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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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束の間の 1

皆様今日は!

とりあえず早速!

迷走編続きをどうぞ!

夕鈴と黎翔の間の緊張は緩和されたものの…
夕鈴はあることに気づき―――?

―――――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】



「いや~本当にびっくりしたんだぜ~?いきなり消えるんだもんな~」
「…その節は本当に…何と言ったら良いのか…」

立ち入り禁止区域。
夕鈴は掃除と訓練をしにやって来ていた。
掃除をしている最中に突然何かの物体が入ってきたので、驚いて叩きだそうとしたところ「うわー!お妃ちゃん、オレ、俺だって!」と言われ、浩大だと気がついて手を止めた。
護衛対象にハタキで叩きだされそうになった隠密は、ほっと溜息をついてひょいと中に入った。

「へーかに状況説明したら『探す必要はない』とか言われて、こっちが焦っちゃったよ。そんなんでいいのかよっ…って。」
「何だか色々ごめんなさい…」

謝るしかない。
何て言ったって、彼は護衛で私は護衛対象。
その護衛対象が目の前から突然消えた時の、彼の心痛は如何ばかりだろう。
夕鈴は申し訳なくなった。

「ごめんなさい…お詫びに、今度何か御馳走するわ。」
「え?お妃ちゃんが?何を?」
「そうね…クッキーなんてどうかしら。あ、それともケーキとか、ドーナツとか…」

指折りお菓子を挙げていく。
あれかしら、それとも…と考えていると、浩大から戸惑った声が上がった。

「…お妃ちゃん…それ何の呪文…?」
「え――――あ、そうか。これじゃ分からないわよね…。うーんと…う~ん…焼き菓子ね。香ばしく焼き上げた甘い焼き菓子に、柔らかいスポンジ…じゃなかった、ふんわりとした生地に甘~い牛のお乳を混ぜ合わせたものを塗ったもの。油で揚げた、もちもちとした揚げ菓子…と言えば分かるかしら?」

そうだった。
お菓子の名前もここじゃ通用しない。
知っていて当然のものを元から説明することは、案外難しい。
この時代に来てからこう言う事は多いけど、原材料とかは特に説明が難しいと思う。

「あ~…気持ちは嬉しいんだけどさ…それ、作ったら陛下にあげてよ。最近、更に雰囲気冷たくなっちゃってさ~。」
「…」

浩大の言葉を私は黙殺した。
原因ははっきりしている。私が避けているからだ…多分。
またこの時代にやって来て、陛下に求婚(?)されてから4日。
それから陛下を避け続けている。
どうやら、日に日に不機嫌になっているようだ。
政務室が一足早い、冬の到来だと聞いている。
でも――――…こればかりは仕方ないと思う。
私は陛下の言葉に、頷く訳にはいかないのだから。
昨日、李順さんにも釘を刺されたし。


…*… …*… …*… …*… …*… …*…

『夕鈴殿。お話がございます。』
『…何でしょう。』

帰って来て2日目。
陛下に言われた事と瑤花さんの言葉が衝撃的過ぎた私は、陛下を避けてしまった。
しかも…今日で2日目。
ああ…どうしよ。
そんな事を考えていたら、浩大経由で李順さんに呼び出された。
人払いをして、四阿で相対する。

『まずは―――本当に、未来から来ていたようですね。驚きました』
『…信じて下さるのですか?』

白陽国に来た当初、未来から来たことを信じていなくて未だに納得していなかった李順が、ここにきてその発言をした事に夕鈴は驚いた。

『さすがの私も、光と共に貴女が現れたのでは、信じるしかないでしょう。』
『―――』

それもそうか、と思う。
さすがに、あの現象を目の前で見たら、信じざるを得ないだろう。

『しかし、それと陛下の事は別物です。』
『…?』

その言葉に、夕鈴は反応できなかった。
何を言われているのか、見当がつかなかったからだ。
しかし続く言葉に、思考が凍りついた。

『貴女はあくまで陛下の臨時花嫁。いつか然るべき礼状を迎えるまでの役目と言う事を忘れないでください。』

―――李順さんは、陛下が私に言った事を聞いているのかしら?
そうなのだろう、この国の妃のことなのだ。
陛下が李順さんに相談したのかもしれない。
ならば私が言うべき言葉は―――

『―――はい。分かっています。』

私は、臨時花嫁。
次々と湧いて来る陛下の縁談話を断るための、偽の妃。
いずれ、ここから去って行く存在。
陛下に求婚紛いの事をされたからって、本気にしちゃいけない。
勘違いしちゃいけない。
私は、未来の人間なのだから。
陛下とは、交わることのない運命。
そう、いつかは別れの時が来る―――…

