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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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浦島物語―黎翔―②

続きです♪

助けた亀に案内され、海に入った黎翔。
そこに待ちうけていたのは―――?

――――――――――――――――――――――――

【浦島パロディ】
【捏造】


「―――すごいな。」
「だろ?」

そこは一面の海。
いや、海の中を泳いできたのだから当たり前なのだが。
竜宮城の言い伝えでは、絵にも描けない美しさ、とあるが、まさにそれだ。
普段、一般庶民よりは格が上の贅沢を知っている黎翔でも、溜飲が下がるほどの豪華さだ。
これが竜宮。
言い伝えは本当だった。

「さ、中に入ろうぜ。乙姫様が待ってるんだ。―――綺麗だぜー?きっと兄ちゃん、驚くと思うな~。」
「―――乙姫?」

それも本当なのか。
噂の乙姫は、天女の様に綺麗で、この世の贅を尽くした金銀宝珠に囲まれて暮らしていると聞く。
どのような人物…と言っていいのか分からないが、興味はあった。
会ってみるのも、一興か。

亀に促され、竜宮城へと入る。
入口の門。そこから繋がる廊下。廊下に飾られている壺や絵。天井に至るまで、贅の限りを尽くした一級ものだ。
目の肥えた黎翔には分かる。

「ここだぜ。乙姫様は、この向こうに居る。」

歩きながらそう考えていると、亀が言った。
この扉の向こう―――恐らく謁見の間の様な所に、乙姫は居るのだろう。
俄かに緊張感を持ちながら、亀が開ける扉を見つめる。
するとそこには―――

「ようこそ我が竜宮へ。」

結い上げられた栗毛の髪の毛は、絹のように細い。
纏っている衣装は、竜宮の主に相応しい布と意匠が使われている。
それよりも黎翔が目を奪われるものがあった。
―――何より。
花の咲き誇るような可憐な笑顔。
鈴を転がすような、耳に心地よい透き通るような声。
指の先まで洗練された、優雅な動作。
全てが、黎翔の目に焼きつくものであった。

「この度は亀が助けて頂いたようで…竜宮の代表として、御礼を申し上げます。私は乙姫。この竜宮城を統べる主でございます。―――あなた様のお名前は?」
「―――黎翔。」
「黎翔様、ですね。亀を助けて頂いた事、重ねて御礼申し上げます。どうも有難うございました。」

団扇を手に持ち、それを口にあてながら乙姫は微笑む。
その笑顔に、黎翔の胸の内にある何かが打たれた。

「今夜はあなた様の歓迎の宴を開きたいと思います。是非、お楽しみ下さいませ。」
「―――ご厚意、有難く受け取りたく存じます。」

黎翔は膝を付き、拱手をしながら礼を述べた。


********************

「―――な?言った通りだっただろ?」
「―――ああ。」

言葉が出ないくらい、綺麗だった。
美人…というよりは、可憐な姫君か。
普段は女に頓着しない黎翔も、あの笑顔は美しい、綺麗だと思った。

「そうだ。俺は浩大って言うんだ。兄ちゃんがここに居るうちは、俺が竜宮を案内するから、宜しくな!」
「浩大か…。分かった。」
「さっそくだけど、何か分からない事あったら聞いてくれ。」
「…いや、特には無い。―――いや、一つだけあった。」
「ほいほーい。何?」
「―――乙姫は、誰か意中の男がいるのか?」
「――――っぶはっっ!!!」

亀が噴き出す。
笑いでもなく意外だからでもなく…純粋に驚いたからだ。

「―――はぁ?!兄ちゃん、何言っちゃってんの?!!―――冗談?」
「私は本気だ。」
「―――」
「それで、居るのか居ないのか、どっちなのだ?」

亀は返答に困った。
この人間の男は何を言っているのかと。
乙姫は、どんなに綺麗に見えても人間ではない。
その意中の男が気になるという、この兄ちゃん。
…何を考えているのか。いや、考えて無いのか。
―――でも。
亀は考える。
―――乙姫様にも一癖あり、だ。
あの乙姫様は、縁談が来ても全て撥ね付ける。
頑固一徹、を地で行くようなお方だ。
何かを考える機会になるかもしれない。
何より面白そうだ。
そう、亀は思った。

