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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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秋の誘惑

こちらは、SNSのお友達のT様のお誕生日に書いたものです。
9巻ネタバレを含みますよ~(@^^)/~~~

―――――――――――――――


【原作寄り】



「―――」
「…あれ?夕鈴?どうしたの?」
「いえ……そろそろ眠気が…すみません…」

夜の後宮、妃部屋。
今、陛下と夕鈴は「夫婦の時間」である。
もちろん、本当の夫婦ではないので、いつも通り碁を打って時間をつぶしている。
そんな中、珍しく夕鈴が欠伸を噛み殺して眠そうにしていた。

「――今日はいつもより早く目が覚めてしまって…」
「ああ。夕鈴いつも早起きだもんね。」
「そうなんですけど、今日はまだ本当に暗いうちに目が覚めて…そのまま目が冴えてしまったので、そのまま起きたんです。」

最近夜はめっきり冷え込んで、布団に包まらないと寒い。
朝方も結構冷え込んでいる。それで目が覚めてしまったのだろうか。
でも、そのせいで夜も早くに瞼が重くなってきた。
いけない。そんなに早く陛下を自室に戻らせるなんて…
そう考えても、碁を打っている静かな時間は、夕鈴の眠気を更に助長させるには十分だった。

「じゃあ、もう寝ようか?僕、自室に戻るよ?」
「いえっ…!こんなに早く陛下を部屋から追い出すのは…妃としてどうなんでしょう…?」

夕鈴は真剣に考えた末でそう言ったのだが、黎翔はどうも複雑な気分であった。
瞼がとろんと下がった夕鈴の姿はどこか扇情的で、まるで誘われているように感じる。
もちろん、夕鈴にそのような意図が無いのは分かっている。
本人が言うように、本当に眠いだけだろう。
でもそんな姿で引き止められると、どうにも自分の気持ちを持て余す。
このような気持ちになるのは、夕鈴だけだ。

だから、少し悪戯心が芽生えた。
自分はそんな感情に振り回されているのに、夕鈴はそうではない。
今は眠気が強くて自覚がなさそうだが、ここは二人きり。
王が妃に睦言を囁いても、何ら問題は無い。
というわけで、黎翔はすぐに行動に移すことにした。
徐に立ち上がる。

「―――?陛下?どうされました?」
「いや―――…眠たそうな我が妃の体を労ろうと思ってな。」
「な、何で狼陛下……っ…きゃっ!」

黎翔は夕鈴を抱き上げた。
夕鈴は突然の事に体が硬直し、顔が真っ赤になる。
今は人払い済みで、演技をする必要のない時だ。
何故狼陛下?
黎翔は困惑気味の夕鈴を長椅子へ運び、抱き上げたまま座った。

「ちょ、陛下、降ろして下さいっ。お、重た…」
「我が妃は羽根のように軽い。こうして抱き上げていても、何ら重さを感じないが?」
「な、だから、何で狼陛下なんですかっ?今は誰も…」
「夫婦演技の向上をするのだろう?誰も居ないこういう時こそ、その神髄が試されるのではないか?」

黎翔は夕鈴に挑むように言う。
それに、夕鈴はカチンと来た。
何だか、「これくらいも出来ないのか?」と言われている気分になった。
生来、負けず嫌いの夕鈴である。
こういう言い方をされて、黙って引き下がる事は出来なかった。

「も、もちろんっ、そうですねっ!こう言う時こそプロ妃の神髄が試される時ですよねっ!」

夕鈴は拳を胸の前でぐっと握る。
黎翔は夕鈴が上手く乗ってくれた事にほくそ笑む。

「そういうこと。じゃあ、夕鈴は僕の胸元握っててね。」
「…え?な、何でですか?」
「ん?だって……その方が色々と都合が良いし?」

そう言うと黎翔は夕鈴の背中に回していた手を外す。
それまで自分を支えていた背後の手を失った夕鈴は、慌てて黎翔の胸元を握る。
まるで夕鈴が黎翔に縋りつくような格好になった。

「も、もうっ、陛下っ、いきなり手を離さないで下さいっ!びっくりしましたよ!」
「ごめんごめん―――――でも、これで演技もしやすくなるだろう?」
「…っ?」

どういうことかは分からないが、自分は決してそうではない。
陛下の胸元を掴んだからといって、不安定な体勢であることには間違いない。
というより、両手で掴んでいないと今にもバランスを崩しそうだ。
夕鈴は顔を俯ける。
そもそも、陛下の膝の上に座っているのだから、距離が近くて落ち着かない。
でも、プロ妃として頑張りたいと言った手前、引き下がる事は出来なかった。
…この状態で何をするというのだろう?

