雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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嘘の代償(U様より頂きネタ)

皆様お晩です( ̄▽ ̄)♪

何だか久しぶりにお話を公開するような…
まあ、こちらは某国ではすでに公開されて5か月経っているのですが。

こちらは、某国でとある日にわが家が何者かに占拠されまして。
その時にどうやらその者がネタ元のU様へ送りつけていたようでwww

今その者は星に帰ってしまったようなので。
私が責任をもって皆様に公開いたします←


ではどうぞ!

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【原作設定】
【捏造】



それは『とある日』の執務室。

「―――陛下、この案件ですが…」
「――李順」
「はい?」

仕事の延長線上の何かだと思っていた李順はいつもの様に聞き返す。
しかし、王から返ってきた答えは想像だにしなかったものであった。

「―――昨日の夕鈴、可愛かった」
「―――は?」

何がどうなってこの政務の案件がバイト妃が可愛いになるのか。
一瞬珍妙な思考回路に陥った李順だったが、すぐに頭が回転し始めて、それで驚愕する。

「―――はっ?!それはどういう意味ですか?!」
「どうもこうも……そういう意味だ」
「まさか…!バイトに…――手を出したなんて、そんな意味ではございませんよね?!」

この期に及んで、この王がそのような事をするとは思え…いや――最近どうも怪しい。
バイトへの構い方にしては、これまで見たことも無いような表情をされる。
ならば、今回のこれは―――?!
ガタリと黎翔が立ち上がる。

「さて。愛しい妃の元へと行こうとするか」
「お待ち下さい!話はまだ終わっていません!」
「お前にこれ以上話すことは無い」
「話すことは無くても、この堆い政務の量は紛う事無き事実です!」
「……」

それには流石の黎翔も閉口した。
どうやら李順の混乱に乗じて政務をさぼろうとしたものの、出来なかったようだ。

「―――では、私は精査したこの案件を周宰相に見て貰いに行きます」
「ああ」

そう言って、頭の中は混乱したまま李順は執務室の外へ出た。


********

宰相の部屋へと向かう途中の政務室。
李順は、バイト妃を見つけた。
丁度良いとばかりに呼び止め、空いている部屋へと連れて行く。
そして―――

「―――貴女、陛下とは…」
「陛下?陛下がどうかされました?」

特にいつもと変わりない、バイト妃の様子。
これは…陛下に騙されたか?
そう思った李順だったが―――

「あの…」
「何です?」
「陛下の事は分かりませんが…―――すみません」
「何故、謝るのですか?」
「それが…その…」

はっきりせず、まごつくバイトに、李順は目が鋭くなる。
眼鏡を押し上げ光らせつつ、言葉も鋭くした。

「…はっきり言いなさい」
「はい!―――そのですね……実は今日、侍女さん達の前で…」
「…侍女の前で?」
「その、衣装の裾に足を引っ掛けてしまって……転んでしまって…」
「…貴女という人は…」
「その時、思わず『どわぁっ!!』って……言ってしまったんです…」
「―――は?」

転んだ、までは…まあ、このそそっかしいバイトなら有り得そうだと呆れた。
しかし、その後の言葉は頂けない。
…『どわぁっ!!』?
仮にも臨時とはいえ…国王の妃が―――『どわぁっ!!』?
何なんだそれは何の冗談だ。
李順は空いた口が塞がらなかった。

李順が固まっている間に官吏が李順を呼び出しに来てしまい、結局その話はうやむやになってしまった。
しかし李順は、不覚にも官吏が言ってくる仕事の内容が頭に入って来なかった。


**********

後宮立ち入り禁止区域。
本来国王の後宮は、国王以外の男は出入り禁止だが、国王の側近であり夕鈴の貢献でもある李順は特別に許可されていた。
李順は足早に、目的地へと向かっていた。

「お?お前さんが一人で来るとは珍しいのぅ…」
「老師。お伺いしたい事があります」
「何じゃ?」
「―――夕鈴殿に、最近変わった事はありませんか?」
「何じゃ?藪から棒に…」

老師の元へと急いだ李順は、朝の黎翔の言葉が引っ掛かっていた。
幾らなんでも、あの陛下がそのような事をなさるはずがない。
夕鈴殿とて、普段あんなに修業をさせているのだ。
侍女たちの前でそのような声を出すとは思えない。
もしや、自分の知らない何かが起きているのか。
それを聞くなら、後宮の管理人である老師に聞くのが早いと思い、李順は訪ねて来た。

「ぅうむ…掃除婦に変わりはないのぅ……しかし陛」
「そうですか……―――は?陛下?」

夕鈴に変わりない、で若干安堵した李順だったが、老師の言葉に反応した。
―――陛下?

