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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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秘せぬ想い

皆様今日は♪
今日本誌を買って読んで…まあ…という心境にある私です。

さて。
続きです♪

翔悠の言葉に、悩む夕鈴だが―――?

―――――――――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】



「―――――――はぁ………」

夕鈴の部屋。
昼間に明玉に言われた事が、夕鈴の心を揺り動かす。

『あんたは王様の元に行きたいんじゃないの?』

行きたい、陛下の元に。
でも…―――ここには私の大切な人たちが居る。
青慎、父さん―――大切な家族。
明玉や友人達…ついでに、幼馴染。
安穏とした、現代の生活。刺客に襲われる事も無い。
身分の違いとか、立場の違いとかを、考える必要もない。

――――でも……………それでも。
ここには、陛下が居ない。
それが…何よりも夕鈴の気持ちを揺るがした。

「―――」

夕鈴はちらりと鏡台を見る。
―――あれから、やっぱり鏡は反応しない。
これまでは、否が応でも、白陽国へと飛ばされるきっかけとなった“鏡”。
それが、今では沈黙を保っている。
―――自分がこういう心境になるだなんて、夢にも思わなかったけど。
まさか自分から、白陽国に行かないかな、と思ってるなんて。
でも……―――どういう顔をすればいいのか分からない。
本人に面と向かって言われたわけでもなく。
本を通して―――時代を越えた、告白。
ある意味物凄い執念を感じた。
―――それを感じるほど、陛下も私の事が…
好きという事なのだろう。
夕鈴はボッと顔が赤くなるのを感じた―――というより、鏡に映ったので、より恥ずかしい。
少し俯く。
―――そう思えるほどには、私も陛下の事が好き、というわけね。
何だか妙に冷静な自分が居る。それに、笑いそうになる。
―――何だろう、自棄になっているんだろうか。
余りにも高い、私と陛下の時代の壁。
陛下を好きだと思えば思うだけ、それは高くなっている気がする。
翔悠は『覚悟はあるか』と聞いたが、それがあっても無くても、同じ話だ。
―――やっぱり、私じゃ駄目だわ…
そう思った夕鈴だが、次に『見た』ものに目を見開き、そして戦慄した。

―――夕鈴は見た。
鏡の中に―――――人が映っているのを。

「……………み、見間違い………よね………?」

そう思いたいいやそうに違いないそうでなくては困る嫌だ。
蒼褪めるのを感じ、夕鈴はふとこの光景に覚えがある気がした。

「―――ん?デジャブ?…何だかこの感じ、覚えがあるような…」

すると、今度ははっきりと鏡に……映った。

「――――ひっ…?」

見間違いじゃない?!
や、やだ…!私怖いの苦手なのにっ!!!

―――しかし……そこに映っていた人物は。

「――――っ、――――――陛下っ?!」

そこには、椅子に座り項垂れていた黎翔が映っていた。



「――――陛下……本当に…?」

夕鈴は、自分が見ている光景が信じられなかった。
会いたい、でも怖い―――そう思っていた人が、目の前に居る。
いや…正しくは、鏡の向こうに居る。

鏡の向こうの陛下は、椅子に座り、項垂れていた。
その様子は、痛々しいぐらいであった。
現に、陛下の顔は、苦しそうに歪んでいる。
すると、夕鈴の耳に何か聞こえる。

―――夕鈴……もう、会えないのだろうか…―――いや、そうは思いたくはない………でも……

同時に、鏡の中の陛下の口が動くのを見た。
―――もしかして、今聞こえたのは……陛下の声?

―――いつも肌身離さず身に着けてくれていたこの簪があるという事は………そういう事なのだろうか……

悲痛な声と共に、陛下が手に持っているものが目に入った。
それと同時に、夕鈴は自分の頭を触る。
―――あ!陛下から貰った簪!
陛下に襲われたあの日。
あの日私は偶然簪を付けて……いなかった訳じゃない。
あれは基本的に、毎日つけていた。
でも、こちらで気が付いた時は、そういえば付けて無かった気がする。
…とすると……
きっとあの時…陛下に襲われた、あの時に外れたのだろう。
その記憶は無いけれど。

―――もう君は、私の事など愛想を尽かしてしまったのだろうか…?―――それでも、私は…僕は、君を忘れることなど出来ない

夕鈴は思わず、手の平で口を塞ぐ。
そうしないと、気持ちが溢れそうだった。

「―――陛下…」

―――帰って来て欲しい…私の元に……傍に、居て欲しい……

「―――――っ、陛下っ!!!」

夕鈴は叫び、次いで鏡に手を伸ばす――――――――しかし。
鏡の向こうの人物が降り返ったと思ったら、それはすぐに消えてしまった。

「―――っ?――――何でっ……?!」

鏡に縋りつく。
これまで、この部屋では三回ほどこちらとあちらの出入りをした。
一度目は、最初に白陽国に行った時と戻った時。
二度目は、この間こちらに戻って来た時。
白陽国では、どんな時でも後宮に出た。
基本的に現代では、消えた所からしか戻らなかっただけに、王立博物館で消えたはずの私が、この部屋に戻って来た事に、何らかの意味があるのだろうかと考えたこともある。
なのに……―――鏡は陛下を映すだけ映して、こちらの声を届けもしない。
夕鈴は、自嘲気味に呟いた。

「―――さっきまで、私じゃ駄目だとか思っていたのに…」

人の心とは、複雑だ。
陛下の姿を見た途端、そのような考えは吹っ飛んだ。
―――ただ、陛下に会いたいと…触れたいと思った。

それが、答えなのだろう。
いくら頭で考えても、弾き出せない。
ならば…

「―――行動あるのみ、だわ」



夕鈴は決意した。

―――例えそれが、愛する人との決別だとしても。

―――――――――――――――――――――――――――

夕鈴が決意しました。

案ずるより産むが易し。

考えても決まらない事は、いっそ行動した方が良い時ってありますよね(._.)


次回予告↓

自分の気持ちに決着をつけた夕鈴。
家族へ伝える言葉は―――

次回!
第11話「想いは離れても
お楽しみに!

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「狼陛下の花嫁」の二次小説を書いています。
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