雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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決別の時

皆様今日は~。
今日からまた寒くなるそうで。
…そうですか…そうですか(やさぐれ)

では、続きです♪←開き直り

家族と離れる決意をした夕鈴。
そのことを、父と弟に話し―――

――――――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】



その後岩圭や青慎と様々な話しをした夕鈴は、自分の荷物をまとめ始めた。
別に、部屋を全て片付けるわけでは無い。
まるで―――どこかに旅行に出かけるように…でも、旅行には到底持って行かない物を鞄へと大切そうに入れる。
家族写真、大切な手紙…
離れる決意はしたけれど、きっと挫ける時や、恋しくなる時が訪れる。
そういう時に…―――勇気づけられるように、楽に逃げないように。
小さな鞄に、大きな想いを入れて、夕鈴は立ち上がる。

―――別れの時は、近かった。


***************

土曜日。
夕鈴は、この日を別れの日と定めた。
…あまり遅くなると、決意が鈍ると思ったから。

家族と話し、明玉と…ついでに几鍔にも、自分の事を話した。
明玉は泣いてたけど『夕鈴の決めた道だもん、私も応援するよ…―――王様のハートを、掴んできなっ!』と親指を立てて応援してきた。…ちょっと恥ずかしい。
几鍔は『―――泣くかもしれないんだぞっ?それでも良いのかっ?』と最後まで反対してたけど、私の決意が鈍らないと分かったのか、その内黙ってしまった。
みんなに話した後、翔悠に連絡した。

『きっと連絡を下さると思っていましたよ…―――それでは、夕鈴さんの覚悟が出来た日に、王立博物館までお届けしましょう』

そう言って、当日夕鈴の家まで迎えに来る事を約束した。



白陽国から現代に戻って来て4週間。
…一体、向こうではどれだけ経っているのだろう?
この間黒蘭国から現代に戻って来たと時は、それほど経っていなかったようだし。
…それでも、こちらで4週間も経っているのだ。向こうも結構経っているに違いない。
気持ちが急くのを止められない。
でも…―――それと同時に、近しい人との別れを思い、胸が軋む。
本当に、これ以上先延ばしすると、決心が鈍りそうだ。
頭を振って、自分の部屋を眺める。

「―――ここを見るのも、これが最後なのね…」

しっかり目に焼き付けておこう。
私が、生まれてからずっと暮らしていた部屋。
バイトを始めてからは、忙しくて中々居られなかったけれど、私の癒しだった空間。
このような形で去る事になるとは、夢にも思わなかったけれど…

「これで…本当に最後…」

ぽつりと呟き、思いっきり息を吸い込んだ後、パチンッと頬を叩く。

「――――よしっ!行こうっ!!―――――――さようなら」

静かにドアを閉め、夕鈴は部屋を後にした。



青慎の部屋、客間、台所、両親の部屋、リビング…
懐かしい思い出の詰まった我が家の部屋一つ一つを廻る。
―――ここには、沢山の思い出が詰まっている。

「―――あっ!引っ掻いた痕!…私も、小さい頃はやんちゃだったからなぁ…」

今も結構暴れる事は、この際目を瞑っておく。

「…あ…このシミ……青慎がソースを零したんだっけ…頑張って拭いたけど、結局シミになっちゃったのよね…」

思い出を一つ一つ、言葉にしながらなぞって行く。
じわりじわりと涙が浮かんでくるが、夕鈴は拭わない。
この痛みは、私が甘受しなければならないもの。
拭う時は、ここを去る時と決めていた。
そして…―――とうとう玄関に着いた。
ゆっくりと、玄関のドアを開ける。
そこには、夕鈴を見送りに来た人が集まっていた。

「明玉、几鍔…―――青慎、父さん…。翔悠君に、麗鈴さんまで…」

厳密には、ここでの見送りは岩圭のみ。
後の全員は、王立博物館まで一緒に同行することになっていた。
岩圭は、家で見送ると言ってきかなかった。
父なりの、精一杯の譲歩らしい。

「―――夕鈴…泣いたのかい?――――本当に、行ってしまうのかい…?」

まだ諦めがつかないのか、岩圭は控えめに夕鈴の意思が変わらないか願っている。
でも…―――夕鈴は決めたのだ。あの人の傍に居ると。だから―――

「―――うん…………ごめんね、父さん―――今まで、有難うございました」

父の手を取り、夕鈴は目を伏せて言う。
岩圭は声を震わし、涙を流すも、それ以上何も言わなかった。

「分かった…――――行って来なさい。辛くなったら、いつでも帰って来るんだよ」
「―――――――はい……じゃあ、行ってきます」

帰って来れるかどうかは、分からない。
寧ろ、もう帰って来られない可能性だってあるのだ。
辛くなったら帰って来るとは、約束できなかった。
それでも、父を安心させてあげたくて、またその気持ちを裏切りたく無くて…夕鈴は優しい嘘を吐いた。
それは嘘だと、岩圭も気付いたかもしれない。
でも、お互いそれは言わずに、手を離す。
そして手を振って、最後の別れをした。

「父さんっ――――行ってきますっ!」

最後は笑顔で。
それだけは、夕鈴は心に決めていた。
岩圭も哀しみを湛えながらも笑顔で返し、そっと手を振る。
夕鈴は車に乗り込み、最後まで手を振っていた。

車の姿が見えなくなると、岩圭はその場に崩れ落ちた。

「―――行ってしまった、か……」

家で見送ると決めたのは自分だ。
…何故なら…『行ってきます』と見送ったなら…『ただいま』と返って来ると思えるから。
最早意地に近かった。
それでも、今生の別れだとは思いたくは無かった。
だから、いつもと同じように、見送った。
―――未だ、現実味が無い。

「―――夕鈴も、最後の言葉は嘘だと、思っていたんだろうなぁ…」

あの子は嘘が付けない。
微妙に、目が泳いでいた。
きっと、私を傷つけまいと、優しい嘘を吐いたのだろう。

「―――くっ……ふ……っう……」

娘ともう会えないという事実に、岩圭は打ち拉がれるしか無かった…

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

おとーーーーーさーーーーんっっ。・゜・(ノД`)・゜・。
か、悲しいっ!!
悲しすぎるこの展開…!←書いたのはお前だちょっと待て

これからどんどん別れのシーンが出てきます。
暫くしんみりターンです←


次回予告↓

父と別れ、王立博物館を目指す夕鈴たち。
それぞれ思う事は―――?

次回!
第13話「それぞれの想い
お楽しみに!

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