雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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時代の壁

皆様今日は♪
今日も北国は天気が宜しいこと!
春の音がします…♡

では続きです!

黎翔の気持ちを知った夕鈴。
すると何故かあいつが―――?

――――――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】



「――――おいっ!何で泣いてるっ?!―――お前が泣かせたのか?!」

突然部屋に響いた大声に、夕鈴はびくっと肩を揺らす。
翔悠は驚いたふうでもなく、ゆっくりとそちらの方へと向いた。

「相変わらず五月蠅い人ですね…。少しは普通に話せないのですか?」

火に油を注ぐような挑発的な翔悠の態度に、几鍔はぶち切れた。

「―――てめぇ!!!」
「几鍔さん!―――相手は子供ですよっ!!」

自分も翔悠と同じくらいの年のはずだが、そう言って几鍔を宥めるのは夕鈴の弟の青慎だ。
夕鈴はまだ状況を理解できず、とりあえず弟に聞く事にした。

「青慎…何で几鍔と一緒に?」
「そこで会ったから…―――家からちょっと離れた所で、うろうろしてたから…きっと姉さんの事が心配なんだなと思って声を掛けたんだけど…」
「そんなんじゃねぇ!!!」
「…て言って、でも『家に来ますか?』って言ったら『ちょっと見るだけだ!』って付いて来て…ここに」
「…」

どうやら相当心配掛けたらしい。
夕鈴を家まで送り届けた後、まだ暫く付近に居たようだ。
家の近くに居たわけではないから、翔悠と鉢合わせしなかっただけで。
夕鈴が几鍔の方を見ると、バツが悪そうに几鍔は顔を背けた。
青慎は静かに、翔悠の方に向く。

「―――そして、君はどうしてここに居るの?―――姉さんに、何を言ったの?」
「―――」

静かに問う青慎に、翔悠は目を閉じる。
その静かな声に、夕鈴も几鍔も息を飲む。

「どうして姉さんは泣いてるの?―――君は…『誰』なの?」
「青慎…この子は…」
「良いですよ、お姉さん。自分で言いますから」

夕鈴が言い募ろうとするのを、翔悠は止める。
そして、翔悠と青慎が対峙する。

「僕の名は白―――白 翔悠。この白陽省の前身『白陽国』の王族の末裔」
「「―――!」」

唐突な翔悠の自己紹介に、青慎と几鍔は息を飲む。
まさか、自分たちが話しをしている人物が、元王族とは思わなかった。

「白陽国の過去の王―――珀 黎翔の…お姉さんが想って泣いている、狼陛下の直系子孫です」
「―――っ?想って泣いて…?って、姉さん…どういう事?」
「想ってって…おいっ、夕鈴!こいつの言ってる事は本当なのか?!」

翔悠の言う事に、すかさず青慎と几鍔が反応する。
どう答えて良いか分からなくて、夕鈴は戸惑う。

「それに、狼陛下って…―――何?」

青慎の尤もな疑問に、翔悠が答える。

「『狼陛下』と言うのは…珀 黎翔の、お姉さんが臨時花嫁をしていた国王の通り名です。―――当時、その国王は、乱れに乱れた内政を粛正して国を安定させた。…しかし、そのやり方が一部の人間にとって冷たく映り、付けられた名が『冷酷非情の狼陛下』。彼は、戦場でのその活躍ぶりから『戦場の鬼神』とも呼ばれたんです」
「…って、そんな危ない奴と一緒に居たのかよ、夕鈴!」
「そ、そんなに危ない人じゃないわよっ」
「そんなの信じられるかっ!!」

明らかに物騒な翔悠の言葉に、几鍔が反応した。

「待って、几鍔さん。―――姉さんは、その『狼陛下』が好きなの?」
「―――っ」

自分で先ほども確信した事を、自分の愛する弟から指摘されると、こんなにも恥ずかしいものなのか。
赤面した姉に、青慎は本当の事なのだと確信した。
再び翔悠に向き直る。

「それで、君がその『狼陛下』の子孫だとして…姉さんに何の用?」
「―――それを知って、どうするんですか?」
「………それは、教えてくれないという事ですか?」
「―――」

