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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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会えない日々

皆様、こんにちは!

今日は良い天気です

今日のうちにやらなければならない事が!
盛り沢山!

では続きをどうぞ!

宴も無事終わる頃、夕鈴と黎翔は―――?!

――――――――――――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】



宴もたけなわといった頃、黎翔は女王に呼ばれた。

「―――珀陛下。少しお話したき事がございます。」

黎翔は李順を見遣る。李順は頷き、黎翔も頷く。
今回の訪問の理由が分かるかも知れないのだ。
この機を逃す手はなかった。
次いで夕鈴を見る。
夕鈴は結局あれから一度もこちらを見ず、今も目が合わない。
それに舌打ちをしたくなったが、すぐに再び李順を見る。
李順は今の黎翔の動きを見て眉を寄せそうになったのを堪える。

そんな黎翔と李順のやり取りを知らず、夕鈴は談笑を続けていた。

「―――では黒蘭国の夫婦は、本当に部屋を共にしないのですね?」
「はい、そうですわ。白陽国では、違いますの?」
「はい…白陽国では…―――、というよりも、私の時代でも…」
「はい?」
「いえ、何でも無いですわ」

おほほほ…と、夕鈴は笑顔で誤魔化した。
危ない危ない。
ここで「私の時代」なんて言おうものなら、おかしな娘だと思われかねない。
下手をしたら、白陽国の妃は頭がおかしい、と思われても事だ。
そう思って視線を泳がせていると、何やらあちらの方向―――女王陛下の場所に動きがあった。
そちらをちらりと見る。
すると、黎翔と女王陛下が椅子を並べて話している姿を見る。
―――絵になる、って、こういうのを言うんだわ…
率直な感想が思い浮かぶ。
陛下も女王陛下も、二人とも艶やかな黒髪。
女王陛下はとても美しい方で、美形の陛下と並んでお似合いだわ。
私なんかと違って…
夕鈴は少し俯きそうになり、団扇で顔を隠す。
黒蘭国貴族女性達は、そんな夕鈴を見て互いに見交わす。

「――夕鈴様。お疲れのご様子ですわ。大丈夫ですか?」
「無理もないですわ。今日来たばかりですもの。」
「そろそろご退席されますか?」

皆の目に浮かぶのは、心配そうな顔。
夕鈴は、自分が暗い顔をしてしまったことに気が付いた。
次いで、申し訳なさそうに弁解する。

「いえ…陛下がまだあそこに居られますし…それに、退席するにしても、女王陛下にご挨拶を…」
「それなら大丈夫ですわ。ご体調が崩されたのでしたら、お優しい陛下の事ですもの。すぐにご理解されますわ。」
「そうですわ。お早めにお休みになった方が宜しいわ。」
「え…あの…」
「夕鈴様。お部屋にお戻りでしたら、輿へとご案内いたします。」

貴族女性達の勢いに、流される夕鈴。
いつの間にか近づいて来た花胡が夕鈴の手を取り、部屋を退出しようと促す。
夕鈴は慌てて黎翔の方を見返すも、黎翔は女王と話していてこちらには気付いていない。
少し視線を動かすと、李順さんの驚いた顔が目に入る。
しかし、どうしようもない。
結局夕鈴は抗えず、部屋を退出し輿に乗せられたのであった。



李順は驚いた。
何やら女性達の席に動きがあったと見遣れば、連れて行かれる夕鈴の姿を見たからだ。
どうやら彼女にとっても予想外の展開の様で、こちらを困惑気味で見ていた。
陛下に言おうか、と思ったが、陛下は女王と会談中。
余計なことで集中を欠くのは避けたい。
だから一瞬の驚きの後、少し席を外す。

「―――浩大。」
「はいよー」

どこからともなく、浩大が現れる。
官吏の姿で、この場に馴染んでいる。
―――少し幼い顔だから、浮いてはいるが。

「―――夕鈴殿の後をつけなさい。後で陛下がゴネても面倒です。」
「え~?お妃ちゃんのことが心配、とかじゃないのかよー」
「…まあ…それも無いわけではないですが…」

