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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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呪詛 3

皆様こんにちは( ̄▽ ̄)

某国ではupしていて、こちらで更新していないことに昨日あたり気づきました(遅い)

続きです( ̄▽ ̄)ノ


―――――――――――――――――――――――――――――――――


*****************

「―――で、夕鈴。本当にどうしたの?」

王宮と後宮の間にある回廊から、陛下に抱き上げられたまま部屋に連れて来られた私は、陛下が長椅子の上に降ろしてくれた後も未だに赤い顔を直せず俯いていた。
何せ、これまで一度も男性に抱き上げられた事はない―――父を除いて。
要するに、男性経験が全くと言っていいほど、無い。
免疫など、全くと言っていいほど、無いのだ。
そんな私が、陛下のような見目麗しい男性に抱き上げられて、平常心でいられるはずがない……例え、陛下にとって何気ない行動だったとしても。
でも、先ほどから陛下は私を心配している言葉をくれる。
何か言わなきゃ。

「あの…その…」

しかしそう考えたところで、夕鈴は考え込む。
―――王宮に居る霊たちの悪い気に当てられて、気分が悪くなりました、って言うの?
包み隠さず言うならば、これだろう。
だけど、余りにも露骨過ぎやしないだろうか…これでは、王宮が何だか悪い場所みたいだ。
陛下が政を行っている場なのに、そんな不敬な発言をしては駄目だろう。
そう思った夕鈴は何と言って良いか分からず、口を噤んでしまう。
そんな夕鈴の様子に、黎翔はむ…と不満げな顔をした。

「―――その…何?―――何があった…?」

次いで聞こえて来た低い声に夕鈴はびくりと肩を揺らす。
『え…?』と、羞恥と考え事で俯いていた顔を黎翔に向ける。
夕鈴の隣に座り、黎翔は夕鈴の頬に手を添え視線を合わせる。

「―――僕には、言えないこと?それとも、口にも出したくないほど酷い事でもされたのか?」
「な、ち、違っ…」

ただ霊の悪意にやられただけ。
だけどそれを伝えるのが、思いの外難しいのだ。
再び俯きかけた夕鈴だったが、頬に添えられた黎翔の手にグッと阻まれてしまった。

「なら、何があった?」

―――な…何?
私が回廊で気分が悪くなったことは、こんなにも問い質される事なの?
ただ、霊の発するものに当てられただけなのに…それは、そんなに重要な事なの?
そこで夕鈴はハッとした。
―――もしかして、今回呼び出されたことにも関わる事なのかしら?
私が気分を悪くしたことと、今回の事が―――?
だから陛下は、こんなにも真剣に私に聞いて来るのかしら?
先ほどの戸惑いはどこかへ吹き飛び、今度はじー…と見上げる夕鈴に、逆に黎翔は戸惑って頬に当てた手を放す。

「ど、どうしたの?夕鈴――」
「――陛下」
「何?」
「―――もしかして私の気分が悪くなったことと、今回呼び出された事は、何か関係があるんですか?」
「―――え?」

首を傾げる黎翔。
――夕鈴は何を言っているんだ?
だって、今回夕鈴をここに…僕の元に呼んだのは…
その時、部屋の入り口からゴホンッという音がする。

「―――何をしておられるのですか。あなた方は…」

呆れ返ったような李順の声が続いた。
その時になって、夕鈴は黎翔と至極距離が近いことに気が付いた。
『ひゃあっ!』と声を上げて長椅子の端っこへと移動する。
そんな夕鈴の動きにムッと眉を顰めた黎翔だったが、すぐに諦めて長椅子から立ち上がる。

「――早かったな、李順」
「それはもちろん。仕事の話ですので」

黎翔の言葉で、李順をこの部屋に呼んでいた事を知った夕鈴だったが同時に、もしかして先ほどの遣り取りを見られたのではないかと思い、赤くなる。
―――陛下にあんなに近づいて、ふ、不敬とかにならないわよねっ…?
正しくは黎翔が夕鈴に近づいていたのだが、混乱していた夕鈴は気づかない。

「それはそうと…夕鈴殿」
「は、はいっ?」
「先ほどの話ですが…気分が悪くなられたというのは、本当ですか?」

眼鏡を押し上げて、李順さんはそう言った。
それに対し頷く夕鈴。

「その気分が悪くなられた、という事と―――今回の呼び出しが関係していると、貴女がそう思ったわけは何ですか?」
「―――あの、その…」
「何ですか。言いにくい理由でもあるのですか?」

