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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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浦島物語―夕鈴―③

続き♪

竜宮城へ連れて来られた夕鈴。
乙姫との宴中、現れたのは―――?

―――――――――――――――――――――

【浦島太郎パロディ】
【捏造】


「―――え?黎翔さん?」

そこに突然現れた青年は、部屋の扉を開けると、夕鈴の方へと歩みを進める。
彼の名は黎翔。
夕鈴の村の隣にある大きな町の若い町長で、その冷酷非情とも呼ばれる統治にみんなから「狼町長」と呼ばれている。
その町長と夕鈴が、何故知り合いなのかというと、彼はここ一ヶ月、毎日夕鈴の家に求婚しに来るのだ。
その理由は未だに知らない。
一ヶ月前に突然我が家に来たかと思ったら、突然「夕鈴。君を迎えに来た。さあ、僕と結婚しよう」だ。
訳が分からない。
それから毎日花や服などの贈りものをするので「そんなもの頂けません!持って帰って下さい!」と断ったのだが「じゃあ、結婚してくれるの?」とか訳の分からない返しをされた。
結婚なんて、青慎が独り立ちするまでは考えられないと断っても「家族ごと面倒を見るから」と言われてしまった。
もちろん、そんな迷惑を掛ける事は出来ないのでお断り申し上げたのだが、それにもめげず毎日やって来る。

…とまあ、そんな関係だ。
ある意味、無関係と言ったら無関係だ。
…というか、彼が何故ここに。

そんな怪訝そうな夕鈴とは正反対に、夕鈴を見つけた黎翔は嬉しそうな顔で足を進める。

「夕鈴、やっと見つけた。さあ帰ろう。弟君も心配してるよ。」
「―――!青慎がっ!?」
「ああ、突然消えた君を物凄く心配している。早く僕と一緒に帰ろう。」
「え、ええ…。」

その時、夕鈴の両隣りにいた瑠霞姫と紅珠が、黎翔と夕鈴の前に立ちはだかった。

「―――何の真似だ?」
「これはこれは、人間の男性ですわね。よくお聞きしますわ。人間の男性は野蛮だとか。そのような方に、夕鈴様はお渡し出来ませんわ。」
「夕鈴はお前たちのものではない。私のものだ。」
「ちょっ!私はあなたのものになった覚えはありませんっ!」
「―――とおっしゃっているようですが?」
「すぐに私のものになる。」
「なりませんったら!勝手に話を進めないでください。」
「まあ、男性と言う生き物は、女性の意見も聞かずに話を進めるのですね。そんな野蛮な方の元になんか、夕鈴様はお返ししませんわ。」
「―――え、あの…男の人がみんなそういうわけじゃ…。」
「お姉さま。この男にはお帰り頂きましょう。」
「そうね。」
「私の話は無視ですかっ?」

瑠霞姫が手をぱんっと響かせると、どこに居たのか突然槍や剣を持った兵隊のような魚類、魚介類などがうようよ出てきた。
兵隊たちはすぐに黎翔を囲み、臨戦態勢をとる。

「これ、亀。」
「はい。姫様。」
「夕鈴様を安全な場所へ。」
「了解ですじゃ。」
「え…あの。」
「大丈夫ですわ、夕鈴様。ご安心ください。野蛮な男は、すぐに私共が退治いたしますので。」
「え?!あの、何もそこまで…。」
「元々、ここには人間は…特に男は入れないようにしているはずですのに…あの男、どうやってここに入ったのかしら。」
「え?」

男は入れないように、とか、じゃあ黎翔さんはどうやって入ってきたのかとか、色々疑問は出てきたが、今は聞ける様子じゃない。

「さ、行くぞ。」
「あ、亀さん…でも。」
「ほれ、何をしておるか。乙姫様のお手を煩わせるでないわ。」
「…本当にいちいちむかつく言い方をする亀ね…。」

それでも、手を引かれて夕鈴は奥の部屋へと導かれる。
そこには、夕鈴が初めて竜宮城で目を覚ました時の寝台があった。
亀が入口を塞ぐ。

「――ふぅ…ここなら大丈夫じゃて。部屋には結界を施しておるでな。人間はここには入れん。」
「え?私は入れたわよね?」
「お主は特別じゃ。結界に反応しないように作っておる。結界は乙姫様の得意技じゃて。それくらいは可能じゃ。」
「…何でそこまでするの?」
「お主を奪われたくないんじゃろう。乙姫様は、いつかこの日が来る事を考えておいでだった。」
「―――ここに来て、まだ三日しか経ってないんだけど。いつかも何も…。」

