雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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離れない 2

お待たせしました( ̄▽ ̄)

続きです(((( ̄▽ ̄)ノ



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【原作設定だよ】
【でも最初から『死ネタ』だよ】
【ちょっと切ないよ】



こんな所で聞くはずのない…決して聞いてはいけないはずの声に、夕鈴の声は上擦る。

「陛下?!」

声の主は、陛下だった。
聞き間違えるはずのない、私の、好きな人。
好きだけど、好きになってはいけなかった人。
気持ちを伝える前に死んで、心のどこかで安堵してた自分がいたのを否定できない位、自分とは違う世界に立っている御方。
途切れた記憶の中にも、確かに居なかったと思っていたのに、どうしてここに居るのか。
そんな私の考えを露知らず、陛下は私に駆け寄ってきた。

「―――夕鈴っ!良かった、まだ無事だったか…!」
「無事って…陛下、私は死んだんですよね?」
「いや、君はまだ死んではいない。浩大が寸での所で守ったから…でも、生死の境を彷徨っている」

そう告げる陛下は、何故がとっても辛い顔をしていた。
それが何故かは分からないが、思わず陛下の頬に手を添えていた。

「そうですか、浩大が…」
「君が意識を失ってから、もう三日経っている…早く目覚めないと、死んでしまうっ……」

吐き出すように告げる陛下を、夕鈴はどこか他人事のように感じていた。
自分の事のはずなのに、酷く現実味が無い―――これが『死』という事だろうか。
陛下は死んでいないと言うが、本当はもう死んでいるのではないだろうか。
ぼぅ、と俯く夕鈴の手首を掴み、黎翔は引っ張った。

「夕鈴、行こう。あちらに行けば、現世に帰られる」
「待ちなさい」

今にも駆け出しそうな陛下を止めたのは、李順さんだった。
―――ではなかった。奪衣婆だった。

「ここに来たという事は、その娘は死んだのです。なら、お帰り頂くわけには行きません」

淡々と告げられるその言葉に、陛下は怒りのオーラを隠すことなく振り撒いて叫ぶ。

「夕鈴は死んでなんかいないっ」
「いいえ、死んだのです。―――それに、貴方も…何故、ここに居るのですか?貴方からは、死の匂いがしない。―――妙な香りもしますし…」
「―――私は、死んだわけではないからな…」

微妙な顔をする陛下を、私はどこか遠くから見上げているように感じた。
―――そう言えば、どうやって陛下はここに来たのだろう?
帰ろうと言う。現世へ。
でも、自分は瀕死の状態なのに、陛下からは死の匂いがしないと李順さんは言う。
ならば、陛下はどうして、どうやってここに?
そう思いつつも、夕鈴は別の思考にも囚われていた。
―――現世に、戻る意味は、あるの?
どう足掻いても、陛下を好きな自分。
どう足掻いても、どうにもならない現実。
―――それらから解放されるなら…『死』も、悪くはないのではないだろうか?
先ほど、気持ちを告げることなく死んだ自分に安堵した瞬間の気持ちを、引き摺っているようだ。
陛下の顔を一目見られたから、それで満足している自分がいるのも否めない。
いつの間にか握りしめていた互いの手から、夕鈴は力を抜いて引こうとした。
それに気づいたのか、陛下はすぐに力を込めて握り直す。

「―――夕鈴っ?!駄目だ、手を離してはっ…」
「―――陛下は、お戻り下さい…―――私は、あちらへ参ります」
「―――――――――――なに?」

力なく言いつつ川の向こうへ視線をやる私にも、陛下は怒りを隠そうとはしなかった。
私の手首を掴んだ陛下の手に力が籠るのを感じる。

「―――君は、自分が何を言っているのか分かっているのか?」

怒っている。狼陛下だ。
それに妙に凪いでいる自分の感情が揺さぶられたが、夕鈴も譲る気はない。
後から思ったら、この時何でこんなに反抗したのか分からないが。
それほど必死で、そして辛かったのかもしれない―――陛下を好きでいることが…

「―――はい。分かっています。自分の事ですし―――私が、もう死んでいることは」
「君は死んでいない。私は先ほどそう言わなかったか?」

更に冷たさを増した狼陛下がそう告げる。

「はい。確かに陛下は仰ってましたが―――私には、どう考えても死んだようにしか感じないです」
「何故そう言い切れる?私の言葉を信用できないか?」
「陛下を信用してないわけではないですが…現実味が無いですし、何よりあちらにはとても魅力を感じます。そう感じるという事は、私は死んだと考えるのが」
「君は死んでなんかいないっ!」

とうとう陛下が荒げた声を私にも向ける。
だが逆に、そう必死になっていることは私が本当に死んだことを示唆しているのではないかと思った。

「陛下がそう思うのは、私が死んだことを信じられないからですか?でも、実際には死んでいるんです。だから、ここに居るんです」
「―――――――そう思うのに、何故ここに私が居るのかまで考えないのか?君は…」

地を這うような声音に、川を見ていた私は陛下へと視線を移した。
そこには、不機嫌全開の――――――狼陛下が。

「『君が死んだことを私が信じられずにここまで来た』と思っている君は、私がどうしてそう思ったのか、本当に分からないのか?」
「あの……何を…」
「ここまで来た私の想いを、本当に君は気づかないのか?」

思った以上に食い下がる陛下に、夕鈴は泣きたくなった。
ここまで必死にバイト妃の容体を心配してくれる国王なんて、きっと他にはいない。
でも、その気遣いが一層私を苦しめる。

―――優しくしないで。
死んでしまったバイトの事なんて―――いっそ、忘れてくれたら―――



哀しい思考へ囚われた夕鈴。

その哀しみから夕鈴を引き離したのは―――――唇に感じた、柔らかく温かい感触だった。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――

…切ない(ノД`)・゜・。
でもご安心を(←?)

切なくてしんみりしてるのはここまでですwww

次回は…

待て、次回で(笑)←おい



3へ続く


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*Comment

NoTitle 

こんばんわ^^

え?!ここまでで切な感は終わりなの?!やたー!
もうっ。心苦しくて死んじゃいそうになってたよ・・・。(>_<)
よかったー・・次回は展開があるんですね^^
大人しく待ってるから~(=^・^=)
  • posted by ママ 
  • URL 
  • 2014.09/13 23:20分 
  • [Edit]

ママ様へ 

お早うございます♪

ええ、次回からは…ごにょごにょな展開ですよ!←
元々最初は、こちらの展開を求めて書いたものですし!

お待ち下さいませ~( ̄▽ ̄)
  • posted by さき 
  • URL 
  • 2014.09/14 07:40分 
  • [Edit]

NoTitle 

ご、ごにょごにょ・・・な展開?
わはは。これは期待してよっと♪
今後の展開のために書き始めたのね~(ニヤッ)

はーい。待ってる^^
お仕事、相変わらず忙しいのかな?
随分涼しくなってきたけど体調には気をつけてね^^
じゃあ、またね^^
  • posted by ママ 
  • URL 
  • 2014.09/14 10:00分 
  • [Edit]

ママ様へ 

およ( ̄▽ ̄)?
何か期待をされているようでwww
そんなに期待できる展開じゃないかもしれませんが・・・www←

仕事・・・ふぅ(;´・ω・)=3
結構大変です・・・疲れが取れないです(-_-;)
はーい(^O^)/
涼しくなったので、体調には気をつけるであります!('◇')ゞ
では(@^^)/~~~
  • posted by さき 
  • URL 
  • 2014.09/15 07:24分 
  • [Edit]

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