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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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麗しき宴

皆様こんにちはです…
昨日は更新するのをすっかり忘れてました…(+_+)
申し訳ないです…m(__)mペコ~リ

というわけで続きです!

黒蘭国のしきたりによって二人は離れ離れに。
そんな中、宴が始まる―――!

――――――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】



そう言えば、宴の行われる広間はどこなのかしら。
夕鈴は唐突に思った。
ここから遠いのかしら。

そう言えば、陛下の部屋はどこ?
自分の今居る部屋の近くに、陛下は居ないだろう。
だって、この部屋の周りに、人が多い気配がしない。
きっと陛下の部屋の周りは、付いて来た大臣や官吏の人々もいるだろうから、多くの気配ですぐ分かるはずだ。
それが無い…ということは、近くには陛下が居ないという事に違いなかった。
宴では、陛下の近くに座れるだろうけど…
宴…
そう言えば、宴は初めてだったわ。
この時代に来て、パーティーみたいな出来事は初めてだった。
ずっと後宮に居て、王宮でも政務室くらいしか行かなかったから、大人数が集う宴は、少し緊張する。
ちゃんと妃らしく出来るかしら。
そこが心配だ。

「お妃様。準備が出来ましたわ」

髪の毛を結っていた女官さんにそう言われて鏡を見る。
その自分の姿を見て驚く。
―――人って、こんなに変われるものなのね。
女官さん達の腕に、夕鈴は感激した。
女官さんに言われて、部屋を出る。
そこには――――立派な輿が。

「え…」
「宴の間までは少し歩きますので、お妃様にはこちらにお乗り下さいませ。」
「はぁ…」

別に歩くくらい何ともないが…ここでは私は妃。
そんなに歩くものじゃないのかもしれない。
…じゃあ最初に何であんなに歩かせたのか、よく分からないけど。
とりあえず、もうすぐで陛下に会えるに違いなかった。
夕鈴は輿に乗り込んだ。


*********

「妃の部屋はどこだ?」

黎翔の声が低く通る。

「何故夫である私が、妃を迎えに行けないのか。」

その声は冷たくて鋭い、詰問する声であった。
夜になり、宴ももうすぐ始まるという刻。
黎翔は未だに夕鈴と会えなくてイライラしていた。
通常、他国での宴なら国王夫妻は共に行くものだ。
例え正妃でなくとも、『唯一の妃』なら同じこと。
なのに、未だに夕鈴の部屋の場所すら伝えられない。
どう考えてもおかしい。
これが女王の差配なら、一体何を考えているのか。
苛立ちを隠そうともしない黎翔に、恐れ慄く白陽国側。
李順が傍に近寄り、そっと言う。

「―――陛下。ここはお納め下さい。…宴では、夕鈴殿とは会えますでしょう?」
「…それはそうだが…」

何だか胸騒ぎがする。
こういう時、嫌な予感は絶対当たる。

「――ここはどうやら女性が優位のお国らしいですから、黒蘭国側も夕鈴殿には無体な事はなさらないでしょう。」

それに、何かあっても大人しくはしていないだろう。あの娘は。
刺客に囲まれても、切り抜けようとした娘だ。
そう簡単にはやられないはずだ。

「…夕鈴には、な…」

黎翔の意味深な発言は、李順の耳には届かなかった。


**************

「―――白陽国、お妃様のおなりでございます。」

宴の間。
輿に乗せられて連れられたそこは、とても広々としていた。
席は広間の中央を挟んで置かれており、白陽国側と黒蘭国側と一目で分かるようになっていた。
煌びやかな雰囲気に圧倒されていると、女官さん達に席に案内される。
…でも、そこは…

「――え?私は向こうじゃないのですか?」

だってあっちには白陽国の大臣や官吏達がすでに座っている。
女官さん達が案内する場所は、黒蘭国側の席ではないの?
並ぶ、黒蘭国の貴族方…と思われる女性達。
その瞳は優しく、夕鈴を迎えてくれている。
確かにこちらも気になるけれど、自分の立場は妃。
妃の登場に一瞬言葉を無くしていた白陽国の面々も、妃が案内された場所にざわめく。
私はあちらに行かなければならないのでは?

