雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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悲痛な想い

皆様今日は(=・x・=)
未だに眠い私です…(-_-)zzz

続きです♪

黎翔に襲われた夕鈴は、現代へと―――!

―――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】



「……夕鈴……大丈夫かしら…?」

汀家、リビング。
明玉は誰ともなく呟く。

「―――大丈夫…だと思いたいですけど…」

そう答えるのは、明玉の向かいに座る青慎。
今日は塾の日だったのだが、姉が心配で早退してきたのである。

「――――あいつは、そんなに柔じゃねぇ」

ぶっきら棒に言うのは、青慎の隣に座る几鍔。
その台詞は、ある意味夕鈴を信頼しているから出て来る言葉である。

「でも……独りで、心細くないかしら…」

それでも心配な明玉は、親友の気持ちを考える。
その時―――

ガタンッ

大きな音がした。

「―――!?な、何?!」
「…二階からだったよな?」
「この上は…姉さんの部屋です…」

三人は顔を見合わせる。何かが落下するような音だった。
もしや…―――泥棒か?
几鍔がすっくと立ち上がる。
次いで青慎も明玉も立ち上がり、三人は二階へと向かった。
途中で置いてあった木刀を持ち、夕鈴の部屋へと向かう。
扉の前に立つも、中からは物音一つしない。
几鍔は後ろの二人に静かにするよう指示しながら、思いっきり扉を開いた―――

「―――誰だっ!!」

しかし返答はなく―――そこに居たのは。

「「―――夕鈴?!」」
「姉さん!!」

三人の声が、見事に重なった。



「――おいっ、しっかりしろっ!」
「几鍔さん…そんな乱暴な…」
「姉さんっ?一体どうして…それに、また服が変わって…」

三人は叫んだ後、すぐに夕鈴に駆け寄った。
夕鈴は気絶していた。
その服装は明玉の記憶していた服装と違い、そして以前見た服装とも違った。
それは、歴史の教科書で見た、白陽国の衣装だった。
それも、記憶が正しければ、確か王の妃の…

「と、とりあえず、ベッドに運びましょう!」

明玉のその言葉に、几鍔はすぐさま夕鈴を抱き上げ、ベッドにそっと横たえる。
三人は一様に心配そうな顔になる。
夕鈴の顔が濡れていたから。
それに…髪は乱れ、上等だと一目でわかる衣装は、軽く乱れていた。
一体何があったのか。
少なくとも、良い状況は見込めないのが分かる。

「夕鈴…」

明玉は親友の涙をハンカチで拭う。
その時、夕鈴が身動ぎをした。

「―――ん…」
「――!夕鈴!気が付いたっ?」
「…う……ん……―――明玉?」

何度か目をぱちくりさせた後、夕鈴は目を開けた。
そして身を起こす。
解けてしまった髪の毛がはらり…と肩から滑り落ちる。
その様子は…まるで、どこかのお姫様のように雅やかであった。
その、いつもの夕鈴と違う雰囲気に、その場に居た三人は固まった。
だが、身を起こした夕鈴の瞳から涙が零れたのを見て、止まった時が動き出す。

「ゆ、夕鈴っ?どうしたのっ?」
「おいっ!一体何があったんだ!!」
「姉さん、どうしてそんな恰好…姉さんは、博物館に行ったんじゃ無かったの?」

矢継ぎ早に三人からされる質問に、夕鈴はどう答えれば良いのか迷ったが、少し頭を整理させて口を開く。
口を開けばいつもの夕鈴に、三人も調子を取り戻す。

「え…っと…博物館には行ったんだけど…そこでまた飛ばされて…」
「「はっ?!」」

明玉と几鍔の声が重なった。

「それで、過去に行ったんだけど…―――」
「…行ったけど?ねぇ…夕鈴、何があったの?」

言い淀んだ夕鈴に、明玉は控えめに聞く。
夕鈴は辛そうに逡巡しながら、言葉を紡いだ。

「―――突然部屋に刺客が来て…陛下が一緒に居たから…倒したんだけど…」
「ちょっと待て。―――刺客?」
「刺客って?」

几鍔が待ったを掛け、青慎が分からないと言ったように質問する。
刺客という言葉は、現在ではほとんど使われていなかった。
使われるとしても、小説家時代劇の中だ。知らなくとも無理は無い。
しかし、几鍔には通じたようだ。

「お前…!そんな危ない所に居るのかよ!駄目だ!もう絶対行くんじゃねぇぞ!」
「…べ、別に…―――今までだって、行きたくて行ってたわけじゃ…」

いつもと違い、覇気の無い夕鈴の様子に、流石に几鍔も違和感を覚えた。

「…そんなに危険なのか?」

言葉は知っていても、どれだけ危険なのか分からない几鍔はそう聞く。
―――危険…?
確かに危険だった。でも、刺客の危険とは違う。
―――怖かった。
刺客よりも何よりも…………―――陛下が怖かったの。
几鍔達には本当の事を話せない。
話したら…余計な心配をかけてしまう。
だから…だから…―――これだけは言えないの…
この……―――――今でも震えている、その理由を―――


******************

着替える事と、ちょっと一人にして欲しい事を言って、夕鈴は三人に出て行って貰った。
妃衣装を脱ぎ、クローゼットから自分の服を出す。
もう慣れてしまった、妃衣装の着方に脱ぎ方。
それに覚えた胸の痛みをやり過ごし、洋服を身に着ける。
そうすると、少しホッとする自分が居た。
―――自分の鏡台は、極力見ない。
髪の毛も整えて、ベッドに横になる。
うつ伏せになって枕に顔を埋める。
そして、考えた。
白陽国の事。これから来るであろう、妃の事。
でも、何よりも誰よりも、浮かぶのは…―――陛下の事。
そして、刺客が来る直前までの出来事を―――

夕鈴は枕に埋めていた顔を上げ、仰向けになって腕で目を覆う。

―――怖かった………陛下が怖かった…
よく分かった。
陛下も男の人なんだって。
私なんて、簡単に捩じ伏せられるって。
いくら普段鍛えているからって、いざという時は敵わないものなんだって。

―――私…、陛下に…甘えていたの?
あの優しさに…胸の広さに…
いつか陛下の隣に立つ人が来るまでって思ってたの。
それまでは、って。
それまでは、傍に居られる…って。
でも…それは、陛下にとってそれは、どう思われていたの?

―――あの時、陛下の目は本気だった。それは分かる。
あのまま刺客が来なかったら…―――私は、どうなっていたの…?
そう考えただけで、身体が震える。
溢れた涙が袖を濡らす。

―――陛下が…怖いの…



怖くて、怖くて堪らないの――――――…


夕鈴は声を殺して、ひたすら泣き続けた。

――――――――――――――――――――――――

…(・・;)
この辺、構想ではさらっとしていたので、結構台詞とか言い回しとか苦労しています←
でも、書くことは決まっていたのでさくさく書けたという裏話は…どうでも良いですかね(やさぐれ)←おい


次回予告↓

現代に戻って来た夕鈴。
しかし、気持ちに整理はつかないまま―――

次回、第6話
そして『日常』へ
お楽しみに!

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