『―――なら良いのです。引き続き、お役目を全うして下さい。』

そう短く言って、李順さんは去って行った。


…*… …*… …*… …*… …*… …*…

「お妃ちゃ~ん?違う世界に飛んでるよ~?」
「―――!」

はっとした。
どうやら、昨日の事で深く考え込んでいたらしい。
浩大に顔の前で手をひらひらされて、やっと気付いた。
いかんいかんと、夕鈴は両頬を叩いた。
気が抜けすぎだ。いくら立ち入り禁止区域とはいえ。
妃の姿をしていないと、どうも気が抜ける。
こちらの方が、遥かに気が楽なのは事実だが。

「あ。あと、汀家のお二人さんも相当驚いてたよ?お妃ちゃんが消えたから。特に妹ちゃんの動揺は半端なかったな~…」
「!!!そうだったわっ!」

二人にも説明を…って、出来るかーーっ!
実は私は未来から来てて、実は貴方がたの子孫ですって?
そんなの言ったところで、信じられる訳がない!
それにしても、下町で戻るとは思わなかったわ。
いつもいつも、後宮で…
………ん?
そういえば―――
以前は現代に戻るのに、後宮からしか道は無いと思ったのだが…
この間は下町の汀家の鏡でも帰ることが出来た。
―――ということは、だ。
夕鈴は一つの考えに思い至った。

「―――私、妃である必要、あるのかしら?」
「へ?」

思わず呟いた言葉に、浩大は素っ頓狂な声を出す。
そして一瞬後、浩大は夕鈴の放った言葉の意味を考え、次いで焦り出す。

「お、お妃ちゃんっ?何考えてるの??」

そうだわ。
だって、元々私が後宮に留まったのだって、最初の頃に後宮からしか現代に戻れないと思っていたからで。
その時は、放り出されると困ったからで。
でも、今は―――?
今はもう、下町でも帰れることが証明された。
ならば、後宮に無理して留まる必要は無いのでは?
その結論に至った夕鈴は、浩大が焦っていることにも気付かない。

「お、お妃ちゃんてば…」
「こりゃ、お主は何を考えとるのじゃっ」

浩大がおろおろしていると、突然にょきっと老師が現れた。

「妃のお主が居なくなったら、陛下の癒しはどうなるんじゃっ!」
「じっちゃーんっ!」

浩大は何だか救世主を見ているようだった。
尊敬できる御仁だとは知っているのだが、些かいつもの調子を見ていると、尊敬の念を忘れがちだ。
だが今回ばかりは助かった、と思った。
自分の発言が原因でお妃ちゃんに出ていかれたら、俺マジで陛下に殺される。
新たな闖入者に、考え込んでいた夕鈴もさすがに気付いた。

「―――老師?居たんですか?」
「居たのか、じゃないわい!お主は何を考えとるっ」
「え…だから、別に私は後宮に居る必要は…」
「ばっかもーーーーんっ!」

どかーーんと、雷が落ちる。
しかし、些か身体の小さい老師なので、さほど大きな雷にはならなかった。

「お主が居ない間の後宮っ!妃の居ない後宮っ!そんな状況が良い訳なかろうにっ!陛下とて、すっかりしょげておったわいっ!」
「え」

しょぼーんと体育座りをしている陛下を思わず思い浮かべる。
横から浩大が「あ、多分それ違う」と指摘してきた。
何故分かったのかしら。

「大体っ、お主は陛下に求婚されたそうではないかっ!それなのに何故出ていこうとするのじゃっ!」
「っ!!?」

何故それを知っているの!?
そう思っていたら、視界の先で浩大が手をひらひらさせてしたり顔で笑っていた。
こ~~うだ~~いっ~~!!!
余計な事を…!

「陛下に求婚されたなら、ほれ。何を迷う事がある。陛下の御子をお産みするのじゃっ!」
「だからっ、何でそう極端に走るんですかっ!」

子供とか…っ、もうっ、冗談じゃないわっ!
洒落にならないじゃないのっ!
大体まだ、恋人ですらないのにっ!

老師に考えを逸らされた夕鈴は、この時は結局それ以上先ほどの考えを深める事は無かった。


********************

――――――――――――――――――――――――

あはははは(^O^)
浩大、それはマジでヤバいって(笑)

陛下に殺され…るだけなら良いね!←おい


2へ続く

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「狼陛下の花嫁」の二次小説を書いています。
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