「こちらが、お妃様のお席にございます。」

花胡が進み出て来てそう言う。
夕鈴は戸惑いつつも、王の補佐である花胡がそう言うのだからと、席に座る。
瑤花がその後ろに付く。

「―――白陽国、国王陛下のおなりにございます。」

その場がシン…となる。
白陽国国王――珀 黎翔。
その姿は気高く美しく、まるで野生の狼を思わせる出で立ち。
宴の間の、誰もが言葉を失っていた。
そして広間の中心に来ると―――

「――妃よ。何故そこに?私の隣に来るが良い。」
「あ…」

同じく見惚れていた夕鈴は、黎翔のその言葉で我に返る。
しかし、黒蘭国側にこちらに座るよう指示された身としては、どうしていいか分からない。

「――どうした?」
「あの…それが…」
「――白陽国国王陛下に申し上げます。お妃様は、こちらにお座り頂きますわ。」

花胡が進み出て、そう申し出る。
それを黎翔はジロリと睨み、冷たく言い放つ。

「ほぉ…?我が妃を、私から引き離すと申すか。」
「黒蘭国では、男女が同じ部屋で過ごす時、対面して座るのでございます。故に、お妃様とお付きの方には、こちら側にと…」
「…またしきたりか…。」

黎翔は溜息を吐きたくなった。
しきたり、しきたりと…黒蘭国のしきたりは、夫婦を引き離すものばかりなのか?
そう悪態を吐きたくなったが、黒蘭国についての情報は未だに少ない。
下手な事を言って国際問題になっては事だ。
慎重にならねばならなかった。
李順もそう思ったのか、

「――ここは引いた方が良さそうですね。」
「…そのようだ。」

その李順の言葉に、不満そうにしながらも黎翔も頷く。
その時―――

「―――女王陛下のおなりでございます」

会場が、再び沈黙した。
宴の間中央の扉が開かれる。
そこに居たのは―――黒蘭、の国名に相応しい人物。
黒蘭国の女王だった。



蝶が舞うように、ふわりふわりと抑揚のある言葉。
艶やかな黒髪を、少し後ろ毛を残して結った髪。
ほっそりとした身体を包む衣装は、広間の照明で光沢を放つ。
後ろに少し引きずる位長い、黒いマント。
それは歩くたびに、ひら…ひら…と、舞うように流れる。
女王は宴の間の奥――女王の席へと座る。
そして黎翔、夕鈴を見る。

「―――お初にお目にかかります、白陽国国王陛下。並びにお妃様。ようこそ、我が黒蘭国においで下さいました。私は、黒蘭国女王、黰 麗珂です。」

その言葉を聞くと、黎翔が言う。

「白陽国の、珀 黎翔と申す。―――此度はお招き頂いたこと、感謝する。」
「私が無理を言ったのですもの。白陽国の皆様には、ごゆるりと、我が国を堪能頂きたいですわ。」

無理を言った、という女王の言葉に黎翔はピクリと眉を上げたが、言葉を発する事は無かった。
女王は黎翔の言葉を受けた後、夕鈴の方へと向き直る。

「―――貴女が、お妃様ですの?」
「――はい、黒蘭国女王陛下。私は夕鈴と申します。この度は私もお招き頂き、有難く存じます。」
「いいえ。私も貴女にお会いしたいと思っていたのです。今回のご訪問で、我が国を気に入って下さると嬉しいですわ。――――では、宴を始めましょう」

女王の一声で、会場に音が戻る。

―――開幕の宴が、始まる。


********

宴は滞りなく始まり、円満に進んだ。
―――ある一点の問題を除けば。

夕鈴側―――

「――夕鈴様は、窮屈な暮らしではありませんの?」
「え…?」

宴が始まると、夕鈴は黒蘭国側の貴族女性に囲まれた。
席は一応決まっているのだが、椅子を近くに移動させるのはありらしく、気が付いたら周りを囲まれていた。
女王陛下は宴の料理を堪能しつつも、広間を静観している。
貴族女性とのやり取りのはずだが、気さくな雰囲気に、すっかり素で接していた夕鈴であった。
宴も中盤に差し掛かる頃には、随分と打ち解けたように感じた。
そんな中、唐突に聞かれた黒蘭国貴族(女性)からの質問に夕鈴は言い淀む。
戸惑いつつ見返すと、きょとんとした顔で再び言われる。

