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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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いざ、黒蘭国へ!

皆様今日は(^O^)/
黒の女王の章の第2話です♪

黒蘭国女王から招待状が来た!
それに応え、夕鈴と黎翔は黒蘭国へ―――!

――――――――――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】



ガラガラガラガラ…

馬車の車輪が回る音が響く。
時折「ガタンッ」と馬車が揺れる事もあり、初めて馬車に乗る夕鈴は、すでに疲れ果てていた。
それでも、そんな事は顔に出さずに外の景色を見る。
いや、そんな事よりも外が気になったという方が正しい。
何せ、白陽国に来てから王都の外に出るのは初めてなのだ。
何もかもが新鮮だ。
見慣れない景色。嗅ぎ慣れない匂い。
何もかもが、わくわくする。

「―――夕鈴、疲れていない?」

突然、向かいに座っていた陛下に声を掛けられた。

「いえ…大丈夫ですよ。」
「そう?何だか顔色があまり良くないよ?」
「そうですか?…酔ったのかしら。…車酔い…じゃなかった、馬車酔い?」

いや、馬車も立派な『車』なのだから、車酔いでも良いのかもしれない。
どうでも良い事を考えながら、夕鈴は答える。
この世界での移動は、基本的に馬だ。
それはそうだ。自動車など無いのだから。
馬車に乗って分かる、自動車の有難み。
車内に居ても揺れは少ないし、こんなに体のあちこちが痛む事もないだろう。
さっきは強がって『大丈夫』などと言ったが、明らかに夕鈴は疲れている。
それを黎翔は心配していたのだが、夕鈴は外を見続ける。

――――本当に、何も無い。
いや、目の前には地平線が広がり、どこまでも澄んだ青空が広がっている。
何も無い事はないのだが、現代化した世界を知っている夕鈴には、物凄い田舎に来たという感覚と同じだ。
ビルも無ければ、自動車も無い。
ある程度道は作られているが、舗装された道路では無い。
時折見かける人も疎らで、人口増加が著しい現代では、本当に有り得ない光景。
夕鈴は、空を仰ぎ見た。

―――本当に、遠い世界に来たのね…私。
現代の面影を、そこに見る事は無い。
何もかもが、違う世界。
夕鈴は、改めて自分とこの時代との“遠さ”を感じる。


**************

行く先々、新鮮味があって面白いと感じながらも、どこか遠くに感じていた。
この時代の庶民なら、商人でもない限り遠くには行かないから、きっと私と同じ事を想うんだろうけど、それでも何かが違う気がする。
――やはり私が居るべきは“ここ”ではない。

「―――りん、夕鈴」
「――――――――――――――――――――…あ…、呼びました?陛下。」

夕鈴は呼ばれてる事に、数拍後くらいに気付く。
何度も呼んでいた訳ではなさそうだが、陛下は訝しげに眉を顰める。

「…今は『黎翔』で良いよ。二人だし。」
「…黎翔様、呼びました?」
「うん。…本当に、具合悪くない?大丈夫?――ちょっと熱いな…」

陛下の手が私の頬に伸ばされる。
その手は、意外に冷たかった。
慣れない馬車の旅で、少し熱っているのかもしれない。
陛下の手に自分の手を重ねてみる。
冷たくて気持ち良い…

「―――」

黎翔の動きがピタリと止まる。
それに夕鈴は気付かない。
――これは…ワザと…ではないよな…
夕鈴の頬に伸ばされた黎翔の手は、今夕鈴の頬と手に挟まれて動けない。
しかも、夕鈴はその手に頬ずりしていた。

馬車の中はそんなに広くない。
それこそ、手を伸ばせばすぐに相手に届く距離だ。
この間『時期尚早』だと考え直したのに、その思考も吹き飛びそうなくらいである。

何せ、この3日間ずっと夕鈴と馬車の中に居た。
勿論、途中泊まった宿では別室だったものの、それ以外はほとんど一緒だ。
白陽国から黒蘭国へは、大体3日程の行程で着く。
往復6日間掛かるとして、向こうでの滞在は10日間。
長くなっても、凡そ20日間の旅路である。
…この3日間、ずっとこの狭い馬車の中で二人っきり。
もうすぐ着くとは分かっていても、折角抑え込んだ理性がそろそろ辛い。