すると、突然両頬が温かいものに包まれた。
俯いていた顔を上に向かされる。

「―――我が妃は今日、何をしていたのだ?」
「へ、陛下…っ、顔近っ…」
「これくらい、夫婦なら普通だよ。」
「え…っ?」

そうなの?と夕鈴は思うが、母は幼いころに他界している。
つまり普通の夫婦をそもそも知らないので、比べようがなかった。
それよりも先ほどから狼と小犬を混ぜて演技をしてくる陛下にあたふたする。
どうしてこの人はこんなに演技が上手いのだろう。

「それで?今日は何をしていた?」
「きょ、今日は…政務室を出た後、侍女さん達とお庭の散策をしていました。その後は、いつもの通り老師のところで掃除を…」
「ふ~ん……―――我が妃は、私と過ごしていなくても寂しくは無いのか?」
「え?」
「私は常に妃の事を考えている。―――妃にも、私の事を考えていて欲しいものだ。」
「も、もちろん、私はいつも陛下の事を考えておりますわっ。」
「―――本当に?」

すると陛下は、私の左頬にあった自分の手を私の腰に回したかと思うと、ぐっと引き寄せた。

「―――わっ!」

元々不安定な体勢。
しかも自分はいつの間にか陛下の胸元から手を離していたらしい。
一気にバランスを崩して後ろに倒れる。
けれど、腰に回っていた陛下の手がいつの間にか背中に回っており、体勢は少し傾いた程度で止まった。
ほぼ横抱きの状態になる。

「へ、へへ、陛下っ……何するんですかっ!!」
「―――――我が妃が可愛い事を申すのでな。つい」
「か、可愛いって…っ、か、からかわないで下さいっ!」
「――私は本当の事を言ったまでだが?」

陛下の左手が私の頬に撫でる。
その感触に、私は赤くなっていただろう顔が、更に熱くなるのを感じる。

「我が妃は可愛い。その顔も、声も、仕草も…何もかもが私を魅了する。そろそろその魅力を自覚してほしいものだな。」
「そ、そんな………それは陛下の贔屓目ですわ…。私は、至って普通の…」
「私の言葉が信用できないか?」

そう言って顔を近付けるものだから、夕鈴は更に焦った。
背中を黎翔に支えられているとはいえ、後ろに退けられる状況じゃない。
陛下が覆い被さるように迫って来た。
―――わ、わわ、わわわわわっ!
夕鈴は慌てた。
両手を陛下の胸元に置き、必死に押し退けようとする。
しかし、無理な体勢で力が余り入らない。
夕鈴は混乱のあまり、目を瞑る。
余りにも近い距離に陛下の顔がある事で、心臓がこれまでにないほどバクバク音を立てている。
でも、言いたい事をしっかり告げるべく、叫ぶように訴える。

「へ、陛下の言葉を信用できないわけじゃないですっ!で、でも…っ、私がその言葉を鵜呑みにして調子付いちゃったら、困るのは陛下ですよっ!?わ、私が噂の通り悪女になっちゃったらどーするんですかっ!!?」

最後は何だか怒った口調になってしまった。
でも、これが本心だ。
以前にも下町で言ったけど、陛下は私を甘やかしすぎだ。
こういうことは、きっちりしないといけないと思う。
その夕鈴の言葉に、黎翔の動きが止まる。

「―――」
「―――――…?陛下……?って、わっ!」

ぴたりと陛下の動きが止まったから、何かと思って目を開けたら、いきなり抱き締められた。
ぎゅうぎゅう抱き締めてくるから、離れようにも離れられない。
夕鈴は更に顔を真紅に染める。

「ちょ、ちょっと………へいかっ!離して下さいっ!」
「えー…やだ。」
「やだじゃないですっ!ちょっと……っ」

必死に引きはがそうとするも、陛下は離れない。
その内、夕鈴は疲れを感じてきた。
瞼が重くなる。
―――そういえば、そもそも私、眠かったんだっけ……
瞼が降りようとするのを、必死で抵抗する。
―――だめ、まだ陛下をお見送りしていない…
…それに…まだ陛下の膝に乗って……

