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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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私を包む、貴方の温もり

恋人設定第3弾のお話♪
SNSにて足跡8888歩目を踏んで下さったK様からのキリリクです。

―――――――――――――――――――

【恋人設定】



秋の夜長。
虫の声が夜の後宮に響き渡り、夜空は星の瞬きが澄んだ光を放っている。
夕鈴は窓の近くに椅子を置き、そんな虫の声と星空を静かに眺めていた。

「―――夕鈴。冷えてしまうよ。こっちにおいで。」
「へ、陛下っ?すみません。いらっしゃっていたとは気付かず…。」

突然後ろから声が聞こえ、振り向いたらそこには陛下が居た。
まだ侍女たちは居るので狼陛下のままだが、その声音は優しい。
陛下は人払いをして二人きりになると、すぐに夕鈴の所に近づいて来た。

「もうこの時期は、昼は温かいとはいえ、夜になると寒い。そんなところに居ると風邪を引くよ。」
「すみません…星空が綺麗で…虫の声も賑やかでしたから、近くに行こうと思いまして…」

少しはにかんだ笑顔を見せ、夕鈴は言う。
夕方まで雨が降っていたので、空気がとても綺麗だ。
今は快晴で、星空がとても美しく見える。
秋の夜長を賑わしてくれる、虫達の合奏も見事だ。
つい見惚れ、聴き惚れていた。
しかし私の笑顔を見た陛下は、少し寂しそうに抱き締めてきた。

「―――どこに行こうとしているの?君の居場所は、僕の傍でしょ?」
「―――…陛下?」

どうしたと言うのだろう。
私はここに居て、どこにも行こうとはしていない。
それなのに、陛下はまるで縋るように、確かめるように私を包み込む。
そして、ふわっと私を抱き上げた。
突然の事にびっくりしたけど、恋人になってからいつもされるので、そろそろ耐性がついてきた。
私を抱いたまま、陛下は長椅子に腰かける。
少し戸惑って陛下を見上げると、陛下は私の頬に手を添えて言う。

「―――君の居場所はここだろう?どこに行くと言うのだ?」

それは、声音は違えど先ほどと同じ言葉。同じ問い。

「…陛下?先ほどの事でしたら、ただ星を眺めていたのと、虫の声を聞いていただけです。窓の近くが一番明瞭なので、そちらに移動しただけです。…私はここに居るじゃないですか。」
「そうなのだが―――――…君を一時とはいえ、他の何にも取られたくない。」
「…陛下ったら…」

別に深い意味は無いのだと、陛下の問いに答えていると、至極真剣な表情で独占欲丸出しな言葉を言われた。
それに、夕鈴は思わず笑ってしまう。
それを見た陛下は少しむすっとしたが、夕鈴の言葉に安心したのか、夕鈴の肩に頭を乗せてくる。

「―――だって…夕鈴は僕のなのに…」
「もう、陛下。星や虫にそんな事を主張しても………はっくしゅっ!!」

更に独占欲のにじみ出た声で呟く陛下を見て、夕鈴が陛下の髪を撫でていると、くしゃみが出た。
直前に口元を袖で隠したので、そんなに大きくな音は出なかったが、近くに居た陛下には丸聞こえ。
すぐに眉を顰められる。

「夕鈴。やっぱり冷えたんじゃない?―――ああ、手もこんなに冷えてる。」
「そんなに長い時間は居なかったと思うんですが…」

とはいえ、陛下の手に包み込まれその温かさにほっとするということは、やはり冷えていたんだろうか。
そんな事を考えていると陛下の手が急に離れたので、手を摩っているとふわりと温かいものに包まれた。
どうやら、陛下の上着を掛けられたようだ。

「――ちょっと待ってて、今お茶を淹れるから。」

そう言って立ち上がるから、夕鈴は慌てた。

「そ、そんなことは私がしますっ。陛下は座ってて下さいっ。」
「いいよ、僕がやるから。夕鈴こそ、ちゃんと羽織って。袖も通して温まってて。」

そのまま陛下は卓の方に向かってしまった。
夕鈴は、そのまま少し時間が止まったように動かなかったが、陛下の言葉を思い出して、それに甘えてちゃんと袖を通すことにした。
陛下の上着の袖は夕鈴には長くて、だぼっとしていた。
手が隠れて見えない。
そのまま顔まで手を持ち上げると、ふわっと心地よい香りが広がる。
―――陛下の香りだ。
夕鈴は何だか嬉しくなって、くすりと笑った。

「―――どうかした?」

そこに、陛下がお茶を持って来た。
嬉しそうな夕鈴を見て、そう聞いて来た。

「えっ、いえっ、そのっ……あの……」

思ったことを、そのまま口に出すのは恥ずかしい。
しかし、隣に座った陛下が「何か嬉しい事でもあったの?」と、再び聞いて来たので、正直に話すことにした。

「えっと……陛下の香りがするな~…と思いまして。」
「…?」

陛下はよく分からない、と言う顔をした。

「あの……この上着から、陛下の香りがしまして……それに、温かいですし。何だか陛下に包まれているみたいで嬉しくて…」

そう言いながら、長い袖で顔を隠す。
その仕草を見た陛下は、ぴたりと動きを止める。

「――――」
「…?陛下?どうかなさいました?」

そう言いながら、こてんと首を傾げる。
何か変な事を言っただろうか。
自覚のない夕鈴はそう思う。

「―――。―――…夕鈴、はい、お茶。」

言葉少なにそう言う、黎翔の心境を考えずに。

「あ、そうでした。陛下、ありがとうございます。」

慌てて袖を手繰り、手を出してお茶を受け取る。
お茶を一口飲むと、温かさが身体に沁み亘る。
思った以上に、身体は冷えていたらしい。
内側から温かくなり、夕鈴は笑顔になった。

