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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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安息日 1

皆様今日はです!
今日から再び二連休!
しっかり休みますよ!

さて、ではパラレル「迷走編」続きに参りましょうか!

この話は、夕鈴が現代から白陽国に来た1週間後くらい。
「緊張の日々」から2日後、「束の間の」の翌日くらいのお話です。

緊張も落ち着いた麗らかなある日。
夕鈴は話していないある事を思い出し―――?

――――――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】


四阿で昼餉を取った後、お茶を飲んで和んでいると、夕鈴が唐突に口を開いた。

「―――!あ、そういえば、陛下。」
「ん?何?」
「こちらで習った棍!役に立ちましたよっ。あんなに倒せるものなんですね!」
「…ん?何の話?」

脈絡なく紡がれた夕鈴の言葉に、僕は首を傾げる。
棍と言えば、夕鈴と僕が夜に、侍女に見つからないようにひっそりと訓練していたあれか。
夜中に男女が二人きりで体を密着させているというのに、出てくる声は「ほっ!」「とりゃっ!」「えいっ!」で、部屋に響く音は「しゅっ」「ぶんっ」だった、あれか。
黎翔はちょっと遠い目になりながらも、夕鈴の言葉が引っ掛かった。
―――ん?役に立った?
―――倒した?
話が見えない。
黎翔はもう一度夕鈴に尋ねる。

「ゆうりん。話が見えないよ。本当に何の話?」
「―――あ。すみません、つい興奮しまして…。えっとですね、私がこちらに来る前に、ちょっといざこざがあったというのはお話ししましたよね?」
「―――ああ、そういえば…」

そんなことも言っていた気がする。
あの時は、夕鈴が現れてくれた事に心底嬉しさがこみ上げて来ていて、正直あんまり頭に入っていなかったのだが。

「そのいざこざで、大活躍してくれたのが、陛下に教わった棍なんですよ!習っていて正解でしたっ!」
「…ちょっと待って。夕鈴…どうしてそんな事になったの?」

あ、ちょっと思い出した。
そういえば夕鈴が帰って来た日、そんな事を質問したような記憶がある。

「え~っと…最初から話せば長くなるんですが…」
「構わないよ。話して?」
「…分かりました。まず、許祐という男性に私が告白されてですね…」
「告白っ!?」

黎翔はがたっと立ち上がる。
それに、驚く夕鈴。

「へいか…?」
「――――告白、とは?…どういうことだ?」

え?
何でこんなに不機嫌?
まだ、話し始めたばかりなのに。
訳が分からないながらも、夕鈴は続けた。

「…えっと、告白、って言っても、罠だったんです。」
「――――え?」

そう夕鈴が言った瞬間、陛下の不機嫌さはふっと掻き消えた。
代わりに訝しげな顔になる。
何だったんだろう…と思いながらも、夕鈴は話し続ける。

「告白して、でーとに誘われたかと思いきや、いきなり気絶させられて、廃墟に連れ込まれたんですよ。…なんでも、几鍔を倒すためだったとか………何で私が、あいつのいざこざに巻き込まれなきゃいけないワケ……?」

思い出したら腹が立ってきたのか、夕鈴は話しながら怒り始める。
その様子に、自分の懸念していた内容ではない事が分かったものの、聞き慣れない言葉が混じっていたため、黎翔は質問した。

「夕鈴…?…『でーと』って、何?」
「――――あ…そうでした……えーっと、好き合っている男女が、一緒に出歩く…だったかしら?詳しい意味は、私も知らないんですけど。」

そういえば『でーと』の詳しい意味、知らなかったわ。
今度戻った時にでも、辞書を引こうかしら。
覚えていたら。
夕鈴が思案しながら言っている中、黎翔は違う文章に反応した。

「…好き合ってる?」

誰と誰が?
もしかして、夕鈴はそいつの事が好きなのか?
俄かに空気が冷たいものとなる。
しかし、それが夕鈴の元に届く前に、夕鈴が否定の言葉を言う。

「あっ、別にその人と好き合っていたわけじゃありませんからね。ただ誘われて、出かけただけの様なものです。」
「―――」

それでも、そいつと出かけたことには違いない。
少なからず、好意を持っていたという事だろうか?
夕鈴の顔からは、何を考えているのか読めない。
それが、余計に黎翔を慌てさせた。



