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2013.12/05 [Thu]
浦島物語―黎翔―⑤
続き&最後です♪
乙姫の部屋に侵入した黎翔。
そこで黎翔は、乙姫にとんでもない提案を―――?!
――――――――――――――――――――――――
【浦島パロディ】
【捏造】
耳元で囁かれたにも関わらず、私は間抜けな声を出した。
―――…一緒に行く?誰と誰が?
私とこの人が?!
何でっ!?有り得ない!
だって私は乙姫で、この人は人間。
住む世界が違い過ぎる。
―――いや、それ以前に。
私はこの人の事を何も知らないし、どうも思っていない。
というか、この人も私の事を何も知らないはずではないか。
なのに何故こんなことを言うのか分からない。
「初めてあなたを見た時、心が揺さぶられた。」
「―――はぁ…」
「これまで女性にこんなにも心動かされた事は無い。あなたが初めてなんだ。―――だから、夕鈴。私と共に生きてほしい。」
「はぁ…―――は?」
共に生きる?
それって…―――ええっ?!
それって求婚っ!?
最近多いわね…じゃなくて!
私とこの人は初対面でしょっ?!なのに何で?!
「わ、わ、私は乙姫ですっ!」
「知っている。」
「こ、この竜宮の主なんですっ!」
「それも知ってる。」
「こ、ここを出るわけには参りませんっ!ですので、お断りさせて貰います!!!」
乙姫は竜宮城から出ることは出来ない。
一生をここで過ごす。
ここで伴侶を決め、代々子孫へとこの竜宮を受け継ぐのだ。
その乙姫が人間とどこかへ行くなどとは―――到底あり得ない。
「―――夕鈴は、僕が嫌い?」
「―――え?」
「僕の事、好きになれない?」
いや、嫌いとか好きとかの以前に、あなたの事知りませんからっ!
住む世界が違う、初対面だという事を差し引いても、私はまだ結婚しませんからっ!
それに、さっきからころころ雰囲気が変わって、夕鈴の頭は付いていかない。
色々考えることが多すぎて、夕鈴は頭も目もぐるぐるさせていた。
それでも何とか頭の中を整理し、必要な事を話し始める。
「あ、あの…好きとか嫌いとか以前にですね…私、あなたの事何も知りませんし…そもそも初対面ですし…。―――突然部屋に入って来て、名前を知りたいだの、共に来いだの…あなたのやっていることは滅茶苦茶です。そもそも、どうやってここの部屋に―――。」
そこまで言って、はた、と夕鈴は思った。
乙姫の部屋を知っていて…尚且つ、ここまでこの人を連れて来られそうな者と言えば…
――――浩大っ!後でお仕置きよっ!!!
ここには居ない、この件の共犯者に向かって夕鈴は心の中で叫んだ。
すると、百面相している夕鈴にくすりと笑いながら、黎翔は夕鈴の髪を一房持ち上げ、それに口付けた。
「―――突然来たことは…先ほども言ったが、改めて謝罪しよう。済まない。―――しかし、あなたを想う心を掻き立てられ、ここまで足を運んでしまった。許してほしい。確かに滅茶苦茶だと思われても仕方が無い。でも…言ったことは全て本心だ。」
髪に口付けながら、私に向かって真剣な眼差しを向けてくる、紅い瞳。
その瞳に吸い込まれそうな何かを感じ、私の心はドクンッと跳ねた。
顔が赤くなるのが自分でもわかる。
黎翔の視線を避けるように、首を横に向ける。
―――おかしい。私、おかしいわ。
今まで求婚してきた奴らには、こんな感じしなかったのに。
心臓が跳ねたり、顔が赤くなるようなことは無かったのに。
この人の言葉や行動に、どうしてこんなに感情が揺れるのだろう。
「あなたは―――夕鈴は、私の事を知らないと言ったな。確かにそうだ。―――――では、一緒に居れば私の事も知って貰えるということだな。」
「―――は?」
私は再び間抜けな声を出した。
普段だったら、夕鈴はそんな声や顔をしたら忠臣に舐められる、と気を付けているが、黎翔の前だと抜けてしまう。
そんなことには気づいていない夕鈴だが、今はそれを気に掛ける余裕はない。
―――一緒に居る?どういうこと?
