雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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謎が明かされる時

皆様今日は(=・x・=)
一昨日に、ウイルスバスターをクラウドにしたら、パソコンが重くなりました。
…やりにくい…

さて。続きです。

いつもの『日常』に戻って来た夕鈴。
でもそれは、黎翔を知る前の日常ではなく―――

―――――――――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】



「―――ふぅ…情けない…」

あの後、几鍔に連れられて家に帰って来た。
私がいつまでも泣いているものだから、流石のいつも無愛想な幼馴染も途方に暮れていた。
こんなんじゃ駄目だと思うのに、自分の感情すら儘ならない。
夕飯を作らなきゃ、と思うのに身体が拒否したように動かない。

「―――疲れたな…」

思えば、黒蘭国に行った後辺りから、息つく間もない日々だった気がする。
私の体感では…1ヶ月ちょっとの間に、色々な事があった。
黒蘭国との出来事があったり。
現代に戻って来て、白陽国の歴史の事を調べたり。
白家の事が分かったり。
―――陛下に…―――
思い出しそうになり、夕鈴はぶんっぶんっと頭を振る。
ちょっと眩暈がした。
額を押さえながら「う~ん…」と悩む。
―――夕飯を作る前に、ちょっと休もうかしら…?

ピンポーン

「…誰かしら?」

今日は誰も来る予定は無い。
ならば、訪問販売か―――そう思い、電話を取る。

「はい―――どちら様…」
『―――お久しぶりです』

ガタンッと、受話器を落としそうになる。
ワタワタと、受話器が宙で舞う事になってしまった。
冷静になれと自分に叱咤し、再び受話器に耳を当てる。

「―――お久しぶりです。…何の用ですか?」
『つれない事を言いますね。―――お姉さんにお話があって来ました』

ぐ…と、夕鈴は言葉に詰まる。

「…私は、何も話すことはありません。―――お帰り下さい」

今は、陛下に関する事の何も知りたくはない。
そう、自分に言い聞かせて。

『にべもないですね。―――あの後、狼陛下がどうなったか、知りたくは無いのですか?』
「あの後―――?」

どの後の事だ?
そう思っているのが伝わったのか、『彼』は続けた。

『刺客に襲われた狼陛下の、その後ですよ』
「―――っ!」

ガチャンッと、受話器を力任せに戻した。
そして、急いで玄関まで駆けた。
―――まさかっ…!陛下は…!
『刺客に襲われたその後』と言うので、夕鈴は最悪の想像をしていた。
冷静に考えれば、『彼』は明言していないにも関わらず。
玄関の扉を、音を立てて開ける。

「―――っ」
「やっと開けてくれましたね。お姉さん」

そこには、いつの日かと同じように、翔悠が立っていた。


*************

やってきた翔悠を、夕鈴はリビングに通す。
ソファに座って貰い、自分はお茶を用意しに台所へと向かう。
黎翔の事を気にしているその心境はあまり良くないものだったが、お茶を出すだけの冷静さはあった。
―――というより、どんな時でも優雅に動けるお妃教育の賜物でもあったのだが。
それは極力考えない事にする。
淹れたお茶をテーブルに置き、夕鈴もソファに座る。

「…それで?あの後陛下はどうなったの?」

早速本題に入る。
というより、夕鈴の頭の中はそれでいっぱいだった。
―――陛下は無事だったのか。それとも…
嫌な考えが頭に浮かび、軽く頭を振った。
しかし翔悠はそれに答えず、鞄から一冊の本を取り出した。

「―――まずは、この本についてご説明します」
「―――話しが違うわ」
「まあまあ。先に知って貰いたい事があるのですよ…―――狼陛下の、隠し事について」
「―――隠し事?」

隠し事とは何だろう?―――いや…
夕鈴は最初に浮かんだ疑問を、しかしすぐに否定した。
―――王様だもの…隠し事の一つや二つや三つや四つ。
あってもおかしくは無いだろう。
だが、徐に翔悠が取り出してテーブルの上に置いた本に視線を移すと、それには見覚えがあった。

