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雪の箱庭

「狼陛下の花嫁」二次小説を書いています。SNSで書いたものを掲載します。

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兎の取り扱い

皆様今日は!(何度目だ

こちらはSNSで仲良くして下さってる、M様へとプレゼントしたお話です!
もういつ書いたのか…ちょっと前の記憶なのに思い出せない(>_<)
でも、確かメッセをしながら、1時間ちょっとのクオリティだったことは確か!(何故それは覚えている

というわけで、どうぞ!

―――――――――――――――――――――

【原作設定】
【捏造】



「…あら?兎?」

夕鈴は立ち入り禁止区域でいつものように掃除をしていた。
今掃除している場所の埃は執拗で、一度の掃除では簡単に落ちない。
なので、必然的に同じ場所にも通う事になるのだが、今日はいつもとは違う光景がそこにはあった。
その部屋にある寝台に、白い物体があったのだ。
近づくと、その物体は寝台の奥へと逃げる。
どうやら生物の様だと思って、ちょっとだけ帳を開けてみると、そこに居たのは兎だった。
真っ白な毛をちょっとだけ汚して、寝台の隅で震えている。

「…どうしたの?寒い…訳は無いわよね。」

今は寒い季節ではないので、建物内であるここは寒くは無い。
とりあえず夕鈴は様子を見ていたが、その兎もこちらをじーっと見るだけで動こうとしないので、そ…と寝台に上がる。
その瞬間びくりと兎は動くが、それ以上は動こうとしなかった。
ゆっくり近づき、手を伸ばす。
震える背中を撫でる。

「……どうしたのかしら。お腹が空いてるの?」

話しかけてみるが、兎はただこちらをじ…と見るだけ。
もうちょっと近づいてみよう。

「…あら?」

よく見ると、兎の足には傷があった。
血が滲んでいて、痛そうだ。

「怪我してたのね…痛みで震えてたのかしら…」

あまり大きな怪我ではないものの、兎の痛みを考えると、夕鈴の眉間にも皺が寄った。
夕鈴は被っていた頭巾を外し、兎の足に巻きつける。

「ちょっとこれで我慢しててね。今、老師の所へ連れて行くわ。」

兎は頭巾を巻き付けている時も特に抵抗せず、大人しくされるがままであった。
それでも安心させようと夕鈴は頭を撫でる。
兎はそれが気持ちいいのか、目を閉じる。
よしよし…と撫で続けると、兎から緊張感が抜ける。
そろそろ良いかしらと夕鈴はその体に手を伸ばす。
兎はもう特に身構えない。

「よし。じゃあ、行きましょう。」

兎の体を包み込むように持ち上げる。
その手つきは安定感があり、兎も落ち着いて身を任せた。
兎が大人しくしてくれているので、夕鈴からも自然、笑みがこぼれる。
そして夕鈴は、そのまま寝台を降り、老師の元へと向かった。



「老師ー?こちらですかー?」
「なんじゃ?お前さんから呼ぶとは珍しいのぅ…」

いつも老師がいる部屋へと向かった夕鈴は、煎餅をばりばり食べている老師を見て、一瞬眉根を寄せるが、今は別件で訪れたので後回しにすることにした。

「この兎なんですけど…足に怪我をしてるみたいで…診てもらえますか?」
「兎?ここに居たのか?」
「はい。」
「ふむ…どれどれ……これなら、塗り薬を塗って2、3日もすれば良くなるじゃろう。」
「本当ですか?……良かった。」

夕鈴は一先ず安心した。
2、3日で治る怪我なら、そんなに酷くは無いのだろう。

「それにしても、後宮に迷い込むとは…珍しいのぅ…」
「今までもあったんですか?」
「迷い猫なら何度かあるんじゃかのぅ…兎は初めて聞いたわい。」
「そうなんですか…」

そういえば、この兎はどこから来たのかしら。
見たところ、そんなに大きくないので子兎くらいかな?
じゃあ、親兎がどこかに居るはずなんだけど…

「やっほ~。何してんの?」
「浩大…。」

老師と二人で兎を見ていると、窓から浩大が入って来る。

「ありゃ?兎?」
「そうなのよ…どうやら迷子みたいで。それに、怪我もしてるし。」
「へぇ~…。で、お妃ちゃんどうすんの?」
「どうするって…放っておけないわよ。」
「だよね~。」

浩大が茶化すように言うので、夕鈴はむっとした。
何だか面白がっているようで、こちらとしては面白くない。

「とにかく、私がここで面倒を見るわ。」
「え?でも、夜とかどーすんの?」
「あ…」

そこまでは考えてなかった。
夜は陛下が部屋に渡って来る、夫婦演技の時間だ。
でも…怪我をした兎を放っておくのも嫌だな、と夕鈴は思う。
その時、部屋の入口から声が掛かる。

「どうしたんだ?みんなで集まって」
「あっ!陛下!」

声の主は今まさに考えていた人物だった。
夕鈴はそちらに振り返り、とてて…と近づく。

「それが…どうやら兎が迷い込んできたみたいで…しかも、怪我してるんです。」
「兎?」

そこで黎翔は卓の上を見る。
そこには治療を受けたと思われる兎が一羽居た。
人間が増えたことで警戒しているのか、じ…とこちらを見つめてくる。
くりくりした目が夕鈴みたいだ、と黎翔は思う。