少し様子を見ていたが、黒蘭国側の夕鈴殿に対する接し方は至って友好的だ。
…裏はあるかもしれないが、今すぐ表立っては何もしてこないだろう。
そう、表立っては。
裏では分からない。だから浩大に動いてもらう必要があるのだ。
李順は李順なりに、夕鈴の事を心配していた。

「――――とにかく、気付かれないように」
「はいよー」

そう言って浩大は姿を眩ます。
隠密として、人の中に紛れ込む技には優れている。
浩大の姿が消えた後、李順は黎翔の元へと戻って行った。


*************

「さーってと…お、あれかな?」

浩大は黒蘭国王宮の屋根伝いに移動していた。
李順の指示で、夕鈴を追うためだ。
幸い、夕鈴が連れ出されて輿に乗せられた所から見ていたので、居場所はすぐに特定出来た。
慎重に追い続ける。
しかし―――

「―――ここまでにして頂きましょう」

浩大の前に立ちふさがる、黒い集団。

「―――あんたら、何もん?」

そういう浩大だが、ここではきっと自分が『何者』なのだろうな、と冷静に考える。

「―――お妃様は、私達がお守りします故。…貴方はお引き取り下さい、白陽国の隠密殿。」

バレてる。
一気に緊張感が増す。

「―――そんなこと、あんたらに言われる筋合いねぇんだけど?」

浩大はクナイを持ち、構える。
今にも戦いが始まる―――――かと思いきや。

「!!?」

黒い集団が消える。
浩大は驚くが、辺りを見渡してもその姿は見当たらない。

「―――…一体…?」

そこではっと気付く。
―――お妃ちゃんはっ!?

先ほど輿のあった回廊を見るも、すでにそこには居ない。
周辺を探してみるが、黒蘭国の王宮は入り組んでいて、結局見つからなかった。
浩大は、時間稼ぎをされていたのだと気付いた。

「――――クソッ!!やられた!!!」

浩大は一人悪態を吐いた。


*************

宴の夜以降―――夕鈴は黎翔と会えない日々が続いた。

「―――あの、陛下は…」
「白陽国国王陛下は、本日はお仕事でお会いになれないそうです。」

「―――あの、今日は」
「本日は、黒蘭国内の視察だそうです。」

そう言われる日々が続き、早1週間。
いい加減、夕鈴もおかしいと気付く。
―――王と妃が、こんなに会わないのって変じゃないのかしら?
仲良し夫婦演技は?必要無いの?
それなら、私は…居る意味あるの?
白陽国で、お留守番していた方が良いのでは無かったのかしら…

「―――幾らなんでも、おかしいわよね…」
「―――陛下は、どうされたのでしょう…?」

瑤花さんも同じ事を思っているようだ。
そう、おかしい。
人目のあるところでは、惜しまず仲良し演技をしてきたのに。
ここに来て、全く演技出来ていない。
それどころか『仕事や視察』と言ったことを理由に、全く会わないなんて…

「―――陛下は、女王陛下とはお会いしているのかしら…」

宴の時、とても美しかった、黒蘭国の女王陛下。
女王陛下とも、あれから一度もお会いしていない。
この1週間。夕鈴は宴で知り合った貴族女性達と会うだけで、時間を過ごしていた。
後は、花胡様に黒蘭国の事を色々教えてもらったり。

黒蘭国の王宮は女性が多い。
陛下のお世話も、黒蘭国の女官さんがしているのかな…
陛下の身の回りに、私の知らない、女性が…

―――もしかして、黒蘭国で素敵な方と出会ったのかしら?
―――私は、もういらない?

