雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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呪詛 7


続きが書けたので、とりあえず更新~( ̄▽ ̄)

ちなみに、ここと、続きのちょこっとまでは、すでに1年前には出来上がっていました~。
その更なる続きが書けなくて、こんなにもかかってしまった・・・(ガクリ)

・・・ま。
何はともあれ、続きをどうぞ~~~↓

―――――――――――――――――――――――――

***************

「では、その女官は何も知らないと?」
「ええ。自分は頼まれただけで、客人…夕鈴殿に害意など持っていないと訴えています」

後宮の王の私室で黎翔と李順は事件について話し合う。
先ほど捕らえた女官を数時間尋問したところ、女官は国王からの使いと名乗る侍官からお菓子を手渡され、出す予定の茶と一緒に持って行ったらしい。
その侍官を捜索したが、見つからなかった。
目撃情報もなく、正直手詰まりとなってしまった。
こうなると女官の証言が疑わしくなってくる。
しかし一介の女官に、東方の菓子など用意できるわけもないのは事実。そうなると、女官の証言の真偽はともかく、黒幕がいることになる。
ならば、女官を始末したところで事態は変わらない。
さて…どうしたものか…
考え込み顎に手を持って行く黎翔だったが、部屋の外から控えめな声が入室の許可を求めて来たのですぐに離す。

「―――失礼します…」
「夕鈴?どうしたの?」

声と同様、控えめに入室してきたのは夕鈴であった。

「あの…あの女官さんの事なんですが…」
「ああ。どうかした?」
「先ほど、数人の女官さんが私の部屋に来まして…あの女官さんが犯人なはずはない、赦してほしい、と懇願されたんです」
「…」

その夕鈴の言葉に、黎翔は眉を顰める。
前回夕鈴は自分と李順に雇われた『雇用者』であったが、今回は違う。
夕鈴は客人である。その相手に頼みごとをするなど、分を弁えない行動だ。
しかも実際、夕鈴はあの女官が持ってきた菓子で害されそうになったのである。
本来弁解の余地はないはずだ―――が。

「その女官さんたちの言い分も分かるんです。話を聞くと、あのお菓子を持って来て下さった女官さんは、普段から仕事に対して真面目で、後輩に対しては厳しくも優しい方だそうです」

3、4人の女官さんたちが、私の部屋まで来て願ったこと。
それは、あの女官さんの助命嘆願であった。
優しくて気さくで、分け隔てなく接する彼女は、多くの人に慕われているらしい。
本人も犯行を否定しているし、周りの人間も『彼女がそんなことをするはずがない』と思っているらしかった―――というのは、女官さんたちから聞いた話である。
王宮内で暗殺未遂があったとなれば、有罪は間違いない。
その相手が客人である夕鈴ならば、極刑になってもおかしくはない。
しかしその本人が望んでいないのであれば、もしかしたらその事態も避けられるかもしれない、と。
夕鈴でさえ安直な考えだと思ったものの、今はそれに縋るしかない、とも。
―――何より、女官さんたちの真っ直ぐな気持ちに、夕鈴も心動かされた。
どちらにせよ、夕鈴は女官さんへの罰は望んではいない。元々、陛下にはそう伝えるつもりであったのだ。

「―――だが、それはあの女官を信頼する材料ならない。普段は演技をしていた可能性だってある」
「それは―――そうかもしれませんが。でも、私は違うと思います」

確かに、普段の態度が良いからと言って、王宮では信頼に足るものではないのだろう。
でも、自分としては―――

「―――だって実際あの人を見て、危険な空気は感じませんでしたから」
「――――――――――そうか…」

その夕鈴の言葉には説得力がある。
夕鈴は霊能力がある。
見えない存在、聞こえない存在に対して敏感な彼女は、他人の醸し出す空気にも敏感なのだろうか。
聞いたわけではないが、何故かそんな気がした―――普段なら、そんな曖昧なものでは、結論すら出さないというのに…

「…あの女官の件は、一旦保留だよ」
「――!本当ですかっ?」
「うん。あの女官が犯人と言うには、色々不審な点があるからね…」
「不審な点、ですか…?」
「そう。そもそも一介の女官に遠い異国のお菓子など用意できない。女官は確かに貴族の娘だが、そこまで親の身分は高くない。遠国との繋がりなどほとんど無きに等しいんだ」
「では…」
「ああ、だから、今回の件には高位の貴族が裏で手を引いているとみて間違いない」

黎翔の言葉に夕鈴は俯いた。
何故…自分のような庶民の娘なんかを狙ったの?
罪もない女官さんまで巻き込んで…
俯いて顔を歪めた夕鈴に考えていることを察したのか、黎翔が口を開いた。

「ごめんね、夕鈴」
「…何で陛下が謝るんですか?」

黎翔の突然の謝罪に、夕鈴は俯けていた顔を上げる。

「―――今回の事は、僕にも責任の一端がある」
「…?」
「今日、夕鈴を王宮からこちらへと入れたでしょ?」
「はい…」
「馬車から降りて、王宮を通って後宮へと入って行った夕鈴を見て、余計な妄想をする輩が居たんだね」
「…すみません、仰っていることが今一理解できないんですが…」

眉根を寄せて自分に聞き返す夕鈴は、本当に意味が分かってないようだ。
その擦れていない様子に微笑ましくなったが、説明しないわけには行かないので気持ちを引き締める。

「つまり…―――国王である僕がわざわざ迎えをやり、皆に見せつける様に王宮からわざわざ入れさせ、皆にその姿を見せながら後宮へと姿を消す客人―――それを見て、皆はどう感じると思う?」
「…と、言われましても…本当に分からないのですが…」

皆に見せつける様にって、何?
王宮からわざわざって…王宮から行くことに、意味なんてあったのだろうか?
本当に分からない。陛下は何を言いたいの?
首を傾げて見上げてくる夕鈴に、苦笑しつつ頭を撫でる。

「分からないか…まあ、そんなところも良いんだけどね…―――簡単に言うと、夕鈴は僕の『特別な人間』なんじゃないかって思われたんだよ」
「…『特別な人間』…?」
「そう。夕鈴は後宮がどういうところか、流石に知っているよね?」
「こうきゅう…王様のお妃様が住むところ…―――あっ?」

夕鈴は何かに気づいたように声を上げた。

「やっと分かった?」
「つまりっ…私はお妃様たちに誤解されたって事ですかっ?!」
「―――――――…………え?」


――――――――――――――――――――――――――

必殺!!

ぶった切る!!!←


8へ続く


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