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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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狼の真実

第7話~♪

何だか鼻の調子が…皆様お風邪は召されぬよう、お気を付け下さい…(//△//)

とりあえず王宮において貰えることになった夕鈴。
でも、不安は拭えなくて―――


――――――――――――――――――――――――――


【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】



朝起きると、女官さんたちが洗顔の為の水を用意してくれたので顔を洗う。
その後「お召し替えを」と、囲まれることとなった。
うう、何だか女官さんたちの笑顔が昨日の3割増しで眩しく感じる。あまり寝てないからかしら。

昨晩はあまり寝られなかった。あんなことがあった後だし、話を聞いてくれそうな陛下は途中で帰っちゃうし。
…私これからどうなるのかな。昨日はここで泊らせて貰えたけど、今日はどこで寝ることになるのだろう。やっぱり路頭に迷うことになるのかしら?
身なりを整えられて、朝食を待っていて卓に座っている夕鈴は、うーん、と悩む。そして思い出してみる。異国の漫画の話を。

え~と、確か主人公は大体誰かに保護されるのよね…ここまでは私も多分同じだわ。しかも、何だかんだでそれは偉い人なのよね。これも同じ。…ああ!その後どうなるんだっけ?記憶が間違いじゃなければ、~を退治してくれーだとか、~を助けてくれーだとかなんとか、依頼されるのよ。そして断りきれない優しい主人公はついつい受けてしまう。そこから物語は進んで―――

「って、その後どうなるのよ…。まともに覚えてるのが一つもないわ…。っていうか、私は何も退治できないし、助けることも出来ないわよ…。はあ…。」
「何を助けると?」

夕鈴は心臓が跳ねるのを感じた。この感じはどこかで…そう、牢屋でも感じた感覚である。
ゆっくりゆっくーり後ろを振り返ると、そこにはやはり陛下の姿が。

「お、お、おはようございます!国王陛下様!い、いい朝ですね!」
「…。」

え?!何!?何で無言?!私何か変なこと言った!?
目の前の人物は夕鈴を少し見た後、女官に朝食を運ぶよう命じ、人払いをした。
その後、夕鈴に座るよう指で指示する。無言で。

何で無言なの?…やっぱり昨日変なこと言ったから……変な奴とは口も利きたくないとか?でもそれなら何で一緒に朝食を食べるんだろう…うぅ、居た堪れない…

とりあえず勧められた朝食を食べながら、夕鈴がそのような事を考えていると、徐に目の前の人物が口を開いた。

「昨晩は…」
「え?」
「…話が途中だった。もう少し話を聞こうと思って、それなら朝食の時が良いと判断したので来た。私は政務が忙しいのでな。」
「そうだったのですか…忙しいなら、無理に一緒に食べなくても…」
「いや、私が気になるのだ。それとも話せないようなことでもあるのか?」
「い、いえ。ですが…私が話すことは昨晩と変わりませんよ?」

だって嘘をついているわけでもない。これ以上話すことなど何もないのではないだろうか。

「お前の話が本当だという証拠はあるのか?」

それを言われたら困る。だって、証拠などない。私は一つ溜息をついてこう言った。

「証拠なんてありません。強いて挙げるなら、私が着ていた服でしょうか。ですがそれも確かな証拠の品にはならないでしょう。異国の服だ、と言われればそれまでですし。」

そんなものが証拠になるとは思えない。目の前の国王は少し驚いた顔をしていたが続けた。

「それより私はどうなるのでしょう。あなた方からしたら、私は得体の知れない者に間違いはないですし、ほっぽり出されてもしょうがないと思います。でも、自分がこれからどうなるのかは知りたいです。心の準備も必要ですし。」

そこまで言ったところで、いきなり目の前の彼が笑いだした。肩まで震わせて。

「な、何ですか?!どうしたんですか?今の話のどこに笑うツボなんてありました?!」
「い、いや…ごめ…くっくっく…!」

…こちらは真面目な話をしているというのに。何故笑うのか。
…何だか腹が立ってきた。
夕鈴は箸を置いて、殊更静かに言った。

「…陛下?私は真面目な話をしているんです。あれからよく考えましたが、王宮での私は不審な侵入者なのでしょう?例え私に記憶がなかったとしても、それは事実のようですし。となると、お咎めなしだったとしても王宮の外に追い出されるじゃないですか。私はこの国の事を何も知らないんです。だから、ほっぽり出されるならそれなりの覚悟が必要なんですよ!それで私はどうなるのか聞いただけですのに、何で笑われなきゃいけないんですか!!?」

