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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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黒白の王

皆様今日は…
北国は、昨日の晴れ晴れとした天気が嘘のように風がうねっております(-_-;)

さて、続きです。
暫く続いていた「黒の女王の章」もこれで終わりです♪
次回からは、普通に迷走編となります。

やっと再会できた夕鈴と黎翔だったが…

―――――――――――――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】



「―――そこまでです。」

その声に、夕鈴ははっと部屋の入口を見る。
そこに立っていたのは――――気高い、黒の女王。
麗珂だった。

「この目でしかと確かめました。――夕鈴様にご無体をなさるとは…やはり、狼の噂は本当のようですね。」
「――何の事だ?」

黎翔はゆっくりと起き上がり、夕鈴から離れる。
手首を解放された夕鈴は、指先にジワリと血流が戻るのを感じた。
強い力で押さえつけられていたため、指先が少し冷たくなって、痺れていた。
震える体で起き上がる。
起きた拍子に浮かんでいた涙が零れたので、袖で拭う。
麗珂は夕鈴を見て、痛ましそうな顔をした。

「―――夕鈴様、ご無事ですか?―――おのれ…これだから男は…」
「黒蘭国女王。私と妃を引き離し、一体何を企んでおいでだ?―――その分だと、碌な事ではなさそうだが…」

腹の底から憎たらしいというような声を出した女王に、黎翔は冷たい声で問う。
黎翔の直球な言葉に、夕鈴は少し目を見開いた。

「企む、とは人聞きの悪い…―――『冷酷非情の狼陛下』に虐げられている夕鈴様を、御救いせねばと黒蘭国は考えておりますのよ。」
「女王陛下…!だからそれは…!」

夕鈴は必死に黎翔の擁護に回る。
陛下は噂とは違う。
しかし相変わらず、麗珂に聞き入れる様子は全く見られない。

「ご無理をなさらないで下さい、夕鈴様。このような状況で、言い訳もできないのは目の前のこの男ですわ。」

とうとう一国の王を『この男』呼ばわり。
どうやら女王陛下は、黎翔が嫌いな様子だ。
黎翔は溜息を吐き、寝台から降りた。
黎翔と麗珂が対峙する。
白陽国と黒蘭国―――二人の王が、睨み合う。
夕鈴は緊張のあまり、ごくりと唾を飲む。
先に口火を切ったのは、黎翔だった。

「折角会えたのだ、物申しておこうか。…宴以降、妃にも会わせず私にも会わない。そちらから招待しておいてこの態度。どう落とし前を付けるつもりだ?」
「噂に聞く白陽国の王。噂の通り傲慢ね。妃が嫌がっているのを知りもしない。―――やはり、夕鈴様は貴方の元には置いておけないわ。」
「――――何?」

ピリッと、空気に火花が散る。
お互いの言い分を言っているだけで、会話は噛み合っていない。
それもこれも、女王が噂を信じている限り、平行線になるだろう。
だが、それを打ち消すのには、些か状況が不利であった。
―――実際に、夕鈴は危機に瀕していたのだから。

「―――珀陛下。貴方には、このまま白陽国にお帰り願いましょう。…勿論、夕鈴様の身の保障は致しますわ。」
「―――何だと…?」

ギロリ、と黎翔は女王を睨む。
流石の麗珂も、一歩たじろいだ。

「―――言わせておけば…―――黒蘭国では、招待した国の妃を留め置き、夫を追い出すという風習でもあるのか?―――――そう言えば、こちらに来てからというもの、妙な『しきたり』もあったな…もしや、あれも私と夕鈴を引き離す一環か?」

低く、冷たい声で黎翔は糾弾する。
その言葉に、そういえば、と夕鈴も思い出す。
黒蘭国に来てからというもの『男女は同じ部屋に居てはいけない』とか『一緒の部屋でも、男女を分ける』などがあった。
―――もしかして、それも全部、私と陛下を引き離す為のものなの?
ならばあれは、本当は存在しないしきたりなのだろうか。
そうよね。幾らなんでも、夫婦の場合はどうするのだろうとか考えちゃった。
夕鈴はこの場にそぐわない思考に至る。

「―――あれは、実際我が国に50年ほど前まで存在したしきたりですわ。…今はもう廃れてしまいましたけど…」

女王は名残惜しそうに言った。
心なしか『今でも有って欲しかった』という様な口ぶり。
―――もしかして、女王陛下は本当に男が嫌いなのかしら…?

