted by さき 
  • URL 
  • 2014.01/08 13:02分 
  • [Edit]

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