ダメだ。静かに、落ち着いて話さなきゃと思ったのに、この人を見ていると苛立ちのあまり後半は怒り口調になってしまった。ようやく落ち着いてきたのか、国王陛下は深呼吸をして夕鈴に向かって言った。

「…ごめんごめん。ちょっとあまりにも意外だったから…。…はあ。君の処遇ね。まあ、お咎めなしだよ。何かしたわけでもないし。得体は知れないけどね。それと、もう少しここにいてもらうよ。得体の知れない人物を野放しには出来ないからね。」
「…そうですか…。」

ほっとした。これからどうなるかはわからないが、とりあえず路頭に迷う事は無さそうだ。

「…って、野放しに出来ないのはわかりましたが、ここに置いて貰っていいんですか?王様の住む家なのに…、得体の知れない者を置いて。」
「それは僕が決めたからいいんだよ。得体は知れないけど、君は害はないのだろう?」
「…そりゃ、そうですけど…。」

何だろう…ありがたいことではあるんだけど、何だか…というか腑に落ちない。
…というか、この人こんな人だったっけ?
じー…と見ていると、国王は少し苦笑した。

「ああ、もしかしてこの喋り方の事?…うっかり出てしまったか。」

そういう彼は、自分でも少し驚いているようだ。
何に驚いているかは分からないので、夕鈴は続ける。

「まあ、…昨日と雰囲気は少し違うな…とは思いますけど…。王様でも自分の事「僕」って言うんですね。」

そう言うと、夕鈴は少しはにかんだ。私の身の回りの男で「僕」って言う人は青慎と…父は、あれ?どうだったっけ?まあいいか。他はみんな「俺」だったりするし。「僕」って意外と少ないのよね~。
そう考えながら目の前の人物に目線を戻すと、何故か固まっていた。
え?何?私また何か変なこと言った?

「…あの…?」

声をかけると、彼はどうやら気づいたらしい。すぐに表情を改めた。

「…何か変なこと言いました?」
「…いや。」
「…ならいいんですが。」

そう言って夕鈴は箸を持ち上げ、朝食を再開する。
暫く黙々と食べる音が室内に流れる。



黎翔は考えていた。
まだ彼女の正体はわからない。刺客かも知れないし、間諜かもしれない。それなら国内外に名高い「狼陛下」の自分のままで接した方がいいと思った。
だが彼女があまりにも予想外の事を言うから、うっかり自が出てしまった。
「狼」の「私」とは違った、「小犬」のような「僕」。一部の人間は知っているものの、多くは冷酷非情の「狼陛下」しか知らない。他国にもその噂は広がっているから、白陽国の国王が「僕」なんて言い出したら驚くだろう。
なのにこの娘は驚きもせず、少しだが笑顔を見せた。それに固まってしまったのだ。

「証拠はあるのか」と言ったら、「私の記憶です」とか、「ないけど信じてください」と、泣いて訴えるのでは、と思っていた。昨日の必死さを考えたら、それが一番有り得る予想だった。
だが違った。この娘は「証拠はないし、あっても信じられないだろう、自分は不審者にしか見えないだろうし、ほっぽり出されるだろう、自分はどうなるのか、心の準備がしたい、覚悟が必要、だからどうなるのか」と冷静に聞いてきた。予想外だ。

「僕」を知っても驚かない、ということは、少なくとも刺客や間諜ではない可能性が高くなってきた。白陽国を知らない遠い所からわざわざやってきて国王を暗殺しても、何の利もないと思うからだ。
昨日確認した度胸の他に、現実を見据える客観性もあるようだ。さもなければ、ここまで冷静に話せないだろう。昨日は混乱していただけのようだ。
それに…もっとこの娘のことが知りたいと思った。未来から来た云々も気になるが、この娘と話していると退屈し無さそうだ。



朝食が食べ終わると、黎翔は政務があると言って退出していった。その時に「午前の間に李順が来る。詳しい話が聞きたいそうだ。」と言った。
夕鈴はあのメガネの人か…と神経質で人を見下したような顔を思い出して、少し緊張し溜息をついた。


――――――――――――――――――――

陛下が笑ったのは、そんな理由です。
でも国王と聞いても物怖じしないし、理論立てて説明する人を見たから笑っちゃったんだと…思ってくれれば。

普通の女の人の反応…なのかな(・・?
泣いてうんたらとか。
いざとなった時に、人間の本性が現れますねぇ(笑)
まあ、夕鈴は常に本性が現れている気もしますがwww



次回予告↓

黎翔と打ち解けた夕鈴。
でも問題はまだ山積みで―――――?

次回!
第8話「側近とのお茶会
お楽しみに!

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