だがそれよりも夕鈴の様子だ。
やっぱり疲れているのだろう、顔色が悪い。顔も熱いし。
休憩させるか…?
いやでも、李順が『早急に出向いて、さっさと帰りましょう。冬になる前に』と言っていたから、休憩は必要最低限だけにしてある。
ならばどうするか…
そこで黎翔は、自分の欲望と心配を一挙に解決する方法を思い出す。
夕鈴の腰に、手を伸ばす。

「――ッ…な、何っ…?へ、陛下っ?」
「――顔色が悪い。馬車の揺れが辛かったか?」
「だ、大丈夫ですよっ、それくらい!ただちょっと馬車には慣れて無いだけで…!あのっ、降ろして下さい!」
「この方が身体への負担は少ない。」

――心臓への負担があまりにも大きいのですがっ?!
夕鈴は、黎翔の膝の上に乗せられていた。
陛下の手の冷たさに目を瞑っていたから、陛下の動きに反応するのが遅れてしまった。
しかし言葉では反抗するものの、身体が思った以上に疲れているのか、暴れる気力が湧かない。
むしろ、このまま身体を任せてしまいそうになるほどぐったりしていた。
腰を抱えられ膝の上に乗せられ、頭を撫でてくる手に安心する。
包まれる心地良さに、夕鈴は身体を預けた。

「―――夕鈴?やっぱり無理してた?」
「…分かんないです…――でも…温かい…」

陛下の膝の上は久しぶりだった。
勿論、自分から乗っかったわけではないが、以前はもっと膝に乗せられていた気がする。
求婚されて断ってから、陛下は過剰なスキンシップを止めてくれたけど、何だか最近また増えてきた気がする。
それでも、以前よりは減ったからこんな風に膝に乗せられる事は無かった。
だから、何だか物凄く恥ずかしい。
恥ずかしいとは思うものの、思った以上に疲れていた身体に、この心地良さは快適だった。



―――マズイ。
夕鈴に触れられるし、夕鈴の体調も心配だったから、自分の膝の上に乗せたまでは良い。
しかし、夕鈴が身を預けてくるのは想定外だ。
てっきり、いつものように暴れ出すかと思った。
なので、自分は今切れてしまいそうな理性の糸を、必死に手繰り寄せている。

「――ん…」

その声に夕鈴の顔を見る。
どうやら眠ってしまったらしい。
やっぱり、相当疲れていたようだ。
あどけないその顔に、邪な感情が掻き消えるのを感じる。

「―――」

無言で夕鈴の頭を撫でる。
――正直、今のままの状態はある意味、辛い。
本当ならすぐにでも夕鈴を本物にしてしまいたい気持ちを、堪えるのに精一杯だ。
でもそれだと夕鈴の気持ちが追い付かないから、我慢しているだけで。
それでも、ふとしたこういう状況で、警戒心なく接せられると、少し焦る。
夕鈴に、男として見られていないのかと。
それは困る。
夕鈴には『いずれ』本物になって貰うのだから。

夕鈴の頭を撫でながら、半ば物騒な事を黎翔は考えるのだった。


**************

「――――――――夕鈴。もうすぐ着くみたいだ。起きて…」
「―――ん…」

どうやらうたた寝をしていたようだ。
この揺れの中眠れるとは、自分も結構図太い。
…と思ったが、考えてみたら陛下の膝の上だった。
だから、揺れの負担がほとんどなかったようだ。
寝たことで身体の疲れも少し取れたみたい。
眠る前に熱っていた顔も、今では普通に戻ってる。
急に恥ずかしくなってきて黎翔から身体を離そうとした夕鈴だったが、先んじて掛けられた黎翔の声に気を取られる。

「―――ご覧。あれが黒蘭国の王宮だ」

その言葉に、窓の外に視線を移す。
そこに映ったのは…

「――――わぁ…!大きい…!綺麗…!」

夕鈴は黎翔の膝の上に居る事も忘れて窓の外を眺める。

そこには白陽国王宮にも負けず劣らず壮麗な、黒蘭国王宮があった。

――――――――――――――――――――――――――――

…馬車ってそんなに疲れた記憶無いのですがね(笑)
まあ、私が乗ったやつは、所謂ほろ馬車という奴だと思いますが←
快適だった記憶しか…やっぱりスプリングか(・・?

陛下が青年www
いや、青年だけれどもwww



次回予告↓

黒蘭国王宮に着いた夕鈴たち。
そこで黎翔を待ち受けていた“試練”とは――――!?

次回!
「黒蘭国のしきたり…?」
お楽しみに!

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