「―――居ない、と言ったら?兄ちゃんどうすんだ?」
「―――」

黙り込む黎翔。
まだ頭の整理が付いていないらしい。
一つ揺さぶってみるか。

「―――もし俺が、乙姫様のお部屋まで案内してやる、って言ったらどうする?」
「―――考えておこう。」

お?
これにはノったか。
兄ちゃんも男ってことだな。
どうなるのか楽しみだ。


****************

「―――お姉さま。人間の男を招き入れたとは本当ですの?」
「ええ、本当よ。亀を助けてくれたんだもの。それくらい当然のことよ。」
「ですが…。」
「…困ったわね…。紅珠、貴女は何を心配しているの?」

心配性な私の妹は、どうやら人間の男性を竜宮に入れたことに不満を持っているようだ。
私とは全く似ていない、黒い髪に黒い瞳。
どちらも艶めいていて、紅珠の方が乙姫の名に相応しいと、私は今でも思う。

「私は、お姉さまが拐かされないか心配なのですわっ!」
「拐か…」

妹の見当違いの心配に、私は苦笑いする。
心配しなくても、私を攫おうとする男性などこの世にはいない。
いや…乙姫の名を「より相応しいものに」と奪おうとする輩は、私を攫って謀殺するかもしれないが。
紅珠のような理由での誘拐はありえない。
いつもお母様や紅珠、亀…浩大は「可愛い」だの「綺麗」だの言ってくれるが、身内の欲目が入っているのだろう。
従って、取り越し苦労である。

「紅珠、心配しなくても私は大丈夫よ。あの人間の男性は見るからに誠実そうだったし、この竜宮に滞在するのだって、そう長くはないわ。紅珠の言うような事態は起こらないわよ。」
「お姉さまは楽観視しすぎです…!」

何故いつも伝わらないのか。
紅珠は歯噛みする。
この姉は、いつも自分を卑下する。
お母様や私や忠臣たちが誉めそやしても、苦笑いをして「有難う」で終わってしまう。
乙姫の名を継いだのだって、近しい忠臣の声が届いて、お母様がそれを聞き届けて指名したのに、「姉だから」という理由でなったと思っている。
姉だから、長子だからという理由でなれるほど、この世界は甘くないのに。
それを、お姉さまが一番良く分かっていると思うのに。
それに…
お姉さまは本当に綺麗なのだ。
身内の欲目を差し引いても。
宴の度に皆が目を奪われるのに、鈍いお姉さまは気付かない。
放心してお姉さまに目を奪われている臣下を見て「わ、私にはやっぱり似合わないのかしら…」と慌て始める始末。
縁談が山ほど来ても「今は忙しいので」と突っぱねてしまう。
―――誰か、お姉さまが恋をするような素敵な方はいらっしゃらないのかしら。
最近の紅珠は、専らそのことが頭を占めていた。



――――――――――――――――――――――――

…え( ̄∇ ̄;)?
一目惚れっすか?黎翔さん(笑)

そして後半でめっちゃ怪しい動きをしておる…(おい
誰か、制御装置を付けて下さいませ(笑)

夕鈴もな~…自信が無さ過ぎですな(;一_一)コマッタモンダゼ。
きっと紅珠が何とかして…くれるかなぁ…(不安)


に続く

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*Comment

NoTitle 

次に行ってくる!
  • posted by ママ 
  • URL 
  • 2013.12/05 15:57分 
  • [Edit]

ママ様へ 

行ってらっしゃいませ~(@^^)/~~~
  • posted by さき 
  • URL 
  • 2013.12/05 18:17分 
  • [Edit]

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「狼陛下の花嫁」の二次小説を書いています。
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