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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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女王の策略

皆様今日は(^O^)/
今日は忙しいので、予約投稿でございます♪

それでは、続きをどうぞ!

黎翔と会えない夕鈴。
そこに、女王が現れて―――?

――――――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】



夕鈴は突然の女王の来訪に驚き目を丸くした後、自分が涙目である事に気がついて袖で涙を拭う。
「どうぞ――…」と言うと、扉が開いた。
花胡が扉を開き、その後ろに女王陛下が付いて来る。
宴の時の様な華やかさは無いものの、気品溢れるその姿に、夕鈴は暫し見惚れた。
そんな夕鈴に、女王はにこりと笑顔を見せる。

「―――1週間ぶりですわ、お妃様…いえ、夕鈴様とお呼びしても?」
「――――――あ、はい…」

見惚れていた夕鈴は、少し間抜けにそう返してしまった。
恥ずかしくて、団扇で顔を隠す。
そんな初々しい夕鈴に、女王は笑みを零す。

「そのように畏まらずとも…私達は仲良く出来ると思いますのよ。…どうぞ、お座りになって?」
「はい――」

緊張しながらも、夕鈴は先ほどまで座っていた椅子に座る。
女王は、その向かいの椅子に座った。

「―――このように静かに話したいと思っていましたの。」
「――光栄です、女王陛下。」
「どうか、麗珂、とお呼び下さいませ。夕鈴様。」
「―――麗珂様?」

そう言うと、にっこりと笑顔を向けるものだから、夕鈴は少し緊張が緩んだ。
―――王様って、どこの国の人でも名前で呼ばれたがるのかしら?
陛下もそうだし。
『黎翔』と呼んで欲しい、と言う。
違いを挙げるとすれば、ここには他の人も居るという事かしら。
陛下とは、二人きりの時しか呼んではいけないらしいし。
どうにも、王様って良く分からない人種だわ。



椅子に座りお茶を飲んでいると、麗珂から突然切り出される。

「―――夕鈴様は、この国をどう思われますか?」
「え…―――?」

質問の意図が分からなくて、夕鈴は首を傾げる。
だがすぐに、きっとこの国が良いのかどうか、白陽国の妃の視点からの意見を求められているのだと思い、少し逡巡し、答える。

「――良いお国、だと思います。女性の方も伸び伸びと過ごされておりますし、皆様気さくでとてもお話し易くて…」
「嬉しいお言葉ですわ」

花が綻ぶように、麗珂はふわりと笑う。

「我が国では、他国では蔑ろにされやすい“女性の自由”というものに特に力を入れておりますの。同じ女性の夕鈴様に、それをお褒め頂くと力を入れた甲斐がありましたわ」
「―――素晴らしいですね」

夕鈴は素直にそう思った。
女性の権利に力を入れようとする考えもそうだが、現実にそれを実現させるだけの行動力。
麗珂の在り方が、この国の良い所をより美しく魅せている気がする。
―――難しい事は良く分からないが。
未来でも、未だに女性の権利と言うものは完全には確立されてはいない。
私の国でもそうだ。
それを、この時代から実行するには、相当の反発や抵抗は必至だろう。
それにも関わらずやり遂げようとするその気概。
夕鈴は麗珂を尊敬した。


*******************

「あの…っ、麗珂様っ…これは…あの…」

夕鈴がしどろもどろになるのには訳がある。
麗珂は暫しお茶でゆっくり和んだ後、突然手を叩いた。
すると、部屋の外から続々と女官たちが入って来たのだ。
びっくりして目を丸くして居ると、彼女達の持っているものに気が付く。
それらは、全て衣装や装飾品だった。

「―――あの…麗珂様…?」
「夕鈴様。私、一目貴女を拝見した時から思っていたことがありますの。」
「…な、何でしょう?」

恐る恐ると言った体で、夕鈴は聞く。
するとにーっこり、と麗珂は笑う。

「―――この方は、きっと着せ替えをなさると、とっても楽しい、と。」

それから麗珂による『夕鈴の着せ替え遊び』が始まったのである。



「―――これも良いわね。あ、そこの貴女。その衣装を持って来て頂戴」
「あ、あの…」

かれこれ1時間。
夕鈴は麗珂に次々と衣装を着せ替えられていた。
それに伴い宝飾品の類や、髪飾りも髪形も替えられるので、流石の夕鈴も疲れてきた。

更に1時間――

―――稽古だったら、そんなに疲れないのに。
別次元の疲れに、すでにへとへとの夕鈴。
そんな夕鈴の様子を感じ取ったのか、麗珂は着せ替え遊びを止め、侍女たちを下がらせた。
椅子の上でぐったりしていた夕鈴は、気配が減った部屋に気付き、顔を上げる。
部屋にはいつの間にか、夕鈴と瑤花、それに麗珂の三人だけになっていた。
やっと着せ替えが終わったのかとほっとしたと同時に、夕鈴は気を引き締める。
麗珂が侍女たちを下げたという事は、何か話しがあるのかと思ったからだ。
…でも、それなら瑤花さんも居ない方が良いのかしら?
思わず瑤花を振り返る夕鈴。瑤花も戸惑った瞳で夕鈴を見返す。
その戸惑いを察したのか、悠然たる面持ちで麗珂はすぐに言った。