「白陽国では、妃は後宮に縛られているとお聞きしますわ。」
「ええ…」
「大変ですわね…」

まあ…普通はそうだろうな。
後宮って、基本的にそういう所らしいし。
…私は、下町とか行ったりもしているが。
それどころか、時代も越えてしまってるが。
…何だか、黒蘭国の皆さんが私を憐れんでいるのは、何故?
気のせいだろうか。

「我が黒蘭国は、後宮なんて窮屈な制度はありませんのよ。そもそも、女王陛下が治めておられる国ですので、伴侶は一人、と決まっておりますし。」
「そうですよね。」

改めて聞くと、やっぱり凄い。
同じ女として、一つの国の長をしているのだから、きっと女王陛下は素晴らしい御方なのだろう。

「――女王陛下は、とても素晴らしい御方なのですね。」
「―――もちろんですわ!」

貴族女性が勢いよく告げる。

「女王陛下は、私たちにもとても良くして下さいますけど、何よりも素晴らしいのはそのお人柄です!孤児院への支援は惜しみませんし、国内の教育普及率を確かめる為に度々視察にお出掛けされますし…。」
「まあ…凄いですね」

夕鈴は素直にそう思う。
為政者として、貧しい暮らしの人々を支援するのは当たり前…と思いがちだが、そうではない為政者も、残念ながら歴史的に見れば多い。
そんな中、それらを女性の身で頑張っているというのだから、国内の支持も高いのだろう。
…些か女性に偏り過ぎている気もしないでもないが。
ちらりと向こう側を見る。
男性、女性、と分かれるしきたりらしいが、それもどうなのだろう。
男性は男性同士。女性は女性同士で分かれるなんて―――
戸惑いながらも、夕鈴が視線を動かすと―――

「―――!!」

ガバッと団扇で顔を覆う。
…ばっちり目が合ってしまった。
――何でこのタイミングで、目がかち合うの?!
ずっとこちらを見ていた…わけではないだろうが、それにしてもタイミングが良すぎる。
何だか恥ずかしくて顔を覆ってしまった。
だって…

―――陛下と目が合うなんて…!



黎翔側―――

「―――面白くない。」
「せめてもう少し声を落として下さい―――聞かれますよ。」

ぶすっ…としているのは、国王・黎翔。
もちろん、見た目は涼しげなのだが、李順には気付かれていた。
原因は、もちろん夕鈴と離れているからだ。
向かい側にある―――それにしても遠い―――夕鈴たちの席は、盛り上がっている。
何を話しているのだろうか。
この距離が憎い。

「――夕鈴は私の妃なのに…」
「――――――――相手は女性ですよ…」

李順は本格的に溜息が吐きたくなる。
この主は、臨時妃に入れ込み過ぎている。
―――もう、遅いのだろうか?
いや、まだ大丈夫なはずだ。
李順は少し胃に痛みを感じながらも、メガネをクイっと上げた。

…今、夕鈴と目が合った―――のに、団扇で隠された。
――何故だ?
私は、ずっと夕鈴しか見ていないのに。
――何故隠す?
結局、宴の間一度しか、夕鈴と目が合う事はなかった。

――――宴が終わりに近づく頃には、黎翔の機嫌は最低なものになるのであった。

―――――――――――――――――――――――――――

陛下心狭~い(´・3・)
相手は女の人、女の人ですよ!
いくら夕鈴を取られて不機嫌だからって、冷たいオーラは勘弁(-_-;)

ちなみに夕鈴は後宮に居ますが…
未来の人間なので、黒蘭国の女性たちが言っていることに今一ピンと来てない様子(゜∀゜)アハ


次回予告↓

宴は恙無く終わろうとしていた。
しかし、宴の最後。黎翔と夕鈴は―――?

次回!
会えない日々
お楽しみに!

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Author:さき
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