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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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学ぶ事は… 2

続き&終わりです♪

何やら色々と大変そうな黎翔の家庭教師をすることになった夕鈴は――?

―――――――――――――――――――――

とまあ…その後も色々紆余曲折あって、私たちは恋人同士になった。
黎翔君に告白されたり、私も恋心を自覚したり、教授が色々仕掛けてきたり…本当に色々あったわ。
でも、今は先生と生徒。
ちゃんと勉強に集中させなくては。
気合を入れ直した夕鈴。
しかしその時、資料を見ていた夕鈴に影が差した。

「―――ん?」
「―――夕鈴…僕の事好きだよね?」
「―――え…えっ?な、何、どうしたの?」

テーブルの対面に座っていたはずの黎翔に、いつの間にか間合いを詰められていた夕鈴は、その距離の近さに挙動不審になった。

「あ、あの、ちょ、近すぎ…っ」
「……会っても夕鈴は勉強の事ばかり…。僕たち恋人同士だよね?」
「は?…突然何を…」
「だって…せっかく恋人同士になっても、夕鈴何も変わらないし。―――僕が何かしようとしたら、すぐに逃げるか、邪魔が入るし…」

そうなのだ。
告白されて、でも困惑して、避けても避けても会いに来るから、私は黎翔君を意識せざるを得ない状況に追い込まれた。
子供だと思って、安心してた。
でもいつの間にか、私の気持ちも揺れ動いて、黎翔君への気持ちが育っていった。
そして告白を受け入れ、私たちは恋人同士に…なった。
でも、私は恋愛経験値がゼロの初心者。
どうすればいいのか、正直分からない。
だから黎翔君の言う事、しようとする事に戸惑うばかり。
今だってそうだ。

「…えっと……」
「―――だから、決めた。」
「――――――は…?何を………っ!?」

返答しあぐねていると、突然手を握られた。
そして――――――視界が反転した。
衝撃に目を瞑り、そして目を開くと、黎翔君の向こうに天井が見えた。
押し倒されたのだと分かった時には、黎翔君の顔がもうすぐ目の前にあった。

「―――っ!?ちょっ、ちょっと…っ!何するのっ!」
「何って……何をするんだと思う?」

そう言って黎翔君は妖艶に微笑む。
絶対、高校3年生がするような笑顔じゃないと思う。
夕鈴はそう思った。
そして何だって私は年下に良いようにされてるのよ~!

「は、離してっ!どいてっ!」
「やだ。」
「な…っ!」
「だって、これまで一度も…付き合ってから1ヶ月以上も何もしてないなんて、恋人って言えるの?言えないよね。」
「そ…っ…そんなのっ…」
「…ん?」

黎翔君は素知らぬ顔で私の抗議を受け流し、自分の主張を重ねてくる。
「そんなの知らないわよっ」と言おうとした夕鈴を、黎翔は顔を更に近づける事で封じた。
鼻と鼻がくっつきそうな程近い距離である。
夕鈴は息を呑んだ。
今までも何度かキスされそうになったけど、その都度逃げたり、何故か邪魔が入ったりと、結局したことはない。
別に、黎翔君の事が嫌いなのではない。
キスも…したくないわけではないのかもしれないと思う。
でも…もうちょっと待ってほしい。
私にとっては、やっと、やっと1ヶ月ちょっと前に気持ちを自覚したばかり。
甘い言葉にも、甘い雰囲気にも慣れていないのだ。
慣れる気がしないけど。

「ま、ま、ままま、待って…っ」
「僕は、もう十分待ったよ。」
「そん…っ」
「大丈夫だよ。……怖い事は何もしないから。」

そんな言葉で安心できるかーーーっ!
今、今目の前にいる人は誰なの!?
紅い瞳の奥に、知らない男の人が居るみたいで…
夕鈴はその視線を避けるように目を瞑った。

「夕鈴……それじゃ逆効果だよ。」
「っ!!?」

吐息を唇に感じた―――――――――その時

ピンポーン

「…」
「…」

夕鈴は目を開ける。
黎翔も少し体を浮かした。
が、すぐに思い直し、黎翔は構わず続けようとした………が。

ピンポーン

夕鈴は黎翔の胸をぐいぐい押し始めた。
誰かが来たというのに、続きをしようとする黎翔を止めようとした。
だが、黎翔は退ける気が無い。

「ちょ、誰か来たみたいだから…っ、行かないとっ…!」
「別に無視してもいーんじゃない?それより、今はコッチ。」
「いや、だからっ、ちょ、ちょっと…止め…っ!」

ピンポン ピンポン ピンポーーン

「…」
「ほらっ…!早く退いてっ!出なきゃっ!」
「―――」

黎翔は仕方ないとばかりに溜息を吐き、夕鈴の上から退いた。
夕鈴はほっと一息つき、そしてすぐに立ちあがって玄関に向かった。
急ぎ足で。
黎翔はその後ろ姿を見ながら「あともうちょっとだったのに…」と残念そうにしていた。
すると、玄関から夕鈴の大きな声が聞こえた。

「――――えっ?珀教授っ?どうしてこちらにっ?」
「いや~…ちょっと嫌な予感がして……ではなく、ちょっとこの辺に用事があってね。ついでに寄ってみたんだ。」
「そうなんですか…」

この辺…住宅街がほとんどだったような気がしたけど…どなたかお知り合いでもいらっしゃるのかしら?

