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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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夜の再会

皆様今日は♪
今日は北国、物凄い晴れております♪
こんな晴れ晴れとしたの、久しぶりじゃないですかね(^u^)♪

では、続きをどうぞ!

女王の企みに衝撃を隠せない夕鈴。
そこに―――?

―――――――――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】



―――どうしよう…!

夕鈴は困惑していた。
先ほどの女王の言葉に。

―――陛下と、もう…会えないの…?

「―――そ、んなの…嫌…」

夕鈴は無意識にそう呟く。
黒蘭国に来た時の最初の宴。
あれ以来、陛下とは一度も会えていない。
…あれが最後だなんて、思いたくない。

夕鈴はおろおろと部屋を見渡す。
しかしそこには、自分と同じくおろおろとしている瑤花の姿しかない。
瑤花は夕鈴と目が合うと、自分が落ち着くように息を吐く。

「夕鈴様…一先ず落ち着きましょう。…陛下はそう簡単には夕鈴様を諦めるとは思えません。」
「…」

本当にそうだろうか。
陛下は強い。稽古を一緒にやっていてもそう思うし、何より刺客をあっさり倒してしまう事からも一目瞭然である。
そんな陛下が、ちょっとやそっとの妨害で“妃”と会えない状況になるだろうか。
『国王夫妻』は、仲良しを演じなきゃいけないのに?

…もしかして、本当に私の事はどうでもよくなった、とか?
一度引っ込んだ涙が、再び溢れそうになる。

結局、良い案は浮かばないまま、夕鈴はその時を落ち着かないまま過ごした。


*********

夜―――
昼間の女王からの言葉が未だにぐるぐるしていた夕鈴は眠る気になれず、昼間の衣装のままだった。
寝台に腰かけたり…かと思えば立ち上がって窓辺に立ったりと、そればかりを繰り返していた。
瑤花はすでに部屋を辞していた。
今はこの部屋に、夕鈴は一人。
だからこそ、口に突いて出た。

「―――いっそ、この窓から抜け出…って、駄目だろうな…」

落ち着かなくてイライラしてきた夕鈴は、変な事を考え始める。
でも自分は、現在『白陽国の妃』としてこの国に居るのだ。
滅多な事をして、国際問題になったらどうするの?
そう思うと、動くに動けなかった。



「―――――夕鈴」
「!!!?」

突然声がして、夕鈴は驚く。
その声は、泣きたくなるほど聞き覚えがあった。
今、必死にその存在と会う為に考え事をしていたから。
そして同時に『何で…?』とも思った。
女王陛下が、そう簡単に会わせてくれるとは思わない。
でも声の主は、はっきりと夜闇に浮かび上がっていた。

「――夕鈴。無事だったか…」
「…陛下?本当に?」

今でも信じられない。陛下がそこに居るなんて。
夕鈴は一歩近づく。
しかし黎翔はそれ以上の早さで夕鈴と距離を詰めた。
一気に互いが目の前に迫る。
そこで夕鈴ははっとした。

「ゆうり」
「お仕事は良いんですか?」

存外冷たい声が出た。
それに驚く黎翔の姿が見えたが、夕鈴の思考は混乱していた。

―――女王陛下は私を陛下から引き離した、と言っていた。
つまり陛下は仕事で忙しいというのも、黒蘭国側の虚偽なのかもしれない。
―――でも、もしそうでなかったら…?
黎翔が忍んで現れた、この状況でそれは有り得ない事であったが、混乱していた夕鈴はその可能性に気がつかない。
―――陛下は、この1週間、私が居なくても普通に過ごしていた、ということになる。

「―――夕鈴?どうした?…仕事?何の事だ?」
「恍けなくても良いです。―――御忙しいのではありませんか?私との演技は必要ないのでしょう?でしたら、御早くお戻り下さい。」
「待て。―――何を言っている?」

黎翔は困惑した。
夕鈴は何を言っている?
仕事?―――私はこの1週間、女王に放置させられ夕鈴と引き離され、何もすることがなく過ごしていた。仕事も何もあったものではない。
もしや夕鈴は何かおかしなことを吹き込まれているのかもしれない、と黎翔は考えた。

「夕鈴…私はこの1週間…」
「良いです言わなくても。…所詮私は偽物の妃ですもの。演技が必要ないのでしたら、構わないで下さい。」
「…っ?夕鈴、何を言っているっ?」

何だか夕鈴が遠くに行ってしまいそうに感じた黎翔は、夕鈴の二の腕を掴み抱き寄せる。
しかし夕鈴は黎翔の腕の中で暴れた。

「…っ!離して下さい!陛下はお忙しいでしょうから、私は大人しくしていますっ!どーぞ陛下は仕事に…」
「私はこの1週間、黒蘭国との外交には携わっていない。君の部屋も、やっと浩大から『見つかった』との報告があって来られたのだ。」
「―――っ」

