FC2ブログ

雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

浦島物語―黎翔―③

続き♪

乙姫に一目見て気になった黎翔。
そんな中、黎翔の歓迎の宴が開かれ―――

――――――――――――――――――――――――

【浦島パロディ】
【捏造】


「―――お招きいただき、有難うございます。」
「いいえ。黎翔様も、どうかごゆるりとお楽しみ下さいませ。」

宴開始の合図がされる。
黎翔は乙姫に挨拶をした後、席に連れられる。
そこには、きっと国の王族でさえ普段は口に出来ない食べ物が溢れていた。
それを口に入れ、味わいながらも黎翔は乙姫を見ていた。
今の乙姫は、先ほど謁見した時とは違い、柔らかい色合いの衣を纏っている。
豪華絢爛な竜宮の主としての威厳は薄くなり、そこには可憐な姫君が居た。
乙姫は音一つたてない優雅な所作で料理を口に運び、ゆっくりと噛み締めた後また次へと箸を付ける。
給仕をする鯛や平目、蟹なども、その動きに目を奪われている。
宴に参加している、人型の男たちもそれに目を奪われている。

―――気に入らないな。

何がって、男どもの視線がだ。
あの舐めつけるような視線…良からぬ事を考えているのは一目瞭然だ。
顔を覚えておくか。
黎翔は心に決めた。独占欲が丸出しである。



「―――これで宴を終わります。黎翔様、本日はお部屋でごゆっくりお過ごしください。」

そう言って乙姫は去って行ってしまう。
魚たちや人型の男どもの名残惜しい気配には見向きもしない。
分かっていて突っぱねている雰囲気は感じられない。
…気付いてないのか、あの視線に。

亀に連れられて、部屋へと戻る黎翔。
この部屋も、客人用に誂えられ、とても豪奢な雰囲気を出している。
寝台に腰かけ、天井を見ながら黎翔が息を吐いた。

「―――で、兄ちゃん。どうすんだ?」
「―――浩大か。」

亀が話しかけてきた。
どうする、とは宴が始まる前に言っていた件だろう。
乙姫の部屋へ案内するか否か。
私はまだ考えていた。

宴での乙姫の様子は、まさに天女もかくや、といったものだった。
あれでは、いつ余計な虫が付くか分からない。
いや、ここは海の中。
余計な魚、と言った方が合っているか。
―――ともかく。
あの男どもの視線。気に入らない。
先を越されるより―――

「浩大。案内しろ。」
「へーい。りょーかーい。」

浩大は軽く返事をした。
頑なな乙姫も、外界の男に褒められれば少しは見方も変わるだろう。
そう思って。
しかし…この兄ちゃん、陸に居た時と雰囲気変わって無いか?
確か…もうちょいほんわかした…小犬のような印象を抱いた兄ちゃんだった。
今は…どう見ても、獲物を狙い定める狼のような目をしている。

―――乙姫様は、恋愛方面からっきしの草食系なんだけどな~…

乙姫の部屋へと黎翔を案内しながら浩大は「早まったか」と俄かに後悔し始めた。


**********************

「―――ふぅ…。やっぱり宴って疲れるわね…。」

今日の宴は紅珠が居なかった分、私が接待をしっかりしなければ、と意気込んでいた。
いつもは紅珠が居て、そちらに注目が集まる(と思っている)ので、自分が接待していても視線は気にならなかったのだが、今日は一人で接待だったので、自然と視線が集まった。
肩が凝っている気がする…。
―――やっぱり、乙姫なんて職業、私には合っていないのかな…。
お母様には「お前が乙姫の名を継がないで、誰が継ぐの」と言われ「紅珠がいます」と言ったら「あの子は若いし未熟だわ。あなたになら、この竜宮を任せられるもの。」と押し切られた。
あの母は乙姫の頃から押しが強い。
時々迷い込んできた魚やタコなど、使えそうなものが居たら、押して押して押しまくれとばかりに勧誘し、忠臣に据えてしまうほどだ。
あの亀も…お母様が勧誘してここに留めた一匹だ。
少しばかり軽いのが難点だが、仕事には忠実で抜かりない。
乙姫の名を継いだ自分にも、これまでの態度を変えることなく対等に話しかけてくれる。(ふてぶてしいとも言うが)

「―――はぁ…」

溜息がまた零れる。
最近、疲れる出来事が多い。
乙姫になってから、ひっきりなしに縁談が来る。
私がまだ「乙姫候補」だった時には見向きもしなかった男性が、手のひらを返すように愛を囁くのは、見ていても聞いていても気味が悪い。

「―――はぁ…」

溜息が止まらない。
幸せが逃げる、とはよく言ったものだが、そんなものはきっと遠くの彼方へと行ったのだろう。
私が乙姫候補になった時点で。

「…別に、乙姫になりたくなかったわけじゃないんだけどね…。」

それでも、自分には重圧がかかる。
毎日感じる、臣下の視線。
飛び交う思惑。囁かれる欲望。
そのどれも、自分を疲れさせるものでしかなかった。

「―――はぁ…」

何度目かの溜息を零した時

「―――姫は何を憂いておいでか?」

部屋の入口から声がした。



―――――――――――――――――――――

すでに独占欲丸出し黎翔さん(笑)
目をつけたら一直線ですか、そうですか…
もう私には手が付けられないので、勝手にして下さいよ←


へ続く

スポンサーサイト

*Comment

NoTitle 

そうですね。
勝手にしてください。って勝手にさせちゃったら・・・・バクっ。
だよね?(´Д`;)

  • posted by ママ 
  • URL 
  • 2013.12/05 16:02分 
  • [Edit]

ママ様へ 

そうなんですよ。
そこが黎翔さんの面倒なとこr(自粛

まあ、させませんけどね(笑)
  • posted by さき 
  • URL 
  • 2013.12/05 18:18分 
  • [Edit]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

さき

Author:さき
さきと申します。
「狼陛下の花嫁」の二次小説を書いています。
楽しんでいただけたらと思います。

四季の風景時計

訪問者数

現在の訪問者数

現在の閲覧者数:

最新記事

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

右サイドメニュー

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。