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2014.07/23 [Wed]
呪詛 5
皆様今日は( ̄▽ ̄)
前回の…前々回もか…教訓を生かし、SNSにupしたその日に!
次の公開予約としてupすることを決めた私!
これなら、特に時間差がなくお届け出来るはず…!
その意気込みのまま、upしておきます( ̄▽ ̄)←
では続きをどうぞ↓
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
足元が不安定という陛下の言葉とは違い、どう見ても庭は整備されていて綺麗だった。
そろそろと手を離そうかと身動ぎしたが、手は離れなかった。
「ほら―――この花。まだ一輪しか咲いてないんだけど―――ね、何だか夕鈴みたいだなって」
「―――これが?」
私みたい?どこがだろう?
咲いていた花は、明るい桃色の花だった。
何の花かは分からないが、上向きに咲くこの花は自分には合わないと思ってしまった。
―――自分は、すぐに俯いてしまうから。
少し瞼を伏せた夕鈴の視界に、その花に手を伸ばす陛下が映った。
徐に花の茎を掴んだ陛下は、ぶちっとそれを千切った。
「―――あっ!」
「ん?」
それに、思わず声を上げてしまった。
だって…!
「陛下っ!折角咲いた花を…!」
「え?―――駄目?」
「駄目って…」
―――事はないのか、陛下の庭だし。
折角今朝咲いたばかりで、しかも一輪しかなくて…勿体ないと思う夕鈴の感覚とは違うのだろう。
陛下はどこかきょとんとしていた。
そして笑みを浮かべると手にした花を私の髪へと挿す。
「…え?」
「うん。やっぱり似合う」
私の髪へ花を挿した後、満足そうに頭を撫でる陛下に夕鈴は顔が熱くなるのを感じた。
陛下の眼差しはとても優しい。
これが、巷では『冷酷非情の狼陛下』と噂されている人と同一人物なのかと疑ってしまうくらいには。
―――まあ、あっちはイメージ戦略と言っていたから、こっちが本性なのだろうけれど。
何だか照れてしまう。
「今朝この花を見た時から、君の髪の毛に飾ったら綺麗なんじゃないかと思ってたんだ」
「そんな…私じゃ、花の方が綺麗すぎて負けちゃいますよ…」
陛下の手放しの賛辞に、苦笑しながら夕鈴は答える。
視界から消えてしまったので記憶を頼りに花を思い出してみるが、確かにこの花は綺麗だ。
でも、私の頭に挿したから私も綺麗になるかと言われると、それは違うと思う。
折角だから自然のままの方が、花のためにも良かったんじゃないだろうか…
「そんなことはない」
夕鈴が考えに没頭していると、真剣な声が聞こえて来たので意識が戻された。
…陛下?
「君がこの花に負けているなどとは思わない。君は可愛いし、優しい子だ」
「―――陛下、そんな気を遣わなくても、私は別に…」
「違う」
本当に陛下は私に気を遣いすぎだと思う。
確かに可愛いとか言われると嬉しい気もするけど、お世辞だと思うと複雑な気分になる。
それならいっそ言わないでほしかった。
そんな思いで夕鈴は言ったのだが、ぴしゃりと遮られた。
「本当は花を飾らなくても君は可愛いし、それにこの花の事を気に掛ける夕鈴は、とても優しい」
「そんな、大げさな」
“可愛い”の下りは聞き流すとして、花の事を気にかけたと言われても、実際は勿体ないと感じたからだ。まあ、確かに咲いたばかりで可哀想とも思ったが…
ちょっぴり苦笑してそう言う私だったが、陛下は真剣そのものだった。
「事実だ」
「でも…」
「―――まあいい。そのうち分かるよ」
陛下の言葉が後半柔らかくなり、少し緊張気味だった空気が解れるのを感じた。
それにほっとした。何だか体に力が入っていたみたい。
思わずといった風に息を吐いた私の手を、陛下が再び握る。
私はもう、何も言わなかった。
**************
庭での散策後少し陛下とお茶を飲んで過ごし、陛下が政務室へと戻ると私はこの間と同じ部屋へと案内された。
「何も変わってない…って当たり前よね、何せ10日しか経ってないんだし」
まさかこんなすぐにここに戻ってくるとは思ってもいなかったが。
とはいえ、少しの間お世話になった部屋。何だか少し懐かしい。
「さて…荷物を解い…って、あっ!」
そこで夕鈴は重要な事を思い出した。
結局、呪詛の事を聞き忘れた!
