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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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側近の提案

皆様こんにちは(^O^)
パラレル第9話をお届けします♪

李順に呼び出され、事情を説明した夕鈴。
しかし黎翔同様、信じてはもらえなくて―――

――――――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】


とりあえず李順との話はここで打ち切ることになった。
害は無さそうなので、今しばらくは後宮の外にはほっぽり出されないこと。その間、陛下の話し相手になることなど、確認事項を述べてから、李順も政務へと戻って行った。

四阿に残った夕鈴は暫くぼーっとしていたが、女官に声をかけられて宛がわれた部屋へと戻って行った。

****************

「―――李順、どうだった?」
「…陛下の言うように、嘘を言っている雰囲気は見られませんね。記憶もしっかりしていますし。しかし、やはり何者かまでは分かりませんでした。」
「だろうな。」
「先ほど章安区に向かわせた者からの報告が上がりましたが…やはりというかなんというか、下町の章安区に「汀 夕鈴」なるものも、「こうこうせい」なる名の職業も知らない、とのこと。」
「…。」
「…本当に、未来から来たのでしょうか…。」
「…お前はそう思うのか?」
「分かりません。ですが、そうでないと説明が付かない事が多々見受けられる以上、無理矢理でも納得しなければ、事態は動きませんから。」
「そうか…。では、お前は今後どうすればいいと考える?」
「それなのですが…。…陛下、前々から、度重なる縁談がうざったい、と仰っておいででしたよね。」
「…?ああ、そうだな。」
「それで以前、私が「臨時で誰か雇いますか?」と言ったのを覚えていますか?」
「…ああ。…李順、まさか。」
「ええ、そのまさかです。あの未来から来たと言う、夕鈴殿を、臨時の花嫁として雇っては如何でしょうか。」

*****************

「こちら」に来て今日で一週間。
私は、未だに「あちら」に帰られる目途は立っていない。
というか、やり方が分からない。そもそも、どうやって来たかすら、分からないのだから。
でも…この一週間考えてみて、やはりあの時鏡が光ったのと、この時代に来たことが繋がっていると思った方が、まあ間違いないだろう。
そう思って後宮にある鏡台の鏡と、手鏡を使って同じ状況を作ってみたが、何も起こらなかった。そういう事を暫くやっていると、私の世話をしてくれている私付きの侍女さんたちから奇妙な顔をされた。
普段世話なんてされ慣れていないから断ったのだが、監視も兼ねている、と言われては断れなかった。



昼になったら四阿で陛下と昼食をとることになっていた。
これは李順さんと話をした次の日から始まった日課である。

「…それで、父はいつもギャンブル…あ、賭け事のことです。それでいつもお金を使ってきて…挙句借金してくるんです!だから、自分の学費を稼ぐためには学校に行ってない時間をバイト…賃金稼ぎをしなくちゃならないんです!決して安い給料じゃないのに…。そのせいで我が家の家計はいつも火の車…。…もう!どうしてギャンブルなんてものあるのかしら。庶民の敵だわ!」
「ふう~ん…大変そうだね~。」

夕鈴は話している途中から白熱していたが、黎翔は涼やかに聞いていた。それを見た夕鈴は少し恥ずかしくなり、手元にあるお茶を一口飲んだ。

「あの…こんな話をしていて、楽しいですか?正直、聞いていても楽しいとは思えないんですけど…。」
「そう?僕は楽しいよ。君の話は新鮮だし、何より表情がくるくる変わって面白い。」
「…それなら良いのですが…。」

…それって褒めているのだろうか。貶されているようにも聞こえる。
最初の頃よりも、陛下の態度は随分変わった。あの、朝食の頃からだろうか。
それまで「お前」呼ばわりされていたのに、いつの間にか「君」になっていたし、時々「夕鈴」と名前で呼んでくる。でも一つ気になることがある。

「ところで夕鈴…。」
「何ですか?」
「…いや、何でもない。」

まただ。昼食を一緒にとるようになってから、陛下は何か言いたげな雰囲気を醸し出しては、「何でもない…。」と話を切ることが多くなった。
そして決まって、すぐにその場を立ち去るのだ。今回もそうらしい。
陛下は立ちあがって、その場を後にした。私は何だろうと思いながらも、その背を見送ることしかできなかった。


