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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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迷う心

さてと。
それではパラレル第11話を更新しまーす(^O^)/

李順から『臨時花嫁』の提案をされる。
しかし、夕鈴は断ったのであった―――

―――――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】



夜。後宮。
夕鈴は陛下と夕食をとった。今は食後のお茶の時間である。
しかしその頭の中は、先ほど李順に言われたことでいっぱいだ。
陛下の「臨時花嫁」。それに私がなれと。…どういった経緯でそうなったかは分からないが、それが私がここに置いてもらうための条件、とも聞こえた。

私がこの時代に来た時、後宮に倒れていたんだからここにいた方が帰れる可能性が高い。
だけどただでは置いてもらえないらしい。当たり前か。世の中そんなに甘くない。
その条件が―――臨時花嫁。
でもそんなの…出来るわけがない。

「――りん。ゆーりん?」
「…え?」
「どうしたの?何だかずーっと上の空だよ?」
「あ…いえ、すみません。何だかぼーっとしてしまって。あ、今お茶淹れますね。」
「あ、うん。」

そう言って私はお茶を淹れ始める。
これも最近の日課になりつつある。最初は侍女の方にお茶を淹れて貰ってたのだが、夕食を運んで一回退出した後にまた来て貰う、しかも夕食の片づけをしながら、というのが申し訳なくなったのだ。それに食事は上げ膳据え膳、何もかもして貰ってるのに、食後のお茶までなんて―――
と思った夕鈴は、お茶は自分が淹れますから、と言って侍女の仕事を取り上げたのである。

お茶を淹れた夕鈴は、陛下の分も持って卓に載せ、陛下の向かいに座る。お茶を飲みながら、また考える。

「…夕鈴、何かあった?やっぱり上の空だよ?何考えてるの?」
「…陛下。」
「何?夕鈴。」
「…陛下も私が「臨時花嫁」になった方がいいとお考えですか?」
「…!」
「やっぱり…それにならないとここに置いては貰えないんですね…。」
「夕鈴…それ、李順から聞いたの?」
「はい。今日の夕方に四阿で。何もせずここにいるくらいなら、いっそ働いて貰った方がいい、と言われました。陛下も最近伝えようとしていたことは、この事だったんですね。何で言ってくれなかったんですか?」

そう夕鈴が言うものの、陛下は少し俯いて無言である。何かと思い、夕鈴が少し覗き込んだ瞬間、陛下の手が夕鈴の手を素早く握った。

「な、何ですか!?」
「…それで?」
「はい?」
「それで、夕鈴は何で答えたんだ?」
「…。」
「答えて。夕鈴。」

そう言う陛下の様子は、最初の頃に感じた狼のような雰囲気である。最近は小犬のような雰囲気が続いていた為、不意打ちを食らった夕鈴は緊張して体が強張った。

「…お断りしました。私では、陛下の花嫁役なんて大層な役は務められませんし、何よりいつ消えるか分からない身です。そんな無責任な状態で、そのような役目をするわけにはいきません。」

それを聞いた陛下は、一瞬握る手の力を込めたものの、すぐに放した。
そして「そうか…」と言って、部屋から退出して行った。


**************

「李順…。何故私に断りもなく夕鈴に話した?」

夕鈴の部屋から退出した黎翔は、その足でまっすぐ王宮の執務室へと向かった。そこにはまだ李順がいると思ったからだ。

「陛下がお伝えするのを待っていては、いつになるか分からなかったからです。」
「お前は私に任せたのではなかったか?」

陛下の周りの空気が冷えている。吹雪でも降りそうだ。今はまだ春なのに。
しかし、李順だって待ったのだ。それに事態はあまり良い方には向いていない。

「…陛下。噂の広まりが早いです。既に「陛下はお妃様にご執心だ」とまで言われております。侍女や女官たちはまだ夕鈴殿をお妃ではなくお客人、と見ておりますが、陛下の態度を見ていれば時間の問題、と考えるかもしれません。」
「…何の話だ?」
「気づかないとお思いですか?夕鈴殿を気に入っているのでしょう。お妃にしようとは思っていないでしょうが…手元に置いておきたい、くらいはお考えなのでは?」

さすが側近だ。私をよく見ている。
確かに、私は夕鈴を気に入っている。見ていて面白いし、話も新鮮だ。
表裏もないから、一緒にいて安心できる。

「…それで?」
「いっそ夕鈴殿を「国王陛下の花嫁」という扱いにした方が、後宮での安全もある程度確保できます。陛下が会いに行く理由もはっきりしますしね。」
「…余計に夕鈴が危なくなるのではないか?」
「そこは、護衛を増やすなりすればいいことです。お妃でもないのに、護衛をする方が言い訳するのに大変ですよ。」

苦労性の側近は語る。
夕鈴を今のままで後宮に置くのと、「国王の花嫁」として置くのとではどちらがマシだろうか。

「それに、わざわざ臨時を雇うよりも、ある程度人柄がはっきりしてきた夕鈴殿を雇う方が、陛下も都合が良いのでは?こちらとしては、ただ後宮に置くだけで済む夕鈴殿と、給料を払わなければならない別の臨時とでは、財政難という点から考えても都合が良いです。」

よもや後半が主な理由ではないだろうな。李順は守銭奴…いや、金に煩い奴だから、それが理由でもおかしくはない。

黎翔は側近の言葉を聞きながら、自分がどうしたいのかを考えるようになった。

―――――――――――――――――――――

女の子の体にお断りもなく触っちゃいけません!陛下!
めっ!(`ヘ´)

迷っているのは夕鈴と陛下二人ともです。
それにしても…陛下。
自分がどうしたいか、じゃなくて、夕鈴がどうしたいか考えて!

さり気無く、陛下が李順さんを『守銭奴』と評しているところがお気に入り♪
そして私は、後半が主な理由では…と一人ひっそり考えております(笑)←おい


次回予告↓

陛下と気まずくなってしまった夕鈴。
その時を狙って―――――――――――――――?

次回!
第12話「現れた刺客
お楽しみに!

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「狼陛下の花嫁」の二次小説を書いています。
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