「陛下がどうされたのです」
「いやぁ…のぅ…―――聞きたいか?」

にや~りと嫌な笑いを浮かべ、老師が逆に問い返してきた事で、李順の不安は増す。

「――何ですか?」
「陛下も男よのぅ」
「―――は?」
「この間、わしの所に来て、とある薬の調合を頼んでいったぞぃ」
「―――とある薬?」

どういう事だ?
王は薬の類がお嫌いなはず。
わざわざこの老師に頼む様な事態すら、有り得ない事であった。
しかし、そのような混乱はまだ序の口であった。

「それはな…ある種の栄養剤じゃ」
「―――は?」
「平たく言えば、媚薬かのぅ…」
「―――はっ?!」

聞き間違いか?!
今、媚薬と聞こえた気がするが!?
いや、間違いに違いないそうに違いない。

「お世継ぎが楽しみじゃのぅ!」
「―――だから夕鈴殿はバイトです!」
「別にわしは掃除婦とは一言も言っとらんが?」
「―――っ」


***********

「―――浩大!」
「はいよー。何ー?李順さん」

立ち入り禁止区域から出た李順は、急いで来た道を戻っていた。
途中で夕鈴が庭で侍女と花を摘んでいるのが目に入る。
ということは…浩大も近くに居るかもしれないと思い、浩大を呼び出す。
案の定、浩大はすぐに屋根から降ってきた。

「―――最近、陛下にお変わりはありませんか?」
「えー?へーか?何でオレに聞くの?李順さんの方が知ってるっショー?」
「…」

それもそうだと思うのだが…浩大なら、自分の知らない後宮での二人を知っている可能性が高いからだ。
だから、浩大の軽口を意に介さず李順は続けた。

「何でも良いです。…とにかく、陛下に変わった事はありませんか?」
「あー…何か、最近落ち着かないみたいだから、結構身体動かしてるみたいだヨ?」
「…身体を?」
「うん。修練場に行ったりしてる。―――あ、そう言えば、さっきも見かけたな」
「はっ?!今はまだ政務の時間ですが?!」
「イヤイヤ。修練場に行く姿を見かけたよ。面白いからついて行ってみたら…」
「―――みたら?」
「軍人さんがコテンパンにされてた!ぷくくーっ!」
「……」

浩大の言葉を鵜呑みにしてしまっている辺り、すでに李順は混乱していたに違いない。
よくよく考えたら、後宮にいるはずの護衛対象から離れて陛下の後を追いかけるなど有り得ないはずだが、そこまでの考えに至らなかった。
信じ込んでしまった李順は、すぐに修練場へと足を運んだのであった。


************

「―――は?陛下?来てないぜ?」
「はい?」

修練場。
男たちの汗が流れるむさい…いや、奮起の立ちこめる場所。
普段は足を踏み入れないこの場所も、李順は何回か足を運んだ事がある。
それは勿論、修練に時間を割きすぎている主を迎えに来るために。
先ほどの浩大の言葉を真に受けて来たものの、コテンパンに伸されていたという当の克右は…どう見ても、ピンピンしていたのだ。
そう言えば、浩大は夕鈴殿を護衛しているはず。
ならば、どうやって克右殿がコテンパンにされたと知ったのか。
ここに来て、李順はやっと騙されていたと知った。
克右に「失礼します」と言ってすぐに踵を返す。
それに克右は頭をポリポリと掻いて、無言で見送った。



「―――で、良かったんですか?―――陛下」
「ああ。助かったぞ―――克右」
「それにしても…一体何をなさってるんで?俺にはさっぱりなんですが」
「―――」

気難しい自分の主は、閉口して言う気がなさそうだ。
やれやれと溜息を吐いた。
振り回されるのは慣れている。
今回も、きっとそれなのだろう。

「―――そうだ、克右」
「何ですか?」
「浩大から伝言―――『大好き!』…だそうだ」

大凡陛下の口から発せられる言葉では無いと認識しながらも、その言葉の内容に克右は頭の中が真っ白になった。

「…………………」

瞬間寒気しか覚えなくて、克右は王が立ち去るのも気付かずに、その場に立ち尽くしていた。


**********

「―――何なんです…?今日は…」

ぐったりした様子で、李順は王宮への道を歩く。
勿論、向かう先は政務室だ。
思えば、今日は一日中何かかにかに振り回されていた気がする。
―――その発端が、陛下のあの一言の様な気がして。
これは、陛下に一度真偽の程を確かめねば。
疲労を表情に出さず、しかしどこはかとなく疲れた様子で向かう途中で、周宰相に会った。
この御仁はとても優秀で、陛下の尻を叩く…もとい、陛下の政務の進行にとても尽力されている。
しかし、時に妙な予言を呟くのが玉に疵だ。
今日も、こちらを何かを言いたげな目で見ている。
正直、嫌な予感しかしない。
すると、周宰相が口を開いた。

「―――行く道は、前途多難…諸々振り出しに戻る事も多いでしょう…心を強く持ち、諦めも肝心でしょう…一度、出発地点に戻ってみるのも良いでしょう…」
「………」

案の定、訳の分からない予言?を呟き、宰相部屋へと去って行った。
半ば呆然とし、少しの間突っ立っていた李順だったが、そこでハッと思い付いた。
今、周宰相は『出発地点に戻るのが良い』と言っては居なかったか。
今日の諸々の出発地点は、陛下と居た執務室。
もしかしたら、そこで真偽の程が分かるかも知れない。
そう思い、執務室へと向かう足を急がせるのであった。