一から調査するのは、流石に骨が折れる。
しかし、もう陛下も李順さんも仕事へと行ってしまった。
大切な仕事の最中には、流石に邪魔できない。
「…今日の調査は…諦めるしかないかしら」
何せ全く手掛かりすらない。そんな状態で、一から調査するのは著しい消耗になるだろうことは予想できた。
それこそ、部屋の隅から隅をひっくり返し撫で摩り、塵一つ残さないといった風にしなければ…このだだっ広い、後宮の全て。
「―――はぁ…」
ちゃんと聞けなかった自分が恨めしい。
途方もない想像に夕鈴は溜息を吐き、再び気分転換のために部屋から出ようかと思った時、外から声が掛かった。
「―――失礼します。夕鈴様に、お届け物がございます」
「―――私に?」
何かの間違いじゃ?
真っ先に夕鈴はそう考えた。
だって自分は今来たばかり。
贈り物をもらういわれはない。
断りを入れて部屋に入ってきた女官が持ってきていたのは、甘そうなお菓子が入った盆と茶器だ。
「―――これは?」
「これは陛下より夕鈴様にと承りました、東方より献上されたお菓子にございます」
「陛下から?」
盆の上には、確かに私の暮らしている王都では見たことのないお菓子が乗っていた。
それをまじまじと見ていると、女官は微笑んで続けた。
「きっと夕鈴様はお気に召すと、陛下が仰いまして」
「―――はぁ…」
記憶が間違いじゃなければ、私は先ほど陛下とお茶を楽しんだ後だったような…?
しかも、その前にはしっかりと昼食を食べたはず。
これ以上食べるのは、曲がりなりにも乙女として抵抗を感じる。
その辺、陛下には分からなかったのだろうか…
ちらりとお菓子を見る。
確かに、甘くて美味しそう…一つくらいなら、良いかしら?
そう思って手を伸ばした―――
バンッ
「―――!?」
突然乱暴に開かれた扉に、夕鈴と女官はびくりと肩を竦める。
驚いて部屋の入り口を振り向いた夕鈴は、目に映った人物に更に目を丸くした。
「―――陛下っ?」
―――――――――――――――――――――――
続きがまだどこまで行くのか分からなくて、ここでぶった切っております( ̄▽ ̄)
さて…そういえば、そろそろpixivにも上げておくかな…って。
SNSでも上げて、ブログでも上げて…ってやってるのに、pixivでも見る人居るのですかね(・・?
素朴な疑問ですが。
…pixiv派っているのかしら…
とりあえず、上げておこうかな…(ボソリ)
→6へ続く
前回の…前々回もか…教訓を生かし、SNSにupしたその日に!
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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
足元が不安定という陛下の言葉とは違い、どう見ても庭は整備されていて綺麗だった。
そろそろと手を離そうかと身動ぎしたが、手は離れなかった。
「ほら―――この花。まだ一輪しか咲いてないんだけど―――ね、何だか夕鈴みたいだなって」
「―――これが?」
私みたい?どこがだろう?
咲いていた花は、明るい桃色の花だった。
何の花かは分からないが、上向きに咲くこの花は自分には合わないと思ってしまった。
―――自分は、すぐに俯いてしまうから。
少し瞼を伏せた夕鈴の視界に、その花に手を伸ばす陛下が映った。
徐に花の茎を掴んだ陛下は、ぶちっとそれを千切った。
「―――あっ!」
「ん?」
それに、思わず声を上げてしまった。
だって…!
「陛下っ!折角咲いた花を…!」
「え?―――駄目?」
「駄目って…」
―――事はないのか、陛下の庭だし。
折角今朝咲いたばかりで、しかも一輪しかなくて…勿体ないと思う夕鈴の感覚とは違うのだろう。
陛下はどこかきょとんとしていた。
そして笑みを浮かべると手にした花を私の髪へと挿す。
「…え?」
「うん。やっぱり似合う」
私の髪へ花を挿した後、満足そうに頭を撫でる陛下に夕鈴は顔が熱くなるのを感じた。
陛下の眼差しはとても優しい。
これが、巷では『冷酷非情の狼陛下』と噂されている人と同一人物なのかと疑ってしまうくらいには。
―――まあ、あっちはイメージ戦略と言っていたから、こっちが本性なのだろうけれど。
何だか照れてしまう。
「今朝この花を見た時から、君の髪の毛に飾ったら綺麗なんじゃないかと思ってたんだ」
「そんな…私じゃ、花の方が綺麗すぎて負けちゃいますよ…」
陛下の手放しの賛辞に、苦笑しながら夕鈴は答える。
視界から消えてしまったので記憶を頼りに花を思い出してみるが、確かにこの花は綺麗だ。
でも、私の頭に挿したから私も綺麗になるかと言われると、それは違うと思う。
折角だから自然のままの方が、花のためにも良かったんじゃないだろうか…
「そんなことはない」
夕鈴が考えに没頭していると、真剣な声が聞こえて来たので意識が戻された。
…陛下?