だってこの人は人間で、この竜宮に招いたのは一時的で…
どう考えたって、この場限りの出会い。
もうすぐさよならする人間だ。
―――どういう…
「私がこの竜宮に居れば良い話だ。―――許可を貰えるか?」
その声は、問うている口調だが、有無を言わせない雰囲気を出している。
しかもその雰囲気のまま、黎翔は顔を近付けてくる。
その雰囲気にすっかり気押された夕鈴は、近づいて来る男の顔から少しでも離れようと、後ろに反っていく。
夕鈴の手は黎翔に掴まれたまま。
すなわち自然と―――夕鈴に、黎翔が覆い被さるような形になる。
その事に気づいた夕鈴が、慌てて黎翔の胸を押し退けようとする。
「ちょ、ちょっと…離れて下さい!」
「夕鈴…私がここに居ても良いよう…許可が欲しい。」
「だ、だから、それは…む、無理ですっ!いくらなんでも、人間を竜宮に滞在させるわけには…!」
「夕鈴…是と言ってくれ。」
聞いちゃいない。
押し退けようとする夕鈴の抵抗むなしく、体はどんどん後ろへ――寝台へと押されていく。
そのうち体勢に無理が来て「あっ!」と思った時には夕鈴の背は寝台に着いていた。
それに黎翔は表情を変えずに、夕鈴の顔の横に手を着く。
顔を真紅に染めた夕鈴は、ただただ茫然と見上げる。
それにくっと笑った黎翔は
「そんなに可愛い顔をして―――ね、夕鈴。『是』と言って。でないと…襲っちゃうよ?」
「―――っっ!!!」
その顔は今までの顔の何倍も妖艶で―――
言葉を失っていると、黎翔はにやりと笑い、夕鈴に近づく。
その髪が夕鈴の頬に着いた時―――限界が来た。
「――――っ…わっ、分かりましたっ!滞在を許可しますっ!許可しますからっ!」
「―――本当に?」
「ほ、本当ですっ、だからっ…!」
吐息がかかるような距離に、それ以上言葉が紡げない。
とりあえず夕鈴から望みの言葉を聞けた黎翔は、残念そうに笑いながら夕鈴から離れた。
そして最後に一言。
「―――決まりだね。これから宜しく。夕鈴。」
宜しくじゃないわよっ!
何でいつのまにこんな展開にっ!?
―――誰か教えてーーーーっ!!!
乙姫の尋常じゃない苦労は、これから始まろうとしていた。
――――――――――――――――――――――――
帰らない浦島(笑)
いや、帰れよ!と突っ込んだのは私ですwww
ちなみに、SNSのコメントでぼやいていた、狼が過ぎて手に負えなくなった黎翔さん(笑)↓
―――――――――――――――
いきなり押し倒された。
「―――むぐっ!…っ…む~~~~っっ!!」
「暴れるな。何もしない。―――ただ話がしたいだけだ。」
何もしないって…もうこれは駄目でしょうっ?!
押し倒された経験などこれっぽっちもない乙姫は、赤くなるよりも青ざめた。
口は手で塞がれ、男の重い体重を掛けられて拘束されている。
何をするのか分からない人間の男に、これ以上ない恐怖を感じていた。
「叫ばないで」と言う男の言葉に、とりあえず従った。
拒否を示すと、何をされるか分からない。
手を口から離し、叫ばない事を確認した黎翔は乙姫の上から離れ、寝台の上に腰かける。
人間の男の拘束からとりあえず解放された私は、ゆっくりと起き上がる。
「―――まず、突然部屋に来たことをお詫びする。すまない。でも、どうしてもあなたと話をしたかったんだ。」
「―――はぁ…。」
まだ緊張が抜けない私は、間の抜けた声しか出ない。
「―――乙姫。貴女の本当の名前を、私に教えては貰えないだろうか。」
「―――私の、名前?」
そんなもの知ってどうなるのだろうか。
どうせ、この一度限りの出会い。
再び会う事は無い。
乙姫でもいいはずだ。
私の戸惑いを、黎翔は違う意味で捉えたらしい。
「いや、乙姫が本名で無いというのは、宴で知ったんだ。周りの人間…という言い方は正しくなさそうだが…周りの者が『今代の乙姫様は、随分淑やかであらせられる』と言っていたので。」
「…淑やか?」
乙姫は別の所に反応した。
淑やか…普段の私を知っている者からすれば、これほど程遠い言葉は無い、と言うだろうな。
思考が飛んで行った私に、黎翔は顔を近付ける。
「それで、名前は何と言う?」
「―――わっ!ち、近いですっ!ちょっと離れて」
「―――名前を教えて頂きたい。」
「―――わ、手を握らな…っ、ゆ、夕鈴ですっ!夕暮れの夕に、鈴で夕鈴、それが、私の名前ですっ!だから離してっ!」
「―――夕鈴…夕鈴…か…。」
すると黎翔は、握っていた手に力を入れ、なお顔を近づけてくる。
―――何でっ!?名前を教えたのにっ!
