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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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その出会いは偶然か必然か 7

続きです♪

この話では、もっとも怖いシーンありですよ!
苦手な人は、見ないでね!

禁断の反り橋を見に来た夕鈴。
しかし、突然池に引き摺り込まれ―――?!

――――――――――――――――――――――――――――――

「―――!!?夕鈴っ!?」
「夕鈴殿っ!?」

黎翔と李順は驚愕の顔でその場面を見た。
黎翔は入口へ行こうと橋の頂上から少し下がったところに居て、夕鈴が立ち止まった気配を感じたので振り返った直後だった。
李順は、黎翔がこちらに来ようとしているのを見ながら、夕鈴が立ち止まったのに気付き、どうしたのかと見ていたところ、不可解な動きで夕鈴が池の中に引きずり込まれるのを見た。
呆然としていた李順は、黎翔が剣や上衣を脱ぐのを見て、驚きに声を上擦らせる。

「陛下っ!?何をなさるおつもりで!?」
「―――夕鈴を助けに行くに決まっているだろうっ!」
「おやめ下さい!もし陛下まで…!」

しかし李順が最後まで言う前に、黎翔は池へと飛び込んでいた。
李順は慌てて駆け寄り、不安に池の方を見るしかなかった。



―――ごぽっ…ぶくくっ

「―――っ」

池の中に引きずり込まれた夕鈴は、自分を引っ張る「モノ」に目を向けていた。
それは黒い手。
普通の人間には見えない、悪霊の手だ。
掴まれた足首が冷たい。
そこから体温を奪われているようだ。
どんどん沈み込む。
夕鈴は自分が油断していた事を悔いた。

―――陛下に渡した鈴があれば…こんな状況には…

しかしそう思っても後の祭り。
それに陛下には無事でいて貰わなければならない。
夕鈴は自力でなんとかしようと思うものの、水の中では思うように体が動かせない。

―――やっぱり強い

自分を掴んでいる手から、相手の霊力が伝わる。
多くの人や霊を引きずり込み、その魂を吸収したのか…
目を凝らす。
奥底に居る「ソレ」は、ある程度人の形をしているものの、もう異形のそれだ。
これは説得出来る相手ではない。
―――ならば
夕鈴は手のひらに気を溜める。
霊に効果のある「気」による攻撃。
話の通じない相手に繰り出す技である。

―――よしっ!これでどうっ?

ある程度の大きさになったそれを黒い塊に放つ。
どごっ!!っと頬らしきところに当たった。
相手は呻いた。足首を掴んでいた黒い手が緩む。
その隙に夕鈴は抜け出す。じっと相手を見据える。
相手は堪えてないかのように、すぐに体勢を立て直し、こちらを見て

にた~

と気持ちの悪い笑顔を向けてくる。
この状況で何故笑えるのか。
それにゾッとしたものを感じた夕鈴は、すぐに先ほどと同じ様に手のひらに気を溜めようとしたが―――

シュッ

お腹に黒い鞭の様なものが絡みついて来た。
それは夕鈴を絞めていく。

「―――ぐっ…っ!!」

只でさえ息の出来ない状況。
お腹を絞めるものに更に苦しくなる。
もう息も限界だ。

――――もう…だ………め…

諦めかけたその時―――

りんっ

夕鈴の耳に鈴の音が聞こえた―――気がした。



意識の無くなりかけた夕鈴だが、ふと息が楽になった。
目を開けると…そこには紅い瞳。
陛下が居た。
陛下は私の頬に両手を当て、苦しそうな顔で私を見ている。
…どうしてだろう。
どうしてそんなに苦しそうなの?
その頬に手を伸ばそうとした時、背筋が冷たくなった。
「それ」を感じた方向に顔を向ける。
黒い塊がそこに居た。
思い出した。
まだ戦いの最中だった。
短い時間、意識が無かったようだ。
陛下は私以外は見ていない。
どうやら黒いものは見えてないようだ。
でも、ちらちら目を凝らしてその方向を気にしている。
存在だけは認識できるのだろうか。
でも、今はそんな事を考えている暇はない。
夕鈴は陛下に預けた鈴に手を伸ばす。
黎翔はすぐにその動きに気が付き、それを外して夕鈴に渡す。
夕鈴はそれを受け取り、黒い塊に向ける。
黎翔は水の中なのに鈴の音が出るのかと思った。
だから次に耳に入った音は―――…一体何だったのか。

りんっ りんっ りんっ――――――――



夕鈴は黎翔から鈴を受けると、すぐに鈴に「気」を集中させた。
相手は強力な霊…全力で臨んだ方が良い。
夕鈴は全霊力を鈴に溜めた。
黒い塊はその大きな力に、初めてたじろぐ素振りを見せる。
お腹に絡んでいた鞭の様な手も、離れて行った。

―――今だっ!

夕鈴は鈴を鳴らした。

りんっ りんっ りんっ――――――――

右に―――左に――――――そして、霊に向けて真ん中に―――
鋭く鈴を鳴らす。
鈴の音は水の中にも関わらず、まるで海辺の漣のように響き渡る。
そして、鈴から清浄な気が放たれる。
それは黒い塊を包み込む。
黒い塊…悪霊は、そこで踠きだす。
しかし清浄な気でできた檻の様な気の塊に、悪霊は為す術もなく囚われる。
やがて悪霊は大人しくなった。
黒い気は徐々に萎んでいき…やがて消えた。
その光景を夕鈴は痛ましく見ていた。

―――やっぱり調伏は後味が悪いわ。

悪霊になった経緯は分からない。
それぞれの霊毎に理由があるのだ。
何はともあれ、調伏する時の霊の苦しそうな顔を見たくはない。
もちろん、調伏しなければ悪霊も救われはしないのだが…
でも、今回はその後の光景に、夕鈴の気持ちは持ち上がる。
悪霊が消えた場所で、きらきらと光るものがあった。
これまで悪霊に池に引きずり込まれ、絶命した魂たちだ。
それらは夕鈴たちの周りをくるりと回った後、天へと昇って行った。
何だか、「ありがとう」と言われているみたいだった。
夕鈴が微笑んだ時、肩を叩かれた。
陛下が上に上がろうと目配せする。
夕鈴はそれに頷き、黎翔の手を取って水面へと浮上して行った――――

―――――――――――――――――――――――――――――――――

はぁ…この話の最も怖いシーンが終わりました。
にたりと笑う悪霊を想像するとゾッとします((((;゚Д゚))))

…え(・・;?
大したことない(・・;?
そ、そんな馬鹿な…(ー_ー;)

まあ本当に怖いのは狼陛下かあのメガネの人か…どっちだろう…?
現実の人間の方が恐ろしいって、本当なんですね(ちょっと違う)


8へ続く

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「狼陛下の花嫁」の二次小説を書いています。
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