子供同士のはずなのに、緊張感が半端ない空気に、夕鈴ははらはらする。
―――どうしよう…?!本当の事を話していいの…?でも…言った所で、どうにもならないのに…
陛下が好きだ、それは分かった…―――でも、問題はそれで終わってはいない。
そもそも、根本的な問題は解決していないのだ。
陛下は過去の時代の人。自分とは、交わる時代が違う。
どう考えても、どうしようもない事に変わりは無い。

「―――お姉さんは『この先』に行く覚悟がありますか?」
「―――――――――え?」

唐突に言われた言葉に、夕鈴は呆ける。

「『この先』に―――狼陛下と共に歩むか、違う道を歩むか…そのどちらかです」
「―――!」

夕鈴ははっと翔悠を見る。
―――陛下と共に?そんな事が出来るの―――?
いや、と夕鈴は首を振る。

「で、でも、そんなの出来るわけ―――」
「出来ますよ」

翔悠は断言する。

「出来ます―――お姉さんに、その“覚悟”があるなら」


************

キーン コーン カーン コーン

授業終了のチャイムが鳴る。
バタバタと教室に走り回る音が響く。
きゃっきゃと、はしゃぐ声。
ガサガサと鞄の中を探る音。
しかしその全ての音は、夕鈴の耳を通り過ぎて行く。
夕鈴が今考えているのは、あの後翔悠に言われた事である。


…*… …*… …*… …*… …*… …*…

『―――今日はこれで帰ります。―――もし、何か聞きたいことが出来れば、こちらに連絡して下さい』

そう言って渡されたのは、一枚の紙。
そこには、電話番号が書かれていた。

『―――もう来んなっ!!』

そう怒るのは、几鍔。

『姉さんは…どうするの?』

心細そうに聞くのは、愛してやまない、自分の弟。

『―――――――――ちょっと休ませて…』

青慎には自分で夕飯を用意して貰い、夕鈴は食事を食べないで一晩を過ごした。

…*… …*… …*… …*… …*… …*…

「―――りん、夕鈴ってば!」

机を叩く音に、夕鈴は呼ばれた事に気が付いた。

「―――――――あ、明玉」
「『―――あ』じゃないわよっ!…何そんなにぼーっとしているのよ…」

几鍔さんから、白家の男の子が夕鈴の家に来た事は聞いていた。
衝撃の事実も聞いた。彼らが王族の末裔だと。
しかも、夕鈴が王様の事を好きな事もばれたらしい。

「ま、無理もないけど…―――それで?どうするの?」
「どうするのって…?」

明玉の言いたいことが分からなくて、夕鈴は聞き返す。
声を潜めて、明玉は夕鈴に言う。

「―――王様の事、どうするの?」
「…どう…って」

―――陛下が好きだ。それは変わらない。
でも…だからと言って、どうするかを決める事は、酷く難しい。
だって……それは……“それ”の意味する事は―――

「―――そうだよね…私も、あんたと離れたくないよ」
「!!」

先回りしたような明玉の言葉に、夕鈴はびくりと肩を震わせる。
―――そうなのだ。陛下と共に歩むという事は…

―――同時に、この現代の人との別れを意味する。

「でも―――あんたは、行きたいんじゃないの?…―――その王様の元に」
「…」

…本当は、行きたい。陛下の元に。

「でも…それは―――」



―――その決心をするには、ここには大切なものが多すぎる…

――――――――――――――――――――――――――――――

そう簡単に、自分の住む世界を捨てられないですよね(-_-;)
…私なら…やっぱり自分の世界の方が良いですね。

夕鈴には迷いが生じてます。
陛下のことは好きだけど、他の大切なものを捨てるのは、正直辛い。
それでも決心して行くので、どうぞお付き合い下さいませm(__)m


次回予告↓

黎翔の事を想うも、悩み続ける夕鈴。
そんな時、部屋の鏡台が―――?

次回!
第10話「秘せぬ想い
お楽しみに!

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「狼陛下の花嫁」の二次小説を書いています。
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