「私がお世話したいところなんですが…夜は演技の事もありますし…。どうしようかと思いまして。」
「そうか…」

黎翔は夕鈴の話を聞きながらも、頭の中では別の事を考えていた。
夕鈴の恰好はいつもの掃除婦スタイルなのだが、頭がいつもと違った。
メガネは掛けているものの、頭巾を被っていないのでいつもの髪形とは違うのが強調されている。
長い髪の毛をお団子にしていた。
そうか、頭巾の中はこうなっていたのか、と妙なところで納得した黎翔であった。

「そうだ!陛下、私の部屋に連れて行っても良いですか?」
「え?」

夕鈴は妙案だ、と言わんばかりに話す。

「夜に立ち入り禁止区域には来られないので、いっそ私の部屋に連れて行ったら良いんじゃないかと…兎はそんなに暴れませんし…。―――駄目ですか?」
「えっと…」

そう言いながら、夕鈴は上目遣いで僕を見上げてくる。
その顔は、否定の言葉を言おうものなら失望させてしまうんじゃないかとか嫌われるんじゃないかと思うほどのものだった。
黎翔は言葉に詰まり、ちょっと視線を逸らした。
すると、途端に夕鈴は焦り出す。

「あ、そんなに長い期間じゃないですっ。老師が言うには、2、3日で治るみたいなので、その間だけお世話するということで…。―――やっぱり、駄目でしょうか…」

しゅーん…と、見えない兎の耳が垂れたように夕鈴の気持ちが萎んだのが分かる。
それを見た黎翔は慌てて

「いや…そんなに長くないなら、良いんじゃないかな…」

と答えた。

「本当ですかっ?」

途端に夕鈴が元気になる。
垂れていた耳が持ち上がるようにぱっと元気な様子に、黎翔も苦笑いする。

「ああ。―――まあ、李順には内緒だね。あいつはちょっとうるさいから。」
「はいっ。分かりましたっ!陛下、ありがとうございますっ!」

夕鈴の笑顔に、黎翔も「まあいいか」と思った。
その二人の様子を、にやにやしながら老師と浩大が見ていた。


**************

「兎…ですか?」
「はい。老師のところで迷い込んでいるのを見つけまして…連れてきちゃいました。」

後宮の妃部屋に戻ると、早速夕鈴は侍女の人たちに事情を話した。
怪我をした兎が迷い込んだこと。
2、3日だけ世話をすること。
陛下には了承を貰っていること。
侍女さん達も否定的ではなく、むしろ可愛がっているようだった。
兎も特に暴れず、大人しく撫でられていた。
その光景が微笑ましく、夕鈴も知らず笑みがこぼれていた。



夜。
政務を終えた黎翔は、いつものように夕鈴の部屋を訪れる。
いつもならすぐに夕鈴が出迎えるのだが、今日はちょっと違った。

「―――あ、陛下。すみません。今うさちゃんの包帯を替えておりまして…」
「いや…」

黎翔は出迎えた侍女に「お妃様は寝室にいらっしゃいます」と言われ、そちらに行ってみると、夕鈴が寝台に座って籠の中の兎の手当てをしているところだった。

「―――これで良しっ。早く良くなると良いわね。」

そう言いながら、兎の背中を撫でる。
その顔は優しく、慈しみのある顔であった。
それに、思わず見惚れてしまった黎翔。

「―――?陛下?どうされましたか?」
「いや…」

そう言って黎翔は片手で口を隠す。
夕鈴は「?」を思い浮かべるも、特に気にせず立ちあがる。

「…あら?侍女さん達は…」
「ああ、もう下がらせたよ。」
「…良いんですか?」

その目は「まだ夫婦演技してないのに」と言っていた。
だから黎翔も「良いんだよ」と頭に手を置いて微笑んだ。

「あの兎は、まだ動けないの?」
「動けないと言うほどではないと思いますが…。ぴょんぴょんとは跳ねれないと思います。」

表面的な怪我は大したことは無いが、打撲もしているらしく、あの兎は最初寝台で動いた時以外はあまり動いていない。
それでも2、3日安静にしておけば傷と一緒に回復すると老師は言っていた。
なので、あまり兎の負担にならないように世話をしよう。
そう思う夕鈴なのであった。


***************

3日後。
傷も良くなり、包帯も取れた兎は、最初に見た時よりも元気そうだった。
昨日は部屋を動き回ってもいたし、打撲の方ももう良くなったのだろう。
夕鈴にも慣れてくれたのか、最初の頃の警戒心は無く、腕で抱っこしても大人しくしている。
今日は、立ち入り禁止区域の庭に放そうと思っている。
陛下の休憩時間に合わせ、一緒に行くことにした。
夕鈴は腕に兎を抱いたまま、黎翔にある提案をした。

