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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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その出会いは偶然か必然か 2

続きです♪

国王とその側近に依頼された夕鈴。
調査に乗り出すことに―――

―――――――――――――――――――――――――――

夕鈴は後宮の回廊を歩く。
それはもちろん、調査のためだ。
依頼された翌日、早速夕鈴は調査に乗り出した。

『後宮で、物が勝手に移動したり、泣き声がしたり、白い女を見たという情報が入っております。この間、とうとう女官の一人が霊障で倒れました。また「女官が突然人が変わったように叫び出した」「橋の上で動けなくなり、何かに引っ張られた」…などなど、数々の霊と思われる現象が起きております。そこで、あなたに霊の調伏を依頼した、という訳です。いいですね?』

李順さんに言われた現象が実際に起きた場所へと赴く。
任された以上、しっかりやり遂げねば。
りん、と鈴の音が鳴る。



「…っと、ここね。」

そこは後宮の庭園。
ここで、夜に泣き声が聞こえたという…。

「やっぱり、昼間じゃ出ないのかしら。」

別に幽霊が出る出ないで言ったら、昼も夜も変わらないのだが、活動しやすい、静かだから発見されやすいなどの理由で、夜に見かけることが多いだけの話。
または、その霊が単に夜の方が好きだとか、夜に発見される方が好きだとか…

それは無いか。
泣いてるのに。

「とりあえず、こちらはまた夜に来てみましょう。」
「何が夜なの?」

独り言を呟いていた夕鈴に、突然声が掛かった。
聞いた声だ。
声のした方に振り向くと、そこにはやっぱり陛下の姿が。
周りに誰も居ないので、小犬のような様相をしている。
それはそうだ。
霊の調査をする上で私は独り言が多くなる。
不審がられないように、いつも周りに人が居ない事を確かめてから調査することが多い。
勿論、李順さんには後宮の事件が起きた場所限定で、自由に行き来する許可を貰っている。
ここも、その場所だ。
…っと、そんなことより。

「あ、陛下。それは勿論、調査のことですよ。」
「調査?」
「えーっと、ここで女の人の泣き声が聞こえたんですよね?」
「うん。そう聞いている。僕は聞いた事無いけどね。」
「その泣き声が聞こえたのは夜らしくて、今はまだ何も起きていないみたいなんです。だから、もう一度夜になったら来てみようかと思っていたところです。」
「ああ、なるほど。」

納得がいったようで、陛下は頷いて庭園の方を見た。
夕鈴もつられて庭園の方を眺める。
すると、心地よい風が二人の間を通り過ぎる。
そこで夕鈴ははっと思い立ち、陛下に質問する。

「あの、陛下。」
「うん?」
「陛下の身の回りでは、何か変わった事は無いですか?」
「う~ん…特にはないかな。女官や侍官、警備の人間は被害に遭ってるけど、僕や李順は今のところなんの被害もない。」
「そうですか…。なるほど…。」
「…?何かあったの?」
「いえ…やっぱり、王家の方にはそういうのは起きにくいんだな…と。」
「…そういうの、って?」
「えっと…世の中で「王」になる一族…という表現でいいですか?そういう人たちは、やっぱりどこか力があって、霊を寄せ付けにくい性質を持っているんです。ですので、陛下もそうなのかもしれない、と。」
「へぇ…。あれ?でも李順は?」
「李順さんは、力の強い陛下の傍にずっといるので、恐らく自然と影響されたのではないかと思います。」
「なるほどね…。君の話は面白いね。知らないことだらけだ。」
「それは…」

それはそうだ。
霊が見える人と見えない人。
知らない話があるのも当然と言えよう。
むしろ、そんな話を信じてくれるだけでも有難い。
ほとんどの見えない人と言うのは…見える人の事を煙たがる。
理解されない力を持つ人間を理解できなくて、恐れるのだ。
実際、私だって―――

「どうしたの?」

陛下の声にはっとする。
いけない、思考に耽っていたらしい。
これから霊と…しかも、もしかしたら質の悪い霊と遭遇するかもしれないのだから、気を緩めるわけにはいかない。
しっかりしないと。
今は、私一人しか力のあるものはいないのだから。

「いえ、何でもありません。―――私は別の場所を調査しに参ります。それでは失礼します。」
「あ、僕も行くよ。」
「―――は?」

今何と言ったのだろうこの人は。
僕も行く?そう言ったの?
何で?
疑問符を沢山顔に張り付けながら陛下を仰ぎ見ると、陛下にはそれが分かったのか、へにょりと笑いながら夕鈴に理由を告げる。