これじゃ教え損だ。
実は黎翔は『名前を教えてくれたら離す』とは一言も言っていないのだが、混乱していた乙姫―――夕鈴は、そのことに気づかない。
「―――夕鈴、私と共に来てくれないか?」
「―――は?」
耳元で囁かれたにも関わらず、私は間抜けな声を出した。
――― 一緒に行く?誰と誰が?
私とこの人が?!
何でっ!?有り得ない!
だって私は乙姫で、この人は人間。
住む世界が違い過ぎる。
―――いや、それ以前に。
私はこの人の事を何も知らないし、どうも思っていない。
というか、この人も私の事を何も知らないはずではないか。
なのに何故こんなことを言うのか分からない。
―――――――――――――――――――――
というものでした~…
…ね?
手に負えないでしょうwww?
場所的には、④で夕鈴が「―――ひっ!だ、誰か…っ、むぐっ!」の台詞の後です。
全体的に狼っぽい。
なので、小犬を引っ張り出してきました。
そしたら、ちょいちょいセリフ回しとかも変わったので、↑のはボツ。
…このまま進んだら、どうしても私の力量では書けない展開になる所でした~(-_-;)
ふぅ~…危ない危ない(笑)
乙姫の部屋に侵入した黎翔。
そこで黎翔は、乙姫にとんでもない提案を―――?!
――――――――――――――――――――――――
【浦島パロディ】
【捏造】
耳元で囁かれたにも関わらず、私は間抜けな声を出した。
―――…一緒に行く?誰と誰が?
私とこの人が?!
何でっ!?有り得ない!
だって私は乙姫で、この人は人間。
住む世界が違い過ぎる。
―――いや、それ以前に。
私はこの人の事を何も知らないし、どうも思っていない。
というか、この人も私の事を何も知らないはずではないか。
なのに何故こんなことを言うのか分からない。
「初めてあなたを見た時、心が揺さぶられた。」
「―――はぁ…」
「これまで女性にこんなにも心動かされた事は無い。あなたが初めてなんだ。―――だから、夕鈴。私と共に生きてほしい。」
「はぁ…―――は?」
共に生きる?
それって…―――ええっ?!
それって求婚っ!?
最近多いわね…じゃなくて!
私とこの人は初対面でしょっ?!なのに何で?!
「わ、わ、私は乙姫ですっ!」
「知っている。」
「こ、この竜宮の主なんですっ!」
「それも知ってる。」
「こ、ここを出るわけには参りませんっ!ですので、お断りさせて貰います!!!」
乙姫は竜宮城から出ることは出来ない。
一生をここで過ごす。
ここで伴侶を決め、代々子孫へとこの竜宮を受け継ぐのだ。
その乙姫が人間とどこかへ行くなどとは―――到底あり得ない。
「―――夕鈴は、僕が嫌い?」
「―――え?」
「僕の事、好きになれない?」
いや、嫌いとか好きとかの以前に、あなたの事知りませんからっ!
住む世界が違う、初対面だという事を差し引いても、私はまだ結婚しませんからっ!