三日しか経ってないのに、いつかこの日が…とか言われても。
大袈裟じゃなかろうか。
そんなことを考えていると、部屋の扉がバーーーンッと開かれた。
夕鈴と亀は、揃って振り返る。

「―――!!!な、何?!」
「何じゃ!」
「―――夕鈴、ここに居たか。さあ、帰ろう。」
「お主!どうやってここに入った!結界があったであろう!」
「結界?ああ、そういえば浩大がそんな事言っていたな。私には効かん。」
「何じゃと?!」
「神仏の有難いお守りを持っている。私に害をなすようなものは、一切効力を発揮しない。」
「神仏…」

神仏を信仰するような人だったっけ?
むしろ「そのようなものに頼るより、実力が物を言う」とのたまうような人だったような…?
…???

実は、浩大が結界石を見つけてぶっ壊したのだが、それを知らない夕鈴は頭の中が疑問符でいっぱいだ。
すると、突然夕鈴を影が覆った。

「―――え?」
「夕鈴。邪魔者は片付いたよ。さあ、一緒に帰ろう。」
「え…?え!?ちょ、何で?!亀さんは?」

影がかかった、と思ったらいきなりふわりと体が浮き上がった。
いつの間にか黎翔が近づいていて、抱き上げられたのである。
慌てて亀の方へ視線をやれば――――

「ああ!亀さんが縛られてッ!しかも、あれは…亀甲縛り?!亀なのに!?」
「夕鈴…この期に及んで僕ではなく他の者を見るとは…。お仕置きされたいのかな?」
「何でそうなるのっ?!というかっ、降ろして下さい!はっ!他の人は?兵隊さんは?瑠霞姫様と紅珠はどうしたの?!」
「兵隊は一網打尽にしたよ。網を持っていたからね。すぐに網にかかったよ。」
「ああ!お魚だからっ!」
「乙姫ともう一人は、ふっ飛ばしたら気絶した。これで邪魔者はいない。」
「ちょ、女の人に何て事するんですかっ!!」
「知らない。僕から夕鈴を奪おうとしたんだ。あれは当然の報いだね。」
「だから!私はあなたのものではないと…!私はあなたとは帰りません!ここに居ます!皆さんの手当てをしないと…っきゃ!」

抱き上げられた夕鈴は、黎翔の腕の上で暴れた。
竜宮のみんなは、夕鈴にとても良くしてくれて好意を持っていただけに、黎翔の仕打ちはあんまりだと思った。
それに自分のもののように夕鈴を扱う黎翔に、我慢の限界が来たのだが、そうして暴れてると、乱暴に寝台に放り投げられた。
すぐに黎翔が覆い被さって来る。

「な、な、な」
「―――積極的だね、夕鈴。寝台のある部屋で『帰らない。ここに居る』と言うとは。」
「なっ!そんな意味じゃありません!」
「じゃあどういう意味?」

そう言いながら、黎翔は顔を近づけてくる。
両腕で夕鈴の肩を押さえているので、夕鈴は動けない。
逃げ場を失った夕鈴はパニックになった。

「―――ぬぁ!?ちょっと、止めて!近づかないでよ!」
「夕鈴が僕と一緒に帰るって言ってくれたら、止めてあげるよ。」
「でも…!みんなの手当てをしないと…!」
「じゃあ、その頼みは聞けないな。」

そう言ってなお近づいて来る。
もう、相手の吐息が感じられるほどの距離で、夕鈴は押し返そうとするも、押し倒されている状況なので力が入らない。
慌てて首を捻るも、顎を掴まれて戻された。
唇が触れそうなほど近づいた時――――

「―――っっ!わ、分かりました!帰ります!帰りますから、離れて~~~っ!!!」
「―――うんっ!良かった。帰って来てくれるんだね♪」
「はいっ!黎翔さんと一緒に帰りますから、とにかく離れて!」
「分かったよ。」

やっと離れてくれた。
あまりにも近い距離のせいで、夕鈴の心臓は爆発寸前である。
いや、小規模爆発くらいは起こしたかもしれない。
寝台の上で息を整えていると、またもや扉がばんっと開いた。


―――――――――――――――――――――

亀なだけに、亀甲縛り(笑)

亀に亀甲縛りしたら…――どうなるんだろう(・・?

うちに亀が一匹いますが…流石にそんな酷いことはできない←

黎翔さんは鬼ですな(-_-;)

帰らない、と言う夕鈴に対し、自分に都合良く解釈する黎翔さん。

こんな人現実に居たら、確実にぶっ飛ばします。

ええ。月まで←


へ続く

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