「侍女の方もいらして結構ですわ。――これは夕鈴様に関する事ですもの。貴女にも居て貰った方が宜しくてよ。」
「―――?」

ますます戸惑う。
一体女王陛下は何を言おうとしているのだろう?
夕鈴は心中で呼称が戻っているのも気付かないまま、そう思った。
すると、麗珂はくすりと笑う。

「―――可愛い方ですわね。思っている事がすぐにお顔に出ますのね。」
「えっ?!」

思わず両手で頬を包む。
顔を赤らめた夕鈴を、慈しむような眼で麗珂は見る。
そして、少しだけ眉を寄せながら小さく言った。

「―――…噂はやはり噂ですわね。こんなに、可愛らしい方なんて…」
「…噂、ですか?」
「ご存じありません?…まあ、良いでしょう。―――それより、私は夕鈴様とお話したい事があるのです。」
「―――!」

とうとう来た、と夕鈴は気を引き締める。
背筋を伸ばし、気付かれないように深呼吸をする。
――話とは何だろうか。
白陽国の妃―――表向きはだけど―――として、一体何を言われるのだろうか。
ちゃんとした受け答えが出来るのだろうか。
失礼な事を言ったりやったりしないだろうか。
不安が大半、緊張もある。

「――そんなに固くならないで下さいな。夕鈴様にとって、悪いお話では無いですから。」
「――はい…」

それでも緊張しつつ、夕鈴は答える。
そして麗珂は―――黒蘭国の女王は、口を開いた。

「私は、貴女を御救いしたいのです。」
「―――――――――――?!!」



暫く思考停止した後、夕鈴は驚きに目を丸くする。
―――え?!救う?!何から?!
突然の内容に、夕鈴の頭は混乱した。

「―――白陽国の国王は、それはそれは恐ろしいと聞きますわ」
「え…」
「臣下にも笑顔を見せず、政務の現場は打ち震えていると専らの噂。国の内乱を粛正した手腕は認められるものの、その頑なな意思に、忠臣は大層困っているとお聞きしますわ。」
「え…あの…」

政務室での光景は確かにそうかもしれないが、他はどうなのだろうか。
そもそも、信頼できる忠臣がほとんどいないから、私は『臨時花嫁』という仕事をしているのではないだろうか。
…というか、大層困っている“忠臣”って誰だ。李順さん?
…な訳ないか。
いや、忠臣ではあるのだけれど…わざわざ誰かに言うのだろうか。それも、噂に上るように。
まあ、ある意味陛下の振る舞いに、一番困っているのは李順さんだろうけど。
思考が脱線している事に気付かない夕鈴。

「それに…白陽国のお妃様は、時々御姿を見せられない時があると…それも、数日ではなく、1、2ヶ月も見せないとか…」
「あ…それは…」
「何も仰らなくて宜しいのですよ。分かっておりますから。」

姿を見せない―――それは私が現代に戻っている時だ。
紅珠の時は手紙が原因だったけれど、今回はどこから噂が漏れたのだろうか。
…というか、女王陛下は何を分かっているというの?

「その御姿が見えない時…お妃様はきっとお辛い目にあっているのではないかと思いまして…」
「―――へ?」

思わず間抜けな声が出るも、麗珂は聞こえなかったようで、続けて言った。

「『冷酷非情の狼陛下は、表向きは妃に優しく…しかし実態は、後宮という秘められた場所で、妃を冷遇している』…私、そう窺ってますのよ…」
「いやあの…」

余りの事に、夕鈴は頭が真っ白になる。
表向き妃に優しい…?
それは、誰の事?
――陛下の事?
え?実像と全く被らないのですが…?

「その一方で、お妃様の妙な噂もございまして…『後宮の悪女はやりたい放題。政務室にも我が物顔で出入りし、そうかと思えば思い付きで勝手に里帰りをする』…と。」
「―――はっ?…あ!いえ、あの…大きな声を出してしまって失礼しました…」

妃らしからぬ振舞いに、しゅーん…と項垂れる夕鈴。
しかし、それだけ内容に驚いたのだ。
『後宮の悪女』って…誰?
政務室で我が物顔…勝手に里帰り…
政務室は陛下に言われての事だし、里帰りも何も、いきなりこの時代に来てしまった理由も分からないのに…
夕鈴の困惑顔を見て、麗珂は神妙な顔で続けた。