明玉に言われて、誘われるまま行った先で、まさかあんなことになるとは。
でも、友人に『少しは男の人の事が分かるんじゃない?』言われたからだ、とは陛下に言えない。
だって…その『男の人』というのが、陛下だから。
陛下の事が知りたかった、と言っているようなものだ。
勿論、今でも分からないことだらけだから、知りたい気持ちはあるけど。
それを伝えると……ややこしくなる気がする。
うん。これは言わない方が良いわね。
夕鈴は話を戻すことにした。

「―――それでですね。連れ去られたその場所から、何とか脱出しようと、そいつの部下とかをやっつけながら出口を目指したんですけど、結局見つかっちゃって…」

あの時は大変だったなぁ…と過去に思い馳せる夕鈴は、先ほどの黎翔の変化には気付いていない。

「それでも蹴散らしながら逃げて…追い詰められた所に、几鍔が来たんです。」
「几鍔……ああ、幼馴染っていう…」
「そうです、今回私が攫われる原因になった、不良ですっ!!」

几鍔は別に不良でも何でもなく、ただ「不良たちに」好かれるだけなのだが、夕鈴にそのような言葉は届かない。
今回の件も、許祐が暴走しただけで、几鍔に非は全くないのだが、それも夕鈴には届かない。
勿論、黎翔にそのような細かい事情が分かる訳もなく、ただ夕鈴の言葉に頷くだけである。
以前、夕鈴から『几鍔』という幼馴染の話は聞いていた。
どうやら夕鈴は毛嫌いしているようだが、助けに来たと言う事だから、彼の方は彼女が言うほどではないのだろう。
そう思うと、黎翔の心に黒いものが漂ってくる。

「まあ、その几鍔と一緒に闘って、何とか敵はみんなやっつけたんですけど…」
「…一緒に?」

一緒に闘うとは…やはり、夕鈴にとっても、その彼は気の置けない仲なのではないのか。
背中を預けると言うのは、存外勇気がいるものだ。
信頼しているものでなければ、そういう事は出来ない。

「…彼とは、仲が悪いんじゃないの?なのに、夕鈴は一緒に…」
「ああ、私、昔からあいつのせいでよく攫われたりしてたんです。」
「え…」

それが一緒に闘う事とどう関係しているのだろうか…?

「あいつ、昔っから喧嘩っ早くて、よく周りの恨みを買っていたんです。そこで恨みを持ったやつが、いつも近くに居た私を人質として攫って、あいつを呼びだして…」
「いつも近くに居た…?」
「あ、その時は私もまだあいつと遊んでいた頃で…。それで、攫われた私を助ける度に、喧嘩もしてまして。私もそこで闘っていたんです。」

あの頃は私もまだまだ幼くて、単純に幼馴染と楽しく遊んでいた。
でもそんな私は、あいつに恨みを持つ輩には格好の的で、よく攫われて人質にされていた。
その度に、几鍔やその取り巻き達に見つけて貰っていた。
ただ私も大人しくしている性質じゃなかったので、習っていた武術で対抗したが。

「…何で夕鈴も闘ってたの?女の子なのに…。」

この国では、女性はそうそう闘わない。
闘う術を持たない。
女性とは、男性に守られるべき対象だからだ。
勿論、一部例外はあるが。
だが夕鈴の居る未来では、そうではないらしい。

「私と几鍔は、同じ道場に通っていたので…年齢も、みんながみんな幼かったですし…。男女の差はほとんどない時でしたから。勿論、年齢が上がるにつれて、そんなことは減って行きましたが。…再び闘う事になるとは思いもしませんでしたよ。」
「…」

勿論、こっちに来てからは、色々と危ない目に遭っているので、鍛錬は続けた。
陛下との練習も役に立った。
棍の場合、何か棒さえあれば良いのだし。

「――やっぱり、もっと浩大との練習も増やすべきかしら…」

浩大は隠密だ。
すばしっこいから当たる心配もほとんどない。
例え当ててしまっても、多分鍛えてあるから大丈夫なのだろう。
立ち入り禁止区域で練習する時は、練習台になって貰ってるが、未だ当てた事は無い。
それがもし当たるようになったら、再び今回の様な事に遭遇してももっと楽になるはずだ。
夕鈴は考え事をしながら呟いたので、そんなに大きな声は出していなかった。
しかし、黎翔にはばっちり届いた。

「――――浩大と?」

ひんやり…と部屋の室温がさらに下がる。
流石に夕鈴もその空気の変化には反応せざるを得なくなった。

「――陛下?」
「――浩大と、練習していたのか?」


――――――――――――――――――――――――――――

ぶちっ。
ここで切ってた私…(笑)

実はこの話が、最初の事は迷走編第1話だったというのは…
結構色々なところで言ってたりもします←


2へ続く

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