***********

「遅いぞ、李順」
「―――」

誰のせいだと、とは疲れていた李順には言う気力が無かった。

「―――陛下?今日は一体…」
「ああ。その事でお前に話がある。後宮へ行くぞ」
「―――?」

訳が分からないながらも、もうどうにでもなれと李順は大人しく黎翔について行った。
そして、向かった先は後宮立ち入り禁止区域。
そこには、掃除婦姿のバイト妃と、老師と浩大の姿があった。

「―――あ、来た来た!」
「やっと来たかぃ。若造」
「李順さん……何だか、やつれてませんか…?」

唯一李順を心配している夕鈴だったが、それに気付ける心の余裕は李順には無い。

「…それで、皆で集まってなんです?一体…」
「それが…―――――――ごめんなさいっ!!!」

真っ先に夕鈴が謝る。
その表情は幾らか蒼白で、身体も震えているように見える。
その夕鈴の肩を、黎翔は優しく包み込む。
そして、李順に告げる。

「悪いな。ちょっと揶揄おうとしただけだったんだが…―――思いの外、反応が面白くてな」
「…何の話ですか?」
「つまり、こう言うことじゃ…―――小僧、今日は何の日か知っておるのかのぅ…?」
「今日…?―――?」
「ありゃりゃ。完全に頭からすっぱ抜けてるネ」
「そのようじゃな」
「―――何の事ですか?」
「あの…その…実は―――嘘なんです!」
「―――は?」

突然の夕鈴の暴露に、しかし李順はついていけない。
老師と浩大も、余りの夕鈴の説明の省き方に、お腹を抱えて笑いを堪えている。

「お前ともあろうものが忘れているとはな…―――今日は、エイプリールフールだ」
「―――あ」

李順と黎翔の会話で種明かしがされると、おずおずと夕鈴が片手を上げる。
それに次いで、老師も浩大も手を上げる。

「私が、侍女さん達の前で転んで変な声を上げたのも…」
「わしが、陛下が妙な薬を頼んだと言ったのも」
「俺が、軍人さんがコテンパンにされたって言ってたのも」
「…全部、嘘だと………」
「そういう事だな」
「―――」

今日一日の苦労。
全てが水の泡になった瞬間であった。
そして、李順はもう一人の事を思い出す。

「―――まさか、克右殿も…?」
「ああ、あいつには、私は来ていないと嘘を吐くようにと…」
「…と言う事は、修練場に行っていたのは本当なんですね…」
「…」

さり気ない誘導尋問に掛かった黎翔は、バツが悪そうに視線を逸らした。
浩大が言っていた『コテンパンに』は嘘だったが『修練場に向かっていた』は本当だったようだ。
実は克右もある種の被害者となっていたが、李順がそれを知る由もない。
もう何もかも疲れた李順はただ一言。

「―――全員、覚えてらっしゃい…」

それだけを告げ、去って行った。
それに、その場に居た全員が固まった。
その余りの声の凄みに。



―――翌日から、黎翔は宰相との耐久政務が始まる。
夕鈴は、これまでのお妃教育がおよそ2倍の量に。
老師は、管理している薬の精査と新薬の調合。
浩大と克右は、互いの鍛錬を命じられた。

嘘が許される日『エイプリールフール』。
しかし相手を選ばないと、時としてとんでもない結果を生み出すことは…言うまでも無い。



―――実は唯一人、嘘を吐かなかった人物が居たが…李順は最後まで気付かなかった…




―――――――――――――――――――――――――――――――――――

話の内容的に、占拠された日がいつかはお分かりですね( ̄▽ ̄)?

あの日の真実を知りたい方は、ぜひ某国へおいでませ!←宣伝www


では(@^^)/~~~






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*Comment

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
  • posted by  
  •  
  • 2014.09/05 21:14分 
  • [Edit]

ママ様へ 

お久しぶりです…!
お身体は大丈夫ですか?
最初の頃の様な絡みが出来なくて残念な気持ちもありますが、コメは残さなくてもお読み頂けるだけでも嬉しいです!
お話で、少しでも気が紛れたらと思います(´・ω・`)
ご無理はなさらないで下さいね…(´・ω・`)

李順さん。
この御方を騙すと、漏れなく素晴らしい報復が待っているに違いません…。
ええ…それはそれは大変な……
…ん?
あれ?どうしたんですか李順さん?
…え?こんな展開を用意した私にも報復を?
そんな…それとこれとは話が別…って―――ぎゃーーーーーっ!!?

ツーツーツー

悪乗りしました!
そ、それでは!またっ(; ̄▽ ̄)
  • posted by さき 
  • URL 
  • 2014.09/06 15:28分 
  • [Edit]

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