それでは…と、夕鈴は女王の言葉を思い出す。
『私と陛下を引き離す』
女王は既に手を打っていたようだ。だから会えなかったのか。
しかし夕鈴には疑念が残っていた。
―――でも陛下は、そんな妨害は何ともなさそうなのに…やっぱり1週間も“会わなかった”のではないの?
黎翔ならこの程度の妨害はモノともしないだろうという、夕鈴の見解。
実際には黒蘭国側の妨害が生半可では無く、黎翔側が苦戦を強いられていたのだが、それを知らない夕鈴は、1週間という“長い”期間が『陛下が意図していた期間』と受け取ってしまう。
それが夕鈴を意固地にさせた。
ぐいぐいっと黎翔の胸を押し、離れようとする。

「―――でも…」
「夕鈴」

冷たい声が響く。
それにギクリ、と夕鈴は固まった。
自分の腕を掴む陛下の手の力は緩まない。
離れることも出来ず、そのままの体勢で見上げるしかなかった。

「へい…?」
「―――君は、私と離れていて平気だったのか?」
「それは…でも…」
「私は君と会えなくて辛かった。君はそうではなかったのか?」

黎翔は先ほどから焦っていた。
夕鈴が遠くなった気がする。
それは1週間会えなかったせいだろうかと思い、距離を縮めたものの、夕鈴は自分から離れようとする。
自分は、夕鈴と会いたくて会いたくて…毎日焦がれていたのに、夕鈴は違うのか?
そう思うと、夕鈴を掴む手に力が入りそうになる。
折角会えたのに、すぐに離れるつもりなど毛頭ない。
しかし無情にも、夕鈴から発せられる言葉は…

「―――っ、べ、別に辛くなどありませんでしたっ!これ位、大した事では無いですから、陛下はもう戻って…」
「―――――ほう?」

夕鈴としては早く離れて欲しくて…それに1週間の疑念や女王の言葉もぐるぐるしていて、混乱していた。
だから、次の黎翔の行動は予想だにしない事であった。

「――ひゃっ?!へ、陛下?!」
「―――」

視界が変わる。
目に映るのは、移動する天井と黎翔の顔。
陛下に抱き上げられた、と分かった時には、すぐに乱暴に降ろされた。

「っ、うっきゃっ…!」
「―――君は、分かっていない」
「え…?」

慌てて起きようとしたが、覆い被さってきた黎翔によって完全には身体を起こすことは出来ず、肘で支える。
手に感じる柔らかい感触に、ここは寝台だと分かった。
だが、陛下が何を言っているのか分からない。

「―――すぐにでも君を私のものにしたい…そういう自分を押さえている事を、君は分かっていない、夕鈴」
「…何を言って…―――ぅわっ?!」

身体を支えていた腕を掴まれ、引っ張られる。
視界が更に変わる。
今度目に映るのは、寝台の天蓋と―――陛下の怒った顔。
両手首を顔の横で黎翔に囚われ、夕鈴は身動き出来なくなっていた。

「な、何を…」
「夕鈴」

見下ろされた夕鈴は、ドクンッと心臓が音を立てて暴れ始めたのを感じる。
――何?何が起きてるの?
―――陛下?
突然目の前の陛下が、知らない男の人に感じて、夕鈴は怯える。
―――何で!?
幼い頃に(几鍔のせいで)誘拐された時も、この間許祐に攫われて暴れた時も、恐怖心は無かった。
でも…今は…
得体の知れない恐怖に、夕鈴は晒されていた。
見知ったはずの、黎翔によって。

「――――君の気持ちが追い付くまで待とうと思ったが…止めた。」
「な、何を言って…」
「君に要らぬ疑いを掛けられるくらいなら…いっそこのまま…」

本物に、という呟くような言葉が耳に届き、夕鈴は更に焦る。
―――本物っ?!って、まさかっ!!?
陛下が言う『本物に』という言葉は、二人の間では一つの意味しか持たない。
―――『本物の、妃に』
黎翔の瞳は細められ、顔がどんどん近づいて来る。
今がどんな状況か、鈍い夕鈴でも流石に気付く。

「―――ぃやっ…」

近づいて来る黎翔を、顔を逸らして阻止する。
掴まれた腕に力を入れてみたり、足を動かそうとするものの、びくともしない。
―――男の人って、こんなに重いのっ?!
顔の横で両腕をそれぞれ押さえ込まれている状況では、思った以上に動けない。
普段とは違う衣装を身に纏っているのも、不利な状況に拍車を掛けていた。
夕鈴には、声を上げて反抗するしか手段は残されていなかった。

「っ、やめてっ…!!へいか…!!!」

必死に叫ぶも、黎翔に届いた様子は無い。
それどころか、夕鈴の首筋に顔を埋め、音を立てて吸い付いた。

「―――いっ…!」
「――夕鈴…」

じわりと瞳が熱くなる。
押さえ込まれる恐怖と軽い痛みが、夕鈴の瞳に涙を浮かばせる。

その時―――

バンッと部屋の扉が開き、声が響く。

「―――そこまでです。」

――――――――――――――――――――――――

ちょっと陛下の頭かち割りたくなりました←陛下ファンに殺される(((゜Д゜;)))

力尽くは良くないですよ~陛下!全くもう!

擦れ違うのは本誌でもそうだとはいえ、自分で書くとなると難しい…(^_^;)


次回予告↓

やっと再会出来たものの、すれ違う夕鈴と黎翔。
そこに現れたのは―――?

次回!
黒白の王
お楽しみに!

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「狼陛下の花嫁」の二次小説を書いています。
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