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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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浦島物語―夕鈴―②

続きです♪

助けた亀に、海に引き摺り込まれた夕鈴は―――?

―――――――――――――――――――――

【浦島太郎パロディ】
【捏造】


「――――ここ、どこ?」

亀に海に引きずり込まれた夕鈴は、気絶したのか途中から意識が無かった。
目が覚めると何かの寝台の上。ふかふかして気持ちいい…じゃなくて!
何っ!?ここ、どこよっ!
えーっと…何があったんだっけ…?
そうだ、いじめっ子たちに亀がいじめられていて、それを助けて、その亀が喋って、お礼されて、海に引きずり込まれたんだったわ!
な~んだ、そうかそうか。じゃあ、ここは海の中?

「―――わ、私っ、死んじゃったのっ?!」

その答えに到達した夕鈴は、混乱の極みに達した。

「わーーーんっ!まだ若いのに!あ、青慎に昼食作ってない!商品も高く売りつけてないっ!やり残したことがいっぱいあるのにーーーっ!」
「―――やかましい娘じゃの…。」

そこで入口…らしき所から、先ほどの亀が姿を現した。

「―――あっ!さっきの!ちょっとっ!よくも私を殺してくれたわね!この恨みは、末代まで祟ってやるんだからーーーっ!」
「元気そうじゃの。気絶したからどうしたのかと思ったわい。…ん?恨み?何かあったのかね?」
「何かあったじゃないわよ!あんたが…―――え?気絶?私死んだんじゃないの?」
「何を聞いとったのか…わしと一緒なら海では息が出来ると申したのに…。海に入った途端気絶するから、何じゃと思って、すぐに竜宮城へ運んだんじゃ。」
「りゅうぐうじょう…?え?!じゃあ、ここってもしかして…。」
「無論、ここが竜宮城じゃ。」
「えええええーーーーーーーっっ!!!」
「やかましいわいっ。静かにせんか。ここは乙姫様のおわす、神聖な海の城、竜宮じゃぞ。本来はお主のような人間ごときが入れる場所じゃないんじゃ。」
「…じゃあ、何で亀さんは私を連れて来たの…?」

胡乱な顔で亀を見る。
この亀はさっきから偉そうだ。「人間ごとき」とも言ってるし。
その割には、私を強引に海に引きずり込んだり…訳が分からない。

「それはじゃの、ちょっとお主を試させて貰ったのじゃ。その結果、合格したのでここに連れて来たのじゃ。」
「…試す?結果?…合格?何それ。話が全く見えないんですけど。」
「それは私が説明いたしましょう。」

また別方向から声がした。
するとそこに現れたのは―――まるで天女の様に、綺麗な女の人だった。

「ごめんなさいね、突然のことで驚かれたでしょう?亀はいつも説明不足な上、強引なんだから。」
「乙姫様!何もあなた様御自らがお出ましにならなくても…!」
「乙姫様?」

ここで夕鈴はその女の人をまじまじと見つめる。
纏め上げられた黒髪は、つやつやと光沢があり、項にかかる後れ毛は、妙に色気を感じさせる。
肌は抜けるように白く、それでいて柔らかそうなそれは、女の私でも触ってみたいほどだ。
薄物を何枚も重ね、ひらひらと舞うように歩みを進めるその姿は、美しい金魚が躍っているように煌びやかだ。
そのまさに「天女」という名にふさわしい美姫は、寝台の上にいる夕鈴の元へと歩みを進め、目の前に来るとふわりと笑顔を見せる。

「初めまして。私はこの竜宮城の主。乙姫というものですわ。本当の名前は別にあるのですけれど、皆がこう呼ぶので、貴女様もどうかそうお呼び下さいませ。」
「…あ、あの…夕鈴です。宜しくお願いします…。」

恥じらうように挨拶をした夕鈴を、可愛いものでも発見したような顔をした乙姫は、これまたふわりと夕鈴の隣に腰かけた。

「竜宮に来られた時、気絶されていたので驚きましたわ。亀がまたもや何かやらかしたのかと。」
「はぁ…強引に海に引きずり込まれたくらいです…。」
「まぁ!強引に。それは大変でしたでしょう。亀には後できっちりと言い含めますので、ご容赦くださいませ。」
「姫様!私は恩返しをしようと…!」
「ちょっと!あれのどこが恩返しよ!まさに『恩を仇で返す』じゃないの!」
「何と、この娘…っ!」
「これおよしなさいな、張。お前の役目はこの方をここにお連れすることでしょうに。もうお下がりなさいな。」
「え…?」
「…分かりましたですじゃ。では、何かありましたら、お申し付けください。」
「ええ。」
「―――あの?」
「何でしょう?」

