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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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側近とのお茶会

こんにちは~…
風邪でダウン気味なので、今日はこのパラレルのみの更新となります($・・)/~~~

少し打ち解け始めた夕鈴と黎翔。
でも、側近の方は―――?

――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】




午前の半ば、夕鈴は李順に四阿に呼び出された。女官さんがお茶を用意してくれた後二人になり、李順が切り出した。

「…で、陛下からも話があったと思いますがもう一度訪ねます。あなたは何者ですか?」
「…国王陛下からも窺ったかもしれませんが、もう一度言います。私は汀 夕鈴と言う名で、白陽省 乾隴 章安区に住む17歳の高校生です。家族構成は父と弟。父は区の役人で、弟は区内の中学校に通っています。」
「概ね陛下から聞いた通りですね。耳を疑います。」
「…そんな、身も蓋もない…。」
「白陽「省」と言うのは?陛下が聞いたことによると、行政単位だそうで、国の名前はまた違うとか。「こうこうせい」とはあなたの職業か何かですか?」

私の不満事に耳も貸さずに畳みかけてくる。一筋縄ではいかなそうだ。まあ、側近というからには頭も良いのだろう。とりあえず私の話を聞こうとしている。納得はしてなさそうだが。

「…私のいた時代では、白陽国は過去に存在した国の名前です。世界的な民主化に伴い、王族の方が王政の廃止を宣言して、――国の一つの省となりました。省というのは行政単位の事…これは言いましたね。一つの地方を纏めて、~省と名付けられ、省ごとに地方の政治を行います。」
「…それで?」
「……白陽国の王宮は現在博物館として一般人にも公開されております。後宮は入れませんけど。」
「はくぶつかん、とは何ですか?」
「歴史的に希少価値の高いもの、昔の王族が身につけていたものなどを展示…壁に吊るしたりガラスケースに入れて飾るんです。」
「…がらすけーす、とは何ですか?」

そうだった。この言葉は元々この国の言葉ではないから通じないんだっけ。

「え…っと、どう言えば…玻璃、と言えば分かりますか。それを四角い箱にして、中が見えるように作るんです。そうすれば、資料を触らなくても間近で見ることが出来ます。」
「…そうですか。」

正直なところ、言っていることがあまり理解できない。色々と突っ込みたいのは山々だが、それをしていると日が暮れそうだ。
しかし確かに話を聞いていると、陛下の言うように記憶の混濁や喪失という可能性は低そうだ。意識もはっきりしているし、話す内容は理解できなくとも、話の通じない相手ではなさそうだ。

「では、「こうこうせい」というのは?何かの名前ですか?」
「高校生、というのは、学生…えっと、学問を学ぶ生徒のことです。学問を学ぶ場所を「学校」と言います。幼い子供が学ぶところが「小学校」、その上の学校が「中学校」。高校、というのが小学、中学で勉強を終えた生徒が入る学校で、そこで学ぶ学生なので高校生、です。」

こんな説明で良いのだろうか。私のいた時代では当たり前のことなので、説明する機会なんてほとんどない。それを説明しなければならない事態に遭遇するなんて、誰が予想できただろうか。
実際、目の前のメガネの人は、あまり理解できてないようだ。

「…難しいですね。知らない単語が多すぎます。私がはっきりと分かったのは…あなたは学問を学ぶ生徒、と言う事でしょうか。それがあなたの職業、ということでいいのですね?」
「はい。それで間違いないです。」
「…章安区にそのような施設があるなどとは聞いたことがありませんが…。」
「だから!それは私のいた時代です!ここよりも未来の話なんですよ!無くて当たり前です!」
「…「未来から来た」ですか。…そのようなことが信じられるとでも?」
「国王陛下にも同じことを言われました。でも、本当の事なんです。私だって信じたくありませんが、事実、私はここにいるんです。白陽国と呼ばれるところに。私がいた時代では、もう無いこの国に。」

平行線だ。私の話は「未来から来た」という事を信じられなければ、到底受け入れられないだろう。今「この時代」にはあるこの白陽国、それがもう無い時代から来たなどとは。
でもそれ以外に言いようがない。


李順は、夕鈴の様子をじっと窺っていた。
陛下はこの娘は嘘のつけない娘と言っていた。なるほど、確かに嘘を言っているようには見られない。言っている内容は分からないが。
人の眼を見て話す。聞かれたことに冷静に説明する。それでか。
陛下が興味を持ったのは。

「…分かりました。では、あなたが言っていることを本当だと仮定します。あなたが未来から来たとして、それはどうしてですか?」
「…分からないんです…。」
「…は?」
「…気づいたら、牢屋で眠っていました。その前には、私は私の部屋にいたはずなんです。」
「……どういうことです?」

そう言って思い出す。この娘が言う、自室にいたはずだ、というのは李順も牢で聞いた話だった。
まあ、この娘が未来から来たと仮定して、ええ、あくまで仮定の話ですが。
そうだとして、どのようにしてこちらに来たのか。何故後宮の庭などに倒れていたのかは謎のままだ。
李順がそう考えている間も、夕鈴は続けて話している。

「私が牢屋で目覚めるまでの記憶は、自分の部屋で、着替えて、鏡台の前で座っていたという事です。学校から帰ってきて、大雨が降って、濡れた服を着替えて髪を拭いて、髪形を整えて…―――――。」
「…?どうかしましたか?」
「――――鏡。」
「え?」
「鏡を―――鏡を見ていたんです。後ろに大きな鏡を、手元に小さな手鏡を。それで髪形を確かめていたんです…そしたら…」
「そしたら…?」
「…手鏡に映った、大きな鏡が光って―――。そこで意識が途切れたんです。」
「…。」

話がまた分からなくなった。
鏡が光った?それで意識が途切れて、目覚めたらここにいた、と。
…やはりこの娘の言う事は理解できそうにない。
しかしこのままでは平行線…さて…どうしたものか。


―――――――――――――――――――――

学校の説明、難しいです。
「学校って何?」って聞かれたら、夕鈴のような説明をします。
夕鈴、「学問所」って言葉知らないので。多分。そんな設定です。

普段当たり前にあることを、全く知らない人に教えるのって難しいですよね…
そういう場面に出くわしたことがあるので、こういうエピソードも盛り込んでみました。


次回予告↓

李順にも事情を説明したものの、信じてもらえない夕鈴。
一方、夕鈴の事情を聞いた李順は陛下に「ある提案」を――――?

次回!
第9話「側近の提案
お楽しみに!

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「狼陛下の花嫁」の二次小説を書いています。
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