「ほら、君の事は知らない人も多いしね。服装もみんなとは違うし。だから、見咎められないように僕も一緒の方が何かと都合が良いんじゃない?」
「なるほど…。」

確かに、私は昨日来たばかりだから後宮内の人にはあまり知られていない。
服装も…
そう思って夕鈴は自分の恰好を見る。
表面的には普通の衣服だが、色合いが普通の衣服とは違う。
腰回りで止めている帯の下からは、縁取りされた薄布が二枚出ているのも特徴だ。
昨日から後宮の女の人には奇異の目で見られている。
でも、この服は私の大切な戦闘服のようなもの。
―――と、再び考え込んでいると、目の前で手がひらひらされた。

「―――!?」
「ああ、ごめん。驚いた?君って考え事をするのが癖なのかな。黙り込んじゃったからどうしたのかなって。」
「いいえ…失礼しました。―――あ、でも、陛下にとってはつまらないものだと思いますよ?何なら、誰が事情を知っている人に同行して貰っても…」
「いや、いい。私が興味あるだけだ。丁度休憩中だしな。」
「そうなんですか…。」

そう言って陛下と一緒に歩き出す。
目指す場所はここからは少し離れた場所。
歩いていると、どこからかひそひそと声が聞こえてくる。

(―――あの方?昨日後宮に呼ばれた人って。)
(そうみたいよ。…変わった服装の人ね。)
(女官じゃないのかしら?)
(じゃあ、お妃様かしら?)

そこでぶっと噴き出した。
―――お妃?!私が?!
どこをどう見たらそう見えるのよ!
話は聞こえないふりをしつつ、耳をそばだてる。

(陛下とご一緒よ。仲が良いのかしら。)
(でも、別に何も会話はしてないわよ?)
(それもそうねぇ…)

やっぱりこの後宮の主だからか、陛下に関心のある霊は多い。
話をしていなくても、ちらちらと視線を感じる。
まだ私はこの後宮の霊たちと接触してないので、私が霊能者と言う事は霊たちも知らない。
そのうち、調査で必要になった時にバラすつもりではあるが。

「―――君は。」
「…はい?」

突然、陛下から声がかかった。

「君は、君の能力は、君の父親か母親から受け継いだのか?」
「―――…。」

その質問をされるとは思わなかったので、私は咄嗟には声が出なかった。
私にとっては親の…特に母親の話をする事は、少しばかり勇気のいるものなのだ。
答えに窮していると、陛下が

「言えないようなら、無理に言う必要もないが…。」
「―――いえ…。ちょっと、言いにくいだけで…。―――私のこの能力は、両親からともに受け継いだものなんです。」
「―――というと?」
「霊を見る能力などの霊能力全般は父から、巫女としての能力は母から受け継ぎました。」
「…二つの能力は、何が違うんだ?」
「霊能力と言うのは、特に霊力を必要とする能力で、霊を見たり、霊の声を聞いたり、霊本体に働きかける能力などです。巫女としての能力は、主にその「場」の浄化や、不浄なものを清めること、神様への祈祷や神降ろし…などです。」
「ほう…。」
「父は霊能力しか、それに大きい力ではなかったんです。母は、巫女としての能力は高かったのですが、霊能力は備わっていませんでした。二人が力を合わせて、浄霊・除霊の仕事をしていたんです。」
「そうか…。…していた?今は?」
「―――…今は…、―――…母は仕事で亡くなってしまったので…」
「―――、…そうか…」

陛下はそれ以上は聞かなかった。

――――――――――――――――――――――――――――――

陛下、邪魔!仕事の邪魔!
陛下が夕鈴の仕事の邪魔をしています。
まあ、最大の邪魔がこれからまた出て来るんですけども。

霊に関する話、巫女に関する話などが出て来ています。
設定・注意書きでも書きましたが、あくまでこれまで見た漫画や小説、本などの知識をある程度活用し、残りは想像という書き手の副産物です。
ですので、本気にしないで下さいね(笑)
王家の人~云々は、完全に私の想像です。

こちらの夕鈴、やはり少し影が出来てますね~…苦労したのね…(ホロリ
原作のような明るさがあるかは…ちょっと難しいところですね…(・・;)


3へ続く

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「狼陛下の花嫁」の二次小説を書いています。
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