そうにっこりと笑顔を見せる乙姫様は、無邪気そうで何の悪気も無さそうだ。
…無さそうなのだが。

「あの、さっき『ここに連れてくるのが役目』とおっしゃっておいででしたが…あの亀さんは、偶々通りかかった私に…お、恩…オンガエシをしたのではないのですか?」
「ああ、それももちろんありましたけど…。亀は、試したと申しておりませんでしたか?」
「あ…そういえば、言っていたような…。」
「ふふふ。実はですね…私、いつもあなたの事を見ていたのですよ?」
「ええっ!?な、それはいつ?!」
「うふふ。毎日海に潜っておいででしょう?その姿をいつも見ていたのですわ。」
「―――ええっ!!?」
「探し物を見つけた時の、あのはち切れんばかりの可憐な笑顔。人間が海でするお仕事は、男の人が主流だと聞いていたのに、こんなにも可愛らしい子が潜って来ていたので、会って話がしたいと思ったのですわ。」
「―――はぁ…」

ただ獲物をゲットしようと必死だっただけですが。
まだ小さい弟の為にも稼がなきゃいけないし、父さんは当てにならないしで、私が一家を支えているようなものだ。
獲物が見つかった時の喜びは、それはもう大きい。

「でも、周りの者が、『人間をこの竜宮に入れるなど!なりません!』と猛反対するものですから…亀を使って、少し試させてもらったの。ここに入れても良い人間かどうか。」
「…えーっと、ちなみに、その基準は…?」
「いじめられている亀を助けるかどうかですわ。」
「軽っ!え?!そんなんで良いんですか?」
「ええ、それで皆納得しましたわ。それでここに連れてくるように指示したのですが…。あまり良い方法ではなかったようですわね…。ごめんなさいね。」
「いえっ!乙姫様のせいではありませんから!お気になさらず!」

いや、厳密にいえばこのお姫様のせいだとは思うのだが。
こんなに悲しそうな顔で謝られたら、それ以上怒れないではないか。

「本当ですか?―――良かった。嫌われたらどうしようかと、悩んでおりましたの。夕鈴様、暫くここに居て下さいませんか?」
「え…でも、弟が…」
「―――ダメですか?」

その時、夕鈴は胸を撃たれたような衝撃が走った。
ダメですか?と問う乙姫様の顔を見ると、酷い罪悪感に苛まされ、悪い事をしているような気になってきた。
そして、上目遣いで手を握られ、うるうると頼まれると―――

「いや…いえ、ダメじゃないです…。」

ぼんっと顔を赤くした夕鈴は、知らずそう答えていた。


**********************

「―――これは夢じゃないかしら。誰か、夢と言って…。」

連日連夜開かれる宴。
踊る魚たち。音楽を奏でる蟹やイソギンチャク。
酒は苦手なので、飲み物は果実水なのだが…そもそもどこから採って来るのか。
突っ込みたいことは山々だが、少し慣れたのも事実。
それよりも―――

「あの、そろそろお暇しようかと…。」
「ええっ!そんなっ!まだまだここに居て下さいませ!」
「え…でも…。」
「夕鈴様は、私の事がお嫌いですか…?」
「いえ、紅珠、別にあなたのことが嫌いなわけでは…」

紅珠と呼ばれたこの少女は、乙姫様の妹に当たる人物で、あの後すぐに紹介された。
この子も、私の事を毎日観察していたようで、会える日を指折り楽しみにしていたのだとか。
上目遣いで頼みごとをするところは、姉妹そっくりだ。
その顔で言われると、断れない。
でも、さすがにそろそろ帰った方が良いだろう。

「あのですね。私、お仕事を終えたところでこちらに来たので…もう三日も弟と会っていません。その間、稼ぐ人が居ないんです。だから、早く帰らないと父も弟もひもじい思いをするんです。」
「あら、でしたら大丈夫ですわ。この竜宮とあちらの世界は時間の立ち方が違いますもの。」
「でもですね…。」

こんな贅沢に慣れたいとは思わない。
毎日何回も着替えさせられて、宴を催されて、美女に囲まれて寝るだなんて…
現実に早く戻りたい。
夢なら覚めてほしい。

「さ、このお料理はもう食べましたか?」
「あ、いえ…。」
「夕鈴様。まだまだ着せてない、最新の衣服がございますの。この宴が終わったら、ぜひ着て下さいますか?」
「あの…瑠霞姫…お気持ちはありがたいのですが…今夜は早く休みたいと…というか早く帰りたいのですが。」
「まあ、ご気分でもお悪いので?いけませんわ。―――これ、何か胃がすっきりする食べ物を持って来なさい。」
「あ…大丈夫です。胃は丈夫なので。」
「まあ、そうですか?では宴はこのくらいにして、私のお部屋に参りましょう。」
「え…あの…。」
「お姉さま。私の方が先約ですわ。今日は色々な髪飾りを試そうと…」
「それは昼間にやっていたでしょう?今夜は私に譲りなさいな。」
「ですけど…」
「いや、あの、私は休みたいのですが…」

夕鈴をめぐって紅珠と、乙姫こと瑠霞姫が言い争いを始めた。

―――――その時


「――――夕鈴!ここか!」

宴の会場に、鋭い声が響き渡った。

――――――――――――――――――

最初の構想にあった、乙姫が登場(  ̄▽ ̄)

乙姫と言えば、この人(決めつけ)←

だって妖艶な女の人って、今のところこの人くらいしか…←


へ続く

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