雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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想いは離れても

皆様今日は。
確か北国は、温かいの今日までだったような気がします(・x・)
…短い春だった(違)

それでは、続きです♪

黎翔の様子を見て、決意が固まった夕鈴は―――?

――――――――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】



決意が固まると、次の行動は早い。

「―――青慎、話しがあるの…父さんも」

汀家のリビングに、二人は居た。
自分の部屋から出て階段を下りて来た夕鈴は、真っ直ぐここへと来た。
父・汀 岩圭は食後のお茶を飲み、青慎は真向かいの席で宿題をしていた。
少しでも家族との時間を大切にしたい弟の気遣いに、夕鈴は顔が綻ぶ。
二人の間の席に、夕鈴は座る。
青慎はすぐに話しの内容を悟ったのか、心配げな顔になった。
父さんは……特に変化なし。

「―――最近の私に起こった出来事……青慎には話しているけど、父さんには話して無かったわね…」
「…何だい?改まって。――――はっ。もしかして、好きな男性が出来たとか、そう言う話じゃ…無いか。まさか、ね…」

岩圭の言葉は、夕鈴と青慎の間に生まれた緊張感に、尻すぼみになって行く。
何を察したのか、岩圭は慌てて夕鈴に問う。

「ま、まさか…ゆ、夕鈴っ?本当に、好きな人が出来たのかいっ?い、いつの間に…!そ、それで、それは誰なんだいっ?」
「父さん、落ち着いて…。姉さん、話しは…あの事?」
「―――――――うん…。私、決めたの」
「―――」

動揺する父を宥め、青慎は姉に話しを促す。
夕鈴は弟の言葉を肯定し、次いで……哀しげな表情になる。
それだけで、聡い弟は姉の決意の内容を悟る事となった。

「―――――――本当に決めたの?姉さん……」
「……」
「それは……僕達と、二度と会えないことだって……そういう、話しなんだよね…?」
「―――」
「…え?ちょっと待て、青慎―――二度と会えない?一体、何の話しなんだいっ?」

話しの内容が夕鈴に男が出来たとか、そういう単純な話では無いという事をここで察した岩圭は、二人に説明を求める。
夕鈴が、重い口を開く。

「―――父さん…私、春の初め頃から、身の回りで不思議な事が起きたの」
「な、何だい…?唐突に…」
「聞いて、大事な事なの…―――その事で、ある時鏡を見ていたら…突然光に包まれて、目が覚めたら…見知らぬ場所に居たの」
「―――っ?」

突然の娘の有り得ない話しに、岩圭は目を白黒させる。
夕鈴は続けた。

「―――そこは、今はもう無い国――昔の白陽省…白陽国という国で、私はそこの王様に拾われたの」
「―――、…、―――」
「成り行きで、その人の『臨時花嫁』……偽のお妃様をやる事になったんだけど…時が経つにつれ、私は陛下を好きになっていたの」
「―――!」
「時代の違う人で…しかも、身分も相当違う人で…――そう言う事は分かっていたけど、割り切れなくて――」
「ちょ、ちょっと待ちなさいっ。―――何がどうしてそういう事がっ?」

とうとう岩圭は待ったをかける。
突拍子もない情報が、大量に流されたからだ。

「―――どうして私が過去に行く事になったのかとかは分からないの…―――だけど、それでも…―――私は、陛下と共に居たい」
「…っ」
「それを願ったところで、叶うかどうかは分からない。もしかしたら…陛下はいつか、然るべき人と結婚するかもしれない。それでも…それでもっ!」

夕鈴は語気を強める。
―――それでも、あの人の傍に居たいの…!
夕鈴は目を覆う。

「―――陛下が好きなの…!黎翔様が…―――あの人が…!」
「―――」

娘の吐露に、言葉を失う父。

「父さんには突然の事で…信じて貰えるかは分からない。でも…それでも、家族には、私の想いを知って貰いたくて…」
「――――――――少し待ちなさい…」

頭を抱えて、考え込む岩圭。
一気に入って来た情報の整理を行う。
だが、苦悩の表情は隠せない。

「―――はぁ……何がどうしてこんな事に……―――夕鈴」
「―――はい」
「これだけは聞きたい…―――それを選んで、後悔しないかい?」
「―――」
「私はそれだけが心配だよ。―――もちろん、先ほど二人が言った『二度と会えない』と言う事実も。―――だけれど、一人娘の幸せを、妨げるのもまた…出来ないんだ」
「父さん―――」

分からない事だらけだろうに、今分かる状況だけで、父は判断してくれようとしている。
じわり…と、その父の想いに涙が浮かぶ。
すると、青慎も口を開いた。

「―――僕も考えてたんだ……あの翔悠って子は、直接言葉にはしなかったけれど…―――あの子が言っていた『覚悟』の内容は……姉さんがこの時代の人と…僕達と別れる、その『覚悟』なんじゃないかって…」
「……青慎……」
「勿論、僕は姉さんと二度と会えないなんて、そんなのは嫌だよ…――――でも、それ以上に、姉さんが悲しい顔をするのは……幸せになれないのは、嫌なんだ」
「…っ」
「姉さん……王様の傍に居たいんだよね?―――別れるのは寂しいし、悲しいけど……姉さんが幸せなら、僕はそれでも良いんだ」
「――っ、青慎っ…!」

夕鈴は青慎を抱き締める。
最愛の弟。
何よりも、誰よりも、この子を支える為に、私は生きて来た。
まだ小さな小さな、私の弟。
その弟が、私の幸せの為に、背中を押そうとしてくれている。
小さいと思っていた存在が、今はとても大きく感じた。
抱き合う子供たちを見つめた岩圭は、諦めたように溜息を吐いた。

「―――夕鈴…私も青慎の言う事と同じだ。夕鈴の幸せが、何よりなんだ」
「父さん…」
「―――夕鈴は、決めたんだろう?もう……意思は変わらないんだね?」
「――――――――――――――――――うん………」
「なら、諦めずに幸せを掴みなさい。後悔の無いように……精一杯…っ…!」

そこまでが父の限界だったようで、大粒の涙を流した。
それにつられて、私も青慎も涙を流す。

汀家のリビングには、暫くすすり泣く音だけが響いた。
それは悲しみも混じっていたが…夕鈴はもう、迷わなかった。

―――家族を捨ててでも陛下の傍に居たいと願う私を、父さんと青慎は背中を押してくれた。
失うものは大きい。
それでも、心の中の大切な部分は失っていないと……繋がっていると、信じられる。
いつまでも変わらないと…



―――想いは離れても繋がっていられると…信じられる―――

――――――――――――――――――――――――――――――

決意をした夕鈴は強いです(`´)
どっかの王様に爪の垢を煎じて飲ませたいですね!←

とりあえず。
お父さんが物分かり良すぎだと思うのは、私だけでしょうかね(・・?←おい


次回予告↓

家族と別れる決意をした夕鈴。
それぞれの別れは―――

次回!
第12話「決別の時
お楽しみに!

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