雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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想いは時を越えて

皆様今日は(=・x・=)

…これで本編が終わりかと思うと、ちょっとしんみりする私です…(=―x―=)

ですが!

本編は終われど、このパラレルは番外編で展開して行く予定です!

もちろん、これまで以上に不定期になりますが、悪しからず(^_^;)

では、最終話です!

どうぞ!


現れた鏡台に映ったのは―――黎翔。
黎翔に想いを告げた夕鈴は―――

―――――――――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】



「――――――――え?」
「―――っ?!」

夕鈴は、黎翔の腕の中に居た。
すぐに黎翔が夕鈴の肩を掴み、バッと身体を離す。

「―――っ、夕鈴っ?!!―――本物かっ?!」
「へ、陛下…」

流石にこの展開は予想してなくて、夕鈴も戸惑う。
少し狼狽えていた様子の黎翔も、すぐに冷静になった。
その存在を確かめるように、夕鈴の頭や髪、頬に手をやる。
首筋にそれがきたときは、くすぐったくて肩を震わせた。

「―っ、陛下、くすぐったいですっ」
「―――夕鈴っ!!!」

そしてすぐにきつく抱き締められた。
その腕の強さに、夕鈴はやっと黎翔の存在を感じられた。
―――香りも声も…この温かさも、全部本物―――本物の陛下だ…
夕鈴は頭を黎翔の胸にぽすんと預け、手を背中に回した。
夕鈴が離れない事を知ったのか、黎翔は一層きつく抱き締めた。

「―――って…、へ、陛下っ…ちょっと苦しいっ…」

幾らなんでも締めすぎだった。息が出来ない。
その息も絶え絶えの声が聞こえたのか、黎翔は少し腕の力を緩める。
勿論、離すことはしなかったが。

「―――これは現実か…?夢では…無いのか―――?」
「…夢じゃないですよ」

そう、これは夢じゃない。現実だ。
自分にも言い含めるように、夕鈴は答えた。
そしてそれを伝えたくて、今度は夕鈴が黎翔をきつく抱き締める。
夕鈴の腕では黎翔の背中を覆う事が出来ないので、背中で衣を握り締めるだけだったが。
その感触が伝わったのか、黎翔にも少し余裕が出て来る。

「―――夕鈴…先ほども言ったが、この間の事……すまない…」
「―――先ほども言いましたが、もう良いんです…」
「……」

そして沈黙が落ちる。
暫く、互いの体温を分け与えるかのように二人は寄り添った。
まるで、言葉など要らないというように。
その沈黙を破ったのは黎翔だった。

「先ほどの…」
「え?」
「先ほどの…―――君が言ってくれた言葉は、本当なのか?」
「…?」

どの事を言っているのか分からなくて、夕鈴は首を傾げる。
少し言い淀んでいた黎翔だったが、覚悟を決めたのか口を開いた。

「君が…――――私を好きだと……傍に居たいと…」
「―――!!」

夕鈴は自分が言った言葉を一気に思い出し、ボフンッと顔を赤くする。
―――そう言えば、そんな事言ってた気がする…!
あの時は陛下に会いたい一心で、いつもだったら言わない言葉を口走っていた気がする。
いっそ思い出せなかったら楽だったろうが、全部覚えていたので恥ずかしい。
好きだとか傍に居たいとか感じたいとか言ってた気がするんですけど?!
心の中が羞恥心で埋め尽くされ、黎翔から離れようと胸を押し始める。
黎翔は離れようと踠く夕鈴の後頭部に頭を回し、胸元にきつく抱く。

「へっ、へいっ…」
「―――嬉しかったんだ」
「―――、へ…」
「君がそう言ってくれて…私たちは、同じ気持ちなのだと知ることが出来て…―――」
「陛下…」
「君には、あの時嫌われてしまったと思っていたから…」
「―――私が、陛下を嫌うなんて…そんなの有り得ません…」

何だかんだで、最初の頃から陛下を嫌う事など無かった。
ちょっと演技が過剰すぎるだとか、スキンシップが過剰だとかは思っていたが、嫌だとは一片たりとて思ったことは無い。
自分はその時から、陛下に惹かれていたのだとは思う。
ただ、それを認めると辛い現実しか待っていなかったから、目を背けていただけで。
その結果、陛下の気持ちや言葉からも背ける事になってしまって。
―――随分、遠回りしちゃったみたい…

「でも今は……君がここに居るという事が…―――私にとって、この上ない幸福なんだ」
「―――っ、陛下…!」

それから暫くの間、互いの存在を確かめ合うかのように、二人は抱きしめ合うのであった。


****************

「―――4週間、かぁ…」

後宮の自室。
夕鈴は静かなここで一人、お茶を飲んでいた。
白陽国に戻って来てから、3日が経った。
あの後瑤花さんや侍女たちに泣かれ(最早恒例行事になりつつある気がする)、李順さんには溜息を吐かれ(でもその表情は、どこか安堵していた…気がしないでもない)、老師にも泣かれた(何か他にも言っていた気がするが、よく聞こえなかった…という事にした)。