「―――さぁ、ここまでにしましょう。夕鈴様、どうぞこちらへ。この狼から解放される時が来たのですよ。」
「や、あの…」

夕鈴は先ほどの危機感も薄れ、今はどうやってこの場を切り抜けるか考え始める。
黎翔と離れたい訳ではない。
先ほどは黎翔自身に怖い思いをさせられたが、別に黎翔自身を嫌いになった訳ではない。
女王の言うように、虐げられているわけでもなし。
全ては女王の思い込み。
しかし、それを解消させるのは至難の業に感じる。
どうすべきか…と夕鈴が思案していると

チャキリ…

と音がする。
はっとして、夕鈴は顔を上げる。
黎翔が剣の柄に手を掛けていた。

「――――言い残すことがあれば、聞いてやろう…」
「へ、陛下っ?!」

物騒な発言に、夕鈴は狼狽える。
女王も状況が悪化したのを感じたのか、些か顔が蒼褪め始めた。

「―――人の話も聞かず、一方的な物言いで夫婦の仲を裂こうとする…お前のやり方は、そのような勝手なものなのか?―――ならば、このような王を頂く国など、滅んでしまえば良い。」
「―――っ、陛下っ、待って―――」
「夕鈴は口を出すな。」

すらり…と、とうとう黎翔は剣を抜いてしまった。
その剣先を、麗珂に向ける。
麗珂は足が竦んでしまったのか、震えて動くことが出来ない。
黎翔と麗珂の様子を見た夕鈴は、寝台から転げ落ちるように降り、二人の間に立った。
―――麗珂を庇うように、黎翔に対峙する。

「―――夕鈴。退け。」
「嫌です。」
「―――君と私を引き離した相手だ。庇う必要はあるまい?それとも―――本当に私から離れたかったのか…?」

外は震えるほどの寒さ。
なのに、部屋の中はもっと気温が下がったように感じる。
両手を広げ、麗珂を庇うように立つ夕鈴には、まるで真冬の吹雪と対決しているようだった。

「―――陛下と離れたかった訳はありません…」
「ならば…」
「でも、お二人とも誤解されています…というより、黒蘭国女王陛下は、勘違いされております。」
「――――勘違い?」

ここでようやく、麗珂は声を出した。
先ほどから震えていて、声が出ない様子であったが、どうやら回復したようだ。
話しを聞いてくれる雰囲気に、夕鈴は広げていた手を下ろし、麗珂に向き直る。

「ええ、勘違いです。何度も言いましたが、私は陛下に虐げられてなどいませんし、冷遇もされていません。」
「でもそれは…」
「お聞き下さい!別に私は陛下を庇っているわけではありませんっ!全部本当の事を言っているだけです!陛下は私に本当に良くして下さってますし、いつもお優しいです!」
「―――夕鈴。」

困惑した麗珂の様子に、夕鈴は言い募る。
必死だった。
だって、陛下と離れたくは無い。
もちろん色々と考える事は無くなないが、傍に居られるうちは傍に居たいと思う。
勘違いで引き離されるのは、堪ったものではない。
夕鈴が訴えていると、黎翔は剣先を降ろした。
夕鈴は黎翔に背を向けている為気がつかないが、黎翔が夕鈴を見る表情は、先ほどとは違い穏やかなものとなっていた。
それを確認した麗珂は、項垂れた様子で呟く。

「―――私が、間違っていたようですね…お二人は、他人が引き離すことは出来ない絆を持っているのですね…」
「―――えっと…それは…」

どうなのだろうか。
表向きは夫婦でも、本当は偽物なのだ。
絆が…とか言われても、困惑するしかない。
しかし女王は納得したのか、ふっきれた様子である。

「―――分かりました。どうやら私は噂に踊らされていたようです。これまでの謝罪も込め、白陽国の皆様を盛大に持て成すことにしましょう。」

女王は背筋を伸ばし、毅然とした様子でそう語る。
そこには、先ほどの弱りきった女性は、いなかった。

―――その時、女王陛下の胸元にある“あるもの”がキラリ…と光った。

「―――え…鏡…?」

その“あるもの”―――手の平大の、小さな鏡。
それに、自分が映っているのを―――そして背後に、部屋に設えてあるものが見えた。

「―――夕鈴っ!」

それに気付いた黎翔が夕鈴に手を伸ばすも、時既に遅し。

「――――っ!!!」

夕鈴の真後ろ…女王と夕鈴の延長線上にあった――――大きな鏡が光った――――

――――――――――――――――――――――――

…はい!
迷走編・黒の女王の章、これで終了です!

またこのパターンかよ!
…とか、言わないで下さいませ(._.)
本当は、違うパターンで現代に帰らせようとしたのですが…
思わぬところで、黒蘭国編を入れたので←

女王様の胸元にある”鏡”については、番外編で説明が出るはず…です←


次回予告↓

黒蘭国に居ながらも、合わせ鏡の光に包まれた夕鈴。
一方、現代では―――!?

次回!
静寂を破る
お楽しみに!

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  • posted by  
  •  
  • 2014.01/30 14:26分 
  • [Edit]

らっこ様へ 

ああ!
泣いちゃった(笑)←酷

つ…突っ込まれても、特に何もアクションは出来ませぬよ(-_-;)←動揺

そうです♪
番外編です♪
…メモされてる…(笑)
  • posted by さき 
  • URL 
  • 2014.01/30 15:19分 
  • [Edit]

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