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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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言えない思い

皆様今日は(^O^)/

今日は清々しいくらいの天気です♪
…でも予報は雨とか雪とか←
晴れの日はいつかな~←

ではパラレルの続きです!


色々方法を試すも、それでも現代に帰れない事が分かった夕鈴は―――?


――――――――――――――――――

【パラレル】
【現代・原作どちらも出ます】



昼。四阿。
陛下との昼食は仲睦まじい演技夫婦の時間も兼ねている。
しかし午前中の出来事が私の思考を未だぼーっとさせていた。

「―――夕鈴、元気ないね。…また何かあった?」

演技中とはいえ、近くには人はいないので、小犬の雰囲気が入りながら黎翔は聞く。
しかし夕鈴は反応しない。
黎翔はそんな夕鈴の隣に座り、肩を抱き寄せた。
それでも夕鈴は気づかない。
さすがに不満に思った黎翔は、夕鈴の耳元で囁くように言った。

「…我が妃は何に憂いている?私では力になれぬか?」
「―――うひゃっ、いっ!?」

やっと気づいたらしい。
突然降ってわいた(と思っている)この状況に夕鈴は慌て、やがで場所を思い出して大人しくなった。
団扇で顔を隠し、少しでも黎翔と距離をとろうとする。
だが勿論黎翔は肩から手を離さない。
再び夕鈴の耳元に顔を寄せる。

「―――で?どうしたの?」
「―――っ耳元で言わないでください!こんな近くでなくても話は出来ます!」
「だって夕鈴、僕が肩を抱き寄せても反応ないし。何考えてるの?また未来の事?」
「―――!!」

夕鈴の顔が強張った。どうやら図星のようだ。
朝も元気がないと思ったが、原因は「それ」らしい。
朝は聞いてもにべもなく断られたが、こうも続くと気になる。
けれど、夕鈴は相変わらずだんまりを決め込んでいる。

「―――やっぱり僕には言えない?」
「―――…。」

言えるわけがない。
言ったところでなんになるの?
―――帰りたい、だなんて。
方法なんて、私にも陛下にもわからない。
どんな原理でこっちに来たのかもわからない。
分からない事だらけのこの状態で、陛下に「帰りたい」だなんて話して、なんになるの?
困らせるだけだろう。
夕鈴の心の中は、半ばやけっぱちだった。
再び考え込んでしまった夕鈴に、黎翔は肩に手をやっていない、もう一方の手を夕鈴の膝裏に回し持ち上げて、自分の足の上に夕鈴を乗せた。

「―――わっ!へ、陛下?!何…」
「―――君が憂いていることについては、私も色々考えた。」
「―――」
「当たり前の生活から、大切な君の家族から、突然引き離された夕鈴の気持ちは、私には計り知れないのだろうな。」
「―――」
「―――私では、代わりにならないか?」
「―――え?」
「―――私では、夕鈴の寂しさを、少しでも少なく出来ないだろうか。」

悲しい顔をしてほしくない。
笑顔でいて欲しい。
周りに頼ることを知らない君の力に、少しでもなれたらと思う。
そんな気持ちから言ったのだが―――

「―――すみません。」
「ゆう…」
「―――代わりなんて、ないんです。代わりになんて、誰もなれないんです。私の家族や友人の代わりには。」
「ゆうりん…」
「―――陛下のお気持ちは、素直に嬉しいんです。でも…」
「…。」
「それでも…っ 私は……家族に…会いたい…っ」

そう言うと夕鈴は顔を団扇で覆い隠し、咽び泣いた。
声を押し殺し、感情を抑えるように。
傍目には、王の膝に座っている妃が恥じらって震えてるように見えるだろう。
僕はその震える背中を、ただ撫でてあげることしかできなかった。



************************

「お主、顔色があまり良くないのう…。」
「…そうですか?」

午後。立ち入り禁止区域。
お昼に陛下の前で泣いてしまった。陛下は何も言わずに背中を撫でてくれた。
その感覚が心地よくて、少し微睡んでいたけれど、その時李順さんが陛下を呼びに来た。
ちっ、と舌打ちが聞こえたような気がしたが、気のせいだろう。
陛下は私の頭を撫でて膝から私を降ろして、そのまま四阿を後にした。
私はその後も少しぼーっとしていたけど、このままここに居ても何もないので、掃除の為に一旦自室へと戻った。

「今日はもうこのくらいにして、早めに休んではどうかね?」
「…そんなに顔、悪いですか?」
「そうじゃな。」

そんなにか。
確かに何だか体もだるい気がするし、今日は稽古をする気分にもなれない。
掃除も、何だか注意力散漫な気がするから、あまりはかどらないだろう。
そう思った私は溜息をついて頭巾を外し、着替えをするために部屋を後にした。

*************************

「…なあ、李順。」
「何ですか陛下。そちらの懸案に、何か不備でもございましたか?それともこちらの件ですか?」
「いや…、この懸案はこの点をもう一度見直せ。ああ、その件は宰相に回せ。」
「わかりました。」
「―――ではなくて、李順。」
「何ですか?」
「夕鈴の事なんだが…」
「何かございましたか?何か粗相でもしましたか。」
「いや…ただ…最近元気がないんだ。」
「はあ…。」
「どうやら未来のことや家族のことが頭から離れないようなんだけど…。」
「まあそうでしょうね。本当に未来から来たかはともかく、ご自分の家族には会いたいでしょうから。」
「…やっぱり、帰りたいのかな…。」
「…?陛下は帰したくはないのですか?」
「…分からない。」
「何故ですか?」
「夕鈴は明るいし、面白いし、傍に居ると落ち着く。傍に居て欲しいとは思うけど…悲しい顔は見たくない。」

李順は心の中で溜息をついた。
どうやらこの主は、臨時のことで頭を悩ませているらしい。

「…陛下。お忘れなきよう、心に留め置いてください。夕鈴殿は臨時です。一時的な花嫁ですよ。本当のお妃ではないんです。いつかは、ここから出ていかれるんですよ。」
「…それがいつかは分からないのだろう?」
「それでも、いつかは然るべき場所に帰る人です。あんまり肩入れなさると、辛いのは陛下ですよ。」
「…。」
「それに陛下は、いつか然るべき家柄の方をお迎えするのです。それには…お分かりでしょう?」
「…ああ。」

その時に、臨時の妃がいて、そちらに肩入れしていたのでは示しが付かない。
正直後宮のごたごたはうんざりしていたが、それに夕鈴を巻き込むのは…本意ではない。
だがその時まで夕鈴がいるという保障もないのだ。
今くらい、夕鈴のことで頭を悩ませても良いだろう。
黎翔はそんなことを考えていた。


――――――――――――――――――――


陛下が揺れております。
悩め、青少年!←酷

李順さんは現実を一番認識してる人だと常々思う。今日この頃。


「代わりなんていない」

というセリフが、個人的に好きです。
誰も、どんな事も。
例え、どんなに以前より良くなったとしても。
代わりなんてこの世にはないんですよね。
…と、しみじみ語ってみる←


次回予告↓

日に日に元気が無くなる夕鈴に、揺れる黎翔。
そんなある夜。信じられない事が―――――――――!

次回!
第4話「予期せぬ出来事
お楽しみに!
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「狼陛下の花嫁」の二次小説を書いています。
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