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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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北国の七夕

さてと。
この「北国SS」では、私の住む北国に関係するSSを書いていきます。

これは今年の七夕にSNSで公開したもの。
実際に行われている行事です♪

――――――――――――――――――

【原作設定】【捏造】【ちょっと大人風味】




「夕鈴。このお菓子の山は何?」
「ああ、これですか?今作っている最中なんですよ。」
「…いや、それは分かるんだけど。何の為に?」

卓の上には、卓が見えなくなるほど大量のお菓子が並べられていた。
いつも僕に作ってくれる時には、ここまで多くは作らない。
なのに、どうしてこんなに作っているのだろう。

「一つ貰っていい?」
「ダメです!へい…李翔さんの為に作ったわけじゃないんですから!」
「…では、誰の為だと言うのだ?我が妃よ。」
「(何で狼が!?)…っ!い、今は演技は必要ありません!それにそれは今夜!今夜分かります!」
「…?」

今夜?
何が分かるというのだろうか。
夕鈴はそれきりこちらを向いてはくれず、ひたすらお菓子作りに没頭していた。

*******************************

夜、お茶を飲んでいると突然夕鈴の家の戸が叩かれた。

「はいは~い。」

夕鈴が「来たわね…」と言いながら、楽しそうに玄関へと行く。
それに「?」となりながらも、僕も付いて行った。
玄関の扉が開かれると、提灯を持った子供たちが10人ほど居た。
そして―――

「ろーそくだーせ、だーせーよー♪だーさーなーきゃー、かっちゃくぞー♪おーまーけーに、かみつくぞー♪」

10人の子供たちが一斉に歌い出した。
子供が歌っているものなので、一見微笑ましくも聞こえるが、内容はかなり物騒ではないか?
半ば唖然としていた僕。
夕鈴は「はいはい。ちょっと待っててね」と笑って居間へと戻って行った。
そしてすぐに、先ほど大量に作ってあったお菓子の袋を持って来て、子供たちに配った。
お菓子を受け取った子供たちは「有難う!」と笑顔を見せ「じゃあ、次行こうぜ!」と走り出していった。
それを笑顔で見送る夕鈴と、呆然と見ていた僕。

「ゆーりん…今のは一体…。」
「ああ、李城さんはご存じなかったですか?これはこの辺りでは毎年七夕に行われる風習なんですよ。七夕の夜に提灯を持って子供たちが家々を回るんです。そして大人に『蝋燭出せ、出せよ、出さなきゃかっちゃくぞ。おまけにかみつくぞ』と歌って、お菓子を貰うんです。」
「…蝋燭を出せ、って言ってるのに、貰うのはお菓子なんだ…。」
「ええ、そうなんですよ。おかしいでしょう?でも、本当に蝋燭を渡したら、子供たちは悲しい顔をしますよ。それにその大人は「分かってないなぁ」という目で見られると思います。」
「…そうなんだ…。そんな風習が…。」

下町には時々お忍びに来ていたが、こういう季節限定のイベントは知る機会が少ない。
面白い風習もあったものだ。

「子供たちが持っていた提灯も、子供たちの手作りなんですよ。自分の好きな絵柄を書いて作るんです。だから、子供達もこの行事を楽しみにしているんです。」
「それで…あんなにお菓子を作ってたんだ。」
「はい。それに、下町の子供たちはまだまだ沢山いますから、これからどんどん来ると思います。もし宜しければ、李翔さんも子供たちにお菓子を渡してみませんか?」
「…いいの?」
「はい。」

そうして、僕も子供たちにお菓子を渡すこの行事に参加した。
渡す度に子供たちの笑顔を見ることが出来たので、心が温まるような気がした。
こんな気持ちになれるのも、きっと夕鈴が居なかったななかったんだろうな。


**********************

「お菓子ほとんど無くなっちゃいましたね」
「そうだね」

山ほどあったお菓子は、残り3袋まで減った。
一応余るほど作ったらしいが、ここまで減る事は考えてなかったらしい。

「じゃあ、はい!李翔さん。どうぞ。」
「―――え?」
「今日は手伝って貰っちゃいましたし…。李翔さん。このイベント初めてだったんですよね?」
「…うん。」
「じゃあ、気分だけでもと思いまして。はい、どうぞ。」

そう言ってお菓子の袋を僕に向ける。
夕鈴の気遣いに嬉しくなった僕は、夕鈴につられて笑顔でそれを受け取る。

「有難う。夕鈴。」
「どういたしまして。」

二人で余ったお菓子を摘まみながら、他愛のない話をする。
小さい時に、夕鈴も家を回ってお菓子を貰ったこと。
本当に蝋燭を貰った時は泣いてしまったこと。
貰ったお菓子を持って、友達と一緒に食べたこと。
それを話す夕鈴は幸せそうで。
―――何だか意地悪したくなってきた。
僕は立ちあがって夕鈴に近づいた。

「夕鈴…。」
「…?どうしたんですか?」

きょとんと顔を上向ける夕鈴は、僕の思惑に気づいていない。
その顔の、耳元に近づいて、そこに囁くように言った。

「蝋燭出して、出してくれる?出さないと…触るよ?おまけに…噛みついちゃうよ?」

一気に顔が赤くなった君。
あたふたし始めるけど、君は動けない。
何故なら、耳元に囁いている時点で、君を僕の腕と卓の間に閉じ込めたからね。
逃げられたくないし。

「へ…っ、李翔さん、台詞が違います。『かっちゃく』んですよ!触れるとは言ってません!しかも、ここは歌う所です!何で、耳元で囁くんですか!?」
「旋律まで覚えてないよ。それに、内容が全部同じだと、捻りがないでしょ?だから少し変えてみた。」
「っ!何ですか!それは!」

胸元をぎゅーぎゅー押してくるが、離す気はない。
腕の中でなおも逃げようとしている兎に向かって再び問いかける。

「ねぇ…蝋燭、出すの?出さないの?出さないなら…」
「出す!出します!出しますから、離して!」
「えー」

慌ててる君は気付いてないのかな。
もう、お菓子は無いってことに。
さっき残りを僕たちが食べちゃったよね?

――――さて、どうしようかな?



―――――――――――――――――――――

もちろん、子供心にも疑問は盛りだくさんでしたよ。
「ろうそく出せ」なのにもらえるのはお菓子とか。
かっちゃくとか噛みつくとか物騒だな、とか。

あ、ちなみに↓

かっちゃく=ひっかく

です(^_^;)
どうやらこれも方言らしいので…

旋律まで覚えていない…なんて、嘘ですね?陛下。
貴方が沢山聞いて、覚えられないはずが無いんですから←断定

私にとって「七夕」は、短冊を飾ってお菓子を強請るもの(笑)←ただし、子供限定ww
お菓子貰った後、夜の公園で逆上がりとかも練習してたな~…懐かしい(-_- )シミジミ…

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「狼陛下の花嫁」の二次小説を書いています。
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