「そうだ、陛下も抱いてみます?」
「え?」

黎翔は少し戸惑った。
動物なんて抱っこしたことがない。
食べるために捕まえたことがあるくらいだ。

「大丈夫ですよ。この子は大人しいので…」

そう言って、夕鈴は腕の中に居る兎を黎翔に渡そうとする。
落とさないように慎重に渡そうとする夕鈴は、意外と黎翔と距離が近い事に気付かない。
ちょっとドキドキしながら、黎翔は兎を受け取ろうとするも、そもそも兎の抱き方を知らない。
覚束ないその手付きは兎にも伝わったらしい。

「「―――あっ!!」」

夕鈴と黎翔は同時に叫ぶ。
兎は後ろ足で黎翔から逃げてしまい、回廊に降り立った。
そのまま回廊を駆け抜ける。

「―――待ってっ!何処に行くの?」
「あ、夕鈴っ。」

その後を追いかける夕鈴。
その夕鈴を追いかける黎翔。
兎は立ち入り禁止区域の回廊を進み、そのうち庭に出てしまう。

「あ、庭に…」

夕鈴はそれを目で追う。
今は妃装束なので荒れている立ち入り禁止区域の庭に進もうか迷う。

「――夕鈴、兎は…」
「あ…そこに居ます。」

しかし、兎は庭に出るとそこで止まった。
黎翔も追い付き、二人で兎を見つめる。

「どうしたのかしら…。」
「さぁ…」

その兎は、こちらを見るばかりで、動こうとしない。
夕鈴と黎翔は顔を見合わせるも、戸惑うしかない。
すると、庭の藪の中から別の影が飛び出す。

「―――あ、兎…」
「別の兎だね。」

その兎は夕鈴が世話した兎よりも大きく、その子兎に近づく。
すると、子兎の方も大きい兎の方に顔を擦り寄せた。

「もしかして…親かしら…?」
「…そのようだね。」

二羽の兎はこちらに振り向き、暫く見つめた後、藪の中へと消えて行った。

「…行っちゃいましたね…」
「…寂しい?」

夕鈴が呟くと、黎翔が聞いて来る。

「――いえ。元気になって良かったです!」

夕鈴は明るく言う。
怪我をした兎を見た時は痛々しかったが、元気になった姿を見て、親とも再会できたのだから、良かった。
少し寂しいのは仕方ないけれど。
ちょっとだけ残念そうに袖で顔を隠していると、ぽんと頭に手が置かれる。

「―――陛下?」
「――良かったね。…僕は結局あの兎を抱っこ出来なかったけど。」
「あ…」

黎翔はちょっとだけ残念だった。
別にあの兎に思い入れがあったわけではないが、夕鈴が嬉しそうに世話をしていたので、今思えば、自分も少しだけその気を味わいたかったのかもしれない。

「もしかしたら、また会えるかもしれませんよっ。その時に抱っこしてみましょうっ!」

夕鈴は僕が兎を抱っこ出来なくて残念だと思っているのか(半分はあっているが)、元気づけようと焦って話しだす。
その夕鈴を見て、黎翔は苦笑する。

―――あの兎には逃げられたけど、こっちの兎には逃げられたくないな。

黎翔は夕鈴の方を見ると、突然抱き上げる。

「―――ッ!へ、陛下っ?!何ですかっ?突然…」
「本物の兎の抱っこの仕方も良いが―――」

不意打ちのように抱き上げられた夕鈴は慌てるものの、妃衣装なので大した抵抗は出来ない。
黎翔はそんな夕鈴に微笑み

「――今はこの腕の中の兎の抱き方を知れたら良いかな。」

そう言って戻ろうと踵を返す。
夕鈴を抱き上げたまま。

「――ちょっ、私は兎じゃありませんよっ!!!」

夕鈴は赤くなり降りようとするものの、黎翔が離さないので、結局後宮の自室まで運ばれる事となった。



―――それはある日の後宮での出来事―――…


――――――――――――――――――――――――

ほんのり癒し系(*´ω`*)

何が捏造って、陛下の心象ですよ(笑)
だってあの人本誌でも中々本音を心象に出してくれませんし←

本当に夕鈴が好きなのかさえ、巧みに隠してる気がするし!←そう思うのは私だけ?!

兎って可愛いですよね!
指を目の前に出すと、ちょいちょいはむはむしてくれたり( ´艸`)
動作が可愛い////

夕鈴を形容するには、確かに兎がぴったりと思っている、今日この頃でした~。

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*Comment

NoTitle 

その節はども~(笑)( ̄∀ ̄)

うさぎチャンは確かに可愛い。:.゚٩(๑>◡<๑)۶:.。
あのふわふわの毛クリックリの目・・・・うん。思い出しても抱っこしたくなる(*≧m≦*)

一時間クオリティとは思えないお話ですよ(#^.^#)

癒しなお話ありがとう♡
  • posted by ママ 
  • URL 
  • 2013.12/16 15:32分 
  • [Edit]

ママ様へ 

いいえ~(^u^)

兎…そこにいたなら、確実に追いかけて追いかけて…捕まえられなくてしょぼーん(´・ω・`)ってなります(捕まえられないのかよ

こちらこそありがとうございました~(^_^)
  • posted by さき 
  • URL 
  • 2013.12/16 16:35分 
  • [Edit]

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