「―――それは…」
「見覚えがありますか?…まあ、そうでしょう。これは、かの狼陛下が、貴女から聞いて書き留めた物ですから」

翔悠が取り出した本。
それは、これまで翔悠が現れた時に持っていた本である。
夕鈴自身は、見たことが無い筈だった。
だが、それは―――その本は。

「―――『花の捕え方』…?」

本には見覚えがある。
いつしか、陛下が私の話しを聞きながら書き物をしていた。
それがこれだった…筈だ。
しかし、そのタイトルは…―――何とも妙だった。
花は摘んだり育てたりするものであって…捕える、という言葉はしっくり来ない。

「そう。この本のタイトルは『花の捕え方』―――つまり“貴女”の捕え方を、狼陛下が綴ったものです」
「―――――――――――――は?」

夕鈴は何を言われたのか理解できなかった。
花の捕え方が、何で私を捕える話になっているの?
さっぱり分からない。
夕鈴は思考停止になると共に、目が点になっていた。

「“花”とは、後宮の花の事…つまり、王の妃の事です。狼陛下の妃は貴女―――だから、貴女の捕え方、という事になるのです」
「ちょっ、ちょっと待って!!」

夕鈴は翔悠に待ったを掛けた。
―――はっ?!私を捕える?!陛下が?!――――どうやって?!
私は陛下からしたら未来人。
つまり、陛下と私の時間が交わる事は、基本的に無い。
私が過去の時代に行く事が、そもそも有り得ない話だったのだ。
なのに、どうやって陛下は私を捕えようとするの?
というか、陛下のその後を聞こうとして居たはずなのに、どうしてこんな話になってるの?

「狼陛下は、度々未来へと帰ってしまう貴女を何とか自分の傍に繋ぎ止めて置きたくて、貴女がこちらから白陽国へと行く日付、場所などを、書き留めていったのです。そして…自分の子孫に、その書き留めた本を託した―――いつか現れる“汀 夕鈴”を、自分の元に戻す為に」
「―――」
「この本は、代々我が白家―――狼陛下である、珀 黎翔の直系子孫の我々が、大切に保管してきました。そして…貴女が居るこの時代、私たちは貴女を狼陛下の元に戻す為、この本に書かれている時間帯、場所に赴き、貴女を送り返していたのです」
「―――…そ、そんな事…」

出来る筈がない。
そう紡ごうとした唇は、戦慄いて続きが出なかった。
だって、実際に自分は彼らに戻されていた。
白陽国に―――陛下の元に。
つまり、彼らは実際に“それ”をやり遂げている。
先祖である、陛下の言う通りに―――
ぞくり…と夕鈴は背筋に寒気が走ったのを感じた。
今感じるのは―――恐ろしいまでの、陛下の自分に対する執着だ。
彼は、諦めなかったのだ―――私を、手に入れる事を。
刺客が来る前の、あの光景を思い出す。

―――どんなに暴れても敵わない、男の力
―――叫んだ唇を塞ぐ、陛下の熱
―――私を射抜く、紅い瞳
―――震える身体に、這い回る陛下の手

それら全てが思い出され、夕鈴は知らず身体を掻き抱く。
あの時の恐怖は、今でも夕鈴を苛む。
好きな人に襲われた記憶は、思った以上に夕鈴の心に深く傷を付けた。
翔悠は震える夕鈴を見て少しだけ哀しそうに、しかし慎重に口を開いた。

「貴女は…お姉さんは、誤解しています。あの時の狼陛下の心境を」
「―――誤解…?」

何を誤解しているというの…?
あの時陛下は、明らかに私を…
その先を考えたく無くて、夕鈴は手に額を乗せる。

「そうです。―――それはこちらをご覧になれば分かります」

そう言って、翔悠は本を差し出して来る。
のろのろと顔を上げる。
―――これを見たところで、何が変わるというの…?
それでも。
心のどこかではその『何か』を求めていたのだろう。


夕鈴は恐る恐る、その本を手に取った。

―――――――――――――――――――――――――――

辛いのはここまで…のはず。
これからは、ちょっと哀しい事は起こりますが、あまりにも酷いことは無い…はず(多分)←おい

とりあえず突っ込んで良いですかね…
陛下っ!
怖いよっ!
私は逃げたいよ逃げて良いかな逃げて良いはず逃げるべし!←一息にどうぞ


次回予告↓

翔悠に渡された本を開いた夕鈴。
そこに書かれていた内容は―――

次回、第8話
届く想い
お楽しみに!

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