お茶を飲み終えると、陛下が夕鈴の手から湯呑を取り卓に載せると、すぐに再び抱きあげられた。

「へ、陛下っ?」
「―――夕鈴。今夜は寒いから、もう寝よう?」

そう言って寝所へと歩みを進める。

「ま、まだ来たばかりではっ?」
「このまま起きてても、また冷えるだろうし。それならもう寝た方が温かいよ。」

そう言いながらも、すでに寝台の前に到着していた。
陛下はそのまま私を寝台にそっと下ろす。
そして自分も寝台に上がり、一緒の上掛けに入って来る。

「あ、あのっ……明日も忙しいのではっ?」
「心配しなくても、朝にはちゃんと帰るから大丈夫だよ。」
「でも……」
「――夕鈴は、僕と一緒に寝るの嫌?」

そう聞くのはずるい。
陛下と一緒に寝るのが…嫌な訳はない。
こういう関係になって、陛下と一緒に寝るのは珍しくはなくなった。
何と言っても、いつの間にか布団の中に陛下が居る時もあるし。
もちろん、今回のようにちゃんと私の意思を確認するのがほとんどだ。

「―――…嫌ではないです。」
「なら、良かった。――それに、一緒の方が温かいしね。」

「ね?」と言って、陛下は片腕を持ち上げる。
それは、そこに来て、という意味だろうか。
思いあぐねていると、陛下の方から近づいてきて、私を包み込んだ。

「―――まだ慣れないね。」
「…だって……慣れませんよ……」

自分から陛下の腕に飛び込むのは、未だ慣れない。
いつも陛下が先に抱きついて来る、というのもあるが、夕鈴自身甘える事に慣れていないのだ。
どうやって行動すればいいのか、いつも悩む。
そして、固まってしまう。
そんな私の心境を分かっている陛下は、私の頭を撫でながら優しく言う。

「まあ急ぐ事はないよ。ゆっくり、夕鈴のペースで甘えてくれれば、僕はそれが嬉しい。」
「陛下……」

あやすように背中も撫でてくるから、いつしか夕鈴は瞼が重くなっていた。
眠りに落ちる直前

「お休み…お嫁さん。」

という、陛下の優しい声が耳に届いた。

―――――――――――――――――――――

リク内容は

『どんな設定でもいいです。少し肌寒くなってきた時、夕鈴の可愛いしぐさに、萌える陛下。』

でしたー!
やっぱり寒い時は温かい温もりが良いですよね~←
最初は恋人じゃない設定で書こうと思ったのですが、どうも夕鈴が

「そんなの無理っ!」

と拒否ったので、恋人設定にしました~♪
皆様温まりましたかね?←
そして陛下の心境を書けなかったので、おまけで書きました。



おまけ↓

もぞ…

夕鈴を腕に抱きながら眠っていた黎翔は、胸元で動く気配に目が覚める。
何だろう?と思いながらそこを見る。

「ん――――…寒い…」

顔が冷たくなってきたのか、夕鈴が自分の胸元に擦り寄って来た感触だった。
襟を掴み、夕鈴は顔を埋める。
その光景に、黎翔は溜息を吐く。

「はぁ…君は時々酷なことをするよね…」

夕鈴を暖めるように背中を撫でながら、黎翔は呟く。
恋人同士になったとはいえ、夕鈴は未だ恋愛方面に免疫が無い。
そんな夕鈴を急かしたくなくて、黎翔は色々我慢していることもある。
口付けは…我慢できなかったが。
こうして一緒に添い寝するだけでも、色々抑えなければならない。
でも、夕鈴の寝顔を見ていると、自然と気持ちが落ち着いて来るから不思議だ。

「君が、僕と同じ所まで来るのは……いつかな。」

きっとまだまだ時間がかかるだろう。
それでも、夕鈴が追い付いて来るのを待つつもりだ。
今はまだ慣れない事でも。
いつかはきっと――――――…

黎翔はそう思い、再び夕鈴を抱き締めながら心地よい眠りに就いた―――

―――――――――――――――

原作設定沿いから恋人設定に移行した場合の陛下は、基本的に「待て」が出来ると信じています($・・)/~~~
…え?
そんなの有り得ない?

いやいや、皆様原作の陛下は『鉄壁の理性の持ち主』と仰ってるじゃあありませんか(笑)
…私には、そもそも陛下が理性と戦っているのか読み取りにくいのですがね。

というわけで(何が)。
恋人設定陛下は「待て」の陛下←

ガンバ!!!←

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*Comment

NoTitle 

ほほほ・・・
鉄壁の理性が崩れるのも時間の問題←

いつまでもちますかね~
一緒の寝台で、無自覚なうさぎさんに煽られ・・・憐れ陛下。
頑張るしかないぞ(笑)
  • posted by ママ 
  • URL 
  • 2013.12/02 14:47分 
  • [Edit]

ママ様へ 

きっとそう簡単には崩れないんですよ>鉄壁の理性

いつまでも勝手に煽られるよ良い…←鬼
不憫陛下万歳!\(^o^)/←
  • posted by さき 
  • URL 
  • 2013.12/02 16:48分 
  • [Edit]

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