…――――



「―――――夕鈴?」

抱き締めている夕鈴から、何の反応も見られなくなった。
先ほどまでは、離れようと必死にもがいていたようだったのに。
黎翔はゆっくりと腕の力を緩めた。

「――――」

夕鈴は眠っていた。
黎翔はがくりと首を垂れる。

「……はぁ……これでこそ夕鈴だよね……」

僕の言葉をすぐに流すから、狼で迫ってみたけど、夕鈴の言葉に毒気を抜かれた。
そして、愛しさがこみ上げてきたから思いっきり抱きしめたくなって、そうした。
しかし……眠ってしまった夕鈴。
そういえば、彼女は最初から「眠たい」と言っていたっけ。
ずっと僕の腕の中にいたから、温かくなって眠ってしまったらしい。
全く……夕鈴らしい。
狼の腕の中で安穏と眠りに就くとは…。
ふっと笑みを零す。
そして夕鈴を抱え直し、立ち上がる。
寝室へと向かい、そのまま寝台に夕鈴をそっと横たえる。

「お休み、お嫁さん、……良い夢を。」

額に口付けをして、布団を掛ける。
名残惜しそうに寝台を見るが、すぐに踵を返し、部屋を後にする。
部屋から出て回廊を歩き始めると、くすくすと笑い声が聞こえた。

「―――浩大か。」
「よっ、へーかっ!何だか楽しそうなことしてたね。新手の遊び?」
「違う。」

屋根からぶら下がって降りて来た隠密に、つっけんどんにそう返す。
浩大は優秀だが、時々こうして主で遊ぼうという気を隠さない。
黎翔は溜息を吐く。
すると「ぷくく…っ」と隠しきれない笑い声が聞こえる。
じろりと睨む。

「いやぁ―――ものの見事に流されたねぇ~…それとも、受け止めたけど、華麗にポイ捨てされたって表現の方が…――――っとぉ!!?」
「―――無駄口を叩くなら、いっそお前を華麗にポイ捨てにしようか…?」

浩大は投げられた小刀を既の所で躱す。
黎翔は冷たいオーラを放っていて、今にも人を殺しそうな気配を漂わせている。
たら~り…と浩大の背中に汗が流れる。
まずい。遊び過ぎたらしい。
今のこの人は、お妃ちゃんに躱されて、やさぐれモードになっている。
浩大はじりじり後退りするが、黎翔もじりじり距離を詰めている。
―――逃げるが勝ちってねっ!

「―――じゃ、失礼しまっすっ!へーかっ!」

しゅっと屋根の上に上る。
するとカツンッと、先ほどまで自分が居た辺りから小刀が突き刺さる音がした。
回廊の方からチッと舌打ちが聞こえた。



「…ふぅ~…危ねぇ~~…久々に血を見るかと思ったぜ~…」

隠密の言葉が、夜の闇に溶けていった―――


―――――――――――――――

リクの内容は
『普段絶対早寝早起きで、健康的生活な夕鈴に対して、夜更かし、徹夜あり(だろう)の不健康生活な陛下。ある夜に、きちんと口説こうと真面目に頑張ってる最中に、寝オチされる残念陛下が浮かびました。基本、スルーな上に、フラグクラッシュな兎さんですが、正面から真面目に口説かれたら、多少はくらっとくるんじゃないかな~と思ったりしたんですけどね。でも、壁は厚いだろう、と予測が付きますので、結果的に残念なことになっちゃうんじゃないかと…。』

でした。そこから派生して

『夜、夕鈴を膝上抱っこの上、甘く、甘~く口説くんだけれども、そして夕鈴はそれを真正面から受けて真っ赤になるんだけれども、陛下の体温と、自分の体温上昇でぽかぽかしてきて、寝オチ(笑)そして、それを見ていた大ちゃんが「ぷくく」と笑って陛下に殺…もとい、冷たいオーラで攻撃される(笑)』

派生内容は、私が言いだしました(笑)

最後は隠密を主役にしました(笑)
とりあえず、口は災いの元ですね!


最近寒くなる~寒くなる~と言いながら、いつまでもそんなに寒くならない日が続いております。
…北国基準ですが。
だって、雪が降らないし。←

これで一気にドカ雪とかだったら、怒りますよっ!!
…という、謎のお怒りモード。
だって、去年~今年の雪の量が半端じゃなかったですし。
もうあんなのは嫌だι(`ロ´)ノシ タシタシ!

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Author:さき
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