************

「…まだ夕鈴殿に話してないのですか?」

このやり取りも5回目である。
臨時花嫁の話を夕鈴殿にされてみては?と、李順が言った時に、私が話すと陛下が言ったので任せた。最初の昼食時に、陛下が彼女に提案してみる、と言っていたのも記憶している。
しかしそれから5日経っている。いくらなんでも長い。一体どうしたというのだ。

「…最初は言おうと思ったんだけどね…。言いづらくなったと言うかなんというか…。」
「それはどうしてです?」
「それは…」



――――――――それは夕鈴が来て3日目の昼食時。
黎翔と夕鈴は四阿で昼食をとることになった最初の日。昼食をとりながら、夕鈴と話をしていた時の話である。
庭の話や、小鳥の話など、取り留めもない話をしていた時、突然夕鈴は箸を置いた。

『―――陛下。』
『ん?何?』
『陛下に話したいことがあるんです。』
『僕もあるよ。』
『…そうなんですか?では、陛下からどうぞ。』
『いや、君の話の方が気になるから、君から言って。』
『…分かりました。では陛下。』
『何?』
『…私はいつになったら帰れるのでしょうか。』
『…。』
『分かってるんです。そんなこと分かるはずがないって。だって、陛下は今でも私が未来から来たことを信じておられないのでしょう?どこから来て、いつ帰れるかなんて、陛下に聞いても分からないことは、分かってるんです。…でも、不安なんです。聞かずにはいられないんです…。どうしたらいいのか…分からないんです…。』
『…。』
『…ごめんなさい。どうしようもないことを。こんなこと言われても迷惑ですよね。忘れて下さい。あ、そう言えば陛下も何か言いたいことがあると仰ってましたよね、何ですか?』
『…夕鈴。』
『…!』
『…?』
『名前…。』
『……?』
『名前を…初めて呼んでくれましたね。』
『あ、…ああ。』
『嬉しいです。名前を呼ばれると。自分なんだって、実感できますから。』
『…。』
『あ、で、話って何ですか?』
『…いや、何でもない…。』
『…そうですか?ならいいのですが…。』



その時の彼女の辛そうな顔。切実に、帰りたいと思っているその顔を見てしまった後に、「臨時で私の花嫁を演じてくれるか。」などと、誰が言えるだろうか。
結局最初のその時以来、黎翔は言おうと思って言えないでいる。

「…ですが、このまま何の理由もなく夕鈴殿を後宮に置いておくのは…。」
「ああ。わかっている。」

それは危険だ。
もう既に「陛下が後宮に妃を迎えた」と何故か噂になっている。
後宮での女官の動き、女性物の衣服の手配、部屋の使用。
これらの動きから、王が妃を「内密」に迎えた、との噂が実しやかに囁かれ始めたのだ。
しかも、昼食を一緒に食べる、夜も一緒に話などしていた為、「毎日足繁く通われている」との噂まで。まあ、それは事実なのだが。
実際、夕鈴の知らない所で、茶器に毒物が仕込まれていたりもした。
今はまだこの程度で済んでいるが、いずれ刺客が来てもおかしくはない。

李順としては、夕鈴が例え殺されたとしても痛くもかゆくもない。しかし一週間が経ち、夕鈴の人柄も大分分かってきただけに、殺されると後味が悪い。
何か手を打つ必要があるだろう。
それもあっての「臨時花嫁」の提案だったが、この主の様子では、いつになる事やら…。
そう考えた李順は、自分が自ら彼女に伝えた方が良いと思った。


――――――――――――――――――――

李順さん投げやり!
そんなんで決めていいんですかー?
書いたの自分ですが←
陛下はどーしたんですかね~

毒物…不穏な…∑(一_一;)
しかし…誰が噂広めたんかな~
それにしても陛下優しいな~ちゃんと夕鈴の気持ちを考えている…。
キモチワルイ天変地異の前触れかな?

未来から来たことは信じないけど、夕鈴の事は臨時に雇う…と。
この辺りで、李順さんもある程度は夕鈴のことを認めて…というか、大丈夫だと思い始めています。
じゃないと、王宮になんて置いておけませんよね(笑)



次回予告↓

後宮で暮らすようになって一週間。
夕鈴は李順からある提案をされて――――

次回!
第10話「臨時の勧誘
お楽しみに!

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