「君がこの花に負けているなどとは思わない。君は可愛いし、優しい子だ」
「―――陛下、そんな気を遣わなくても、私は別に…」
「違う」
本当に陛下は私に気を遣いすぎだと思う。
確かに可愛いとか言われると嬉しい気もするけど、お世辞だと思うと複雑な気分になる。
それならいっそ言わないでほしかった。
そんな思いで夕鈴は言ったのだが、ぴしゃりと遮られた。
「本当は花を飾らなくても君は可愛いし、それにこの花の事を気に掛ける夕鈴は、とても優しい」
「そんな、大げさな」
“可愛い”の下りは聞き流すとして、花の事を気にかけたと言われても、実際は勿体ないと感じたからだ。まあ、確かに咲いたばかりで可哀想とも思ったが…
ちょっぴり苦笑してそう言う私だったが、陛下は真剣そのものだった。
「事実だ」
「でも…」
「―――まあいい。そのうち分かるよ」
陛下の言葉が後半柔らかくなり、少し緊張気味だった空気が解れるのを感じた。
それにほっとした。何だか体に力が入っていたみたい。
思わずといった風に息を吐いた私の手を、陛下が再び握る。
私はもう、何も言わなかった。
**************
庭での散策後少し陛下とお茶を飲んで過ごし、陛下が政務室へと戻ると私はこの間と同じ部屋へと案内された。
「何も変わってない…って当たり前よね、何せ10日しか経ってないんだし」
まさかこんなすぐにここに戻ってくるとは思ってもいなかったが。
とはいえ、少しの間お世話になった部屋。何だか少し懐かしい。
「さて…荷物を解い…って、あっ!」
そこで夕鈴は重要な事を思い出した。
結局、呪詛の事を聞き忘れた!
一から調査するのは、流石に骨が折れる。
しかし、もう陛下も李順さんも仕事へと行ってしまった。
大切な仕事の最中には、流石に邪魔できない。
「…今日の調査は…諦めるしかないかしら」
何せ全く手掛かりすらない。そんな状態で、一から調査するのは著しい消耗になるだろうことは予想できた。
それこそ、部屋の隅から隅をひっくり返し撫で摩り、塵一つ残さないといった風にしなければ…このだだっ広い、後宮の全て。
「―――はぁ…」
ちゃんと聞けなかった自分が恨めしい。
途方もない想像に夕鈴は溜息を吐き、再び気分転換のために部屋から出ようかと思った時、外から声が掛かった。
「―――失礼します。夕鈴様に、お届け物がございます」
「―――私に?」
何かの間違いじゃ?
真っ先に夕鈴はそう考えた。
だって自分は今来たばかり。
贈り物をもらういわれはない。
断りを入れて部屋に入ってきた女官が持ってきていたのは、甘そうなお菓子が入った盆と茶器だ。
「―――これは?」
「これは陛下より夕鈴様にと承りました、東方より献上されたお菓子にございます」
「陛下から?」
盆の上には、確かに私の暮らしている王都では見たことのないお菓子が乗っていた。
それをまじまじと見ていると、女官は微笑んで続けた。
「きっと夕鈴様はお気に召すと、陛下が仰いまして」
「―――はぁ…」
記憶が間違いじゃなければ、私は先ほど陛下とお茶を楽しんだ後だったような…?
しかも、その前にはしっかりと昼食を食べたはず。
これ以上食べるのは、曲がりなりにも乙女として抵抗を感じる。
その辺、陛下には分からなかったのだろうか…
ちらりとお菓子を見る。
確かに、甘くて美味しそう…一つくらいなら、良いかしら?
そう思って手を伸ばした―――
バンッ
「―――!?」
突然乱暴に開かれた扉に、夕鈴と女官はびくりと肩を竦める。
驚いて部屋の入り口を振り向いた夕鈴は、目に映った人物に更に目を丸くした。
「―――陛下っ?」
―――――――――――――――――――――――
続きがまだどこまで行くのか分からなくて、ここでぶった切っております( ̄▽ ̄)
さて…そういえば、そろそろpixivにも上げておくかな…って。
SNSでも上げて、ブログでも上げて…ってやってるのに、pixivでも見る人居るのですかね(・・?
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