それに、さっきからころころ雰囲気が変わって、夕鈴の頭は付いていかない。
色々考えることが多すぎて、夕鈴は頭も目もぐるぐるさせていた。
それでも何とか頭の中を整理し、必要な事を話し始める。
「あ、あの…好きとか嫌いとか以前にですね…私、あなたの事何も知りませんし…そもそも初対面ですし…。―――突然部屋に入って来て、名前を知りたいだの、共に来いだの…あなたのやっていることは滅茶苦茶です。そもそも、どうやってここの部屋に―――。」
そこまで言って、はた、と夕鈴は思った。
乙姫の部屋を知っていて…尚且つ、ここまでこの人を連れて来られそうな者と言えば…
――――浩大っ!後でお仕置きよっ!!!
ここには居ない、この件の共犯者に向かって夕鈴は心の中で叫んだ。
すると、百面相している夕鈴にくすりと笑いながら、黎翔は夕鈴の髪を一房持ち上げ、それに口付けた。
「―――突然来たことは…先ほども言ったが、改めて謝罪しよう。済まない。―――しかし、あなたを想う心を掻き立てられ、ここまで足を運んでしまった。許してほしい。確かに滅茶苦茶だと思われても仕方が無い。でも…言ったことは全て本心だ。」
髪に口付けながら、私に向かって真剣な眼差しを向けてくる、紅い瞳。
その瞳に吸い込まれそうな何かを感じ、私の心はドクンッと跳ねた。
顔が赤くなるのが自分でもわかる。
黎翔の視線を避けるように、首を横に向ける。
―――おかしい。私、おかしいわ。
今まで求婚してきた奴らには、こんな感じしなかったのに。
心臓が跳ねたり、顔が赤くなるようなことは無かったのに。
この人の言葉や行動に、どうしてこんなに感情が揺れるのだろう。
「あなたは―――夕鈴は、私の事を知らないと言ったな。確かにそうだ。―――――では、一緒に居れば私の事も知って貰えるということだな。」
「―――は?」
私は再び間抜けな声を出した。
普段だったら、夕鈴はそんな声や顔をしたら忠臣に舐められる、と気を付けているが、黎翔の前だと抜けてしまう。
そんなことには気づいていない夕鈴だが、今はそれを気に掛ける余裕はない。
―――一緒に居る?どういうこと?
だってこの人は人間で、この竜宮に招いたのは一時的で…
どう考えたって、この場限りの出会い。
もうすぐさよならする人間だ。
―――どういう…
「私がこの竜宮に居れば良い話だ。―――許可を貰えるか?」
その声は、問うている口調だが、有無を言わせない雰囲気を出している。
しかもその雰囲気のまま、黎翔は顔を近付けてくる。
その雰囲気にすっかり気押された夕鈴は、近づいて来る男の顔から少しでも離れようと、後ろに反っていく。
夕鈴の手は黎翔に掴まれたまま。
すなわち自然と―――夕鈴に、黎翔が覆い被さるような形になる。
その事に気づいた夕鈴が、慌てて黎翔の胸を押し退けようとする。
「ちょ、ちょっと…離れて下さい!」
「夕鈴…私がここに居ても良いよう…許可が欲しい。」
「だ、だから、それは…む、無理ですっ!いくらなんでも、人間を竜宮に滞在させるわけには…!」
「夕鈴…是と言ってくれ。」
聞いちゃいない。
押し退けようとする夕鈴の抵抗むなしく、体はどんどん後ろへ――寝台へと押されていく。
そのうち体勢に無理が来て「あっ!」と思った時には夕鈴の背は寝台に着いていた。
それに黎翔は表情を変えずに、夕鈴の顔の横に手を着く。
顔を真紅に染めた夕鈴は、ただただ茫然と見上げる。
それにくっと笑った黎翔は
「そんなに可愛い顔をして―――ね、夕鈴。『是』と言って。でないと…襲っちゃうよ?」
「―――っっ!!!」
その顔は今までの顔の何倍も妖艶で―――
言葉を失っていると、黎翔はにやりと笑い、夕鈴に近づく。
その髪が夕鈴の頬に着いた時―――限界が来た。
「――――っ…わっ、分かりましたっ!滞在を許可しますっ!許可しますからっ!」
「―――本当に?」
「ほ、本当ですっ、だからっ…!」
吐息がかかるような距離に、それ以上言葉が紡げない。
とりあえず夕鈴から望みの言葉を聞けた黎翔は、残念そうに笑いながら夕鈴から離れた。
そして最後に一言。
「―――決まりだね。これから宜しく。夕鈴。」
宜しくじゃないわよっ!