「おや?もしかしてうちの息子がお邪魔しているのかい?」
「あ…はい。」

珀教授は、黎翔君が私の家で勉強を教わっていることをご存じだ。
もちろん、恋人同士になったことも。

「―――お邪魔だったかな?」
「はい?」
「邪魔です。」

教授と話していると、黎翔君が奥から出てきた。
この二人は、最初こそ仲が悪かったものの、私と黎翔君が家庭教師の先生と生徒になってからは、話す機会が増えた…んじゃないかと思う。
会うたびに火花がバチバチいってる気がしないでもないが。

「僕がここに居るのを知ってて、わざと来たんでしょう?本当に、邪魔な父ですね。」
「おや、私はここにある靴を見て、初めてお前がここに居るのを知ったというのに…心外だな。息子を想う親心が分からんとは…」
「息子を邪魔する出歯亀根性しか感じませんが?」
「あの…お二人とも、ここは玄関ですので…中に入りませんか?」
「おおっ!汀さんは気が利いていて素晴らしいっ!うちの息子にも見習わせたいものだ。」
「僕は貴方さえいなければ、最低限の気は使いますが?」
「ちょ、黎翔君…」

また始まった。
この二人は、会ったらすぐに喧嘩する。公衆の面前だろうとお構いなしで言いたい放題言うものだから、こちらが気を使う破目になる。
なお言いあう二人を部屋に押し込み、夕鈴は教授の分のお茶を淹れようと台所へと向かう。

―――そういえば、以前も黎翔君がキスしようとしてきたことがあったな…
その時も、偶然教授が通り掛って「おお、そこに居るのは汀さんじゃないかっ!」と大声で手を振ってこちらに向かったっけ。
思えば、教授とは黎翔君と会ってから、更に会う機会が増えたな。
付き合いだしてからは、黎翔君と会う度に教授とも会っている気がする。
息子さんが心配なのかしら。
夕鈴は不思議に思いながら「そういえばこの間明玉からもらったお菓子があったっけ」とお菓子が入っている戸棚を開けた。


**************

「―――どうしていつも邪魔ばかりするんです?」
「邪魔?そんなの一度としてした覚えはないが?」

ここは夕鈴の部屋。
夕鈴が言い合う二人を「黎翔君は勉強の続き!教授は、今お茶を入れているので待っていて下さいっ!」と、ここに押し込めた。
部屋の主人が居ないのに、男二人で女性の部屋に居るなんて、複雑だ。
でも夕鈴が居ない今の機会を、父親の糾弾に使う事にした。

「はっ…ご冗談を。覚えていないとは言わせませんよ。―――映画で良いシーンの時、私が夕鈴の肩を抱いてキスしようとしたら『それ!そこだーっ!』と誰かさんに大声を出させて夕鈴の気を逸らしたのは誰ですか?」
「さあな。」
「まだありますよ。私が夕鈴の大学に行き、校舎裏に夕鈴を連れていった時も、貴方が上から話しかけてきましたよね。」
「おや、あの時は偶々お前たちを見つけたから、挨拶をと思って声を掛けただけだよ。…それとも、何か企んでいたのかい?」
「―――」
「そこで黙るな。」
「まだあります。この間町へ夕鈴とデートしに行って、公園で二人っきりになって良い雰囲気になった時も、貴方が声を掛けてきたせいでぶち壊しになりました。」
「あれはだね…」

父親がなお言い募ろうとするのを、黎翔はもういいとばかりに止める。

「言い訳は結構。―――父上、貴方は私たちの中を認めてくれたのでは?」
「認めているさ。」
「では何故邪魔ばかりするんです?」
「その邪魔というのには全く覚えがないのだが…一つだけ言っておこう。」

ここまで来てもまだ白を切る父親に、舌打ちしそうになる気持ちを抑える。

「…何ですか。」
「汀さんは今時珍しいほど初心な学生だ。異性の事も恋愛の事もこれまで縁がなかったのだろう。皆見る目が無い。だから、お前のように飢えた狼の様な息子に、大事な教え子を餌食にさせるのは忍びない。」

その実の息子を目の前に、酷い言い草だ。
飢えた狼の様な…は否定しない。
これまではそんな気持ちにはならなかったが、夕鈴を目の前にすると話は別だ。
手を出したくてしょうがない。

「そこでだ。父親としては、二人の中は認める。しかし教授としては、教え子の身の安全のために認めるわけにはいかない。」
「普通、逆じゃないですか。」

教授という社会的立場からは認めるが、父親としては認めんっ!
…という親が居る事は、何となく分かる。
しかし、逆という事例はあっただろうか。
いや、聞いた事が無い。