どのくらい経っているのか気になって聞いたら、4週間だという。
―――あちらに居た日数と同じ。
これまでも幾度か行き来して、その度にこちらとの時間的差異は縮まっていたから、もしやとは思っていたが…今回それが完全に同じだったとは。
―――何が原因だったのか、なんて…今となっては些細な事ね…
もう私は、陛下と共に生きると決めたのだ。
何事か無い限り、それを考える必要はないだろう。

「―――夕鈴。お待たせ」
「陛下」

黎翔が現れる。
今日夕鈴は、黎翔に話があると言われてずっと部屋に居た。
政務の関係で黎翔は少し遅れたが、考え事をしていた夕鈴にとってはそれほど長くは無かった。

「今お茶を淹れますね」
「うん」

夕鈴は椅子から立ち上がり、お茶の用意をする。
黎翔はその間に長椅子に座り、お茶を淹れる夕鈴の様子を眺めていた。
お茶が入り、夕鈴は振り返る。
てっきり自分が座っていた卓にある椅子に座っていると思っていたので、少し面食らう。
黎翔が長椅子に居るので、とりあえず長椅子へと持って行く。

「はい、どうぞ。熱いのでお気を付け下さい」
「ありがとう。夕鈴も座りなよ」

そう言ってポンポンと自分の隣を叩くものだから、夕鈴は自分のお茶を取りに行ってから隣へ座った。
長椅子に揃って座った二人は、静かにお茶を飲む。
そして唐突に、黎翔が切り出した。
何を言わんとしているか、夕鈴には分かっていた。

「―――夕鈴は、僕の傍に居てくれると思って良いんだよね?」
「―――はい」
「なら……今までも言ってきた事だけど…―――夕鈴、私の花嫁になってくれるか…?」
「――――また…“臨時”ですか?」

夕鈴は意味を分かっていて、くすりと笑いながらそう聞き返す。
その笑いに、黎翔も夕鈴が恍けているのに気付いたのか顔を顰めた。

「―――私は本気だ」
「―――分かっていますよ…」

こっちだって散々悩んだのだ。これ位の意趣返しはさせてほしい。
むぅ、と不満げな顔になった黎翔は自分の茶器を置き、夕鈴の茶器も取った。

「―――陛下…?――――っ」
「君は……本当に分かっているのか?私の花嫁という事は―――妻になるという事だ」
「―――」
「生涯共に寄り添い、私の唯一として……傍に居る。それを分かっているのか?」
「―――他の妃は…」

夕鈴は黎翔が書いた『花の捕え方』で、黎翔が生涯一人の妃しか娶らなかったと知っている。
現代の後宮の自室に居る時に至った思考。
陛下の唯一の妃とは―――

「君が私の妃だ。私の―――唯一の。他はいらない」
「―――っ」

涙が滲む。
薄々察してはいた。陛下は…本当に私だけを唯一としてくれたのではないかと。
でも実際に言葉として聞くと、これまで不安だったのだと感じた。
実は他にもお妃は居たのではとか、結局は傍にいられないのでは、とか…
だが、そんな憂いは無用だったようだ。
嬉しさに涙が零れた夕鈴は、顔を覆う。
その夕鈴を、黎翔は包み込むように抱き締めた。

「夕鈴…返事が欲しい。君は、私の妃に…本物の妻に、なってくれるか?」
「―――――――――――――――っ、………はい……」

涙を拭いながら、夕鈴は必死に声を出した。
余りにもか細い声だったが、聞き取れたらしい黎翔は一層慈しむように抱き締める。

「―――有難う…夕鈴」
「いえ…こちらこそ…これからも宜しくお願いします…」

夕鈴がそう言った後、黎翔は真顔になる。

「―――君に、まだ伝えていない事があった」
「―――?」

他に何かあっただろうか?

「――――君を愛してる、夕鈴」
「―――!」
「君が好きと気付いてから、幾度となく回り道をした気がするが…この気持ちに、嘘偽りはない。―――君を生涯大切にすると誓う」
「陛下っ……」
「私は―――君を、愛している」
「―――っ、私も……陛下が……陛下を…―――愛して、ます…」

互いに愛の言葉を囁き合い、二人は愛を確かめ合う。
唇が触れ合う直前、夕鈴は温かい涙を流す。



これからも様々な困難が待っていると思う。
これまで幾度も感じた、様々なことが。
でも―――私たち二人なら、それを越えられるともまた思う。



―――最大の難関だった『時の壁』を乗り越えたのだから―――



~終わり~

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

うふふふ(  ̄▽ ̄)✧

やーーーーーーーっと、終わりました!

このブログからの方は、大体3~4ヶ月でこの話が終わったことになりますが…

実際は、この話をSNSで連載し始めてから、約8ヵ月経ってます(-_-;)

…長かった………

でも、一区切りつけることが出来て、ほっとしています(˶′◡‵˶)


ここまで長々とお付き合い下さり、ありがとうございます!m(__)m

これからも当ブログを宜しくお願い致しますヽ(*´▽)ノ♪


2014年3月5日

雪の箱庭   さき


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