「そうですわよね、怒りたくなるのも無理はありませんわ。こんなに可愛らしい方を『悪女』などとは…」
「あ…いえ…」

そちらでは無く…と言いたいところだったが、その隙もなく女王に畳み込まれる。

「何も仰らなくて宜しいのですよ、夕鈴様。全て分かっておりますから。お辛かったでしょうに…―――でも安心なさって。この国に来たからには、狼に手は出させませんわ。」
「――えっ?」
「今、白陽国国王―――珀陛下は、我が国の精鋭たちによってこちらの部屋に夕鈴様がいらっしゃる事を御存じではない。あちらの隠密が動いているものの、この部屋は特定されてはいないでしょう。」
「えっ?!それはどういう…」

もしかして…この1週間、陛下と会えなかったのは…女王陛下のせいだったの?
陛下は仕事で忙しくて会えなかったのではないの?
驚きの眼差しで見ていると

「元々、夕鈴様を…――白陽国のお妃様をお呼びしたのは、先ほどの噂の真相を知るためですわ。そして―――」

女王は種明かしをする。

「―――――もし先ほどの狼陛下の噂が事実なら…―――いくら『後宮の悪女』という噂が本当であったとしても、女性を虐げるような男の元から、お妃様を御救いせねば、と思ったのです。」
「―――っ、ちょっ、ちょっと待って下さい!!!」

混乱した夕鈴は待ったをかける。
女性を虐げる男って誰っ?!陛下の事?!
そんなこと今まで一度もあった事ないしっ!!
衝撃で言葉が見つからない夕鈴を静かに見つめながら、女王は尚も続けた。

「―――夕鈴様とお会いした事で、『後宮の悪女』の方の噂は事実無根だという事が分かりましたわ。ならば、尚の事狼陛下の噂が気になりましたわ。―――実際、話しをしたあの方は、隙もなく冷徹な雰囲気を醸しておりましたし…」

一体何を話していたと言うのだろう…。
私が知っている二人の会話は、宴の時の一度きり。
…他に、二人で会う事でもあったのだろうか。
少し悶々としながらも、はっきりと夕鈴は言う。

「陛下が何をお話になったのかは存じませんが、あの方は私に酷い事はなさいません。」
「―――夕鈴様。隠されなくても宜しいのですよ。この国では、女性が虐げられる理由など、ありはしないのですから。」

隠してないのにっ!
先ほど、私は思ったことが顔に出ていると仰ってたのに!
きっと、今は必死な顔をしているだろう。誤解を解こうと。
でも、女王陛下は別の捉え方をしているようで、私の話しが全く通じていない。

「―――っ、私はっ…陛下に虐げられたりなんていませんっ。女王陛下、信じて下さい!」

夕鈴は必死に言い募る。
見かねて、それまで一緒になって絶句していた瑤花が言葉を発する。

「あの…恐れながら女王陛下。お妃様は、陛下に虐げられてなどおりませんわ。それはそれはとても慈しまれて…」
「大丈夫ですわ。私なら、狼陛下に知られることなく、夕鈴様をお守りできますもの。お二人とも、ご安心なさって。――後は狼を追い出すだけですわ。」
「「―――!」」

夕鈴と瑤花は同時に固まった。
あの『狼陛下』を相手に…追い出す?
そんな馬鹿な――いや…実際、1週間も私と陛下を会わせないようにしていたみたいだし…あながち、無理な事でもないのだろうか。
固まった二人がぎこちなく顔を見合わせて言い淀んでいると、女王は窓の外を見て残念そうに呟いた。

「――――あら、もうこんな時間ですわ…―――それでは、夕鈴様。そちらのお衣装は差し上げますわ。暫くの間は不自由をさせてしまいますが、必ずや狼の魔の手からお救いしましょう。」
「――あっ!ちょっと、待っ――」

パタン、と部屋の扉が閉まる。
それと同時に、花胡が部屋へと入ってきた。
しかし、それに気が付けないほど、夕鈴は動揺していた。
先ほどの、女王の言葉に。

――私を救う?虐げる陛下から?
――陛下を追い出す?

手を額に当て、混乱する頭を押さえる。

―――何が起こっているの?
―――どうなっているの?



――――――――私、陛下と会えなくなるの…?

夕鈴は、今目の前で起こっている現実が、信じられなかった。

―――――――――――――――――――――――――――

女王様、思い込みが激しいがな(笑)
白陽国での二人を見ていると、噂は嘘っぱちだって分かるよ~www

噂を流したのは、どこの馬鹿なんでしょうねぇ←

…きっとその馬鹿は、陛下がそれを知った途端に斬り殺…
いえ…ナンデモナイデス(-_-;)


次回予告↓

麗珂の言葉に、衝撃を受けた夕鈴。
眠れない夜、現れたのは―――?

次回!
夜の再会
お楽しみに!

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Author:さき
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