「少なくとも汀さんの気持ちが追い付くまでは、お前が突っ走るのをこれまで通り止めさせてもらう。」
「邪魔していた事を認めましたね。」
「お前はもう分かっていたんだろう?」

再びバチバチと火花が散る。
そこで、やっと夕鈴がお盆を持って部屋にやって来た。

「お待たせしました。お菓子を出すのに苦労しちゃって…。はい、教授、どうぞ。」
「有難う、汀さん。」

そこにはにっこり笑顔の教授。
寸前まで息子と対決していたとは思えない爽やかさが滲み出ていた。
夕鈴は良い機会だと、教授に話しかける。

「教授。いつも黎翔君をお預かりしてますが…偶にはご家族でどちらかに行かれたりはしないのですか?」
「う~ん…私も息子も、結構忙しい身でね…難しいんだよ。」
「そうですか…。――――では、偶には教授のご自宅でお勉強をいたしますか?」
「私はそれでも構わないが…」
「僕は嫌だよ。」

黎翔が即答する。
いつもの事なので夕鈴は慣れているが、実の父親の前でそれはないだろう。
夕鈴は嗜めようとした。

「黎翔君。お父さんの前でそんな言い方はないでしょう。」
「汀さん、私は気にしてませんから。」
「でも…教授…」

それでいいのか、と目線で教授に問い掛けたが、笑顔を返されただけだった。
暫くお茶の飲む音だけが室内に響く。
自分の部屋なのに、何だか居心地悪い空気を感じていると、教授から話しかけられた。

「汀さん。何か息子の事で困っていることはないかね?」
「え?」
「息子はコミュニケーションが下手だから、時々汀さんが困るような事をするかもしれない。そう言う時は、遠慮なく私に相談しなさい。もちろん、論文に困った時の相談も受け付けているからね。」
「は…はぁ…。いえ、ありがとうございます、教授。でも、黎翔君は本当に優秀な子で…寧ろ私がご迷惑かけてるんじゃないかと思っています。」

成り行きで家庭教師なんかやってるけど、本当はこの子には必要ないのだろう。
寧ろ、黎翔君の時間を無駄に使わせているみたいで忍びない。

「夕鈴、僕はそんな事…」
「ううん。だって、私の方がお姉さんなのに、全然知らない事も多いし…きっと、黎翔君は早くに働いていて、大人の世界に入ってるから、私は子供に感じるんじゃないかって…」

恋愛事情には疎いし、勉強にしても私より色々知っている。
夕鈴は時々、自分が酷く子供に感じる。

「そんな事、僕は思ってないよ。」
「そうだ、汀さん。君は君が思っているほど、子供ではない。周りの事をちゃんと考えて行動が出来る、立派な大人だ。自信を持った方が良い。」

黎翔と教授が夕鈴を慰めようと、言葉を募らせる。
その様子に温かいものがこみ上げ、夕鈴は笑顔になる。

「…有難うございます。お二人とも。……ふふっ」
「…どうしたの?夕鈴。」
「いや、こうして見ると、やっぱり親子なんだな~…って思って。」
「…」
「…」

親子は顔を見合わせ、複雑な表情をした。
その時

ピンポーン

「あ、また誰か来たみたい。ちょっと私出てきますね。」
「あ、うん。」

夕鈴はそう言って再び部屋から出ていった。
そして、また二人きりになる。

「…ふ。『優秀な子』か…。まだまだ黎翔も子供扱い、というわけだな。」
「…。」
「…まあ、若人よ、せいぜい頑張ると良い。父は陰ながら見守りつつ妨害を」
「応援しているのか、邪魔しているのか、どちらかにして貰えませんか。」

まだまだ夕鈴と僕の距離が縮まるには、時間と手間が必要らしい。
努力あるのみ…だな。
黎翔は、これから先は長い―――――と溜息を吐いた。


――――――――――――――――――――――――

リク内容は

『どちらかが家庭教師で、両想いで親公認♪とか?細かいとこは任せます!』

です♪

長いお話を、無理やり2回に分ける力技を発揮(笑)

この話、無駄に設定が面白…多いので、続きをリク主のN様が書いて下さる的な事を聞いております(^u^)

…何やら先ほどリク主様に、続きを期待されていましたが…←

私が書くとしたら、続きではなく過去に遡って、夕鈴の苦労話とか黎翔君の危な…踏ん張る話だとか、そっちだもん!←

続きは今のところ、頭にない!←威張るな


では!


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*Comment

NoTitle 

続きが読めるなら、N様でもさきさんでもOKですよ~^^

黎翔くんの手の速さにあっぱれ←

お父さんがなぜか氾大臣に思えるのは気のせい?(;・∀・)
  • posted by ママ 
  • URL 
  • 2013.12/11 13:51分 
  • [Edit]

ママ様へ 

では…N様にお頼み申し上げ!←おい

きっと黎翔君と夕鈴は、くっつくまで様々な困難と妨g…と、壁があったに違いない(笑)

お父さんは、私の中では完全にオリキャラなのですよ←
お邪魔虫(笑)
  • posted by さき 
  • URL 
  • 2013.12/11 14:58分 
  • [Edit]

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