何だか泣きそうになって、夕鈴は俯いてしまった。
瑤花は心配そうに、夕鈴を見遣る。

―――いや、私にはそんなこと言う資格なんてない。
だって私は臨時…本物じゃないもの。
そもそも、住む世界が違う。
陛下から『本物に』とは言われているけど、一時の気の迷い、という疑いもある。
だから…私は、とやかく言える立場じゃない。
なのにどうして、陛下の傍に私の知らない女性が居るかもと思っただけで、こんなに苦しいの?涙が出そうになるの?
1週間放置されたから?
会えないから?
顔を見ない、というだけで、何故こんなに不安になるの?
―――こんな感情、私、知らない。
夕鈴の目には、既に涙が滲んでいた。

その時――

「―――失礼します。女王陛下がお見えです。」

部屋の外から花胡の声が聞こえた。


***************

黎翔はここ1週間、苛立ちが収まらないでいた。
原因は、夕鈴と会えない事だ。
あの宴の夜以降、夕鈴とは一度も会えないでいる。
『妃に会いに行くから部屋へ案内を』と言っても、『お妃様はただ今お忙しく…お会いになれないそうです』との一点張り。
―――どういうことだ?
黒蘭国の女王とも、あの宴以降会っていない。
というより、謁見を申し出ても『都合が合わなくて…』と退けられる。
黎翔は、まさに放置させられていた。

―――舐めた真似をしてくれる。

妻と会わせず、私とも会わない。
最初から…招待状の時点から怪しいとは思っていたが、まさかこれほどまでとは。
宴の夜、浩大に後を追わせたが“何者かの妨害”に遭い、追跡は出来なかったという。
その後も、浩大に王宮内を探らせたものの、夕鈴の居る部屋は特定出来なかった。
なるほど、黒蘭国にも優秀な隠密がいるらしい。
―――だが、夫婦を引き裂くとは…覚悟の上か?

黎翔はゆらり…と椅子から立ち上がる。
―――1週間か…私としては、持った方だな。
そろそろ、反撃させて貰う。



一方、李順にも疲れが見え始めていた。
まさか、黒蘭国がここまでするとは…本当に予想外です。
陛下と夕鈴殿を引き離すとは…
宴の時以降、彼女とは会っていない。
それどころか、陛下も彼女と会っていない。
自分としてはどうでも良いことだが、日に日に陛下の機嫌が降下していくのが頂けない。

それに、女王陛下からも動きが無く、実質全く仕事をしていない状態。
正直なところ、李順にはそれが一番苦痛であった。
何もせずだらだらと毎日を過ごす。
何と疲れるのだろう。
これなら、仕事をすぐに放り出す陛下を縛り付け…もとい、宥める日々の方がよっぽど充実している。

黒蘭国の滞在期間は10日。
―――あと3日か…
その間で、何とか黒蘭国との国交について進展があると良いのですが。
黒蘭国は資源が豊富だ。
他国との貿易も特になく、国内での消費のみのこの国は、森林資源や鉱物資源が山ほどある。
これだけの資源を確保できれば、我が国の財政も潤うかもしれませんね。
ただ、攻めるのではなく、交易による交流が不可欠ですが。
そのための交渉を、何としても現実のものとしたい。
お金にうるさい国王の側近は、これからの交渉と自国の財政状況を頭の中に浮かべる。

…問題は陛下ですがね。
あの臨時妃に感けている主が、このような“対応”を受けても黒蘭国との交渉を良しとするかどうか…


全く…夕鈴殿にも、本当に困ったものですよ。

主の面倒臭さを、未来から来た臨時の妃になすり付ける李順であった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

この辺りは、書いていてちょいと辛かったです(>_<)
だって、夕鈴が辛いんですもの。
話の流れとはいえ…ふぅ。


次回予告↓

突然の女王の訪れに驚く夕鈴。
そして女王から聞かされた衝撃の内容は―――?

次回!
女王の策略
お楽しみに!

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*Comment

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
  • posted by  
  •  
  • 2014.01/27 18:09分 
  • [Edit]

らっこ様へ 

そうなんですよね~(^_^;)
この女王様がしている事は、本当に逆効果になってます。

…と、これ以上はネタバレなので控えますが、夕鈴が悲しいのだけは嫌ですね!
  • posted by さき 
  • URL 
  • 2014.01/27 21:27分 
  • [Edit]

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