言ってもいいのだろうか?
戸惑った夕鈴は、黎翔や李順を何度も見ながら考える。
そんな夕鈴に、黎翔はまるで子供に言い聞かせるように優しく言った。

「どうしたの?夕鈴が何か言っても、大丈夫だから言ってごらん?」
「―――でも」
「それに、夕鈴が言う事がもし重大な事なら、そのままにしておけないしね」

黎翔の言葉に、夕鈴は伝える決心をする。

「―――その、王宮を通り過ぎる時に…悪意のある霊の傍を通り過ぎて…その悪意ある言葉と邪気に当てられて…」
「「…」」

黎翔と李順は顔を見合わせた。
何の力もない人間なら、間違いなくほぼ察することの出来ない『言葉』。
それを、この娘は敏感に感じ取ってしまうのだ。
王宮の内部にそのような霊が居たのも衝撃的であったが、王宮へと足を踏み入れた途端にそれを察知して気分が悪くなった夕鈴に、何だか申し訳なくなったのだ。
今回の呼び出しの内容が内容だけに…罪悪感を覚えてしまった。
しかしそんな二人の沈黙の会話を知らない夕鈴は、意を決したように顔を上げた。

「―――僭越ですが。王宮にあのような霊が居るという事は、王宮内の雰囲気も…あまり良くないはずです。何か、変なことが起きたりしていませんか?」

力強く語る夕鈴の瞳は、揺るぎない。
それは紛れもなく、何かが起きているならば捨て置けない―――そう語る、霊能力者の眼。
だがそれは黎翔と李順にとって、寝耳に水の話。
これでは黎翔の『予定』が狂ってしまう。
あくまで黎翔の『予定』であって、李順の『予定』ではないものの―――
李順は黎翔へと視線を投げる。
この状況、どうするのか――?
彼女から聞いた話は、そう簡単に放置できるものではないのは確か。
だがしかし、それでは王の最初の思惑…ではなく『予定』は遂行出来ないことは明らか。
困惑を視線で送る側近に

『当初の予定通り―――』

そう返事する黎翔の眼。
やっぱりか…はぁ…とため息をついて李順は夕鈴へと向き直る。

「――実は…貴女に調査して貰いたい事があるのです」
「…え?はぁ…」

一方夕鈴は突然話題が逸らされたような気がして、間抜けな声を出してしまった。
しかしそれも、次の李順の言葉に思考の外へと吹き飛ばされる。

「どうやら、陛下に呪詛を掛けている輩が居るようなのです」
「―――呪詛っ?!」

夕鈴はがたりと座っていた長椅子から立ち上がる。
――王様に、この国の頂点に立つ御方に呪詛?!
そんなことあるのっ?!と夕鈴は思ったが、すぐに考え直す。
王様だからこそ、だ。
王様だからこそ、その地位や権力に目が眩んだ人物が追い落とそうとするのかもしれない。
王宮の内部を通った時の、あの悪意の塊のような霊たちの言葉。
きっとあれらも、それを助長しているに違いない。
素早く頭の中で情報を整理した夕鈴は、まっすぐに二人へと視線を合わせる。

「―――分かりました。呪詛の件、この汀 夕鈴が調べます。その上で呪詛の元が判明した場合には…取り除きます。それで、良いのでしょうか?」
「―――ええ…お願いしますよ、夕鈴殿…」

決まりが悪そうに、李順さんは言った。
―――何だろう?他にも何かあるのだろうか…いや、それよりも何よりも、まずは呪詛について調べなきゃ!
夕鈴は李順の態度に引っかかる部分を感じながらも、頭の中は呪詛の事でいっぱいになった。


―――――――――――――――――――――――――

基本的に巫女さん夕鈴はお仕事の事で頭がいっぱいですね。

お仕事第一、良い事です。

…ああ、いつもと同じだった。お仕事第一なのは←

とりあえず、やっと夕鈴が呼び出された理由までは分かりましたね( ̄▽ ̄)←

まだまだ夕鈴には知らされてない思惑…じゃなかった『予定』もありますが←

そこはおいおい。



それでは( ̄▽ ̄)



4に続く


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