何でいつのまにこんな展開にっ!?
―――誰か教えてーーーーっ!!!
乙姫の尋常じゃない苦労は、これから始まろうとしていた。
――――――――――――――――――――――――
帰らない浦島(笑)
いや、帰れよ!と突っ込んだのは私ですwww
ちなみに、SNSのコメントでぼやいていた、狼が過ぎて手に負えなくなった黎翔さん(笑)↓
―――――――――――――――
いきなり押し倒された。
「―――むぐっ!…っ…む~~~~っっ!!」
「暴れるな。何もしない。―――ただ話がしたいだけだ。」
何もしないって…もうこれは駄目でしょうっ?!
押し倒された経験などこれっぽっちもない乙姫は、赤くなるよりも青ざめた。
口は手で塞がれ、男の重い体重を掛けられて拘束されている。
何をするのか分からない人間の男に、これ以上ない恐怖を感じていた。
「叫ばないで」と言う男の言葉に、とりあえず従った。
拒否を示すと、何をされるか分からない。
手を口から離し、叫ばない事を確認した黎翔は乙姫の上から離れ、寝台の上に腰かける。
人間の男の拘束からとりあえず解放された私は、ゆっくりと起き上がる。
「―――まず、突然部屋に来たことをお詫びする。すまない。でも、どうしてもあなたと話をしたかったんだ。」
「―――はぁ…。」
まだ緊張が抜けない私は、間の抜けた声しか出ない。
「―――乙姫。貴女の本当の名前を、私に教えては貰えないだろうか。」
「―――私の、名前?」
そんなもの知ってどうなるのだろうか。
どうせ、この一度限りの出会い。
再び会う事は無い。
乙姫でもいいはずだ。
私の戸惑いを、黎翔は違う意味で捉えたらしい。
「いや、乙姫が本名で無いというのは、宴で知ったんだ。周りの人間…という言い方は正しくなさそうだが…周りの者が『今代の乙姫様は、随分淑やかであらせられる』と言っていたので。」
「…淑やか?」
乙姫は別の所に反応した。
淑やか…普段の私を知っている者からすれば、これほど程遠い言葉は無い、と言うだろうな。
思考が飛んで行った私に、黎翔は顔を近付ける。
「それで、名前は何と言う?」
「―――わっ!ち、近いですっ!ちょっと離れて」
「―――名前を教えて頂きたい。」
「―――わ、手を握らな…っ、ゆ、夕鈴ですっ!夕暮れの夕に、鈴で夕鈴、それが、私の名前ですっ!だから離してっ!」
「―――夕鈴…夕鈴…か…。」
すると黎翔は、握っていた手に力を入れ、なお顔を近づけてくる。
―――何でっ!?名前を教えたのにっ!
これじゃ教え損だ。
実は黎翔は『名前を教えてくれたら離す』とは一言も言っていないのだが、混乱していた乙姫―――夕鈴は、そのことに気づかない。
「―――夕鈴、私と共に来てくれないか?」
「―――は?」
耳元で囁かれたにも関わらず、私は間抜けな声を出した。
――― 一緒に行く?誰と誰が?
私とこの人が?!
何でっ!?有り得ない!
だって私は乙姫で、この人は人間。
住む世界が違い過ぎる。
―――いや、それ以前に。
私はこの人の事を何も知らないし、どうも思っていない。
というか、この人も私の事を何も知らないはずではないか。
なのに何故こんなことを言うのか分からない。
―――――――――――――――――――――
というものでした~…
…ね?
手に負えないでしょうwww?
場所的には、④で夕鈴が「―――ひっ!だ、誰か…っ、むぐっ!」の台詞の後です。
全体的に狼っぽい。
なので、小犬を引っ張り出してきました。
そしたら、ちょいちょいセリフ回しとかも変わったので、↑のはボツ。
…このまま進んだら、どうしても私の力量では書けない展開になる所でした~(-_-;)
ふぅ~…危ない危ない(笑)
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このあとの展開いろいろ想像しちゃうよね~←(゚Д゚)ノおい
黎翔さんはいろいろ深い?(;´∀`)